保育園での製作の材料の一つとして人気の紙コップ。絵をかいたり切ったりなど加工もしやすいため、保育実習や入職後に取り入れたい方もいるかもしれません。 今回は、製作で紙コップを使うときのねらいや、乳児(0・1・2歳児)と幼児(3・4・5歳児)の年齢別に楽しめる簡単な製作アイデアを14個まとめて紹介します。
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■目次
紙コップの特徴を活かして製作を楽しもう!
100円均一ショップやスーパー、コンビニなどの身近なお店で購入できる紙コップ。
サイズやデザインも豊富で、白無地だけでなく色や柄のあるものなどさまざまなタイプがあるので保育園の製作のアイテムの一つとして人気のようです。
製作に活かせる紙コップの特徴にはどのようなものがあるでしょうか。
絵をかける
紙コップは紙という性質上、絵を描くのに適しています。
ペンやクレヨンなどとの相性がよいため、絵を描いたり色を塗ったりして製作するのにぴったりでしょう。
曲面になっているので、子どもがそのまま描くのが難しいときは、あらかじめ別紙にかいた絵やシールなどを貼ってもよさそうです。
加工しやすい
紙コップはのりやテープ、接着剤などとの相性がよいので、他の素材をくっつけるなど加工もしやすいでしょう。
また、紙が柔らかいため、ハサミで切ったり、ボールペンで穴をあけたりなどの工程を子どもの手で簡単に行うことができるかもしれません。
中にものを入れられる
紙コップには、最も活かしやすい特性として、入れ物としての機能があります。
たとえば、絵の具を溶いて使うときの入れ物として使ったり、けん玉で玉を受ける皿になったりとさまざまな場面で活躍するでしょう。
大小さまざまな紙コップの容量を活かすことでも、製作の幅も広がるかもしれません。
底の円形部分も活かせる
底の円形部分を活用して製作することもできます。
底部分だけを切り離し、腕時計の文字盤に見立てたり、レンズに見立てて眼鏡を作ったりできるでしょう。
また、絵の具をつけて円形のスタンプとして活用してみてもよいかもしれませんね。
簡単に用意することができる
紙コップは100円均一ショップやスーパーなどで安価に売られているため、材料の調達がしやすいという点が大きな特徴です。
保育園の実習などでは、製作の材料を自前で用意する必要があるため、重宝される素材ではないでしょうか。
サイズや素材もさまざま用意されているので、製作のアイデアに合わせて使い分けることもできますね。
製作で紙コップを使うときのねらい
保育園で行う紙コップを使った製作には、以下のようなねらいが挙げられるでしょう。
- 紙コップなどいろいろな素材に触れながら、自分で表現することを楽しむ
- 保育者といっしょに、紙コップをハサミで切ったり貼ったりする製作を楽しんで行う
- 自分で作ったものを使って遊ぶ楽しさを味わう
保育園実習や入職後に紙コップの製作を取り入れるときには、このようなねらいをもとに指導案を書くとよさそうです。
また、紙コップ製作はおもちゃとしても活用できるので製作の時間に加え、手作りしたおもちゃで遊ぶ時間も設けておくとよいかもしれませんね。
【乳児(0歳児・1歳児・2歳児向け)】紙コップを使った製作アイデア
ここからは、年齢別に紙コップを使った保育園の製作アイデアを紹介します。
まずは乳児クラス(0歳児・1歳児・2歳児向け)向けのアイデアを7つまとめました。
動くイカとタコ
頭がユラユラ動いて、本物のような動きをするタコとイカのおもちゃの製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ 4個
- 絵の具(赤) 適量
- 画用紙 35cm×2cm 2枚
- ハサミ
- のり
製作のポイント
0歳児や1歳児はおもちゃを口に入れる可能性もあるため、絵の具は使わずあらかじめ赤い色のついた紙コップを使用してもよいかもしれません。
イカは白い紙コップをそのまま使用しましょう。
目玉にパーツを使う場合は、保育学生さんがしっかりと接着剤などで貼りつけることがポイントです。 (詳しい説明はこちら)
紙コップのいないいないばぁ人形
紙コップをスライドさせるといろいろな顔が出てくる、いないいないばぁ人形の製作アイデアです。
用意するもの
- 画用紙
- 紙コップ 2個
- ハサミ
- 鉛筆
- のり
製作のポイント
動画ではピンクの画用紙でウサギを作っていますが、茶色でクマ、水色でゾウなどにアレンジしていくつか作ってもおもしろそうです。
紙コップをスライドさせるだけで楽しめる簡単なおもちゃなので、1歳児や2歳児の手でも扱いやすいかもしれません。(詳しい説明はこちら)
紙コップの風車
紙コップ1個で簡単に作れる、風車の製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ
- ストロー
- 爪楊枝
- ペン
- ハサミ
製作のポイント
1歳児や2歳児が自分でもつときに危なくないよう、風車の中心の爪楊枝はビニールテープなどでしっかり保護しておくことがポイントです。
紙コップの切り込みを入れる前に、子どもといっしょにシールやテープなどを貼ったり、簡単な絵を描いてみたりしてオリジナルの風車を作っても楽しめるかもしれませんね。(詳しい説明はこちら)
関連動画:回して遊ぼう!紙コップで簡単に作れる♪紙コップ風車【ふじこせんせい】/保育士バンク!
