ルールのある遊びには、オニごっこやハンカチ落とし、椅子取りゲームなどさまざまなものがあります。それぞれの遊び方や保育活動で気をつけるポイントなどをおさえて、実習に活かしてみましょう。
今回は、ルール遊びの年齢別アイデアとやり方を紹介します。遊びにおける決まりを理解できるようになる幼児クラスに取り入れてみてくださいね。
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保育園におけるルールのある遊びとは
ルールのある遊びとは、一定の決まりに沿って行う遊びのことです。
園生活や遊びを通してルールがあることを知る、3歳児くらいから取り入れられるかもしれません
保育園でルールのある遊びをするねらいは以下のように挙げられます。
- 3歳児:少しずつ友だちと関わる楽しさを知り、簡単なルールを覚える
- 4歳児:友だちや保育士とルールがある遊びをして楽しさを知る
- 5歳児:友だちとルールを確認し、意見を伝え合っていっしょに遊ぶ
このようなねらいをもとに保育活動に取り入れていきましょう。
3歳児向けのルールのある遊び
3歳児のクラスから取り入れられるルールのある遊びを6つ紹介します。
室内で楽しめるルールのある遊び
簡単なルールを理解できるようになってくる時期の3歳児クラスの子どもたちが室内で楽しめるルールのある遊びをみていきましょう。
しっぽ取りゲーム
子どもたちがしっぽに見立てた縄跳びやひもなどを付けてしっぽを取り合うゲームです。
<用意するもの>
- しっぽになるもの(縄跳びや帽子など)
<遊び方>
1.ズボンにしっぽの先を入れます。
2.走り回る範囲を決めます。
3.「よーいスタート」の合図で自由に走り回り、自分のしっぽを取られないように気をつけながら友だちのしっぽを取りに行きます。
4.自分のしっぽが取られた時点で走り回る場所の外へ出ます。
5.ある程度の時間で区切り、友だちのしっぽをたくさん持っていた人の勝ちになります。
<遊ぶときのポイント>
はじめに、しっぽを取られたら枠の外に出ることを約束事として決めておきましょう。
しっぽをズボンのなかに入れ込みすぎないように子どもたち同士で見合ってもよさそうです。
この遊びはルールがシンプルなので2歳児クラスの子どもたちも楽しめるかもしれません。
ハンカチ落とし
簡単なルールのハンカチ落としをしてみましょう。
<用意するもの>
- ハンカチ1枚
<遊び方>
1.子どもたちは輪になって内側を向いて座ります。
2.オニを1人決めます。オニはハンカチを持って輪の外に立ちます。
3.座っている子どもは、手のひらを上に向けて背中の後ろに出して目をつぶります。
4.オニは、時計回りに外側を歩き、座っているうちの1人の手のひらの上にハンカチを落とします。
5.ハンカチを落とされた人はハンカチを持って立ち上がり、オニを追いかけて輪の外側を時計回りに走ります。
(オニはハンカチを持っている人に捕まらないように走り、ハンカチを落とした人が座っていたところに座ります)
6.オニは、座る前にタッチされたらもう1度オニをやります。
(タッチをされて座ることができたら、今度はハンカチを持っている人がオニになります)
7.(3)~(6)を繰り返します。
<遊ぶときのポイント>
走って追いかけるゲームなので、室内では危険がないように広い場所で、周りに物がないことを確認したうえで行なうようにしましょう。
かごめかごめ
1度は聞いたことのあるメロディのかごめかごめで遊んでみましょう。
<遊び方>
1.オニを1人決めます。
2.オニになった子どもは目をつむってしゃがみます。
他の子どもたちは、オニの周りを囲みます。
3.歌い始いながらオニの周りを回ります。
歌を歌い終わったらその場でしゃがみます。
4.オニは後ろにいる友だちの名前を当てます。
<遊ぶときのポイント>
後ろにいる子どもは、「あー」などと声を出してヒントを出して誰か当たるようにしましょう。
子どもの人数が増えると誰かを当てるのが難しくなってくるので、子どもたちの様子を見ながら人数を分けたり、みんなでやったりできるとよさそうです。
戸外で楽しめるルールのある遊び
戸外で3歳児クラスの子どもたちが楽しめるルールのある遊びをしてみましょう。
オニごっこ
<遊び方>
1.オニを1人決めます。
他の子どもはオニから逃げます。
2.オニは30秒数えたら、逃げている子をタッチします。
3.タッチされた子どもがオニになります。
