保育士になるために就活を進める中で、作文や面接にて「どんな保育士になりたいか」という質問は、必ずと言っていいほど聞かれるでしょう。ただ、重要そうな質問なだけに、準備をしておかないと「どうやって答えたらいいの」と焦ってしまうかもしれません。今回は、回答として使える例文や一言を紹介します。また、保育学生さんの中には「私の目指す保育士像」というテーマで論文やレポートの提出を求められることもありそうです。その際も本記事を参考にしてみてくださいね。
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保育士の就活「どんな保育士になりたいか」を聞く意図は?
保育学生さんが就活をする際、面接や作文で「どんな保育士になりたいか」という質問を必ずと言っていいほどされるでしょう。
これは、「保育観」を確認するために質問していると考えられます。
「保育観」とは、「子どもの保育に携わるうえで大切にしたい価値観や考え方」を指すと言われています。
保育観を知ることで、保育学生さんが自園の保育観とマッチしているかどうかを確認することができるため、長く働いてくれるか、今いる職員と合いそうか、などを判断しているのでしょう。
こういったことを踏まえ、「どんな保育士になりたいか」という質問の答えは、自己PRの一部として考えてもよいかもしれません。
入りたい園と自分がどれだけマッチしているかを伝えるためにも、しっかりと準備しておきたいですね。
なりたい保育士像別「どんな保育士になりたいか」例文
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ここからは「どんな保育士になりたいか」という質問に対する回答例を紹介します。
いつも笑顔で明るい保育士
私は、いつも笑顔で子どもと接することができる保育士になりたいです。自宅以外で過ごす時間が長い子どもたちにとって、保育園は少し不安を感じる場所なのではないかと思います。だからこそ、私が笑顔で接することによって、安心感を与えたいです。
子どもの成長を引き出す保育士
私が保育士として大切にしたいことは、子どもの成長を引き出すことです。子どもたちは、日々すさまじいスピードで成長していきます。何かできなかったことができる、知らなかったことが分かる、そのような成長は大人であってもうれしいものです。子どもにとっての成長を引き出せるよう、それぞれの成長ペースに配慮しながら、働きかけをしていける存在になりたいです。
子どもといっしょに思い切り遊べる保育士
私は、子どもといっしょに思い切り遊べる保育士を目指しています。ときに子どもたちは大人でも驚くような遊びを思いつきます。「遊ぶ」ことは「考える」ことにもつながっているのだと感じます。子どもたちといっしょに思いきり遊び、前向きな学びの一助を担いたいと思っています。
子どもと自然とのつながりを大切にする保育士
私は、子どもと自然とのつながりを大切にした保育を行なっていきたいと思っています。自分自身が緑あふれる環境で育ったこともあり、自然とのふれあいが保育に与える影響は、かなり大きいと感じています。日本の四季や命の大切さについて、自然との関わりを通じて伝えていきたいです。
子どもの個性を大切にする保育士
私は子どもの個性を大切にしたいです。周りと違うことを不安に思ったり、周りと違うことを否定的にとらえてしまう子がいるかもしれません。しかし、きっとそれはその子の特性としてしっかりと向き合うべきことなのだと思います。子ども一人ひとりと向き合い、それぞれの特性を理解できるようになりたいです。
子どもの小さな変化にも気づける保育士
数多くの子どもと接する保育士ですが、それぞれの小さな変化に気づける存在でありたいです。きっと保護者の方であれば、よしあしに関わらず、自分の子どもの小さな変化に敏感になると思います。保護者のみなさんの代わりとして安心して預けていただけるように、声や表情、ちょっとした行動にまで目を配り、寄り添っていきたいです。
保護者に信頼してもらえる保育士
保育士として、保護者との関係性を大切にしていきたいです。子育てには悩みはつきものだからこそ、楽しいことだけではなく不安な面も多くあるでしょう。そんな悩みに耳を傾け、子どもを共に育てていく存在として安心して預けていただけるような保育士を目指します。
同僚とのチームワークを大切にできる保育士
同僚と力をあわせて最適な保育を行なえるように努めます。保育の現場では、チームワークが必要不可欠だと感じます。子どもたちによりよい保育ができるよう、お互いの得意不得意を補いあいながら、クラス運営、園運営に関わっていきたいです。
【どんな保育士になりたいか」を答えるときの注意点】面接編
