保育学生さんのなかには、言葉遊びのネタを知りたい方もいるのではないでしょうか。
道具を使わずに簡単に取り入れることができるので、いくつかアイデアや遊び方を知って実習に活かしてみましょう。
今回は、幼児クラスの子どもたちが保育園で楽しめる言葉遊びのネタや、やり方やポイントを紹介します。
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保育園における言葉遊びとは
言葉遊びとは、「しりとり」などの道具や材料を使わずに楽しめる「言葉」を使った遊びです。遊び方によっては、ルールもわかりやすく場所も気にせずいつでも気軽に始められるのが特徴といえるでしょう。
まずは、言葉遊びを通して期待できる子どもたちへの効果とねらいを紹介します。
言葉遊びでの効果
発想力が身につきやすい
子どもたちは言葉遊びを通して、思考力や発想力をつける効果が期待できるでしょう。
言葉からイメージできるものを考えたり、思いつく言葉を発したりするため、ルールに合わせた言葉を自分で考えられるようになるようです。
語彙力と表現力が身につきやすい
言葉遊びをすることによって、語彙力と表現力を身につけることができるでしょう。
周りの大人や友だちのやり取りを通して、新しい言葉を増やしていったり、自分のなかで咀嚼してあてはまる表現をしたりするかもしれませんね。
言葉遊びのねらい
言葉遊びのねらいは以下の通りです。
- 自分の気持ちを表現して伝える
- 周りの友だちや保育士の言葉をよく聞き、自分の言葉で表現する
- 語彙力を増やして、想像力を豊かにする
保育実習などでもこのようなねらいをもとにでは言葉遊びを取り入れるとよさそうですね。
次に、保育園で楽しめる言葉遊びのアイデアを年齢別に見ていきましょう。
保育園で3歳児が楽しめる言葉遊び
言葉に興味を持ち始める3歳児の子どもたちにぴったりな言葉遊びを紹介します。
しりとり
「しりとり」は、子どもが言葉に興味関心をもち、楽しみながら語彙を増やしていける言葉遊びの一つです。
いっしょに遊ぶ友だちや保育学生さんからたくさんの言葉を聞くことで、子どもたちは新しい言葉を知ることができるだけでなく、自分で使いながら定着させていくでしょう。
また、「食べ物だけ」「好きなものだけ」などお題を決めると難易度も上がるので、子どもたちは楽しみながらしりとりができるかもしれません。
ポイントと注意点
しりとりは言葉の音説を分解する力(「りんご」なら「り」と「ん」と「ご」)が求められるので、保育学生さんは「最後はごだよ、ごから始まるものは」と子どもたちに分かりやすく伝えるとよいでしょう。
しりとりのルールを理解して遊べば、言葉を自然に覚えたり正しい発音ができるようになったりするようです。
色探しゲーム
色探しゲームとは、保育室のなかで「赤いものはどこにあるでしょう」と1つの色を指定し、子どもたちに部屋のなかのもので当てはまる色を探してもらうゲームです。
遊び方
1.保育学生さんが「この部屋の中で赤いものはどこにあるでしょう」と指定します。
2.子どもたちが赤いものにタッチをします。
3.一番先にタッチした人が勝ちになります。
ポイントと注意点
色ではなく、「丸いもの」などのように形に変えて遊ぶこともできそうです。
タッチをしたときに、保育学生さんが「触っているものは何でしょう?」と聞き、どんな形を指定しているのか答えてもらえば、答えた子どもだけでなくクラスの子どもたちも色や形を覚えることができるでしょう。
言葉集めゲーム
お題となる一文字を決め、その文字が頭につく言葉を集めていくゲームです。
遊び方
1.保育学生さんが「頭に『あ』のつくものなんだ」と子どもたちに聞きます。
2.子どもたちから「あり」「あめ」「あんこ」「あし」など出してもらい、できるだけたくさん言葉を集めてもらいます。
3.ホワイトボードなどに子どもたちから出た言葉を書きます。
ポイントと注意点
はじめは言葉がどんどん出てくるので、子どもたちが順番に答えられるように工夫しましょう。
出てこなくなってきたときは、保育学生さんがヒントを出すようにすると、子どもたちは再び考えて言葉を探してくれるかもしれません。
また、「一度出た言葉は使わないこと」といったルールを決めて難易度を上げると子どもたちの思考力が身についていくかもしれません。
保育園で4歳児が楽しめる言葉遊び
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友だちや保育者との言葉のやり取りを楽しむようになる、4歳児の子どもたちにぴったりの言葉遊びを紹介します。
私はだれでしょうゲーム
いくつかのヒントを聞いてクイズの答えを見つけ出していく言葉遊びです。
遊び方
鉄棒を答えとした場合のヒントを例にします。
- 「私は2人か3人組でいることが多いです」
- 「私は公園や保育園にあります」
- 「私を握って回ったり、ぶら下がったりできます」
