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保育士の有効求人倍率と就活エピソード

就活をしていて、「有効求人倍率」という言葉を聞いたことはないでしょうか。 これは、世の中にあるお仕事が、1人あたりどれぐらいあるのかを表す数字です。 みなさんがこれから就職する保育業界を見てみると、近年はまれにみる保育士不足の状態となっています。ただ、保育士不足の状況は地域によって温度差があります。

有効求人倍率約2倍?保育士さんの就活エピソード
そこで今回は、都道府県別の保育士の有効求人倍率は一体どれくらいなのか。データ以外にも、実際に就活した保育士さんのエピソードなども合わせてご紹介します。



保育士の有効求人倍率

2016年11月時点の保育士の有効求人倍率は、全国平均で2.34倍。これは求職者1人につき、求人が2件以上あることを意味します。 言い換えると、求職者は2つの就職先から条件の良い就職先を選択できますので、非常に就職しやすい状況と言えるでしょう。


有効求人倍率は月によって変動します。保育士は4月の新年度に合わせて募集されることが多いため、毎年5月頃が一番低く、そこから徐々に上がっていき、1月頃がピークになります。例えば2015年度の場合、5月の有効求人倍率は1.25倍でしたが、1月には2.44倍まで上昇しています。


対して、職業全体の有効求人倍率は、25年ぶりに高い水準とされた2016年度の数値でも1.36倍となっており、同時期の保育士の有効求人倍率を下回っています。 保育士の有効求人倍率は、他の業界と比較して、非常に高い数値であると言えますね。 さらに、保育士の求人倍率は今後も高い水準となる見込みであると厚生労働省も予想しており、「保育士不足」の状況は今後しばらくのあいだ続くでしょう。


とはいえ、全国どの地域でも保育士の有効求人倍率が高い、というわけではなく、保育士の雇用状況には地域差があります。


厚生労働省が発表した都道府県別の数値をみると、都市群以外の地域では、山梨で0.95倍、群馬で1.25倍等、全国平均の半分程度の数値となっています。 逆に有効求人倍率が突出して高いのが大都市部です。 東京が最も高くて5.37倍、次いで神奈川は3.03倍となっています。 都市部であればあるほど居住人口が多く、共働きが多いため、保育士不足が深刻化するのも当然の状況と言えるでしょう。

厚生労働省の調査研究報告書によると、2017年度末で必要とされる保育士数は、推定約46.0万人。現在働いている保育士数は推定約38.6万人となっており、約7.4万人の保育士が不足になると予想されています。 有効求人倍率が高い状況は続くと考えるのが妥当であり、当面就職がしやすい状況が続くと予想されます。



どんなところが大変?保育学生の就活お悩みエピソードとアドバイス

保育士の有効求人倍率は高い数値であるものの、保育士の就活はどのような点が大変なのでしょうか。インターネットには一般的な就職体験談は数多く掲載されていても、保育士の就活エピソード、大変さについては情報が多くありません。 そこで、実際の学生さんが直面した就活エピソードとお悩みへのお答えをご紹介します。


地方出身の保育学生Aさん

私は地方の大学に通っていましたが、首都圏での就職を希望していました。 そんな私が就活で一番苦労したのが「土地勘の無さ」です。 地方からだと、就活のための上京費用もかさむため、一度に複数の園の選考を受けることも視野にいれなければいけません。しかし、保育士として就職するための園を探すことも、その保育園の評判や職場の雰囲気を知ることも簡単ではありませんでした。
土地勘が無いため、地名を見ただけでその土地の雰囲気を掴みとることができず、大変な思いをしました。 もちろんホームページがある保育園は多いのですが、ホームページ上に掲載されているのは、耳あたりの良い情報ばかりなので、本当の保育園の姿を掴みとるのにも苦労しました。


保育士就活バンク!からのアドバイス

いわゆる「遠距離就活」は、求人探しが大変ですよね。そんな時こそ「保育士就活バンク!」をご活用ください。全国の新卒向け保育士求人情報を掲載していますので、就職を希望する地域の求人を、効率よくご覧いただけます。 募集要項はもちろん、採用担当からのメッセージや、就活バンクが取材した園の雰囲気など、園の公式ウェブサイトだけではわからない情報もありますので、是非チェックしてみてくださいね。
東京は保育士不足が非常に深刻で、有効求人倍率は5倍超と言われます。そのため他県と比べて待遇が良い傾向にあり、中には地方の学生さん向けに上京費用をサポートする求人もあります。就活バンクでは「保育学生のための上京特集」として、上京の流れや、上京して働くメリットについて解説していますので、合わせてご利用ください。
最後に、気になる園を見つけたら必ず行ってほしいのが「園見学」です。土地勘のない地域で就職先を探す場合は特に、実際に足を運んで園や周辺の雰囲気を確認した方が良いでしょう。就活バンクには、園見学を申し込む機能もありますので、是非活用してくださいね。


