実習や日々の保育に人形劇を取り入れたいけれど、行うまでの流れが分からない保育学生さんや新卒保育士さんも多いでしょう。童謡や昔話を人形で表現し、普段とは違った視点からストーリーを楽しめるとよいですね。今回は人形劇を開催するときの手順やポイントを解説します。また、ねらいや題材の例についてもまとめました。
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■目次
保育に役立つ人形劇の概要とねらい
人形を使って日本昔話や童話などのストーリーを表現する人形劇。
人形劇を行う方法を知り、誕生会や季節のイベントで取り入れられたらよいですね。
まずは、人形劇の概要やねらいをくわしく紹介します。
人形劇の概要
人形劇とは、人形を操作して表現する演劇のことを指します。
日本では数百年の歴史を持っていると言われており、伝統芸能や娯楽として子どもから大人まで多くの人に楽しまれているようです。
保育園では誕生会のプログラムに取り入れたり、レクリエーションとして行ったりすることが多いでしょう。
人形劇のねらい
人形劇を楽しむことで想像力を広げる
人形劇を鑑賞すれば、子どもの想像力を養うことにつながりそうです。
「このキャラクターはどうなるんだろう」などと考える経験を重ねることで、相手の気持ちを想像したり思いやったりする力が育まれるかもしれませんね。
生活習慣をテーマにした人形劇を見て、歯磨きや食事への意欲を養う
生活習慣を人形劇の題材に取り上げれば、歯磨きや食事など身の回りの習慣を身につけることにつながるでしょう。
人形劇の後で「〇〇(登場人物)みたいに歯磨き頑張ろうね!」などと声かけすれば、子どものやる気を高めるきっかけになるかもしれません。
人形劇を鑑賞することで、情緒を育む
人形劇を鑑賞すれば、子どもは登場人物を自分に置き換えてさまざまな体験をしたような気持ちを味わえるでしょう。
喜怒哀楽のさまざまな感情に共感することで、「自分は今悲しいんだ」など自分の気持ちを素直に感じたり伝えたりできるようになるかもしれません。
そうすることで、自分自身の心のバランスを保つ力を育むことにつながるでしょう。
保育に活かせる人形劇の種類と特徴
続いて、保育に役立つ人形劇の種類と特徴をまとめました。
ハンドパペット
ハンドパペットは手袋の形をした人形に手をはめ、首には人差し指、両手には親指と中指(小指)の3本を入れて動かすという特徴を持っています。
上記の動画のように、親指とその他の4本指で口を動かす人形もあるようです。
また、靴下のつま先にフェルトの目や耳をつけ、かかと部分を動物の鼻に見立てれば手軽にハンドパペットを作ることができます。
身の周りの材料で作成できるため、保育学生さんや新卒保育士さんは試してみるとよいでしょう。(詳しい作り方はこちら)
指人形
指人形とは、1本か2本の指を人形にはめて動かす劇です。
折り紙やフェルトなどで簡単に作成できるうえ大がかりな舞台も必要ないので、これから人形劇を始めてみたい保育学生さんや新卒保育士さんにぴったりでしょう。
乳児クラスや年少さんクラスで取り入れれば、子どもによろこばれるかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
マリオネット
マリオネットとは糸操り人形とも呼ばれ、上から垂らした糸や針金で操作するものです。
上記の動画のように紙コップやタコ糸で簡単に作成することができるため、手作りの人形劇を気軽に取り入れたいときにぴったりかもしれません。
また、クリスマスなど季節のイベントに合わせたマリオネットを作成すれば、クリスマスパーティーなどのイベントで活躍しそうですね。(詳しい作り方はこちら)
関連動画:紙コップでかわいいトナカイのマリオネット/保育士バンク!