4.(2)と(3)を繰り返します。
<遊ぶときのポイント>
オニになった子はわかりやすいように帽子の色を変えると、誰がオニなのかがわかりやすくなりそうです。
氷オニ
氷オニは、タッチされた子どもが氷になり、仲間から解凍(助けてもらうまで)その場から動いてはいけないゲームです。
<遊び方>
1.オニを1人決めます。
他の子どもはオニから逃げます。
2.オニは30秒数えたら、逃げている子をタッチします。
3.タッチされた子どもは、氷るのでその場に止まります。
4.氷になってしまった子どもは、逃げている子からタッチをしてもらうと、また動けるようになります。
5.(3)と(4)を繰り返します。
<遊ぶときのポイント>
人数が多い場合、全員をタッチすることができなくなる場合もあるかもしれません。
ずっと同じ子どもがオニ役になってしまわないように、子どもの様子を見ながら時間の区切りをつけるとよいかもしれません。
色オニ
色を見つけてタッチをする色オニをして遊びましょう。
<遊び方>
1.じゃんけんなどでオニを1人決めます。
2.オニ以外の子どもが「いろいろなにいろ?」と聞き、オニが好きな色を言います。
3.オニは10秒数えて、オニ以外の子を追いかけます。
オニ以外の子どもは、指定された色のものに触っていればタッチされません。
4.タッチされたらオニは交代します。
全員が指定した色に触れていてタッチできなくなったら(2)と(3)を繰り返します。
<遊ぶときのポイント>
なかなか色を見つけられない子にはヒントをだすのもよいでしょう。
色オニを行なう場所は、遊具などの色が多くあるところで行なうとよいかもしれません。
4歳児向けのルールのある遊び
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ルールのある遊びを理解してきた4歳児の子どもたちにぴったりな遊びを紹介します。
室内で楽しめるルールのある遊び
まずは、室内で楽しめるルールのある遊びをみてみましょう。
フルーツバスケット
フルーツバスケットとは、オニがフルーツの名前を言うと、呼ばれたフルーツの子どもは席を移動して遊ぶゲームです。
<遊び方>
1.円をえがくように椅子を内側に向けて並べます。
子どもたちの人数より椅子は1つ少なくしましょう。
2.オニ以外の子どもたちは椅子に座り、オニになった子は円の真ん中に立ちます。
3.子どもたちを、「みかん・バナナ・ぶどう・りんご」のチームに分け、フルーツの絵が書かれている画用紙を首から下げておきます。
4.4種類のなかからオニは好きなフルーツを言います。
5.たとえば、オニが「ぶどう」と言ったときは、ぶどうのカードを持った子どもだけが移動します。オニも空いている椅子を探して座り、座れなかった人が次のオニになります。
6.(4)と(5)を繰り返して遊びます。
<遊ぶときのポイント>
オニが「フルーツバスケット」と言うと、全員で席を移動します。
楽しくて何度も言ってしまう子どももいるかもしれないので、先に「フルーツバスケットと言うのは〇回までね」と決めておくとよいでしょう。
じゃんけん列車
じゃんけんをして列車のようにつながっていく遊びです。
<遊び方>
1.ゲームスタートと同時に音楽を流し、子どもたちは音が止まるまで自由に動きます。
2.子どもたちは、音楽が止まったときに近くにいる友だちとじゃんけんをします。
3.じゃんけんに負けた人は、勝った人の後ろにつながります。
4.(1)から(3)を繰り返し、最後まで残った列車の先頭にいる子どもがチャンピオンとなります。
<遊ぶときのポイント>
音楽が止まったとき、じゃんけんをする相手が見つけられない子どもがいないかを確認しましょう。
ゲームを始める前には、先頭の子どもが走ってしまうと危ないので、「走らないで歩こうね」と伝えておきましょう。
椅子取りゲーム
椅子取りゲームで遊んでみましょう。
<遊び方>
1.椅子を外側に向けて円のように並べ、子どもの人数よりも椅子を1つ少なくしておきます。
2.音楽を流して曲が流れている間は椅子の周りを歩きます。
3.音楽が止まったら、歩いていた子どもたちは空いている椅子に座ります。
4.座れなかった子どもは円から抜けます。
同時に椅子の数を1つ減らします。
5.(2)から(4)を繰り返し、最後の1人になった子どもの勝ちになります。
<遊ぶときのポイント>
椅子の数が少なくなってくると、1つの椅子に何人かで座ってしまうことがあるでしょう。
