保育実習にペープサートを取り入れる際に、どのような題材がよいかを知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。設定したねらいにあわせて絵本や歌などから題材を選ぶと、担当する子どもたちにも内容がわかりやすそうですよね。今回は、保育実習でのペープサートの題材の選び方や上手に演じるコツを紹介します。
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■目次
ペープサートとは
ペープサートとは紙人形を使う劇のことです。2枚の紙に絵を描き、間に割り箸などを挟んで張りあわせた人形を使って劇を行うことが一般的とされていますが、保育活動のなかでは劇以外にもペープサートを利用することがあるようです。どのような場合も活動のねらいをしっかり考えて行うことが大切でしょう。
ペープサートの年齢別のねらい
保育実習での活動にペープサートを取り入れる場合、どのようなねらいを設定するとよいのでしょう。保育活動における年齢別のねらいの例を紹介します。
1歳から2歳
1歳から2歳の子どもたちの保育活動では、ペープサートで想像力を育てるきっかけを作るというねらいが考えられます。
この頃の子どもたちは、言葉を覚え始めたり身の回りのことに関心を持ち始めたりするので、保育学生さんが見せるペープサートに興味を示す子どももいるでしょう。人形の動きを見たりおしゃべりを聞いたりすることが、想像力を育てるきっかけにもなるようです。
他には、ペープサートの人形のおしゃべりを通して、簡単な言葉の意味を理解するというねらいもよいかもしれません。
3歳から4歳
3歳から4歳の子どもたちの活動にペープサートを取り入れる場合、空想力や知的好奇心を養うということをねらいにしてもよさそうです。この頃の子どもたちは、物語の登場人物になりきって考えることもあるので、ペープサートを見ながら空想が広がりそうですね。
他には、ペープサートで見た生き物などに関心を持ち、もっと知りたいと思う子どももいるかもしれません。保育実習では、ペープサートを見ることを通して、集中力を養うというねらいを据えてもよいでしょう。
5歳から6歳
5歳から6歳の子どもの保育活動にペープサートを取り入れる場合、想像力や言語の理解力をつけるというねらいを設定するとよいかもしれません。この頃になると、お話を聞いて自分なりに内容を理解したり、登場人物の気持ちを考えたりする子どももいるでしょう。
ペープサートを見ることで、楽しい気持ちや悲しい気持ちなどを想像し、思いやりの心を育てることができるとよいですね。
ペープサートの題材の選び方
保育実習にペープサートを取り入れる場合、どのような視点で題材を選ぶとよいのでしょう。題材の選び方を3つ紹介します。
子どもの興味にあわせて選ぶ
ペープサートの題材を選ぶときは、子どもたちがどのようなことに興味を持っているかを考えましょう。興味にあわせて選ぶと、集中して見てくれる子どもも多くなるようです。保育実習が始まったら、子どもたちに人気の遊びや絵本などを意識して観察すると選びやすそうですね。
シーンにあわせて選ぶ
ペープサートは物語を楽しんでもらう他に、保育活動の導入、ルールの説明、自己紹介などにも利用できます。題材を選ぶときには、どのようなシーンで使うかを考えてみましょう。
例えば保育活動の導入に使う場合は、活動内容に関係するお話などを選ぶとつなげやすいかもしれません。保育学生さんと子どもの好きなキャラクターの人形を使い、生活のルールを題材にしてみても楽しそうですね。
子どもの年齢にあわせて選ぶ
ペープサートの題材を選ぶときには、担当する子どもの年齢にあわせることも大切です。子どもたちが好きな絵本などを見て、どのくらいの言葉や内容が理解できるかを確認してから題材を選びましょう。保育実習前に準備する場合は、事前に実習園の保育士さんに相談してみるのもよいかもしれません。
ペープサートに取り入れやすい題材
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ペープサートの題材は、子どもたちの興味や使うシーンなどによって幅広く考えられるようです。保育学生さんが実習に取り入れやすい題材についてまとめました。
絵本のお話
子どもたちが好きな絵本のお話は、ペープサートにしたときに興味を持って見てもらえそうです。見慣れた登場人物が紙人形になって動いたり話したり様子を見ることで、物語をさらに楽しんでもらえそうですね。
歌
子どもたちに親しまれている歌にあわせてペープサートを演じると、楽しい歌が一層盛り上がりそうです。物語性のある童謡などには特に適しているかもしれません。くまさんやどんぐりなどの紙人形を作り、歌にあわせて動かすと、子どもたちが気持ちを込めて歌えそうですね。
イベントの紹介
保育園のイベントの紹介を題材にすると、イベントの内容が子どもたちに伝わりやすいかもしれません。例えば、運動会の練習が始まる前に、種目の説明や練習中に気をつけることなどをペープサートで演じてみせるのはどうでしょう。かけっこのスタートの仕方や手洗いとうがいの大切さなどが、紙人形の動きから理解できそうですね。
食育
食育もペープサートに取り入れやすい題材のようです。野菜や牛乳、ご飯などの紙人形に目と口を描いて動かすと、子どもたちが身近に感じて、保育学生さんの話をよく理解してくれるかもしれません。「私にはみんなの体を動かす力があるので、たくさん食べてね」とご飯の人形を通して話すと、子どもたちが給食をしっかり食べてくれそうです。
ペープサートを上手に演じるコツ
子どもたちにわかりやすくペープサートを演じるために、どのようなことを意識するとよいのでしょう。上手に演じるコツを紹介します。
動かし方を工夫する
ペープサートを上手に演じるために、紙人形の動かし方を工夫してみましょう。例えば人間や動物が歩く様子を表すときには、上下にトントンと動かします。また、飛行機や忍者の場合は、上下に動かさず滑るように移動させるとよいでしょう。このような動作をスムーズに行うためには、事前にしっかり練習する必要があります。
誰が話しているかをわかりやすく演じる
ペープサートを演じるときには、話している人形だけを動かすようにしましょう。ペープサートは保育学生さんの語りによって物語が進行するので、誰が話しているかをわかりやすく演じることが大切です。2体以上の紙人形が会話をする場面では、動かす人形と静止している人形がはっきり区別できるように演じましょう。
物語を演じる場合は背景も用意する
ペープサートは紙人形だけで演じることが一般的ですが、時間に余裕があるときは背景も用意すると楽しい劇になりそうです。特に物語を演じる場合、背景があると、絵本や紙芝居から登場人物が飛び出したかのように見え、子どもたちが喜んでくれるのではないでしょうか。
ペープサートの題材は、子どもの年齢や興味にあわせて選ぼう
今回は、ペープサートに取り入れやすい題材の選び方について紹介しました。
保育園ではお話を聞かせるときの他に、活動の導入やルールの説明など、さまざまなシーンでペープサートを利用するようです。子どもたちが親しんでいる絵本や歌などを題材にすると、ペープサートを演じやすいかもしれません。
保育実習では、担当する子どもの年齢や興味を持っていることなども考慮しながら、活動のねらいにあわせてペープサートの題材を選びましょう。