5歳児クラスで楽しめる製作遊びにはどんなものがあるでしょうか。はさみやのりなどを上手に使えるようになるので、紙コップを使ったおもちゃなど子どもが自分の力で作れるものを取り入れるとよいですね。今回は、保育学生さんに向けた5歳児の製作遊びの指導案作成のポイントや、春夏秋冬別のアイデアを紹介します。
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■目次
5歳児クラスで製作遊びを楽しもう
保育実習で5歳児クラスを担当することになったら、製作遊びを行いたいと考えている保育学生さんもいるでしょう。
5歳児になると手先が器用になり、道具や素材を用途に応じて使い分けられるようになるようです。また、自分なりの仕上がりイメージを持ちながら取り組む姿も見られるかもしれません。
そんな5歳児クラスでは、道具を使って行う立体的な製作や、少し工程が複雑なアイデアに挑戦してみるとよいでしょう。どうすれば完成させられるのか考えながら取り組むことで、想像力を養うことにつながるかもしれません。
また、5歳児は友だちといっしょに活動するようになる時期でもあるため、クラスやグループで一つの物を作る共同製作に取り組んでみるのもよいでしょう。
友だちとイメージを共有しながら製作する経験を通して、自分の思いを伝えたり友だちの話を聞いたりしながら試行錯誤する力を育めるとよいですね。
今回は、5歳児クラスの保育実習で行う製作遊びにぴったりなアイデアを、春夏秋冬の季節ごとに分けて紹介します。
5歳児の製作遊びの指導案作成のポイント
季節ごとのアイデアを紹介する前に、まずは5歳児クラスの製作遊びの指導案作成のポイントを見ていきましょう。項目ごとに説明していきます。
ねらいの立て方
指導案を作成する際は、ねらいを定めて活動を通して実現したい子どもの姿を明確にしましょう。
例えば5歳児の製作遊びのねらいとして、以下が挙げられます。
- 完成のイメージを持ち、目標に向かって試行錯誤する
- 道具や素材の使い方を工夫して、表現することを楽しむ
- 友だちとイメージを共有しながら、協力して製作活動を行う
- 友だちの表現にふれ、よさを認め合いながら表現するよろこびを味わう
- 季節のよさに気づくとともに、行事について理解を深めて親しみを持つ
このように5歳児クラスでは、作る過程を工夫しながらイメージを形にしていく力や、友だちといっしょに表現することを楽しむ力を育めるようなねらいを考えましょう。
担当するクラスを前もって観察しておき、保育実習を通して子どもに育ってほしい力を考えながら定められるとよいですね。
環境構成
子どもたちが製作しやすい環境を作ることは、スムーズに活動を進めるうえで大切になります。指導案作成のなかで環境構成を考える際のポイントを4つまとめました。
子どもが座る位置
子どもたちが座る位置やテーブルの配置を考えましょう。
例えば、わからないところを教え合ったり作品を見せ合ったりと、子ども同士のかかわりを大切にしながら活動したい場合は、テーブルを向かい合うように配置して活動するとよいでしょう。
反対に経験画などをかく活動の場合、一人ひとりが自分の製作に没頭できるように、子ども同士が向かい合わず横に並ぶように座るとよいかもしれません。
定めたねらいや活動内容をもとに、子どもの特徴や個性を考慮しながら環境構成を考えてみましょう。
保育学生さんの立ち位置
保育学生さんがどこに立って話をするのか、また援助をする際の立ち位置などを考えましょう。作り方を説明したり見本を見せたりするときは、子ども全員から見える場所に立つことが大切です。
一方製作の補助をしたり、子どもから相談を受けたりするときは、子どもたちの間に入ってもよいかもしれません。
活動の内容や場面ごとに、適切な保育学生さんの立ち位置が異なるということを頭に入れておくとよいですね。
道具や素材
活動内容に合わせて、どんな道具・素材を使うのかを考えましょう。
クラスの子どもがどんな風に道具や素材を使っているか、手先の器用さはどのくらいかといったことを担任保育士さんに聞いておき、適切な材料を選ぶとよいですね。
5歳児の場合、用意された素材の中から自分で選び、完成形のイメージに近づけようと表現を工夫するようになる子どももいるかもしれません。そのため、子どもの想像力を刺激できるよう豊富な色や種類を用意しておくとよいでしょう。