ペープサート
ペープサートとはウチワ型の紙人形のことを指します。
厚紙2枚に絵をかいてから裏側に竹串を付け、それぞれを貼り合わせることでできあがります。
表と裏でキャラクターの表情を変えるなど幅広いアレンジができるため、凝った人形劇を行いたい場合にも向いているでしょう。
また、子どもでも簡単に作ることができるので、年長クラスの発表会などで取り入れてみてもよいかもしれませんね。
保育で役立つ人形劇の題材
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ここからは、保育で役立つ人形劇の題材を解説します。
童謡
人形劇に向いている題材として、有名な童謡が挙げられるでしょう。
題材とする童謡をあらかじめ保育に取り入れておけば、本番で子どもたちもいっしょに歌ったり踊ったりできそうです。
また、保育学生さんや新卒保育士さんは登場するキャラクターを人形として使い、演じるときは歌に合わせて動かしてみるとよいですね。
日本昔話
広く知られている日本昔話を題材に選んで人形劇を行ってみましょう。
アレンジしてセリフを増やしたり、話の流れを少し変えたりすることで、もともと内容を知っている子どもも新鮮な気持ちでストーリーを味わえるかもしれません。
子どもたちがキャラクターといっしょにアイテムを探す、何かを成し遂げるといった参加型の人形劇にしてみてもよさそうですね。
生活習慣
歯磨きや食事など、生活習慣に関するものを題材にしてみるのもよいでしょう。
子どもが生活習慣の大切さについて学ぶことができ、身につけるきっかけとなるかもしれません。
しかし、本物の歯ブラシやスプーンなどを使うと、後ろにいる子どもたちから見えづらくなってしまうことが考えられます。
そのため保育学生さんや新卒保育士さんは、画用紙やフェルトなどで大きなアイテムを作り、劇中で活用するとよいかもしれません。
保育で人形劇を行うときの手順
ここでは、保育で人形劇を行うときの流れを紹介します。
1.題材を決める
まずは上映時間を踏まえながら、日本昔話や生活習慣など年齢に合った題材を決めましょう。
短すぎると物足りなく感じますし長すぎると集中力が切れてしまうので、年齢にもよりますが15分程度で考えるとよさそうです。
題材を選んだら登場するキャラクターを洗い出し、何人で劇を行うのかを考えるとよいかもしれません。
2.台本を考える
題材を決めた後はストーリーの流れを作ったり確認したりし、セリフを台本に書き写していきましょう。
難しい言葉は子どもでも分かりやすい表現に置き換え、スムーズに理解できる人形劇に仕上げることが大切です。
また、キャラクターのセリフごとに色を付ける、流れを書き込むなどすると分かりやすい台本に仕上がるでしょう。
3.音楽や舞台を準備する
台本が用意できた後は、登場する人形を作ったり、段ボールを積み重ねるなどして舞台を作成したりしましょう。
特に舞台を設置するときは子どもからの距離を考慮して、劇を見やすい環境を整えることが大切です。
また、BGMや効果音も準備し、人形劇の世界観を楽しく演出するとよいかもしれませんね。
保育で人形劇を取り入れるときのポイント
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最後は、保育園で人形劇を行うときのポイントをまとめました。
劇の構成を決めるうえでのポイント
子どもたちが参加できるストーリーを選ぶ
劇の構成を決めるときのポイントとして、子どもたちが参加できるような題材を選ぶことが挙げられるでしょう。
子どもたちが人形とふれ合うようなシーンを作れば、さらにストーリーの中に入り込むことができるかもしれません。
人形と会話をしたり協力したりという非日常の体験をすることにもつながり、ワクワクとした気持ちを味わうことができるでしょう。
歌を取り入れる
皆で歌える童謡やアニメの曲など、子どもの興味を惹く音楽を入れればさらに人形劇を楽しめそうです。
子どもたちは歌を歌ったり聞いたりすることで、人形劇の世界観をより深く味わうことができるでしょう。
さらに、保護者参観などで取り入れるときは有名な音楽を選べば、子どもだけでなく保護者の方も楽しめるかもしれませんね。
保育士が演じるうえでのポイント
使う人形を順番に並べる
保育士が人形劇を演じるときのポイントとして、使う人形を上から順番に置くことが挙げられます。
劇を行っているときに次に使う人形が見つからないという事態を防げるため、スムーズに演じることができるかもしれません。
事前に台本をよく読み、キャラクターが出てくる順番を確認しておくとよさそうですね。
人形の動きを工夫する
入り込みやすい劇を作るには、人形の動きにメリハリをつけることが大切でしょう。
例えば、話している人形は大きく動かして他の人形は静止させておくと、どのキャラクターのセリフであるかを理解しやすくなるかもしれません。
また、怒ったり泣いたり感情の変化が大きい場面は、ジャンプなどの動きをつけることで、さらにキャラクターの気持ちが伝わりやすくなるでしょう。
大きな声でセリフを話す
キャラクターのセリフをしっかり届けるためにも、はっきりと大きな声で話すことが大切です。
一番後ろの子どもまで声が届くように、お腹から発声できるように練習するとよいかもしれません。
慣れてきたら子どもが飽きずに楽しめるように、声に強弱をつけたり声色を変えたりするとよさそうですね。
題材の決め方などを理解し、実習や保育に人形劇を取り入れよう
今回は、保育に人形劇を取り入れるときのねらいやポイントを紹介しました。
人形劇とは人形を操作して演技を行うことを指します。
童謡や日本昔話などを題材にし、子どもが興味を持てる内容に仕上げられるとよいでしょう。
また、保育学生さんや新卒保育士さんが演じるときは人形の動きを工夫したり、大きな声で話したりなどのポイントを押さえることが大切です。
ハンドパペットやマリオネットなどアイテムごとの特徴を知り、自分に合った方法で人形劇を取り入れてみてくださいね。
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