保育士になると、日常的に保護者対応を行いますが、その際に大切なこととはなんでしょうか?新卒保育士さんにとって緊張する場面でもあるかもしれませんが、親子にも保育士さんにも大切な時間であり、大きな意味があります。コツを掴んで保育士としても成長していきましょう!事例を交えながら保護者対応で大切なことを紹介します。
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■目次
新卒保育士さんの保護者対応で大切なこと
保育士になったばかりだと、保護者対応に緊張したり、戸惑ってしまったりすることも多くあるかもしれません。しかし、経験を積むうちに少しずつ慣れていくものです。
保護者対応は、登園時や降園時に行います。短い時間かもしれませんが、とても大切なかかわりです。
そもそも、保育園で保護者と保育士さんは主になにを話していているのでしょうか。
くわしく見ていきましょう。
保護者対応で大切なことを知る前に!どんな話題を話す?
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新卒保育士さんの保護者対応で課題のひとつが、「話題」ではないでしょうか。
先輩保育士が楽しそうに、または真剣に話す姿を見て「なにを話しているんだろう?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。
保護者対応の内容や話題を紹介します。
保育中の子どもの姿
降園時に話す主な内容は、その日一日の子どもの様子です。
基本的には、活動での様子や楽しんでいたこと、成長を感じられた姿など、子どもの前向きな姿を伝えることが多いでしょう。
保護者の方も楽しみのひとつかもしれませんね。
相談
保育園では、家庭との連携が必要不可欠でしょう。
保育計画や子どもとのかかわりにおいても、家庭との情報交換を行い、子どもの一日の生活全体を考慮した保育が求められます。
気になることがあれば、保護者に相談しながら子どもの成長を促していけるよう努める必要があるでしょう。
また、保護者からの相談を受けることもあるかもしれません。
互いに子どもの姿を共有しながらかかわることが大切なようですね。
連絡帳に書かれていた内容
連絡帳には主に、家庭での子どもの姿など日記のような内容を書いている保護者の方が多いでしょう。
しかし中には、家庭での困りごとや気になることなど、子どもに関する悩みが書いてある場合もあるかもしれません。
連絡帳に回答や返事を書くこともありますが、伝わりづらい内容や詳しく話を聞きたい場合は、直接保護者の方とお話することもあるかもしれないですね。
クレームや要望
保育園では、保護者からの要望やクレームが発生する場合もあるでしょう。
そのような場合は、対面で話を伺い誠実な対応が重要となるようです。
保護者とのかかわりが大切な理由とは
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保護者対応での話題は、クレームなどの慎重に進めなければならないものもありますが、保育園での子どもの様子などたわいもない話もありました。
このような何気ない会話は、なんとなく話しているわけではなく、きちんとした意味があるようなので紹介します。
信頼関係を築くため
保育士として大切なことのひとつが信頼関係を築くことです。
子どもとはもちろんですが、保護者と良好な関係性を作ることも大切になってきます。
何気ない日常の様子を伝えることから始め、徐々に悩みごとの相談などにつながるでしょう。
また、よい関係性であれば保護者の不安軽減が期待できますし、信頼してもらえるようになると、保育園の運営もやりやすくなるかもしれませんね。
子育て支援のひとつになるため
児童福祉法第18条の4によると、保育士は「専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うもの」という内容が定められています。
ここで示されている指導とは、保護者が支援を求めている子育ての問題や課題に対して、気持ちを受け止めつつ子育てに関する相談、助言、行動見本の提示などの援助をすることをいいます。
保育士は、子どもの保育以外にも、保護者の支援も大切な仕事であり、求められることのひとつということですね。
子育てに対するアドバイスではなく、気持ちに寄り添いながら保護者の不安や負担を軽減し、前向きな気持ちで子育てできるようなかかわりが大切でしょう。
新卒保育士さんが大切にすべき保護者対応のコツ
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保護者対応は、保育士として求められることのひとつだということが分かりました。
そのため、新卒保育士さんも積極的に取り組んでいかなくてはなりません。
保護者の方と話すことに最初は緊張するかもしれませんが、保護者対応で大切なことやかかわり方のコツを知り、信頼関係を築いていきましょう。
日々の積み重ね
保護者との信頼関係構築は、日々の積み重ねが大切ではないでしょうか。
きちんと子どもを見てくれている安心感につながるかもしれません。
一生懸命我が子の姿を伝えてくれたり、保育に向きあったりしている新卒保育士さんの姿が保護者にも伝わるでしょう。
丁寧な言葉遣い
保育士として、日々丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
保護者の方とはもちろんですが、子どもに対しても丁寧な言葉遣いで接することが大切ですね。
子どものよいところや前向きな姿を伝える