子どもたち一人ひとりに用意するのか、あるいはテーブルに1つ置き自由に使えるようにするのかといったことまで考えておくと、スムーズに活動を進められそうです。
見本の用意
製作の見本を用意するかしないか、用意するならどういう風に見せるかといったことも考える必要があります。
見本を見てイメージを膨らませたあとで製作遊びに入るのか、子どもが頭の中で想像を膨らませて表現するのかによって、見本の必要性も異なります。
どのように活動を進めたいのかを考えて、製作物の見本の有無までしっかりと決めておきましょう。
予想される子どもの姿
製作活動中に見られる子どもの姿を予想しましょう。
「接着剤を使うときに、手にくっついてべたべたになりそうだな」「複雑な工程が多いから、うまくいかずに諦めそうになる子どもがいるだろうな」といったように、子どもの発達やクラスの雰囲気などから具体的に考えるとよいですね。
保育実習で指導案を書く場合、実習期間が短いと子どもの姿を予想しづらいことが多いでしょう。
担任保育士さんとの相談を交えつつ、子どもの特徴や発達段階をもとに作成するとよいかもしれません。
保育学生さんの援助
予想した子どもの姿をもとに、保育学生さんが行う援助を書きましょう。
5歳児の場合、難しい工程ですぐに手助けするのではなく、やりやすくなるヒントを伝えたり励ましたりして、子どもが自分で考えて試行錯誤できるように援助するとよいかもしれません。
「〇〇くんが上手にできているから、どうやったのか聞いてみようか」など友だちに助けを求めてみるよう促すといったサポートもよさそうですね。
子どもたちの様子を観察して特徴を把握し、活動への意欲を高められるような言葉がけを考えておきましょう。
【春:3月~5月】5歳児向けの製作
5歳児クラスで春の時期に楽しめる製作遊びを、3月、4月、5月に分けてまとめました。
3月
5歳児クラスの3月は、友だち同士の仲が深まるとともに、卒園を目前にしている時期でしょう。
ひな祭りなどの行事に親しむとともに、園生活の思い出を振り返り、感謝や祝福の気持ちを育めるような製作をするとよいかもしれません。
乳酸菌飲料の容器で作るひな人形
<用意するもの>
- 乳酸菌飲料の容器 2個
- 毛糸 3色(赤、青、白)
- 画用紙(黄色、黒)
- 接着剤
- はさみ
- ペン
<製作のポイント>
毛糸を巻きつける工程では手に接着剤がついてしまうかもしれないので、すぐに拭き取れるように濡れタオルを用意しておきましょう。
また、あらかじめある程度の長さに切った毛糸を用意しておくと、子どもが巻きつける作業をスムーズに進められるかもしれません。
導入でひな祭りの由来を話したりひな人形の紙芝居を読んだりすれば、より親しみを持って製作遊びに取り組めそうですね。(詳しい作り方はこちら)
フラワーペーパーで春のちょうちょ作り
<用意するもの>
- フラワーペーパー
- 針金
- はさみ
<製作のポイント>
はじめにフラワーペーパーの角をあわせて重ねるときれいに折り進められるので、子どもたちにコツとして伝えてみるとよいでしょう。
子どもが好きな色を選んで自分なりのちょうちょを作れるよう、ピンク色以外にも黄色や水色など何色か用意しておくとよいかもしれません。できあがった子どもたちの作品を保育室の壁面に貼りつければ、立体的な春の壁画製作に応用することもできますね。(詳しい作り方はこちら)
卒園カウントダウンカレンダー
<用意するもの>
- 画用紙 8cm×10cm クラスの人数分
- 割り箸 1本
- 輪ゴム 3本
- 台紙に貼った画用紙 1枚
- 接着剤
- 竹串
- のり
- ペン
<製作のポイント>
1人で何枚も日付をかくのは大変なので、クラス内でいくつかのグループを作り、作業を分担するとよいでしょう。
数字をかく係、接着剤をつける係など役割を決めて取り組むようにすれば、卒園に向けて子どもたちの一体感を強めることができるかもしれません。
完成した作品を保育室に飾って毎日子どもたちでカウントダウンすると、小学校入学への意識も高まりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
4月
4月は進級したばかりで、新しい友だちや担任の保育士さんにドキドキしている頃でしょう。
