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レッジョ・エミリア教育とは?特徴や教育理念、援助するときのポイント

レッジョ・エミリア教育とは、アートやプロジェクト活動を大切にするイタリア発祥の幼児教育実践法の一つです。就活をするなかで、この教育法を実践している保育園や幼稚園を目にすることがあるかもしれません。今回は、レッジョ・エミリア教育の概要や教育理念、特徴、援助のポイントを紹介します。

首をかしげている女性

metamorworks/shutterstock.com



レッジョ・エミリア教育とは

レッジョ・エミリア教育とは、1960年代頃から北イタリアに位置するレッジョ・エミリア市で発祥された教育方法の一つです。


教育家のローリス・マラグッツィ氏(1920年~1994年)が掲げた「100のことば」を教育理念として、「子どもの無限の可能性」を伸ばしていく独自のメソッドを実践しているとされています。


レッジョ・エミリア教育では、子どもの自律性や協調性を養うために「プロジェクト」や「アート活動」「保育ドキュメンテーション」といったユニークなアプローチを設けており、子供の自主性や興味・関心を伸ばす教育に取り組んでいるといわれています。



レッジョ・エミリア教育の理念

レッジョ・エミリア教育では、「社会性」「時間」「子どもの権利」を尊重することが教育理念として掲げられているようです。


それぞれについてくわしく紹介します。



社会性


レッジョ・エミリア教育では、子どもの社会性を育むために、4~5名のグループにわかれて「プロジェクト」と呼ばれる活動を行うようです。


テーマの決定や、参加人数、「何を作るのか?」「どのように作るのか?」といったことを子どもたちが対等の立場で内容を決めていくことで、お互いの意見を尊重することや相違点を認めることなどを身につけられるとされています。


こうした作業を繰り返すことで、子どもたちが自然と社会性を身につけるように工夫されているのかもしれません。



時間


レッジョ・エミリア教育では、あらかじめ決められたカリキュラムや時間割が一切なく、子どもたちのペースでプロジェクトを進めていくようです。


プロジェクトの内容によっては、週単位から数カ月単位、一年単位で続く場合もあるかもしれません。


そのように長期的に一つのテーマを掘り下げていくことで、子どもの時間感覚にあわせたゆとりある教育を大切にしているそうです。


全て子どもたちのタイミングですごしているので、教師が子どもをせかしたり、時間が来たら終わらせたりするような場面は見られないでしょう。



子どもの権利


一人ひとりが思い思いの行動をとってもよいとする「子どもは権利の主体」というのが、レッジョ・エミリア教育の掲げる理念の一つのようです。


子どもの権利とする内容として、何かを試してみる権利、質問をする権利、間違う権利、答えを想像する権利、みんながやっていることに参加しない権利、そして迷う権利や黙っている権利などが挙げられるでしょう。


このように、子どもが本来もっている権利をすべて受け入れる姿勢をもつことが、子どもの尊重につながるとしています。



レッジョ・エミリア教育の特徴

レッジョ・エミリア教育の理念について押さえたところで、次に活動内容の特徴について紹介します。



創造性を育む環境が整っている


レッジョ・エミリア教育では「子どもの創造性を育む教育環境」を整備しているとされています。


教室には壁がなく、お昼寝の部屋やランチの部屋、キッチンなどさまざまなスペースが一つの大きな空間になるよう設計や、ピアッツァと呼ばれる共同広場やアトリエがあるのも大きな特徴でしょう。


また、本やパソコンなどの教具も同じ空間に揃えられており、誰でも遊んだり本を読んだりすることもできるようです。


それにより子どもが思い思いの時間をすごしたり、プロジェクトを進めたりできる空間があるといえそうです。


壁がないことで職員が子どもたちを広く見守ったり、子どもがのびのびとすごせる工夫をしたりしていることから、創造性を育む環境を大切にしているのがわかりますね。



想像力や感性をアートで表現する


スタッフがフォローしながら、子どもの想像力や感性をアートで表現することもレッジョ・エミリア教育の特徴の一つといえるでしょう。


自然の物に触る・目で見る・触れて感じるといったこともアート活動に含まれるとしています。たとえば、何か作品を作るときには、表現したいもののイメージにあわせて、画用紙だけではなくさまざまな材質や素材の布も利用することもあるようです。


