「みなし残業」って?求人票を読み取ろう

求人票で分からない単語、ありませんか?

保育士・幼稚園教諭を目指して就職活動中のみなさんにとって、求人票は重要な情報源の一つですよね。
ただ、求人票を見ていると、「これってどういうことなのかな?」と分からない単語が出てくることもあるのではないでしょうか?

「みなし残業」って?求人票を読み取ろう

今回は求人票で見かける単語の中で、「みなし残業」と「非正規雇用」について詳しく解説していきたいと思いますので、ぜひ職場選びの際の参考にしてくださいね。

あったほうが良い?ないほうが良い?「みなし残業」とは

「みなし残業」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 労働者側にとって必ずしも有利にはならない「みなし残業」制度は、保育園や幼稚園などでも適用されることがあるといいます。
ここでは、「みなし残業」についての正しい知識を身に着けていきましょう。

○「みなし残業」とは?
「みなし残業」とは、労働時間の長さに関わらず、あらかじめ○時間と残業時間が決められ、その時間分の残業代を企業側が支払うという制度です。
いわば、「成果主義」に基づいた制度であり、このあらかじめ決められた残業時間を超過した場合でも、普通、超過分の賃金は支払われません。
「みなし残業」には「みなし労働時間に基づくみなし残業」と「定額残業制に基づくみなし残業」の2種類があります。

○「みなし残業」が堂々と適用される職種とは?
そもそも「みなし残業」とは、直行直帰の営業職・在宅勤務者・研究者・システムエンジニア・コンサルタント・企画業務に携わる職のような労働時間の長さで賃金を定めるのに適さない職種に対して、適用されてきました。
これらの職種に対しては、前述した「みなし労働時間に基づくみなし残業」制度が適用されます。
法定労働時間=8時間を超える労働時間になる場合、労使協定で超過時間分=残業時間と設定し、それを「みなし残業」時間として固定給で支払われるのです。
「みなし残業」の時間は、あらかじめ決められているので、実際に働いた時間がその残業時間を超えた場合、超えた分の賃金が支払われることはありません。

○すべての職種に適用される「みなし残業」とは?
上記した職種以外でも、実はすべての職種に「みなし残業」を適用することが可能です。
その場合は「定額残業制に基づくみなし残業」とされ、基本給の中にあらかじめ数時間分の残業代を含めておくという方法をとります。
「定額残業制に基づくみなし残業」の場合は、基本給の中に含まれている残業時間を超えて労働した場合、超過分の残業代は支払われることとなります。
「みなし労働時間に基づくみなし残業」と「定額残業制に基づくみなし残業」の大きな違いは、職種の違いと、超過分の残業代が支払われるか支払われないかの違いです。

○「みなし残業」によるトラブル例
「みなし残業」制度というのは、労働者側よりも会社側にとって有利な制度です。
実際、「みなし残業」に関する労使間のトラブルは後をたちません。
例えば、「みなし残業」だからといって、労働時間の管理をしない(=タイムカードがない)会社もあるようです。
この場合、違法になるため、会社側に労働時間の管理をするよう促しても話を聞いてくれない場合は、自分で労働時間の管理をする(=メモを取っておく)ようにしましょう。
また、「みなし労働時間に基づくみなし残業」が適用される職種ではない(=事務職・普通の営業職など)のに、超過した残業代が支払われない場合も違法です。
会社側に説明して、みなし残業を解いてもらい、不足している残業代を請求しましょう。

○「みなし残業」まとめ
「みなし残業」について、その内容とトラブル例をまとめました。
「みなし残業」は、労働者側にとっては、必ずしも有益な制度ではありません。
雇用する側が、「みなし残業」について都合の良いように解釈し、不当に利益を上げようとする場合もあるようです。
「みなし残業」について、確かな知識を身に着け、不利益を被らないように自衛しましょう。

「非正規雇用」とは

現代日本において、働き方の多様化が進んでおり、派遣社員やパートタイム、アルバイトなどの雇用形態のことを「非正規雇用」と呼びます。
非正規雇用とは一体どんな雇用形態なのか、正規雇用との違いはどこにあるのか、またその問題点についてまとめます。

○非正規雇用という雇用形態
非正規雇用とは、正規雇用ではない雇用形態のことを指します。
派遣社員やパートタイマー、アルバイト、契約社員(期間社員・臨時社員)などが、非正規雇用に分類されます。
非正規雇用は、正規雇用と異なり、賃金は時間当たりの労働時間によって決められている場合が多く、一般的には正規雇用の職員より労働時間は短く、また、雇用の期間にも制限があります。
また、正規雇用の場合は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)について加入義務がありますが、非正規雇用の場合は、一定の条件を満たせば加入できるというふうになっています。

○非正規雇用が増加した背景
平成6年ごろから非正規雇用者は増え続けています。
企業側にとっては、正社員を多く抱えるより、非正規雇用者を雇うほうが、人件費が安く上がるので積極的に非正規雇用者を増やしているような企業もあります。
また、企業の業績が悪化すれば、即首を切れるのも非正規雇用が重宝される理由の一つです。
非正規雇用者が増加した背景には、企業の人員削減の際の調整弁的な役割と、人件費削減という2つの大きな理由があったのです。

○非正規雇用の問題点
まず、正規雇用と比べて非正規雇用の場合は、給料が少ない場合が多いようです。
単位時間あたりの給料が低かったり、ボーナスや退職金などがなかったりします。
労働時間の長さも、一般的には正規雇用の者よりも短い傾向にあります。
さらに、非正規雇用の場合は、雇用の期間に制限があるため(1ヵ月~3年ほど)、雇用が不安定です。
また、企業側としては非正規雇用として雇い入れた労働者のことは、短い期間しか雇わない労働者という認識であるため、技術を身に着けてキャリアアップを図るという道も閉ざされている場合が多いようです。

○非正規雇用で働くということ
現在、非正規雇用の数が増え、正規雇用の数は減少傾向にあります。
そのため、就職活動をしてもなかなか正社員の座を得られない若者も多いのです。
しかし、非正規雇用で働くということは、主婦や老人など、時間や労働内容に制約が出る人にとってはメリットのある雇用形態と言えますが、これから自立して自分で食べていかなくてはならない若者にとってはあまりメリットを感じない働き方なのです。
非正規雇用の場合、労働時間のわりに賃金が低く、身分も保証されず、キャリアアップもままならないのです。
将来のことを考えるなら、できるだけ正規雇用にこだわって就職活動を展開してほしいと思います。

分からないことは調べることが大切

今回は「みなし残業」と「非正規雇用」について解説させていただいました。
求人票を見る際に知らない単語をそのままにしておくと、就職後に後悔してしまうこともありえます。
知らない単語が出てきたら、まずはその単語の意味をしっかり調べて、納得した上で応募するようにしましょうね!

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