1年間いっしょに過ごすクラスへの期待を持てるようなアイデアや、春ならではの花や果物をモチーフにした季節を感じられる製作に挑戦してみるとよいですね。
春を感じる折り紙いちご
<用意するもの>
- 折り紙 1枚
- ペン
<製作のポイント>
折り方自体は比較的シンプルなため、5歳児であれば一人で作れそうです。
画用紙で作った葉っぱや茎を作品といっしょに保育室の壁に貼れば、いちご狩りごっことして遊べるでしょう。
また、たくさん作れば宝探しゲームなどにも活用できるかもしれません。いちごを使って春らしい遊びに展開してみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
イースターのたまご入れ
<用意するもの>
- 牛乳パック 1本
- 画用紙(ピンク)
- PEテープ
- 鉛筆
- はさみ
- キリ
- のり
<製作のポイント>
保育学生さんはあらかじめ牛乳パックを箱の形にカットしておきましょう。箱の形に合うように画用紙も切って用意しておくと、子どもたちがスムーズに貼りつけられそうです。
穴をあける工程になったら一度作品を渡してもらい、保育学生さんがキリを使って行いましょう。
できあがったらおもちゃの卵を中に入れて、4月のイースター行事のアイテムとして活用してみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
桜が飛び出す春のメッセージカード
<用意するもの>
- 折り紙
- 画用紙(白、ピンク)
- はさみ
- のり
<製作のポイント>
桜の切り絵を作る工程は折り方が少し難しいかもしれないので、保育学生さんが見本を見せて同じペースで進めるとよいでしょう。
画用紙に切り込みを入れる際は、左右のバランスをみてあらかじめ鉛筆で線をかいておくと切りやすくなります。子どもたちにきれいに作るためのコツとして伝えてみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
5月
5月には、子どもの日や母の日といった行事があります。
5歳児クラスでは製作前に由来や意味を伝え、行事への理解を深めるとともに、お祝いや感謝の気持ちを育みながら製作を進められるとよいでしょう。
マーブリングこいのぼり
<用意するもの>
- 洗面器
- 水 100ml
- マーブリング水溶液(または洗濯のり) 100ml
- 割り箸
- マーブリング専用インク 3色
- 竹串
- 画用紙
- トイレットペーパーの芯
- 目玉シール
- 折り紙のカブト
- キリ
- はさみ
<製作のポイント>
キリで穴を空ける工程は保育学生さんが行うようにしましょう。また、画用紙を乾燥させるためのスペースも確保しておきます。
マーブリングをする際には、料理用のバットを使うと画用紙に絵の具をつけやすいかもしれません。子どもが好きな模様を選べるように、5種類程度異なる絵柄のマーブリングを作っておくとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
フラワーペーパーで作るポンポンアイスクリーム
<用意するもの>
- 画用紙(オレンジ)
- フラワーペーパー(3色)
- ペン
- テープ
- はさみ
- 接着剤
<製作のポイント>
子どもたちがポンポンを作ったことがない場合は、まず作り方を教えて手順に慣れてもらいましょう。
上に重ねるポンポンを小さめに作ることで、完成したときにバランスが取れてきれいな仕上がりになります。そのため、フラワーペーパーをカットするときは、長さに気をつけるよう子どもたちに伝えましょう。
5月9日のアイスクリームの日にちなんで、アイス屋さんごっこなどに活用して遊んでみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
毛糸で作る母の日のカード
<用意するもの>
- 厚紙 1枚
- 画用紙 1枚
- ハート型の型紙
- 毛糸
- つまようじ 1本
- 鉛筆
- クレヨンや色鉛筆
- テープ
- キリ
- のり
- はさみ
<製作のポイント>
保育学生さんは、あらかじめキリで穴をあけておきましょう。
中心のデザインは、子どもの好みにあわせて星型やお花の形などにアレンジしてもよいかもしれません。
また、毛糸を通す際に子どもがつまようじの先端でけがをしないよう、テープなどを巻いて保護しておきましょう。