などと順番にヒントを出した後、「私はだれでしょう」と聞きます。
いくつか子どもたちの声を聞いたら、答え合わせしましょう。
ポイントと注意点
ヒントをもとに子どもたちがイメージを膨らませて答えを考えていくことで、想像力や思考力を身につけられるかもしれません。
まずは分かりやすいものから始めて、難易度を上げていくとより楽しめるでしょう。
おしゃべりしりとり
いつものしりとりをアレンジして、話しながら進めていくゲームです。
遊び方
1.好きな言葉からスタートします。
※例えば「今日は何して遊ぶ」
2.最後の文字から始まる一言を考えて言います。
※例えば「ブランコしたいな」
3.しりとりと同じように「ん」がついたり、会話が続かなくなったりしたら終わりです。
ポイントと注意点
「うーん〇〇」なども会話なので、おしゃべりしりとりとして成立するのがこの遊びの面白いところでしょう。
大人数で遊ぶと自分の番が来るまで時間がかかってしまいそうなので、4~5人や2~3人のグループに分けるやり方にしてもよいかもしれません。
時間の制限を設けたり、出てこなかった子は次の子へパスできるようにしたりすると楽しめそうです。また、「だけど」「でも」などのさまざまな接続詞を使いながら話してみても面白いでしょう。
連想ゲーム
イメージを膨らませて言葉をつなげるゲームで、しりとりの要領で楽しむ言葉遊びです。
遊び方
1.保育学生さんがお題を出します。
「青くて大きいものなんだ」と抽象的なお題にします。
2.子どもたちは、お題から具体的なものを見つけます。
「海」、「空」、「川」などさまざまな答えが出てきます。
3.正解はないので、言葉がたくさん答えた子どもの勝ちです。
ポイントや注意点
答えは一つだけではないので、子どもたちがイメージして出たこと答えをしっかりと聞くことも大切かもしれません。
慣れてきたらグループを作ってお題を出したり、答えたりしても楽しめるでしょう。
保育園で5歳児が楽しめる言葉遊び
語彙が増え言葉の使い方も上手くなってくる、5歳児の子どもたちにぴったりの言葉遊びを紹介します。
逆さ言葉遊び
逆さ言葉遊びは、知っている言葉を逆さから読むという簡単な言葉遊びです。
ほかにも「しんぶんし」のように、上から読んでも下から読んでも同じ言葉になる回文を探したり、作ってみたりして楽しむことができるでしょう。
ポイントと注意点
はじめは2文字など短い言葉から始めて、慣れてきたら文字数を増やして難易度を上げてみると変化があり楽しめそうです。
また、同じ文字でも「かさ」「さか」などを探して見てもよいかもしれません。
子どもたちの発想力を大事にして、保育学生さんは見守ることも意識するとよいでしょう。
ぱぴぷぺぽ星人
ただ「ぱぴぷぺぽ」というだけでなく何を話しているのかしっかり聞いて楽しむ言葉遊びです。
遊び方
1.保育学生さんが「今からみんなはぱぴぷぺぽ星人に変身します。
変身したら『ぱぴぷぺぽ』の言葉しか話せません」と言います。
2.保育学生さんが質問をします。
「今日の朝ごはんは何を食べたかな」
3.Aちゃんが答えます。
「ぽぱん(ごはん」「ぱっぽう(納豆)」「ぱぷ(ハム)」など。
4.BちゃんやCちゃんはAちゃんが答えた言葉を当てます。
ポイントと注意点
はじめに、でたらめに話すのではなくいつも使っている言葉を「ぱぴぷぺぽ」だけを使って話すように伝えます。
クラス全体ではなく、聞く人と話す人に分けるとより面白いかもしれません。
保育学生さんの質問は「好きな遊びは」「好きな色は」など何でもよさそうです。
伝わりにくい言葉や言うのが恥ずかしくなってしまう子もいるかもしれないので、保育学生さんが代わりに言うなどのフォローをするとよいでしょう。
なぞなぞゲーム
保育学生さんが問題を出し、子どもたちが答えるゲームです。
遊び方
1.保育学生さんが問題を出します。
「パンはパンでも食べられないパンはなんだ」
2.子どもたちが答えます。
「フライパン」
3.正解のときは正解、違うときは子どもたちの答えを聞いたり、ヒントを出したりします。
ポイントと注意点
子どもたちが問題を聞いて答えが何かを考えることで、考える力を育むことができそうです。
問題が難しいと子どもたちが楽しいと感じられないこともあるかもしれないので、簡単な問題から出してみると楽しんでゲームができるでしょう。
また、子どもたち自身に問題を考えてもらって子ども同士でなぞなぞをしてもよいかもしれません。
保育園で取り入れられる言葉遊びを知って実習に役立てよう
今回は、言葉遊びでの子どもたちに与える効果やアイデアとやり方を紹介しました。
幼児クラスの子どもたちが楽しめる言葉遊びのなかには、しりとりやなぞなぞ、回文や私は誰でしょうゲームなどすぐに取り入れられるものなどさまざまあるようです。
言葉遊びは用意するものがないので、すきま時間などにも活用できそうです。
子どもたちが面白いと感じるようなものを用意しておくと、実習に入ったときに楽しく言葉遊びができそうですね。