4歳児のできることの目安について知りたい保育学生さんもいるかもしれません。保育園生活にも慣れてくるこの時期は、運動や遊び、社会性や日常生活の行動などにおいて、自分一人でできることが増えてくるようです。
今回は、保育園で見られる4歳児の特徴などを紹介します。あわせて接し方のポイントもまとめました。
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■目次
4歳児はどんな時期?見られる姿
4歳になると、社会性や運動、言葉や日常生活の行動において自分でできることが増え、大きく成長する時期ようです。その一方で、反抗的な態度を示したり、できていたはずのことをしなかったりと対応が難しく感じる頃かもしれません。
しかし「4歳の壁」という言葉あるように、子どもたちも自身の自分の変化に戸惑っていることもあるようです。この時期の子どもたちに、保育学生さんはどのように接するとよいのでしょうか。
今回は、4歳児の特徴やできることの目安に着目して紹介します。
4歳児ができるようになること:遊び
まずは、遊びのなかでできるようになっていくことを見ていきましょう。
友だちとルールのある遊びを楽しむ
決まりや約束事を理解できるようになり、友だち同士でルールを取り入れて遊ぶようになる時期のようです。
保育学生さんは「このときはどうすればよいのか」などと、遊ぶ前に子どもたちがルールを理解しているのか確認するとよいかもしれません。そのうえで、子どもたちに合ったやり方に変えてみるとよいでしょう。
ルール性のある遊びには以下が挙げられます。
- オニごっこ
- かくれんぼ
- 縄跳び
まずは簡単なルールの遊びから始め、慣れてきたら難易度を上げるとよいかもしれません。鬼ごっこといっても、色オニ、氷オニ、手つなぎオニなどさまざまな種類があるので、子どもたちといっしょに遊び方を決めるとよいでしょう。
集団遊びをする
少人数で好きな遊びをしていた3歳児から、クラス全体などの集団で遊べるようになる頃のようです。
遊ぶ前にきちんとルールを確認しておくと、勘違いや曖昧な認識をクリアにすることができるでしょう。
集団遊びのアイデアとして、以下が挙げられます。
- じゃんけん列車
- 〇✕ゲーム
- 椅子取りゲーム
保育学生さんは、遊びに必要なものを子どもたちに聞き、事前に用意しておきましょう。また、子どもたち同士で話し合う時間を取り、何をして遊びたいのかを決めておくとよいかもしれません。
図形や人の絵が描ける
手先が器用になり、四角や三角、丸などの図形や、頭、身体、手や足をつけた人の絵がかけるようになる時期と言われています。保育実習などで製作したり、絵を描いたりするときは「身体には何があるかな?」というように声をかけながら進めるとよいかもしれません。
書き始める前に、子ども同士で向き合い「前にいる子の頭はどこだ?」などと言いながら1つずつ確認してもよいでしょう。実際に目で見るとより分かりやすくなり、子どもたちも書き始めやすいかもしれません。
道具を使って製作する
はさみやのりなどの道具を正しく使って製作できるようになる頃のようです。
しかし、既に使い方がわかっている子どもの場合、説明をする前に使い始めてしまう子もいるかもしれません。
安全に配慮するためにも、製作前に正しい使い方を子どもたちと確認するようにしましょう。
4歳児ができるようになること:社会性
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4歳児の子どもたちは、園生活に慣れて周囲のものや人に興味を持って関わったり、マナーなどを理解できたりする時期のようです。
友だちに興味を持って遊ぶ
友だち同士誘い合って遊ぶ姿が見られる時期のようです。数人のグループになり、いっしょに遊んでいる子どもたちも多いでしょう。
グループで遊んでいる場合、トラブルになってしまうこともあるかもしれません。子どもの様子を見てはじめは見守り、ケンカに発展しそうなときは保育学生さんが仲介し、お互いの気持ちを聞くとよいかもしれません。
順番があることを理解し、待つことができる
順番で並んでいることを理解し、待つことができるようになる時期のようです。
もし、順番を抜かしてしまう子どもがいた場合は「〇〇ちゃんの方が先に並んでいたから〇〇くんは後ろに並ぼうね」など、わかりやすく言葉がけをするとよいでしょう。また、子ども同士で教え合う姿も見られるかもしれないので、状況を見て、口を出さず見守ることも大切です。
公共の場でのマナーがわかり、意識する
公共の場で、静かにするところ、走ってはいけないところなどマナーがわかる時期のようです。その際、なぜ静かにするのか、なぜ歩いて行動することが大切なのかなど、具体的な理由を子どもたちに伝えるようにしましょう。そうすることで、マナーに対する理解が深まるかもしれません。
4歳児ができるようになること:言葉
4歳児の子どもたちは、言葉の意味を理解して使い、会話ができるようになるようです。
大小の比較を言語化する
物の大きさを理解し、それを会話の中で伝えたり、話し合ったりできる頃のようです。保育学生さんも保育活動の中で「この花は大きいね」「小さいのもあるよ」など大きさのあるものを積極的に使って声をかけてみてもよいかもしれません。
過去、現在、未来の言葉を理解し使い分ける
時間の感覚が身についてきて、「昨日ね~」「今日は~」などを使い分けて、保育士さんや友だちに伝えられるようになる時期でしょう。
保育学生さんも積極的に会話の中で取り入れてみたり、子どもたちに「明日は何の行事があるか知っているかな?」など質問したりしてもよいかもしれません。
自分の想像を相手に話す