5歳児であればひらがなをかける子どももいるかもしれないので、手書きのメッセージを添えて母の日のプレゼントにしてもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
【夏:6月~8月】5歳児向けの製作
5歳児クラスが夏の時期に楽しめる製作遊びを6月、7月、8月にわけてまとめました。
6月
6月は、梅雨に入り雨の日が多くなる時期です。
そんなときは、かたつむりや傘の製作を通して季節に親しんでみましょう。
また、6月10日の時の記念日にちなんで時計をテーマにしたアイデアにチャレンジしてみるのもよいですね。
紙皿で作るかたつむりの時計
<用意するもの>
- 紙皿 2枚
- 画用紙(クリーム色、水色)
- 画用紙で作った長針・短針
- ボタン
- 糸
- モール
- のり
- テープ
- ペン
<製作のポイント>
導入として保育室の時計を見ながら数字を読む時間を作り、製作のイメージを膨らませてみましょう。
数字をかける子どもは自分でかき入れるようにし、かけない子には数字シールを配って時計を見ながら貼りつけてもらうよう援助するとよいかもしれません。
キリで穴をあけたり糸を通したりといった作業は5歳児には少し細かいため、保育学生さんが行いましょう。(詳しい作り方はこちら)
カラフルな傘を手作りしよう
<用意するもの>
- 画用紙
- モール
- のり
- セロハンテープ
- はさみ
<製作のポイント>
使用する画用紙が小さいためやや手先の器用さが必要になりますが、作り方はシンプルなので5歳児であればチャレンジできそうです。
子どもたちがさまざまな色の組み合わせを楽しめるよう、豊富なカラーバリエーションの画用紙を用意しておくとよいでしょう。
モールの先端部分に紐を通せば子どもたちの作品を飾ることができるので、6月の雨の日の製作にぴったりですね。(詳しい作り方はこちら)
あじさいの折り紙
<用意するもの>
- 折り紙 2枚
<製作のポイント>
花を作るときは色がついている面を内側にして折り進めることを、子どもたちに前もって説明しておきましょう。
花をたくさん作り重ねて貼りつければ、本物のあじさいらしい華やかさを演出できるかもしれません。また、かたつむりをかいたものをあじさいといっしょに飾れば、6月らしさを感じられる製作遊びになりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
7月
7月は梅雨が明け、夏らしい暑さがやってくる頃です。
夏らしい解放感とともに、涼し気を感じられる製作遊びを取り入れてみましょう。
また、7月7日には七夕行事があるため、昔から伝わる伝説のお話を通して星空や天体に興味を持てるような活動にするのもよいですね。
七夕に活躍!紙コップで作る星のベル
<用意するもの>
- 紙コップ 2個
- モール
- 鈴
- 画用紙
- クレヨン
- 鉛筆
- はさみ
- キリ
- のり
<製作のポイント>
保育学生さんは、あらかじめ紙コップの底に穴をあけておきましょう。また、子どもが切りやすいように、画用紙に紙コップの形の切り取り線をかいておくとスムーズかもしれません。
モールを紙コップの内側で結ぶ作業は少し難しいかもしれないので、セロハンテープで止めるなどして簡易的に固定するとよさそうですね。(詳しい作り方はこちら)
夏にぴったり花火模様の扇子
<用意するもの>
- 色画用紙 2枚
- 割り箸
- セロハンテープ
- ビニールテープ
- クレヨンなど
<製作のポイント>
画用紙に先に模様をかくと蛇腹に折ったときにきれいに絵柄が見えない可能性があるので、先に折り目をつけてからかくとよいかもしれません。
花火模様以外にも、ドットやストライプ、ハート柄など子どもの自由なデザインで作ってみましょう。保育園での夏祭りでも活躍しそうですね。(詳しい作り方はこちら)
夏祭りにも楽しめる金魚すくいのおもちゃ
<用意するもの>
- カラーセロハン 2枚
- カラータイ 1本
- 食品トレー 1枚
- ビニールテープ
- ペットボトル 1本
- ビニール紐
- はさみ
- キリ
<製作のポイント>
キリで穴をあける工程やペットボトルをカットする工程は保育学生さんが行いましょう。
