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デカルコマニーとは?保育活動に取り入れるときのねらいやポイント、基本のやり方

デカルコマニーという技法の絵画をご存じでしょうか。デカルコマニーはどのような絵画が完成するのか予想しにくいという面白さがあり、保育園での製作活動で取り入れている所もあるようです。今回は、デカルコマニーとは何かやそのねらい、保育に取り入れるポイント、簡単なやり方とアレンジ方法を紹介します。

絵の具

Africa Studio/shutterstock.com



デカルコマニーとは

デカルコマニーとは、フランス語の動詞「décalguer(転写する)」を意味する用語で、画家であるオスカー・ドミンゲス氏が創始した絵画技法のことを指します。


デカルコマニーは、絵の具を塗りつけた紙を半分に折り、絵の具を転写させて行ないます。保育の現場では、画用紙などの半分に絵の具を塗ったり、スタンプのようにポンポンと絵の具をつけたりして、画用紙を折りあわせて転写させる方法で行うことが多いでしょう。


紙を開くと左右対称になる模様や、予想だにしない絵が完成することが子どもたちにとって楽しい絵画遊びとなります。


まずは、デカルコマニーの特徴とねらいを見ていきましょう。



デカルコマニーの特徴


デカルコマニーでの製作では、自由に置いた絵の具が、紙を重ねあわせることで作り手の意図や予想とは反する不思議な模様になります。そのため、作り手の「無意識」が表出する芸術技法でもあるといわれています。そういった面白さがあるのがデカルコマニーの最大の特徴といえるでしょう。


デカルコマニーを実践するにあたって、特別な技術や道具は不要です。筆を持つ必要すらないので、指先の動きが発達していない幼児でも簡単に「作品」を生み出せるのです。


乳児から幼児まで、幅広い年齢で楽しめるのもこの遊びの特徴といえるでしょう。



デカルコマニーのねらい


デカルコマニーには、以下のようなねらいがあるようです。


  • 自由に表現することの楽しさを知る
  • 紙を開くときにどんな模様になっているか期待をもつ
  • 色が滲んだり、混ざったりする様子を楽しむ
  • 完成した模様から、想像力を膨らませる
  • 友だちと模様を見せあって違いを楽しむ

このようなねらいにもとづいて子どもがのびのびと絵画製作をするためにも、保育士さんが環境を整えることが必要になります。


必要な数に応じて絵の具やパレットなどを用意して、複数の子どもが同時に行なっても自由に表現できるような環境作りや、仕上がった作品に対して必ず肯定的な言葉かけをすることを意識するなど、子どもが楽しさや自信を感じられるような援助をするとよいでしょう。



デカルコマニーをするときのポイント

では、実際にデカルコマニーを保育園で行うとき、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。



時間を置かないよう意識する


デカルコマニーを行うときは、紙に絵の具をつけたらできるだけ時間を置かないで次の行程に移るようにしましょう。


絵の具を塗ってから時間を置いてしまうと、乾いて模様がつきづらくなるので、できるだけ時間を置かないで折った方がきれいな左右対称の模様になります。


また、半分に折りたたんだ状態を続けると、その状態のままくっついてしまい、開くときに破れてしまう可能性もあるので、折ってから10秒以内に開くなど、あまり長い時間を置かないように気をつけるとよさそうです。



さまざまな色の絵の具を準備する


デカルコマニーを行う際は、子どもが自由に色を選べるよう、さまざまな色の絵の具を準備するとよいでしょう。


さまざまな色を使うことで、紙を折りたたんだ後に色の混ざりあいを楽しめます。


また、一度作った模様の上に、再度別の色を使った模様を重ねてみるなど、何回かにわけてみると、また一味違う作品になるかもしれません。


子どもの発想力を活かせるよう、人数に応じた十分な量の絵の具を準備しておけるとよいですね。



デカルコマニーのやり方

絵の具でお絵かきする女の子

MIA Studio/shutterstock.com


ここからは、保育園でデカルコマニーを行うときの導入例や基本的なやり方を説明していきます。用意するものも少なく簡単にできるので、これから保育実習や入職を控えている保育学生さんは参考にしてみてくださいね。