保育中の子どもの姿はまず、楽しんでいたり頑張っていたりした場面や成長を感じた瞬間など、前向きで楽しい話題を話すとよいでしょう。
子どもの姿を伝えるときは、「お絵描きを楽しんでいました。」だけではなく、どんな絵を書いていたか、何色のクレヨンを選んだか、などの一人ひとりの具体的な姿を伝えることも、保護者対応のコツかもしれませんね。
信頼関係が築けたら徐々に相談事や気になることの共有など深刻な話題もでてくるかもしれません。
そのような場合、他の子どもと比べることは避けた方がよいでしょう。
また、新卒保育士さんの場合は、保護者からの相談内容を先輩保育士にも共有し、慎重に対応していく必要があるかもしれません。
保育の専門家としての意識
新卒保育士さんも、保育のプロとしての意識が大切でしょう。
しかし、分からないことや伝え方に悩むこともあるかもしれません。
無責任な回答は避け、「勉強不足ですみません。確認してみます。」「他の先生にも相談してみます。」などと伝え、子どもや保護者の方と向き合う姿勢を見せることも大切でしょう。
新卒保育士だからこそ、先輩保育士に相談することも大切です。
積極的に学ぶ姿勢も、保育の専門家として大切かもしれません。
保護者の話に耳を傾ける
保育園の子育て支援が目指すものは、各家庭において安定した親子関係が築かれ、保護者の子育てに対する気持ちの向上です。
保護者の子育てに対する自信や意欲を支えられるようなかかわりを心がけましょう。
また、保育園の子育て支援は、児童虐待防止の観点からも、重要なものと位置付けられています。
保護者対応では、保育士さんから伝えるだけではなく、保護者の話を聞くことも意識していくことが大切でしょう。
前向きな話題だけではなく、悩みに寄り添い共感を示すことも必要なようです。
【こんなときどうする?】保護者対応の事例を交えて大切なことを考えよう
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次は日常会話ではなく、イレギュラーな事例をもとに、どう対応するべきかを紹介します。対応は保育園の方針や状況によってさまざまです。
紹介する内容を参考にしつつ、上司に相談しながら保護者対応に取り組んでみましょう。
怪我をした
保育園では、子どもが怪我をすることもあるでしょう。
友だち同士のトラブルや転んでしまうなどさまざまな場合の怪我が考えられます。
<伝える内容>
- どのような怪我なのか
- 怪我をしたときの状況
- どのような対応や処置を行ったのか
- 経過観察中の子どもの様子
- 翌日、家庭での様子や怪我の経過を再度伺う
怪我をした場合は、すぐに電話をしたり様子を見て降園時に伝えたりするでしょう。
状況に応じて謝罪も必要かもしれません。怪我の大小にかかわらず、我が子が怪我をすれば保護者は心配です。
心配をかけた気持ちに寄り添いながら対応することが大切でしょう
。
怪我防止に向けての今後の対策などがあれば伝えると、誠実な姿勢が伝わるかもしれません。
子どもの姿に関して気になることがある
保育園での保護者対応では、保護者の子育てに対する意欲向上を目指し前向きな援助の心がけが必要な一方で、子どもの成長を家庭と連携して促すことも大切な役割のひとつです。
伝え方や内容はより慎重に進めていく必要があるでしょう。
<対応例>
- 事前に簡潔な内容を伝えておく
- 個別に話す時間を設けるなどして話せるようにする
- 他の保護者がいない場所やタイミングで話す
- 園での様子を具体的に伝える
- 家庭での様子を伺う
- 家庭で取り組んでいる対応方法などを聞く
- 園でも実践し、その後の様子を伝える
発達など子どもの気になることに関しては、保育士さんの感じ取り方ではなく、その子自身がどう感じているのか
を伝えることが大切かもしれません。
他の子どもと比べたり、思い付きで話をしたりすることは避けましょう。
決めつけるような発言もよくありません。
子どもの成長と向き合う姿勢を伝えていきましょう。
また、発達などのデリケートな問題は、他の職員とも相談しながら慎重に進める必要があり、保護者の方への配慮も充分に行う必要がありますね
。
クレーム対応
保育園では、保護者からのクレームが発生することもあります。
保育士や保育について、行事、運営に関してなど、内容はさまざまです。
クレームが出たあとも、保護者とのかかわりは続きます。
保護者にとっても保育士さん自身にとっても安心した保育園生活が送れるように、誠実な対応を行いましょう。
<対応方法>
- 保護者の話をきちんと聞く
- 内容に相違がないか再度確認する
- 他の職員に相談する
- 謝罪、解決策、提案など適切な回答を行う
- 感謝を伝える
クレームに対しては、早急な解決やその場を納めることに気を取られてしまうかもしれませんが、むやみな謝罪や反論ではなく適切な対応を見極めることが大切でしょう。
また、今後も良好な関係を築くために、「貴重なご意見ありがとうございました。」などの感謝の言葉をそえることも重要かもしれないですね。
前向きな保護者対応は新卒保育士だからこそ大切なことのひとつ!
保育園での保護者対応について紹介しました。
新卒保育士さんはまず、知識や経験での信頼だけではなく、「我が子のよいところをたくさん見てくれている」という安心感につながるような保護者対応を心がけるとよいかもしれません。
慎重な話題や保護者とのかかわり方についての悩みは、先輩保育士や上司に相談しながら進めていけるとよいでしょう。
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