できあがった作品を使って実際に金魚すくいで遊べるので、室内にビニールプールなどを置けば夏祭りのゲームとして楽しめそうですね。(詳しい作り方はこちら)
8月
いっそう日差しが強まり、夏本番を迎える8月。
夏の生き物や植物、風物詩に興味をもつ子どももいるのではないでしょうか。
子どもたちから8月に楽しかったことを聞きながら、夏の思い出を振り返れるような製作遊びができるとよいですね。
ペットボトルでかわいいクラゲのおもちゃ
<用意するもの>
- ペットボトル
- PEテープ
- カッター
- アイロン
<製作のポイント>
ペットボトルをカットする工程は、安全に配慮して保育学生さんが行いましょう。アイロンを使うのが難しい場合は、透明のテープを貼ってふちを保護してもよいかもしれません。
PEテープが長すぎるとクラゲらしさがなくなってしまうので、一度カットしたペットボトルに当てて目安の長さを把握してからカットするとよいですね。
8月は海水浴シーズンということもあり、海の生き物に興味を示す子どももいるかもしれません。クラゲを知らない子どもがいたら、導入として図鑑を見せるなどして製作のイメージをつかんでもらいましょう。(詳しい作り方はこちら)
牛乳パックで夏のうちわを作ろう
<用意するもの>
- 牛乳パック 2個
- 割り箸 1本
- 画用紙(半径10cm) 2枚
- ヘアスプレー
- コンパス
- ガムテープ
- 接着剤
- はさみ
- テープ
<製作のポイント>
コンパスで円をかく工程は、保育学生さんが前もって済ませておきましょう。
また、ヘアスプレーでコーティングするときは、子どもがいない窓の近くなど、十分に換気できる場所で行うよう配慮することが大切です。
割り箸以外にも、粘土工作で使うへらやつまようじなどスクラッチに使える材料を用意しておけば、子どもたちが想像力を働かせてさまざまな表現に挑戦できるかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
紙コップで作る簡単花火
<用意するもの>
- 紙コップ
- 折り紙 3枚
- のり
- はさみ
<製作のポイント>
保育学生さんは、紙コップのふちに切り込みを入れる際の目印をつけておきましょう。そうすれば、子どもが印に沿って等間隔にカットすることができるので、きれいに仕上げやすくなります。
また、いろいろな色の折り紙を揃え、子どもが好きな色を選んで模様を作れる環境を用意しましょう。ちぎった折り紙を入れておくための箱なども準備しておけば、テーブルが散らからずに済みそうですね。(詳しい作り方はこちら)
【秋:9月~11月】5歳児向けの製作
5歳児クラスで秋に楽しめる製作遊びを9月、10月、11月にわけてまとめました。
9月
9月は暑さが和らぎ、少しひんやりする日も出てくるなど秋らしさを感じ始める時期でしょう。
旬の食べ物や秋の自然について関心を深められるようなアイデアを取り入れてみるとよいかもしれません。
折り紙で作る壁面ぶどう
<用意するもの>
- 折り紙
- 画用紙
- のり
- はさみ
- 色鉛筆など
<製作のポイント>
少し細かい工程もありますが、5歳児であれば挑戦できるでしょう。折り紙を丸めてのりづけするという繰り返しの作業を通して、集中力を身につけることにつながるかもしれません。
房を作る工程では、いくつずつ並べるのかを教えずに、上の段は下の段より1つ多いなど数の変化に気づけるよう声掛けをしてみましょう。保育学生さんが見本を用意しておけば、数の関係を見比べながら進められるかもしれません。
9月は果物が多く実る時期なので、ぶどう以外にも梨や柿などを作ってみてもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
室内で楽しむ玉入れ合戦
<用意するもの>
- 牛乳パック
- ビニール袋
- シール
- 新聞紙
- ペン
- はさみ
- ビニールテープ
- セロハンテープ
<製作のポイント>
ビニール袋をカットする際、袋にしわが寄っていると切りにくいことがあります。そのため、袋をぴんと伸ばした状態にしてカットするよう子どもたちに伝えてみましょう。
一人でやるのが難しい場合には、友だち同士で協力して行ってもよいですね。壁に貼りつければ手軽に遊べるので、運動会に向けた練習だけでなく雨の日の室内遊びにも活躍するでしょう。(詳しい作り方はこちら)
秋を代表するさんま