導入


まずは、デカルコマニーをするときの導入例を紹介します。

デカルコマニーには、色の混ざりあいや模様を楽しむというねらいがあります。
そこで導入として、さまざまな色の絵の具で描かれた絵本や左右対称の絵柄が使われている絵本などを読み聞かせすることで、子どもたちに色や模様への興味を引くことができるかもしれません。


また、実際に保育士さんが指に絵の具をつけてデカルコマニーの手順を途中までやり、「紙を開くとどうなるかな?」と子どもたちに予想してもらってから、紙を開いてどんな模様ができるのかというところまでをやって見せるのも面白いかもしれません。


子どもたちがデカルコマニーに興味と期待をもてるような導入ができるとよいですね。 ここからは、実際に作るときの手順を見ていきましょう。



用意するもの


用意するものは、たった3つだけです。


  • 画用紙
  • 絵の具
  • パレットや小皿など絵の具を入れる容器

特別な道具の準備が不要なのも、デカルコマニーのよいところでしょう。
この他、デカルコマニーを行なった後に、切り抜いたり絵を描き足したりして別の作品に活かしたいという場合は、はさみやクレヨンなども用意しておくとよいでしょう。



やり方


次に、やり方の手順を紹介していきます。


〈デカルコマニーのやり方〉
【1】あらかじめ、紙を半分に折って開き、折り目をつける。これによって、どの線を中心に左右対称となるのかわかりやすくなる。
【2】片面に自由に絵の具をつける。指で直接描いたり、チューブから直接出して塗りつけたりと、子どもの様子にあわせて自由に描く。
【3】絵の具が乾かないうちに、折り目に沿って紙を折る。絵の具がしっかりと転写されるよう、全体を丁寧にこする。
【4】紙が破けないよう、ゆっくりと開いてできあがり。


紙を開くと、左右対称の不思議な模様が浮かびあがります。


そのままでも素敵な作品の一つとなりますが、用意する紙の形を工夫したり、絵の具を乾かしてからデコレーションしたりしてもまた一味違った製作物になるかもしれませんね。


参考動画:デカルコマニーで不思議なお絵かき/保育士バンク!


デカルコマニーのアレンジ方法

ここでは、デカルコマニーのアレンジ方法を紹介します。アイデアを活かして、デカルコマニーをさらに素敵な作品に仕上げてみてはいかがでしょうか。



ちょうちょ


保育士さんが画用紙を予めちょうちょの形に切っておき、その紙に子どもたちがデカルコマニーを行ないます。絵の具が乾いたら、モールで作った触角をテープでつけてできあがりです。


そのまま壁や大きな画用紙に貼って飾ってもよいですが、たこ糸などに3~5個ずつつけて天井から垂らせば、モビールのような飾りになって保育室もより華やかになるかもしれませんね。



こいのぼり


画用紙を予めこいのぼりの形に切っておきます。こいのぼりの場合は左右対称ではなく上下対称となるので、横向きに折り目をつけます。その紙に子どもたちがデカルコマニーを行ない、絵の具が乾いたら目玉をつけてできあがりです。


絵の具を置くときは、点を散りばめるようにするとこいのぼりのウロコが表現できるかもしれません。大小さまざまなこいのぼりを作って、お父さんや子どもたちを表現するのもよさそうです。



子どもが自由に表現してみる


特にテーマを決めずに、できた模様から連想するものを自由に表現してみるというのも面白いかもしれません。


模様に絵を描き足してみたり、何かの形に切り取ってみたりと、子どもが発想力を働かせながら自由な表現をすることで、できあがった模様をさらに楽しめるかもしれませんね。



デカルコマニーを保育活動に取り入れてみよう

今回は、デカルコマニーの特徴やねらい、作るときのポイント、基本的なやり方とアレンジ方法を紹介しました。


デカルコマニーは画用紙と絵の具さえあれば簡単に取り入れられ、アイデア次第でさまざまな作品に活かせるでしょう。 絵の具のつけ方によってさまざまな模様ができるので、二度と同じ模様が作れない、誰とも同じ模様ができないのがデカルコマニーの魅力であり面白いところかもしれませんね。


保育活動の中で子どもたちといっしょにデカルコマニーを楽しみながら、オリジナルの作品を作ってみてはいかがでしょうか。