ワークライフバランスとは、簡単に言うと仕事とプライベートをどちらも充実させる働き方のことを意味します。
働くうえでどういったメリットがあるのかなどくわしく知りたい保育学生さんもいるかもしれません。
今回は、ワークライフバランスとは何か、労働者側のメリットや就職先の選び方についてわかりやすく紹介します。
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■目次
ワークライフバランスとは
ワークライフバランスとは、「仕事と生活の調和」と訳される言葉です。
わかりやすく言うと、仕事と生活のバランスがとれた状態といえるでしょう。
仕事は生活を支えるために必要なものであり、やりがいを感じさせてくれるものでもあります。
しかし、家族や趣味などプライベートの時間も、充実した人生を送るうえで欠かすことができないものでしょう。
ワークライフバランスは、仕事と生活どちらかを重視する、またどちらかを犠牲にするという考え方ではなく、労働時間や労働形態を見直して、仕事と生活、両方の充実を目指していくものといわれています。
では、具体的にどのような社会を目指せばワークライフバランスが実現できるのでしょうか。
くわしく見ていきましょう。
ワークライフバランス憲章において目指す社会
ワークライフバランス憲章の内容をもとに、目指す社会像を具体的に紹介します。
ワークライフバランス憲章の定義
2007年12月に官民トップ会議で策定された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」によると、仕事と生活の調和が実現している社会について以下のように説明しています。
国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会
出典:仕事と生活の調和とは(定義)/ 内閣府から抜粋
この定義をより具体的にすると、以下のような社会を目指すべきとされています。
- 就労による経済的自立が可能な社会
- 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
- 多様な働き方・生き方が選択できる社会
一つずつ紹介します。
就労による経済的自立が可能な社会
就労による経済的自立が可能な社会とは、以下のようなことを実現する社会のことを指すようです。
- 経済的自立を必要とする人が、いきいきと就労できる
- 働くチャンスを得て、結婚や子育てなどを実現するための経済基盤を確立する
就労のチャンスを得ていきいきと働ける社会が確立されていれば、結婚や子育てなどによってライフステージが変わったとしても「働き続けたい」と思えるかもしれません。
健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会とは、以下のようなことを実現する社会をいうようです。
- 働く人が健康であること
- 家族や友人とのプライベートな時間を持てること
- 自己啓発や地域活動のための時間を確保できること
ワークライフバランスとは、私生活において豊かな時間を過ごせることで、より仕事への意欲も高めることも目的としているかもしれませんね。
多様な働き方・生き方が選択できる社会
多様な働き方や生き方が選択できる社会とは、以下のようなことが約束されている社会を指すようです。
- 年齢や性別とは関係なく、自分の意欲と能力をもとに仕事や人生に挑戦できる
- 子育てや介護などに関わる時期など、個人が置かれた状況に合わせた多様な働き方を選択できる
- 働き方の選択に際し、公正な処遇が確保される
就労後、子育てや家族の介護などで働き方が変わることもあるかもしれません。
そのような変化にも柔軟に対応し、働き続けられる社会が理想的といえそうですね。
ワークライフバランスを重視するメリット
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ワークライフバランスとは、重視することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
生活スタイルに合った働き方ができる
時短勤務など、個人の事情によって働き方を柔軟に選べるようになれば、ライフステージが変わったとしても働き続けることが可能になるでしょう。
個人の生活スタイルに合った働き方ができることで、育児中などにおける「条件が合わず、働きたくても働けない」という状況を減らすことにつながりそうです。
希望する勤務形態で自分らしく働き続けることも可能になるかもしれません。
プライベートとの両立がしやすくなる
ワークライフバランスが保たれることによって、プライベートの時間が確保しやすくなることもあるでしょう。
副業制度などを実施している法人であれば、保育士の仕事以外で興味のある職種や事業にチャレンジすることもできるでしょう。
プライベートの時間が確保できれば、趣味や自己啓発など、仕事以外のことにも挑戦しやすくなりそうです。
仕事への意欲が上がる
休日出勤や持ち帰り仕事をしていると、心も体も休まらず、仕事への意欲が下がることもあるかもしれません。
園が残業軽減に向けた取り組みなどしていれば、仕事とプライベートの区別をしっかりすることができ、オンとオフのメリハリもつきやすくなるでしょう。
時間や気持ちに余裕をもって仕事に臨むことができれば、仕事に対する意欲も上がるかもしれませんね。
ワークライフバランスを意識した就職先の選び方
最後に、ワークライフバランスを意識した就職先の選び方について簡単に紹介します。
休暇制度や多様な勤務体系を導入しているか
最近は、育児休暇や短時間勤務制度などを導入し、女性だけでなく男性も制度を利用しやすいように後押しする法人も増えてきているようです。
また、誕生日休暇やリフレッシュ休暇を整備したり、職員間で交代しながら連続して有給休暇をとれるように工夫していたりと、法人独自の休暇制度もさまざまあります。
ほかにも、産休・育休明けに子育てと仕事を両立しやすいよう、短時間勤務制度を導入している法人も多いかもしれません。
短時間勤務制度は基本的に「3歳に満たない子を養育する労働者であること」が条件とされていますが、「子どもが小学3年生になるまで」など長期間に渡って制度を利用できるような場合もあるようです。
福利厚生やサービスが充実しているか
職員向けにレジャーや宿泊施設の優待利用、資格取得支援などさまざまな福利厚生やサービスを行う法人もあるようです。
託児サービスのある法人では、運営する保育所を一般の認可保育園よりも安く利用できるようにしたり、休日出勤の場合でも柔軟に対応したりしているところもあるようです。
いずれ結婚や出産することを考えている保育学生さんは、就活の際に参考にするとよいかもしれません。
さまざまな福利厚生やサービスを利用して私生活をより充実させることで、ワークライフバランスを実現できることもあるでしょう。
出典:保育士が働きやすい環境づくりのための手引き/厚生労働省
ワークライフバランスとは何かを知り、保育士の就活に生かそう
今回は、ワークライフバランスとは何か、労働者のメリットや就職先の選び方などを紹介しました。
ワークライフバランスを簡単に説明すると、「仕事と生活のバランスがとれた状態」のことです。
これを実現できれば趣味や勉強の時間を確保できるなどのメリットがあるので、仕事とプライベートのどちらかだけではなく、どちらも充実できるような就職先を選ぶことが大切といえるでしょう。
就活で求人情報を見るときは、法人が導入している休暇制度や福利厚生などもチェックし、自身が働いたときに仕事も生活も充実させることができそうかどうかもイメージできるとよいですね。