紙コップで作る怪獣の鳴き声おもちゃ
紙コップにつけた割りばしとタコ糸で、怪獣の鳴き声を表現するおもちゃの製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ 2個
- 画用紙(緑)
- タコ糸
- 割りばし
- カラータイ
- ハサミ
- キリ
- のり
製作のポイント
紙コップに貼る画用紙をカットするには、紙コップを1つ切って展開し、それを型紙として使うことでぴったりのサイズに切りやすくなるでしょう。
手足のパーツはしっかりと接着剤などで固定することがポイントになります。
1歳児や2歳児の子どもがおもちゃを扱うときは、糸を引っ張ると音が出るということを教えるために保育学生さんがお手本を見せるとよいかもしれません。(詳しい説明はこちら)
紙コップのマリオネット
人形劇などに活用できる、紙コップのマリオネットの製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ(大・小1つずつ)
- 毛糸
- 割り箸
- 色画用紙
- ダンボール
- キリ
- 絵の具
製作のポイント
動画では犬の作り方を紹介していますが、紙コップをピンクに塗ってウサギを作ったり、より大きい紙コップを用意して茶色に色を塗って馬に仕上げたりするなど、紙コップの色や大きさを変えれば犬以外の動物も簡単に作ることができるでしょう。
手と足のパーツをつなげるために、胴体用の紙コップに穴をあけるときは、左右2カ所の穴をできるだけ平行になるように気をつけると、きれいに仕上がります。
秋や冬のシーズンに行なわれる音楽会や生活発表会に合わせて、保育学生さんからの出し物として人形劇を演じてみてもおもしろいかもしれませんね。(詳しい説明はこちら)
紙コップで作るトコトコうさぎ
用意するもの
- 紙コップ 1個
- 乾電池 1個
- 輪ゴム 1本
- ハサミ
- テープ
製作のポイント
ゴムをしっかりと紙コップに固定することで、遊びやすいおもちゃに仕上がるでしょう。
0歳児や1歳児クラスで使う場合には、子どもたちが乾電池を舐めないようにしっかりとビニールテープで保護するとともに、見守りながら遊びに取り入れてみてくださいね。
2歳児クラスであれば、道を用意してトコトコ人形の競争ごっこをしても楽しいかもしれません。(詳しい説明はこちら)
紙コップで飛び立つロケット
用意するもの
- 紙コップ 2個
- 輪ゴム 2本
- 画用紙
- はさみ
- のり
- ペンなど
製作のポイント
ゴムの力で飛び跳ねるロケットは、1歳児の後半から2歳児クラス頃から楽しく遊べそうな手作りおもちゃです。
土台となる紙コップには丈夫な作りのものを使用するようにしましょう。
窓の部分に子どもたちの顔写真を貼りつけて作るとよろこんでくれそうですね。(詳しい説明はこちら)
【幼児(3歳児・4歳児・5歳児)向け】紙コップを使った製作アイデア
次に、幼児クラス(3歳児・4歳児・5歳児)で楽しめる、紙コップを使った製作アイデアを7つ紹介します。
3歳児以上のアイデアでは、子どもといっしょにできる工程もあるので、協力して作ってみましょう。
紙コップのけん玉
紙コップを使って、オリジナルのけん玉を製作してみましょう。
用意するもの
- 紙コップ
- カプセルトイの容器
- トイレットペーパーの芯
- 折り紙
- 画用紙
- タコ糸
- ビニールテープ
- セロハンテープ
- ハサミ
製作のポイント
カプセルトイの容器がない場合は、新聞紙を1枚丸めてタコ糸の先端をつけ、テープで固定してもよいでしょう。
また、秋には松ぼっくりをけん玉にアレンジしてみるのもよさそうです。
ハサミを扱うときは、保育学生さんがいっしょに持つなど援助するとよいかもしれません。
けん玉を飾りつけるときは、絵をかいたり、シールを貼ったりするとよりオリジナリティのあふれるけん玉ができあがりそうですね。(詳しい説明はこちら)
関連動画:
紙コップとおもちゃの容器で作る♪お花けん玉/保育士バンク!