公園や園庭で手に入る小枝や石、植物の種、海で拾ってくる貝殻なども材料としたり、生活のなかでは廃材とされるペットボトルや食品トレーなどもアートに利用したりすることもあるかもしれません。


それにより子どもたちのアートに対するインスピレーションを育てるだけではなく、身近なものに興味をもって生活することにつながるといわれています。



保育ドキュメンテーションで振り返る


レッジョ・エミリア教育では、子どもの毎日をメモ・動画・録音などを使って記録を残していくようです。


この記録をすることで、子どもたちは今、何に興味を持ち、どんなことに触れたいのか、そして何を学んだのかを保育士さんだけでなく保護者も確認し、知ることができるとされています。


また、保育ドキュメンテーションは子どものそのときの気持ちなどを振り返れる大事な記録でもあります。


保育室にファイリングして置いておくことで、子どもたちが「このときこんな気持ちだった」と思い出したり、「またやりたい!」という意欲につながったりするかもしれません。



レッジョ・エミリア教育において援助するときのポイント

おもちゃで遊んでいる子どもたち

MIA Studio/shutterstock.com


最後に、レッジョ・エミリア教育を実践する園で子どもたちを援助するときのポイントを紹介します。



子どもの主体性を大切にする


保育士さんは、子どもたちの興味関心に合わせて環境をつくったり、提案をしていったりすることが大切といえるでしょう。


そこから子ども一人ひとりが「自分で選ぶ」ことで、主体的に活動に関わることができるかもしれません。


園によって多少違いはあるかもしれませんが、毎日の保育内容は子どもたちの声を取り入れながら決めているでしょう。


そのとき、部屋で何をするか、外ならどこに行くのか、基本的にいくつかの選択肢を用意しながら、決定していくことを意識するとよさそうです。


そして実際にどうやるのか、今この子たちにとってどんな意味があるのか、どういう配慮が必要なのかを考えて、子どもたちの主体性を大切にした援助をしていきましょう。



子どもにとって魅力的な環境を作る


園生活では、子どもたちが「何だろう」「もっと知りたい」と自然に思えるような環境を作ることも援助のポイントといえるでしょう。


たとえば、昆虫を観察することで「どうしてこんな形なんだろう」と疑問に思い、それに関して子ども自身が図鑑で調べるなどして知識を深めていきます。


そういったプロセスを自然に生み出せるような魅力的な環境を作ることが大切かもしれません。


そのためには、積極的に自然とふれあう機会を作ったり、園内でさまざまな動植物を観察・探索できるように工夫したりするとよいでしょう。



保育ドキュメンテーションを共有して活動に活かす


保育ドキュメンテーションを職員間で共有することで、その先生がどのような保育方法を実践しているのかなどを可視化することができ、その後の活動に活かすことができるでしょう。


たとえば、「A先生はこういうことを実践したことがあるから、今度はもっとおもしろい方法をいっしょに考えてみよう」、「B先生はここを重視しているから自分は違った視点で見よう」といった関わり方もできるかもしれません。


保育士さんの視点を活かしてドキュメンテーションを作り、ミーティングなどで共有して振り返ることで連携も深まり、保育の質向上にもつながっていくでしょう。



レッジョ・エミリア教育の内容を理解して、就活に活かそう

今回は、レッジョ・エミリア教育の概要や教育理念、特徴、援助のポイントを紹介しました。


レッジョ・エミリア教育には、プロジェクト活動やアート、保育ドキュメンテーションなど独自のアプローチ方法があるようです。


保育士さんには、園生活のなかで子どもの社会性や主体性、創造性などを育む援助が求められるのかもしれません。


レッジョ・エミリア教育とはどういったものかを理解したうえで、興味をもった場合は実践している園を探すなど就活に活かしてみてくださいね。