<用意するもの>
- 広告チラシや新聞紙
- アルミホイル
- 青色のペン
- 黄色のペン
- 目玉シール
<製作のポイント>
魚の図鑑で本物のさんまはどんな形や色をしているかを確認しておくと、子どもが完成形をイメージしながら作りやすくなるでしょう。
広告チラシを使う以外にも、紙粘土を用いるのもよいかもしれません。
アルミホイルのキラキラした質感を活かし、色を塗ったあとにちぎり絵のように貼りつけていくのも楽しそうです。
本物のようなさんまができたら、画用紙でお皿や七輪などを作って飾ればよりリアルな仕上がりになるでしょう。ごっこ遊びに活用してみるのもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
10月
10月になると、より秋の深まりを感じられるようになるでしょう。
園庭や公園で拾った色づいた葉っぱを使えば、秋らしい表現を楽しめそうですね。
また、10月は運動会や芋ほり遠足、ハロウィンなど保育園行事が目白押しの季節でもあるため、子どもたちの期待感を高められるような製作を取り入れてみるのもよいかもしれません。
落ち葉を貼りつけて作るフクロウ
<用意するもの>
- 画用紙 1枚
- 絵の具 数色
- ストロー
- 落ち葉 適量
- のり
- はさみ
- ペン
<製作のポイント>
絵の具を垂らす際、スポイトを使ってしずくが落ちる感覚を楽しんでみましょう。
保育学生さんは、ふくろうの形の型紙を人数分用意して、子どもが自分で線を引いて型をとれるようにしておくとスムーズに作れるかもしれません。
製作に使う落ち葉はあらかじめ水洗いしてしっかりと天日干しを行い、消毒しておくことが大切です。(詳しい作り方はこちら)
ハロウィンのステンドグラス
<用意するもの>
- 2Lサイズのペットボトル
- ガラス絵の具 数色
- LEDキャンドル
- カッター
- アイロン
- 軍手
<製作のポイント>
保育学生さんは事前にペットボトルをカットしてふちを保護しておきましょう。アイロンを使えない場合は透明のビニールテープを貼りつけてもよいですね。
外からの光が入りやすいように、ステンドグラスの側面は透明のスペースを残して色を塗るのがポイントです。
ステンドグラスはハロウィンだけでなくクリスマスの雰囲気にもぴったりなので、12月に実習をする際はデザインをアレンジして作ってみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
作って遊べるハロウィン輪投げのおもちゃ
<用意するもの>
- トイレットペーパーの芯
- 画用紙 2枚ほど
- モール 2本
- ペン
- はさみ
- のり
<製作のポイント>
はじめにトイレットペーパーの芯に画用紙を貼りつけてしまうと絵をかきづらくなってしまいます。そのため、まず画用紙に絵をかいてから貼るようにするとやりやすくなるでしょう。
できあがったものは輪投げのおもちゃとして遊べるので、保育園のハロウィンパーティーなどに活用してみるのもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
11月
11月は秋の自然にふれ合うことができるとともに、少しずつ冬の気配を感じる頃です。
地面にはどんぐりや落ち葉が増えてくるので、自然物を使ったアイデアにチャレンジしてみてもよいですね。また5歳のお祝いをする七五三もあるので、行事への理解を深められる製作をしてみましょう。
葉っぱのこすりだしで秋のお絵かき
<用意するもの>
- 落ち葉
- 紙(半紙、わら半紙などの薄い紙がオススメ)
- クレヨン
<製作のポイント>
落ち葉の葉脈は葉の裏側のほうがくっきりと浮き出ていることが多いので、裏面を使うよう伝えましょう。
こすりだしをしている間に半紙がどんどんずれてしまうので、クレヨンを持っていない手でしっかりと押さえるよう声かけすることも大切です。
どうしてもずれてしまう子どもには、両面テープで葉っぱをテーブルや粘土板に固定し、その上から塗るように援助するとよいかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
折り紙で焼き芋を作ろう
<用意するもの>
- 赤紫色の折り紙
- 黄褐色の折り紙
- アルミホイル
- セロハンテープ
<製作のポイント>
