働く保護者の強い味方!「企業内保育士」とは

◆期待が集まる企業内保育所


待機児童問題を解消するための策として期待が集まっているのが企業内保育所です。
保護者の強い味方とも言える「企業内保育士」ですが、保育士志望者にとって気になるのは企業内保育士の仕事内容や待遇です。

働く保護者の強い味方!「企業内保育士」とは


一方、保護者の立場からは企業内保育所の保育料が気になります。
そこで今回は企業内保育所で働く保育士の仕事内容と保育料について考えてみたいと思います。

◆働く保護者の強い味方!「企業内保育士」とは


◯企業内保育士の仕事
企業内保育士は、企業が自社で働く従業員のために開設した保育施設で保育サービスを担う保育士のことです。
企業内保育所は社屋の中に併設されている場合もあれば、近隣に設置されている場合もあります。
主としてその企業の従業員が出勤時に子どもを預け、退勤時に迎えに行くというシステムです。
企業内保育所は季節ごとのイベントはあるものの、保護者が同じ企業に勤めているため同時に休みを取れない関係上、保護者参加の運動会や遠足といった大きなイベントがないのが最大の特長です。
したがって、企業内保育士はそれら行事の準備負担から開放されています。
したがって、企業内保育士は園児の受け入れ、遊び、食事、昼寝といった日常的な保育サービスの提供が主たる業務です。
夜勤のある企業では夜間保育も実施しているので、企業内保育士の勤務時間は子どもの夕食から寝かしつけまで、通常の保育士とは異なる業務を担当することも出てきます。

◯企業内保育士の年収
企業内保育士の給与は、施設を設置・運営する企業の規模によって左右されます。
勤務形態は、正社員からアルバイトまで多様で、雇用形態ごとに給与は異なります。
正社員の企業内保育士の場合、施設を設置・運営する企業の従業員という位置づけです。
そのため、給与形態や有給休暇制度などが明記されていることが多く、認可外保育園の中では比較的条件の良い職場と言えます。
従業員数が1000人未満の企業の企業内保育所の場合、企業内保育士の平均年収は310万円程度です。
一方、1000人超の従業員を抱える大企業が設置した企業内保育所の場合、企業内保育士の平均年収は620万円に上ると言われています。
福利厚生や各種手当が完備されているので、企業内保育士は安定・充実した雇用と言うことができるでしょう。

◯企業内保育士の注意点
企業内保育所は「認可外保育施設」であるため、認可保育所に比べて保育士の配置要件が緩めに設定されています。
そのため保育士資格がなくても働けると勘違いする人が多いのですが、現実はそれほど甘くありません。
採用試験の際には保育経験を重視されます。
保育士の資格があったり、保育士としての勤務経験が合ったほうが有利であることは言うまでもありません。
企業内保育所、認可外保育所と言っても保育の質を落とせるわけではありません。
ケガや事故などのトラブルが起こってはいけませんし、予防のための対策を講じなければいけないのも当然のことです。
企業内保育所の特性として運動会などの大きなイベントが開催できない点があります。
イベントを開催しなくて良いのは保育士にとって負担が少なくなりますが、子どもたちにとっては寂しいことです。

◆企業内保育の保育料はどのくらい?


実際に企業内保育を提供している企業は、どの程度の保育料で保育サービスを提供しているのでしょうか。
以下、いくつかの先行事例をご紹介したいと思います。

◯企業内保育所の保育料の事例(1)あんしん託児所
株式会社安心ダイヤルが開設する企業内保育サービスがあんしん託児所です。
この託児所はオペレーターである主婦層が働きやすい環境を整備するという目的で開設されました。
3施設合計で180名の登録児童がおり、常時利用しているのは60名程度ということです。
保育時間は7時30分〜21時30分までで、休園日はありません。
保育料は上限2万円で、何人子どもを預けても一従業員当たり2万円以上の保育料は徴収しないということです。

◯企業内保育所の保育料の事例(2)TLCキッズランド
京葉流通倉庫株式会社が運営する企業内保育所がTLCキッズランドです。
平成19年に開設され、定員20名、実際の預り児童数は13名です。
保育時間は8時30分〜17時30分とし、延長保育は19時まで受け入れています。
保育料は3歳未満は一人2,3万円、3歳以上は一人1.8万円に設定されています。
常勤の保育スタッフ2名が子どもたちの保育を担当しています。

◯企業内保育所の保育料の事例(3)CO・OPキッズルーム
生活協同組合コープみらいが運営する企業内保育所がCO・OPキッズルームです。
平成20年以降埼玉県内各所で開設され、総定員数42名、登録39名を数えます。
保育時間は9時〜18時30分、土日と年始が休園日です。
保育料は1時間単位で計算され1時間150円です。
ただし、月額上限が2万2500円に設定されていて、それを超えて保育料を徴収されることはありません。

◯企業内保育所の保育料の事例(4)さくらの家
医療法人聖仁会西部総合病院が開設した企業内保育所がさくらの家です。
昭和56麺に開設された企業内保育所には52名の定員に対して、90名の登録児童がいます。
常時利用児童は25名です。
保育時間は8時45分〜17時45分となっていますが、夜間勤務の従業員のために16時〜翌朝9時までの夜間保育も提供しています。
年中無休の企業内保育所の保育料は1日500円、夜間保育は1日800円、半日の利用であれば250円です。
保育スタッフは14名と充実しているのもこの企業内保育所の特徴です。

◆普及が期待される企業内保育所


企業内保育士のお仕事内容は、一般の保育士と大差ありません。
その責任や職務もほとんど差がありません。
一方、企業内保育士の待遇は設置する企業の規模に依存するようです。
企業内保育所の保育料は千差万別ですが、設置企業の勤務シフトに併せて保育時間を設定されているのが魅力ですね。
企業内保育所が普及し、待機児童問題を解消することが期待されます。

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