自分で考えた話やイメージを周りの友だちや保育学生さんに話す姿が見られるかもしれません。子どもたちが想像した中で話すので矛盾していたり、同じフレーズを何度も使ったりすることもあるかもしれません。
保育学生さんは、一生懸命伝えようとしている子どもの話を最後まで聞いたうえで、共感したり質問したりすると、子どものイメージをより膨らませたり、伝えることに自信を持たせたりできるでしょう。
4歳児ができるようになること:運動
体の動かし方がだんだんうまくなってくる4歳児の子どもたちが、運動遊びのなかでできるようになってくることを紹介します。
ボールを投げる、蹴る
自分の思うようにボールを投げたり、蹴ったりできるようになる時期です。自由に遊べるように複数個用意し、保育活動の際にクラスで遊んでみるのもよいかもしれません。
自分の身体の動かし方がわかる
子ども自身で体の動かし方がわかってくる頃のようです。でんぐり返しをしたり、片足でケンケンをしたりと複雑な動きをする子どもの姿も見られるかもしれません。やり方がわからない子がいたら、保育学生さんが教えたりいっしょに遊んだりするとよいでしょう。
運動器具を使って遊ぶ
平均台や鉄棒を使って遊べるようになる時期のようです。器具を使う際は、危険のないよう下にマットを敷き、保育学生さんや保育士さんがそばについて子どもたちの遊びを見守るようにしましょう。
鉄棒のにぎり方がわからない場合は「こうするといいよ」と、実際に説明しながら見せるとよいかもしれません。
4歳児ができるようになること:生活
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保育園生活を通して、4歳児ができるようになっていくことを紹介します。
生活の流れを理解してやるべきことを率先して取り組む
集団生活にも慣れて、生活の流れや今何をするべきなのかを理解して取り組めるようになる頃のようです。
子どもたちが見やすいところに今日の流れをイラストや写真で示したりするとよいですね。また、保育学生さんが「次は〇〇をやるよ」と言葉がけをするとやるべきことがわかりやすくなり、自分自身で気づけるようになるでしょう。
手洗いうがいなどの必要性を理解する
今までは「手洗い、うがいをするよ」と言葉がけなどをして行っていたことに対して、必要性を理解しはじめ、子どもが進んでできるようになる時期のようです。できている子には「〇〇ちゃん自分で気付いてできたね」と褒め、まだしていない子には気づけるように「給食の前に何をするのかな」とヒントをだしてもよいかもしれません。
気候に合わせて着替えができる
保育士さんから声を掛けられる前に、自分で暑さや寒さの調節をして着替えられるようになる頃でしょう。その際、脱いだ服の後始末ができているのかを確認して、「〇〇ちゃん洋服は袋に入っているかな」など言葉がけをして、自分で気づけるように促すとよいかもしれません。
4歳児と接するときのポイント
4歳の壁と言われて子どもたちと接するときのポイントまとめました。
子ども一人ひとりが友だちの気持ちを考えられるように援助する
子どもたち同士で、相手の気持ちを考えたり、自分の気持ちを我慢したり、友だちに共感ができるように援助しましょう。まずは子どもの状況を見守り、トラブルになりそうなときに保育学生さんが間に入ります。「〇〇ちゃんはどう思っているのかな」と子どもの気持ちに寄り添い、汲み取ったり代弁したりできるとよいですね。
子どもたちの仲裁に入るときは、第三者目線で話を聞くことが大切です。一方で、楽しいことは共感できるように他の子どもに伝えていくとよいかもしれません。
個人の主体性を大切にする
子ども一人ひとりの主体性を大切にして保育実習に入りましょう。子どもたちのやりたい気持ちを尊重し、周りの子どもと比較をしないことが大切です。
保育学生さんは「〇〇ちゃんは〇〇だけど✕✕くんは✕✕って思っているんだね」と違いを認めると、子どもは認められた気持ちになったり、自信につながったりするかもしれません。
子どもの話を最後まで聞き、話したいと思うえる雰囲気を作る
4歳児は、口答えや反抗的な態度を取る姿も見られるようになる時期です。何に対してもやもやしているのか、どうしてそういう態度を取るのか、子どもなりに理由があるかもしれません。頭から起こるのではなく、ゆっくり落ち着いた気持ちで話を最後まで聞くことが大切でしょう。
保育学生さんは子どもが話しやすい雰囲気を作り「何でも話してみてね」と言葉がけをするとよいでしょう。そうすることで、子どもも話を聞いてもらえることに安心できるかもしれません。
子どものイメージを活かせる活動を取り入れる
4歳児は見立て遊びやなりきり遊びなど、自分のイメージを表現することが増えてくるでしょう。
たとえば製作活動のなかで、絵本と同じようなものを作りたいと思う子もいるかもしれません。そういったときは、できるだけ見本に近づくように子どもが想像している様子をていねいに聞きながら、必要な材料を集めるなど環境設定するとよいでしょう。子どもがイメージ通りにできたことを喜んだり、達成感を味わえたりできるように援助するとよいですね。
4歳児のできることや一人ひとりの気持ちを大切に保育しよう
今回は、4歳児ができることの目安について紹介しました。
この時期は、さまざまな言葉を覚えて使うようになったり、運動器具を使って遊べるようになったり、友だちといっしょに楽しんで遊べるようになる姿が見られるでしょう。
一方で4歳の壁という言葉があるように、心の変化もあるようです。
子どもの気持ちに寄り添い、最後まで話をしっかり聞いたうえで、子どもたち一人ひとりに合わせた援助をしていけるとよいですね。