自分は、何歳児の保育が向いているのかを知る

これから保育士として働くことを目指す方のために、今回は、自分に合う子どもの月齢の見極め方についてお話していきます。

自分は、何歳児の保育が向いているのかを知る

月齢・年齢によって求められるスキルが異なる

基本的には0歳から小学校就学前の子どもを保育するのが保育士の仕事です。
大人になってから過ごす6年間と異なり、保育園で過ごす6年間は子どもにとって身体的にも内面的にも大きく成長する大切な時期にあたります。
保育士は一人ひとりの子どもたちの成長に合わせて保育をしていく必要があり、それぞれ担当する子どもの月齢に合ったねらいを持って、子どもたちに接するスキルが求められます。
保育士として働いていく中で、就学前までのすべての年齢の保育を経験すると、自分の中でもっとも関心のある年齢や、この年齢の保育がやりやすいということに気付くことがあるかもしれません。

0歳児と5歳児では全く保育の中身は違う

例えば、0歳児クラスの保育では激しく体を動かすような鬼ごっこのようなことはしませんし、逆に5歳児クラスで子どもにミルクを与えることはありませんよね。
そのように子どもの月齢によって保育内容はまったく違ってきます。
また、男性保育士の場合、活発に動く3歳児~5歳児クラスを受け持つ場合が多いようですし、育児経験のあるママさん保育士の場合は激しく体を動かすダイナミックな保育は難しいこともありますので、0歳児~1歳児クラスなど比較的小さな子どもの担任になることが多い傾向になっています。

いろいろな年齢のクラスを経験しておこう

実際に保育士として働くと、自分では何歳児の担任をするということは決められませんが、保育実習などでは、保育園側が希望を聞いてくれる場合もありますよね。
その時はできるだけ全年齢を経験されることをおすすめします。
日程や保育園の事情などでいくつかのクラスしか担当できない場合は、自分は何歳児を実際に見てみたいのかをイメージしてみてくださいね。

それぞれの年齢の保育の特徴とは

年齢別の保育の違いについてまとめてみました。
自分は何歳児が向いていそうだなとイメージしながら見てみてくださいね。

(1)0歳児(子ども3人に対して保育士1人の配置)

保育施設によっては、生まれて間もない生後2カ月頃からの赤ちゃんの受け入れに対応しています。
登園後、まず視診や検温などを行い、赤ちゃんの健康状態に異常がないか様子を見ます。
この頃の赤ちゃんは、まだ言葉を話せない代わりに泣くことで自分の意思を伝えようとしています。
初めて会う人を認識して人見知りする子どももいます。
保育士が保護者の代わりとなって、おむつ交換やミルクを与えるなどの身の回りのお世話をして、安全に園生活を送れるようにすることが主な仕事内容になります。

(2)1歳児(子ども6人に対して保育士1人の配置)

身の回りのことを自分でやってみようとする気持ちが育ち始めてくるので、子どもの気持ちを尊重しながら保育をしていきます。
遊びは、ブロックや人形などのおもちゃ・道具を出し、子どもといっしょに遊びながら遊び方を教えていきます。
この時期はまだ、自分の気持ちが他の子どもにうまく言葉で伝えられないので、手が出てしまったり、かじってしまったりする子どもがいます。
そのような場合は、保育士が「貸して」や「ちょっと待ってね」などの道具の貸し借りに使う言葉や遊びのルールを繰り返し教えていきます。

(3)2歳児(子ども6人に対して保育士1人の配置)

よく動き回るようになり行動範囲が広くなるので、保育士は目を離さず保育することが大切です。
自分でしたい気持ちが高まり、自己主張がより強く出てくるので、温かく受け止めながら援助します。
片付けなど身の回りのことは少しずつ自分でできるようになりますので、生活のルールを教えます。
また、簡単な製作もできるようになりますので、製作はあらかじめ保育士が子どものできる作業内容を把握し、「パーツを貼りつけたらお面ができる」といったような状態のものを準備しておきます。
ただ貼らせるのではなく、使う紙の裏と表の違い、適当なのりの量・付け方など、一つの作業の中で関連付けながらいろいろなことを総合的に指導します。

(4)3歳児(子ども20人に対して保育士1人の配置)

生活面では始めの頃はまだおむつをしている子どももいますが、身の回りの着替えなど、1人でできることが日を追うごとに増えていくので、保育士としてのやりがいを感じる年齢となってくるかもしれません。
4月生まれと早生まれの子どもでは、身体の大きさやできることも違ってきますので、どの程度の子どもに合わせていくかを悩むこともあります。
遊びは砂遊びなどの1人遊びが目立ちますが、保育士が適切な援助をすることで鬼ごっこなどの簡単なルールの遊びを理解できるようになります。
この頃から保育士の手伝いをしたいという気持ちを持つ子どもも見られ、困った時に誰かを呼びにいくことができるなど、状況に応じた言葉を上手に使うことができるようになっていきます。