紙コップのティラノサウルス
パクパクと口を動かして遊ぶことができる、紙コップのティラノサウルスの製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ 2個
- たこ糸
- 手足などのパーツ
- ハサミ
- キリ
- セロハンテープ
- ビニールテープ
製作のポイント
紙コップにキリで穴を空ける工程は、保育学生さんが行うようにしましょう。
少し大きめに穴を空けておくと、4歳児や5歳児の子どもたちも糸を通しやすくなるかもしれません。
オリジナルのティラノサウルスができあがったら、子どもたちと会話劇を楽しんでみてもおもしろそうですね。(詳しい説明はこちら)
変身ベルト
紙コップと牛乳パックを組み合わせて作る、変身ベルトの製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ 2個
- 牛乳パック
- 輪ゴム
- ハサミ
- カッター
- テープ
- ホチキス
製作のポイント
ホチキスで留めるところやゴムをつけるところなど、3歳児以上の子どもにとって難しい工程は保育学生さんが援助するようにしましょう。
5歳児など工夫して製作することを楽しめる年齢であれば、ゼリーの空き容器などを利用してベルトの中心にボタンをつけ、変身のスイッチを付けてみてもおもしろいかもしれません。
また、この作り方を参考にしながら腕時計型に作り、「変身ウォッチ」としてもよさそうです。
夏祭りや生活発表会での出し物のアイテムとしても活用できるかもしれませんね。(詳しい説明はこちら)
紙コップのランプ
夏祭りやお泊り会の演出にもぴったりの、紙コップで簡単に作れるランプの製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ
- タコ糸
- 電池式のライト
- 割りばし
- ビニールテープ
- 鉛筆
- 消しゴム
- キリ
製作のポイント
紙コップには、子どもの好きな絵柄をかくように援助しましょう。
動画のようにお化けにすれば夏の肝試しにぴったりかもしれませんね。
3歳児以上の子どもといっしょに穴を空ける場合は、キリではなくボールペンなどできるだけ危険の少ないもので代用するとよさそうです。
動画のように絵柄に沿って穴を空けるだけでなく、ランダムに大小の穴を空け、紙コップの裏側にカラーセロファンを貼って逆さに置けば、カラフルなランタンにもアレンジできるでしょう。(詳しい説明はこちら)
紙コップロケット
紙コップを使って簡単に作ることができるロケットのおもちゃの製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ 大・小
- 折り紙
- 画用紙で作ったロケットのパーツ
- ビニール袋
- 折り紙
- ストロー
- ハサミ
- テープ
- キリ
製作のポイント
キリで穴を空けるところやビニール袋にストローをつけるところなど、難しいところは保育学生さんがやるようにしましょう。
ビニール袋の口にストローを固定するときは、少しだけ隙間をあけることがポイントです。
そうすることでストローから息を吹き込んだ際に、ビニール袋の外に漏れるような空気の流れができ、紙吹雪がうまく舞うようになります。
ロケットのパーツを貼りつけるところや、紙吹雪を作るところは子どもだけで楽しめるよう援助できると、よりオリジナリティのあるロケットができあがりそうですね。(詳しい説明はこちら)
紙コップのUFO
用意するもの
- 紙コップ
- ストロー
- 紙皿
- 画用紙(銀・黄・青)
- 乳酸菌飲料の容器 3本
- セロハンテープ
- ハサミ
製作のポイント
年長である5歳児クラスが楽しめそうな紙コップおもちゃの製作です。
子どもといっしょに作る際には、あらかじめストローに切れ込みを入れておいたり、円盤をカットしておいたりと子どもの様子に合わせて準備しましょう。
紙コップを円盤に貼りつける際には、両面テープを使用すると簡単に作れそうですね。
きらきらとしたアルミホイルやホログラム折り紙などを使用すれば、UFOらしい不思議な見た目に仕上がるかもしれません。(詳しい説明はこちら)
紙コップでおしゃれなみのむし
用意するもの
- 紙コップ
- 折り紙 3枚
- のり
- 紐
- ストロー
製作のポイント
紙コップに紐を通す部分は保育学生さんが行えば、3歳児や4歳児クラスから製作遊びに取り入れられるでしょう。
折り紙をくしゃくしゃにしたり、ちぎったりとのびのび楽しむことができそうですね。
好きな色の装飾を選んだり、ちぎったあとに折り紙の色分けをしてからのり付けしたりと、さまざまな遊び方を試してみましょう。(詳しい説明はこちら)
保育園の製作で紙コップを活用してみよう
今回は、紙コップを使った製作のねらいや特性をまとめ、乳児(0・1・2歳児)から幼児(3・4・5歳児)まで楽しめる製作アイデアを紹介しました。
紙コップは加工がしやすく、アレンジ次第でさまざまな手作りおもちゃに活用できる材料です。
紹介した動画を参考にすれば、風車やけん玉など夏祭りや秋の生活発表会などでも活躍するアイテムも作れるかもしれません。
保育園の子どもたちの様子に合わせて、いっしょに紙コップを使った製作を楽しんでみてはいかがでしょうか。