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回答例を紹介しましたが、ただそのまま相手に自分の考えを伝えればよいというわけではありません。ここでは、面接で「どんな保育士になりたいか」と質問された場合、回答する際に注意したいポイントを紹介します。
考えの背景まできちんと述べる
面接の場では、質問の回答について深掘りされることを頭に入れておきましょう。面接官は、ただ質問に回答できるかを見ているのではなく、あなたの人柄を詳しく知りたいと思っています。「なぜ」そう思ったのかといった形で、考えの背景まで問われることがほとんどです。
保育観が芽生えたきっかけやタイミングについて、具体的に説明できるとよいですね。
他の質問に対する回答と矛盾がないようにする
人柄の他に、回答に一貫性があるかどうかも、面接で見られるポイントです。面接という限られた機会でその人が伝えていることが本当に正しいのかといった点は、一貫性で確認するほかないためです。
他の回答との矛盾がないかという点もしっかり考えたうえで、面接での回答の準備をするとよいでしょう。
【「どんな保育士になりたいか」を答えるときの注意点】作文編
「どんな保育士になりたいか」という質問は、面接の場だけでなく、作文やエントリーシートでも聞かれる可能性があるでしょう。
その際に注意したいポイントについても、確認しておきましょう。
構成を意識して書く
作文やエントリーシートを記入する際に注意したいのは、文章の構成です。面接とは違い、文字情報でしかあなたの気持ちを伝えることができないので、読み手の読みやすさを意識して作成できるとよいですね。
まず、結論を述べた上で、なぜそう思ったのかをシンプルに紹介する、といった形で、読み手にストレスを与えない内容を準備するとよさそうです。
事前に周りの人に内容を確認してもらえる場合は、第三者に読んでみてもらい、読みやすさについて意見をもらえると、不安なく作文やエントリーシートに向き合えるかもしれません。
印象に残りそうなエピソードを織り交ぜる
ほとんどの場合、読み手は一度に多くの作文やエントリーシートを確認します。その中でしっかりと印象に残るようなエピソードを織り交ぜるのは、就活という場面では効果的です。
前述した通り、身振り手振りや表情でも感情を訴えられる面接とは違い、作文やエントリーシートではテキストでしか自分をアピールすることができません。
「この人に会ってみたい、この人は他の就活生と違いそう」と思ってもらえる内容を検討しましょう。
「どんな保育士になりたいか」が思いつかないときの対処法
保育士になりたいという気持ちがあるけど、「どんな保育士になりたいか」を具体的に考えられていないという人もいるかもしれません。その際の対処法についても見ていきましょう。
保育士を志した際のきっかけを振り返る
「保育士になりたい」と思ったとき、何かしらのターニングポイントがあったのではないでしょうか。いつごろ保育士になりたいと思ったのか、きっかけは何だったのかと振り返ることで、理想の保育士像が浮かんでくるかもしれません。
実際に関わった保育士さんの姿を思い出す
自分が子どものときに教わった保育士さんや、実習で関わった保育士さんなど、実際にふれあった保育士さんが複数いるでしょう。その中で「素敵だな」「こんな人になりたいな」と思った点を挙げてみるのもよいかもしれません。いくつか挙げられると、自分の理想の保育士像の方向性が見えてくるかもしれないですよ。
子どもとふれあった場面を思い出す
保育観を語る上で欠かせないのが子どもたちの存在です。
親戚の子どもや年の離れた兄弟のお世話をした経験や、街中で関わった子どもとのエピソードなど、その記憶を思い起こすことで、保育観のヒントが見えてくるかもしれません。
「どんな保育士になりたいか」という質問に回答する際も、具体的な体験を盛り込むことで信ぴょう性が増すので、実体験を振り返るのはとてもよいでしょう。
「どんな保育士になりたいか」でミスマッチの少ない就活に
保育士の養成校では、「私の目指す保育士像」といったテーマで「どんな保育士になりたいのか」を作文や論文を提出する場合もあるようです。
そのため、保育学生のうちから自分の考えをまとめておくことが大切です。
また、就活時「どんな保育士になりたいか」と面接で質問される場合に備えて、しっかりと回答できるように準備しておきましょう。
具体的であればあるほど、園とのミスマッチも減りそうです。
ただ、自分だけではなかなか考えにくい内容でもあるでしょう。
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