(5)4歳児(子ども30人に対して保育士1人の配置)

身の回りのことはたいていできるようになり、遊びも3歳児に比べ活発になっていきます。
保育士に依存しなくても、子ども同士で活動することもできるようになります。
お遊戯や歌なども楽しめるようになり、セリフを覚えて行う劇もできるようになります。
簡単なお手伝いはもちろん、保育士がいなくても決められた仕事を1人で行ったり、友だちと協力して子どもだけで行ったりすることもできるようになります。

(6)5歳児(子ども30人に対して保育士1人の配置)

身の回りの始末(食事、着替え、排泄など)は一通り自分でできるようになります。
保育士の補助を必要とせず、何でも自分でやってみようという気持ちが生まれます。
お手伝いに積極的に参加したり、いろいろなものに興味や関心を持ったりして、子ども同士で園生活を楽しめるようになります。
遊びでは、たくさんのルールが必要なドッチボール、リレーなどもできるようになり、保育士は遊びの状況に応じて必要な補助をして子どもの遊びを楽しく促すようにしていきます。

保育園の担任の心構え

勤務する園の方針や職員の数により、新卒でも担任を任される可能性があります。
慌てないよう、今のうちから身につけられる、担任としての心構えをご紹介します。

(1)事前にできるだけ準備をしておく

1人で担任をするにあたって一番不安なのが、不測の事態に落ち着いて対応できるか、ということではないでしょうか?子どもはこちらが思うようには動いてくれません。
「これをハサミでこう切って~」と説明しているそばから、水をこぼしたり、ケンカを始めたりします。
こんなときに大事なのが「事前の準備」です。
製作の材料を前もって用意しておくのはもちろん、足りなくなったときの予備や、汚したときのための雑巾など、さまざまな可能性を考え、手が届くところに準備しておきましょう。
先輩に話を聞いたり、担任を持つ心構えが書かれた雑誌や本を読んで、研究しておくのもオススメです。
こんな問題が起こりそうだな、と事前に考えて用意しておけば、本当にトラブルが起こってもあわてずに対応することができますよ。

(2)1人で抱えず、周囲を頼る

「担任だから、なんでも一人でやらなくちゃ」と抱え込まず、困ったときは先輩や同僚、園長を頼りましょう。
保育の仕事はチームワークです。
「みんな忙しそうだし…」とためらう気持ちも分かりますが、それによって目の前の保育がおろそかになってはいけません。
一番大事なのは子どもたちです。
新人の頃は周りの方にどんどん助けていただき、いつか後輩を支えられるような存在になりましょう。
もちろん助けてもらったときには、忘れずにお礼を伝えましょうね!
子どもが3歳くらいになってくると、手先の器用な子がお友だちのボタンを留めてあげている場面を目にすることがあります。
お手伝いを頼むのを習慣づけることで、子ども同士が自然に助け合う、素敵なクラスができるかもしれないですね。

(3)どんなときも笑顔を忘れない

子どもは敏感です。
担任の先生が困ったり、落ち込んでいたりしていると、暗い空気が子どもに伝わり不安にさせてしまいます。
保育士にとって一番の武器は笑顔!子どもたちは先生の笑った顔が大好きですから、どんなときでも堂々と笑っていましょう。
辛いことがあったときほど意識して口角を上げてみると、気持ちもおのずと明るくなります。
意識してもどうしても笑えない、という事態になってしまった場合は、心身がSOSを出しているのですぐに周囲に相談して下さい。
無理は禁物です。
保育士は大変な側面もありますが、本来はとてもやりがいのあるお仕事です。
担任だからと気張り過ぎず、お休みの日はしっかり休んで、自分自身を労わりながら、マイペースで楽しく働いて下さいね。

まとめ・担任にはたくさんのやりがいや楽しさがあります

子どもの年齢による保育担任の役割や心構えについてご紹介していきましたが、なんとなくイメージは掴めたでしょうか?実際にクラスに入って、子どもたちとふれ合うことが、自分に合った子どもの月齢を把握する近道です。
身近な保育園にお手伝いを申し出る、たくさんの場所で実習するなどして、より多くの子どもたちと関わることで、保育士として働く自信が付いていきます。
迷ったり悩んだときには、自分で行動を起こしてみましょう。
たくさんの経験を積み重ねることが、素敵な保育士になる近道です!

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