折り紙をちぎったりくしゃくしゃにしたりすることで、本物のような質感を作りやすくなります。また色鉛筆などでかるく表面に色をつけてみれば、より焼き芋らしさを表現できるかもしれません。
焼き芋やさんの屋台を作って出来上がった焼き芋を飾り、お店屋さんごっこに発展させて遊ぶのも楽しそうですね(詳しい作り方はこちら)
七五三の気分を味わう千歳飴の工作
<用意するもの>
- 画用紙
- セロテープ
- 穴あけパンチ
- リボン
<製作のポイント>
製作をする前の導入として、なぜ七五三にお祝いをするのか説明すれば、自分たちが成長したことへのうれしさや感謝の気持ちを感じながら製作できるかもしれません。
また、千歳飴がどういうものか聞かれたときのために、きちんと説明できるようにしておきましょう。
アレンジとして、取っ手につけるリボンの代わりに、2本をねじり合わせたカラフルなモールやPEテープをみつあみにしたものを使用すれば、個性的でかわいらしい仕上がりになるかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
【冬:12月~2月】5歳児向けの製作
5歳児クラスで冬に楽しめる製作遊びを12月、1月、2月にわけてまとめました。
12月
12月はすっかり寒くなり、地域によっては雪が降ったり積もったりするところもある時期でしょう。
12月の一大イベントであるクリスマス行事を通して、外国の文化に親しむきっかけを作れるとよいですね。
松ぼっくりで作るクリスマスツリー
<用意するもの>
- 松ぼっくり 1個
- 絵の具、ペン、ラメなど
- ビーズ
- 砂(白)
- ペットボトルのキャップ 1個
- 接着剤
<製作のポイント>
身近な自然物を使用して簡単にクリスマスツリーを作ることができます。
色を塗ったり飾りつけをしたりといった細かい作業があるため、先に土台をくっつける工程を済ませておくと安定し、作りやすいかもしれません。
スパンコールやキラキラしたモールなどの素材を用意すれば、より華やかなクリスマスツリーを作れますよ。(詳しい作り方はこちら)
冬にぴったりきらきらスノードーム
<用意するもの>
- 空きびん
- スポンジ
- プラバン(完成済みのもの)
- 瞬間接着剤
- カッター
- 筆記用具
- 水:洗濯のり=「7:3」の量
- ラメやスパンコール
<製作のポイント>
空き瓶に必要な材料を入れれば、冬にぴったりなかわいいスノードームを手軽に作ることができます。
洗濯のりを入れた後、一度少量のスパンコールやラメを入れて落ちるスピードを確認してみましょう。スノードームならではの冬景色を再現するには、舞い落ちるスピードがゆっくりしていることがポイントです。
子どもたちは水とのりの配分がわからないかもしれないので、量を調整する際は保育学生さんが行うようにしましょう。(詳しい作り方はこちら)
紙コップで作るクリスマスツリー
<用意するもの>
- 紙コップ 3つ
- トイレットペーパーの芯 1つ
- コットンボール
- 絵の具
- 接着剤
- はさみ
<製作のポイント>
トイレットペーパーの芯や紙コップに色を塗る際、手に絵の具がついてしまうかもしれないので、手を拭く濡れタオルを用意しておきましょう。
絵の具で色塗りをする場合、乾くまでに時間がかかるので2日間にわけて行うとよいかもしれません。1日で終えたい場合は、ちぎり絵をしたりクレヨンで色をつけたりするやり方にアレンジするとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
1月
新年の始まりとして、1月にお正月のお祝いをする保育園や幼稚園もあるでしょう。
お正月らしい伝統的なモチーフを使った製作遊びを通して、おめでたい雰囲気を楽しめるとよいですね。
折り紙で作る獅子舞
<用意するもの>
- 折り紙(赤・緑)
- ペンなど
<製作のポイント>
導入で獅子舞についてふれたり獅子舞の置物を実際に見たりすれば、子どもは想像力を膨らませながら取り組むことができるでしょう。
やや複雑な折り方であるため、苦戦してしまう子どももいるかもしれません。
保育学生さんは見本を見せながら、子どもと同じペースでゆっくり折り進めるようにしましょう。(詳しい作り方はこちら)
お正月に遊べる牛乳パック羽子板
<用意するもの>
- 牛乳パック
- 割り箸(3膳)