保育学生さんは状況を見て勝ち負けを判断し、難しいときはじゃんけんをして決めるなどルールを作っておいてもよいかもしれません。
戸外で楽しめるルールの遊び
4歳児の子どもたちが、戸外で楽しめるルールのある遊びをみていきましょう。
手つなぎオニ
<遊び方>
1.オニを1人決めます。
2.10秒数えたら、オニが他の子どもを追いかけタッチをします。
3.タッチされた子どもはオニと手をつなぎ、いっしょにみんなを追いかけます。
4.オニは逃げている子をタッチしていき、手をつないでオニを増やしていきます。
5.最後まで残った人の勝ちです。
<遊ぶときのポイント>
大人数で行なう場合は、オニの人数を増やしましょう。
逃げる場所が広いときは、逃げる範囲を狭めるとよいかもしれません。手をつないで走るので、園庭などの広いスペースで行うと安全に楽しめそうですね。
けいドロ
警察がドロボウを捕まえる遊びです。
<遊び方>
1.2チームに分かれて「警察」と「ドロボウ」チームに分かれます。
2.ドロボウの陣地と、警察がドロボウを入れる牢屋を作ります。
3.ドロボウの陣地は警察が入れずドロボウは警察に捕まったら牢屋に入ります。
4.「よーいドン」の合図で、警察はドロボウを追いかけます。
捕まったドロボウは、他の仲間が牢屋の外からタッチをしてくれたら、牢屋から出て逃げられます。
5.ドロボウが全員捕まったら警察の勝ちになります。
いつまでたっても捕まえられなかったらドロボウの勝ちになります。
<遊ぶときのポイント>
ドロボウと警察役を入れ替えてみるとまた楽しく遊べるかもしれません。
ドロボウが陣地にいられる時間を決めるなど、遊びながら自分たちでルールを決めていくと面白いでしょう。
中あて
ドッジボールよりルールがわかりやすい中あてをしてみましょう。
<準備すること>
- 大きな四角か、円を作る(木の枝で書く)
- ボールを用意する
<遊び方>
1.子どもたちは、四角く書かれた枠の中に入ります。
2.数人だけ四角の枠の外に出ます。
3.枠の外にいる子ども1人がボールを持ちち、枠に向かってボールを当てます。
4.スタートの合図で枠の外にいる子どもは中にいる子どもに向かってボールを投げます。
5.中の人はボールに当たらないように、枠の中を逃げます。
6.枠を出たり、ボールに当たったりした子どもは「アウト」になり、枠の外に出ます。
7.最後まで残った人が勝ちになります。
<遊ぶときのポイント>
枠は円や四角など、形を決めずに遊んでみてもよいかもしれません。
遊ぶ前に、ボールを当てる位置を腰から下と決めておくと、安全に楽しめるでしょう。
5歳児クラス向けのルールのある遊び
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少し難しいルールも理解できるようになってくる頃の5歳児クラスの子どもたちが楽しめるルールのある遊びを紹介します。
室内で楽しめるルールのある遊び
室内で楽しめるルールのある遊びをみていきましょう。
〇✕クイズ
保育学生さんがお題を出して子どもたちが〇か✕で答えるゲームです。
クラスのなかで行なう場合は、子どもに頭の上で手を使って〇か✕で答えてもらいましょう。学年など人数が多くなる場合は、〇だと思う人は右側、✕だと思う人は左側に移動することを伝えておくとよいですね。
<遊ぶときのポイント>
保育学生さんは子どもたちがわかりやすい問題を用意しておきましょう。
〇と✕の場所が分かりやすいように前の方に〇と✕を書いたカードを準備しておくとよいですね。
ジェスチャーゲーム
大人数で楽しめるジェスチャーゲームで遊んでみましょう。
<遊び方>
1.子どもたちをいくつかのグループに分けます。
2.チームごとに1列で並んでもらいます。
3.先頭にいる子ども以外は後ろを向きます。
4.先頭にいる子どもにお題を見せ理解したらスタートします。
5.先頭の子どもは、2番目の子どもの肩を叩いてジェスチャーを見せ、理解できたら3番目、4番目と続いていきます。
6.最後の子どもがお題をわかったら、保育学生さんのところまで来て正解を伝えてもらいましょう。
7.1番早く正解できたチームの勝ちです。
<遊ぶときのポイント>
お題によっては時間がかかってしまうこともあるので、状況に合わせてジェスチャーゲームをできる回数や時間を決めて制限できるとよいですね。