「保育士の待遇の悪さに不安を感じる」保育学生Bさん

保育士の資格が取得できる大学に入り、卒業したら保育士になる予定でしたが、最近では一般企業への就活も平行して行うか、最初の予定通り保育士になるための就活だけを行うか悩み始めています。 もちろん、一般企業に就職をしてしまうと、せっかく苦労して得た資格を無駄にすることになってしまいます。
しかし、最近ニュースになっている「資格はあるが保育現場で働いていない、潜在保育士」の情報に接したことで、徐々に保育士になるための就活に力が入らなくなりました。 子どもは大好きですし、保育士になりたいのですが、待遇の悪さに耐えられるかどうか不安で、悩み始めています。


保育士就活バンク!からのアドバイス

ここ数年、保育士の待遇についてマイナスの面が大きく報道されるようになりました。
しかしながら、新卒で保育士に就職した場合の数年間は、一般企業と比較して待遇にそこまで差はありません。むしろ、各自治体の支援制度を活用した「家賃補助」が充実している求人が多いため、うまく活用すれば、職場へのアクセスがしやすい地域で一人暮らしがしやすい、といったメリットもあります。
さらに保育士の待遇改善は年々進んでおり、2017年度から実施されている「技能・経験に応じた処遇改善」では、前年と比較して約10%の給与アップに加え、副主任保育士、中核リーダー、専門リーダーといった役職の保育士(経験年数概ね7年以上を想定)に対して、月額4万円の手当が加算されるようになりました。
各自治体も保育士不足解消のため手当の充実を図っており、例えば千葉県松戸市では「松戸手当」という仕組みを導入しました。市内の認可保育所で働く保育士に対し、施設を通して松戸市から手当を支給するもので、2017年10月から開始されています。 このように、手当が充実している自治体や求人は非常に増えています。納得のいく求人を探してみてくださいね。


簡単に内定は取れたがプレッシャーを感じる新人保育士Cさん

私の就活はとても簡単でした。 学校の掲示板に掲示された自宅から近場の保育園で求人が出ていたので、就職試験の雰囲気試しに受験してみたところ合格し、簡単に内定を得ることができました。 一般企業の就活も考えたのですが、就活に挫折する友人たちを見て、保育一本に絞りました。 さて、簡単に内定を得たのは良かったのですが、就活を終えた後こそが大変でした。 働き始めてみると、私の園では毎日のようにピアノを弾く機会があったのです。 ピアノ初心者だった私は、その度に苦労しています。 毎日、保育でピアノを弾かなければいけないプレッシャーで気持ちがふさぎがちです。


保育士就活バンク!からのアドバイス

学生時代には授業で必要だったピアノですが、実際に保育士として働く上では、必須スキルではありません。あくまで子どもと遊ぶためのひとつの視点にすぎないと捉えてよいでしょう。

現在、保育士として活躍されている方の中にも、ピアノが弾けない、苦手、という方は多くいらっしゃいます。どうしてもピアノに苦手意識がある場合、他の楽器を身に付けるのもひとつの手です。実際に保育士資格の実技試験でも、ギター演奏による受験が認められています。ギターに限らず、自分が好きな楽器があればその演奏スキルを磨いてみるのはいかがでしょうか。
また、世の中にはピアノを弾かなくても良い園もたくさんあります。現在の勤務先でピアノ演奏を避けられないようであれば、転職を視野に入れても良いでしょう。就活バンクの姉妹サイト「保育士バンク!」では、転職サポートを行っておりますので、活用してみてくださいね。


保育士の就活はよく考えてから行いましょう

今回のコラムで、保育士の有効求人倍率は高いことが分かりました。 全国的に見て、保育士が足りないということが現状のようです。 保育士の仕事は、多岐にわたり、大変さもありますが、やりがいもそれだけあります。
これから、初めて保育士の仕事に就く方も保育士として復帰される方も、ぜひさまざまな方向で園を探し、実際にご自分の目で保育や職場の雰囲気を確かめた上で、職場を選ぶことをお勧めします。

これから就活をはじめる方はこちら 就活ガイド 保育士バンク!新卒に就職相談してみる