- 毛糸(赤・白)
- 画用紙
- ガムテープ
- ビニールテープ
- ペン
- はさみ
<製作のポイント>
牛乳パックをカットするのは5歳児の力では少し難しいかもしれないので、保育学生さんはあらかじめ羽子板の形に切ったものを用意しておきましょう。
その年の干支の動物の装飾をしてもかわいいですが、子どもたちがオリジナルでデザインしてみるのもよいかもしれません。
カラーペンや画用紙、マスキングテープなどさまざまな材料を準備しておき、子どもたちが自由にデコレーションできる環境を整えるとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
折り紙で作る絵馬とだるま
<用意するもの>
【だるま】
- 折り紙 1枚
【絵馬】
- 折り紙 1枚
<製作のポイント>
導入としてだるまや絵馬に込められた願いや意味について説明し、製作への関心を高めましょう。
だるまも絵馬もシンプルな折り方なので、5歳児であれば一人で作れそうです。千代紙や和紙の折り紙を使用すると、お正月らしい和の雰囲気を感じられるでしょう。
絵馬に抱負やお願いをかき保育室に飾っておけば、新年の願いごとや目標を思い出すよい機会となりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
2月
2月3日には節分、2月14日にはバレンタインデーと、さまざまな行事があります。
行事に親しみを持つとともに、製作遊びで作ったものを保育室に飾り、楽しみな気持ちをより盛り上げてみましょう。
折り紙で作る恵方巻
<用意するもの>
- 折り紙 赤・緑・桃・黄・茶・黒 各1枚
- 折り紙 白 3枚
- トイレットペーパーの芯 1本
- セロテープ
- のり
<製作のポイント>
導入で今年の恵方や、恵方巻の由来などについて話せば、子どもたちが節分行事に興味を深められるかもしれません。
子どもたちが一つずつ好きな具に見立てて選べるように、具材用の折り紙は豊富に用意しておきましょう。作品ができあがったらタイトルをつけてもらい、どんな食べ物が入った恵方巻なのか発表し合うのもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
節分にぴったりな鬼のお面
<用意するもの>
- 紙皿
- 絵の具
- 毛糸
- フェルトペン
- ゴム紐
- きりや千枚通しなど穴を開ける道具
- はさみやカッター
- のり
<製作のポイント>
保育学生さんは、あらかじめ紙皿の目の部分を丸くくりぬいておきましょう。
また、パンチで穴をあける工程は、やったことがある子どもの場合は見守りながら自分たちでやってもらうのもよいかもしれません。もしパンチを扱ったことがなければ、事前に保育学生さんが済ませておきましょう。
黄色や青色、緑色など、子どもたちの好きな色で鬼のお面を作ってみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
バレンタインのスクラッチつきメッセージカード
<用意するもの>
- 画用紙
- 色鉛筆
- 食器用洗剤
- アクリル絵の具
- 絵の具筆
- 透明テープ
- はさみ
<製作のポイント>
食器用洗剤とアクリル絵の具を混ぜる工程は保育学生さんがあらかじめ行いましょう。
2月のバレンタイン製作だけでなく、母の日や父の日、いつもいっしょに遊んでいる友だちへのメッセージなど、さまざまなシーンで活用できるアイデアです。用途にあわせてスクラッチ部分の形や中身をアレンジして実習に取り入れてみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
季節ごとのアイデアを取り入れて、5歳児と製作遊びをしよう
今回は、5歳児クラスの保育実習で楽しめる製作遊びのアイデアを、指導案作成のポイントとともに紹介しました。
5歳児は手先が器用になり道具をある程度使いこなせるようになるため、紙コップや牛乳パックなどさまざまな素材を使った製作を行うとよいでしょう。また、友だちといっしょに一つのものを作ることに面白さを見出す時期でもあるため、協力して作れるアイデアなどもよいかもしれません。
春夏秋冬の季節に応じたイベントや植物などをテーマに取り入れて、保育実習で子どもたちと製作遊びを楽しんでくださいね。