ジェスチャーゲームは、声を出さずに遊ぶので、子どもたちが答えを言ってしまわないように始める前にルールを確認するとよいでしょう。
座り相撲
座って楽しめる座り相撲で遊んでみましょう。
<遊び方>
1.2人組になり体操座りをして向き合います。
2.「はっけよーいのこった」の合図で座ったままお互いに押し合います。
このとき、お尻を床につけたままなら動いても大丈夫です。
3.床に手をついたり、お尻を浮かせたり倒れたら負けになります。
<遊ぶときのポイント>
床に土俵となる円をビニールテープなどで作っても楽しめそうです。
2人組でなく3人組で遊んでみてもよいかもしれません。
戸外で楽しめるルールのある遊び
戸外で楽しめるルールのある遊びを紹介します。
ドンじゃんけんぽん
ドンじゃんけんぽんをして遊んでみましょう。
<遊び方>
1.まず、一本の線を引きその両端に子どもたちが入れるスペースの陣地を作ります。
2.2チームに分かれて(1)で書いた線の両端に内側を向いてそれぞれ1列に並びます。
3.「よーいどん」に合わせて、両端から1番目に並んでいた子どもが線の上を内側に向かって走ります。
4.相手チームの友だちと会ったら、両手でタッチして「ドーンじゃんけんぽん」とじゃんけんをします。
5.勝った子どもは、そのまま進行方向に走り、相手チームがいるほうに向かいます。
負けた人は線の上から外れ、自分のチームに戻り列の後ろにつきます。
負けたチームは、すぐに次に並んでいる子どもが線の上をたどり、相手チームに向かって走ります。
6.相手チームの友だちと会ったら、(4)と(5)を繰り返します。
7.相手チームの陣地にたどり着いたら勝ちになります。
<遊ぶときのポイント>
子どもたちが通る線も、直線だけでなくくねくね曲がっている線にしたり、人数に合わせて線の長さを調整したりするとより楽しめるかもしれません。
勢いよく走ってしまうとぶつかってしまうこともあるかもしれないので、相手チームの子どもたちと会ったときは両手を前に出してタッチするなどのルールを作っておくとよさそうです。
かくれんぼオニごっこ
かくれんぼと鬼ごっこが合わさったかくれんぼオニごっこをしてみましょう。
<遊び方>
1.まずじゃんなどでで1人オニを決めます。
2.オニは目をつぶって大きな声で10秒数えます。
3.他の子どもたちは、隠れます。
4.10秒数え終わったオニは、「もう行くよ」と声を掛けて、隠れている子どもたちを見つけます。
5.隠れている子は、「みーっけ」と言われたら隠れられなくなり、走って逃げます。
6.タッチされたらオニは交代します。
オニだった人は逃げる人になり、(1)~(5)を繰り返して遊びます。
<遊ぶときのポイント>
なかなかタッチができず、オニに続けてなってしまう子も出てくるかもしれません。
そのときは、子どもたちと相談してオニを交代するなどしてもよいでしょう。
缶けり
缶蹴りをして遊んでみましょう。
<遊ぶときのポイント>
1.オニを決めます。
2.オニは遊び場所の真ん中に缶を置き、その上に片足を乗せて目をつぶり30秒数えます。その間にオニ以外の人は隠れます。
3.「もういいかい?」「まだだよ」「もういいよ」のやりとりの後、遊びがスタートします。
4.オニは、隠れている子どもを見つけ、見つけるたびに「Aちゃん見つけた」と言い、空き缶を踏みます。
(見つけた子はタッチしなくてもよいです)見つかった子は、オニと手をつなぎ、いっしょにオニになります。
5.隠れている子は、オニが空き缶から離れている好きを見計らって缶に近づき、空き缶を蹴り飛ばします。
6.空き缶を蹴られる前に全員を見つけたら、オニの勝ちになります。
見つける前に空き缶を蹴ったら隠れている人の勝ちになります。
7.オニが勝ったら、最初に見つかった人がオニになります。
もし、缶を蹴られたら、オニだった人はもう一度オニになります。
8.(2)~(7)を繰り返します。
<遊ぶときのポイント>
空き缶が危ないときは、牛乳パックなど別のもので代用するとよいかもしれません。
遊んでいるなかで子どもたちが自分で考えたルールを取り入れるのも楽しめるでしょう。
ルールのある遊びを知って実習や入職後に役立てよう
今回は保育園で楽しめるルールのある遊びのねらいやアイデアを紹介しました。
幼児クラスは、少しずつ簡単なルールのある遊びができるようになってくる時期でしょう。
室内で楽しめるものや、戸外で楽しめるルールのある遊びなどさまざまあるため、年齢に合わせて取り入れていけるとよいですね。