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知的障害児施設とは。施設の役割や事業の目的、日本の現状や課題について

知的障害児施設とはどのような所で、どのような目的を持って運営されているのかを知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。施設の果たすべき役割についても理解していると、就活に活かせそうですよね。今回は、知的障害児施設に入所している児童の年齢などの施設の現状や、抱えている課題について紹介します。

ハートを持っている保育士さん

karins/shutterstock.com



知的障害児施設とは

日本の児童福祉制度では、児童福祉法を基にさまざまな行政機関によって障害者支援が行われています。


知的障害児施設とは、この支援事業の1つで、通所施設と入所施設があるようです。通所施設は市町村が、入所施設は都道府県がそれぞれ運営しています。入所施設の場合、福祉型と医療型とがあり、厚生労働省の資料を見ると、知的障害児のほとんどは福祉型施設に入所しているようです。


知的障害児施設は、知的障害児の自立と社会活動への参加を促進するための援助や保護を行い、独立自活に必要な知識技能を与えるといったことを目的としています。また、知的障害児施設の役割として、知的障害児への指導・訓練を行い社会復帰に取り組むことが挙げられるでしょう。


出典:障害児・知的障害者福祉施策/厚生労働省

出典:障害児支援施策/厚生労働省

出典:障害児支援の体型①/厚生労働省

出典:知的障害者援護施設等入所者の地域生活への移行の促進について/厚生労働省

出典:障害者の範囲/厚生労働省



知的障害児施設の現状

知的障害児施設の設置数はどのようになっているのでしょう。また、どのような年齢の児童が利用しているのでしょうか。厚生労働省の資料を元に知的障害児施設の現状をまとめました。



事業所数や児童数などの現状


2019年の厚生労働省「障害児入所施設の現状」の資料によると、福祉型知的障害児施設としての事業所数は235カ所となっており、2009年の「障害児・知的障害者福祉施策」の資料と比べるとほぼ横ばいと言えそうです。


福祉型の施設に入所している知的障害を持つ児童数は2019年時点では5000人ほどとなっていますが、自閉症を主とする発達障害を伴う児童が増えてきているので、全体としては増加傾向にあるようです。


なお、知的障害を含めた障害児通所施設は施設数も利用児童数も増加傾向にあるそうです。



入所児童の年齢


知的障害児施設とは18歳未満の児童を対象とした施設で、2019年時点での厚生労働省の資料で入所している2歳から17歳の児童の年齢構成を見ると、年齢が上がるにしたがって児童の数が多くなっているようです。


なお、知的障害児施設の場合は、18歳以上で引き続き入所している方もいるようです。


出典:障害児支援について/厚生労働省

出典:障害児入所施設の現状/厚生労働省

出典:障害児・知的障害者福祉施策/厚生労働省



知的障害児施設の課題

知的障害児施設がかかえる課題としては、どのようなことが挙げられるのでしょう。厚生労働省の資料から読み取れることをまとめました。



障害のある児童の増加


1990年から2011年までのデータを比較すると、18歳未満の知的障害児数は1995年以降増加傾向にあるようです。2011年には1995年の児童数の2倍近くまで増加しており、特に重度の知的障害を持つ児童の増加が見られます。


盲ろう児を対象とする施設や肢体不自由児を対象とする施設においても知的障害を合併する児童が多いことも課題となっていると言えるでしょう。重複障害を持つ児童が増えていることから、各障害別に分かれていた入所施設を一元化し、「障害児入所施設」として対応の強化や自立に向けた計画的な支援を提供しているそうです。



移行先


知的障害児施設に入所している児童の移行先も課題となっているようです。福祉型の障害児施設に入所している場合、18歳になると障害者施設や共同生活援助を行うグループホームなど、あるいは家庭へ移ることが一般的ですが、知的障害児の場合は2019年3月の時点で1500人が引き続き知的障害児施設に入所、在籍しているそうです。



地域生活への移行の促進


上記の18歳以上の移行先の問題から、知的障害児施設に入所している子どもたちの地域生活などへの移行の促進を図ることも、大きな課題となっているようです。


厚生労働省の資料によると、施設と地域との交流を促進することにより、入所児の生きがいの高揚や家庭復帰、社会復帰に向けての自立意欲の助長を図るとされています。なお、知的障害児施設を退所した児童が、退所後3年以内に地域生活の継続が困難となった場合、優先的に元の施設に再入所できるようになっています。


出典:障害児入所施設の現状/厚生労働省

出典:障害児支援について/厚生労働省

出典:知的障害者援護施設等入所者の地域生活への移行の促進について/厚生労働省

出典:児童福祉施設(児童家庭局所管施設)における施設機能強化推進費について/厚生労働省



知的障害児施設で働くためにやっておくこと

保育学生さんが知的障害児施設で働くために、どのような勉強をしておくとよいのでしょう。卒業までにやっておくとよいことを紹介します。



知的障害についての知識を深める


知的障害には軽度から重度まで障害の重さに違いがあり、できることやわかることが一人ひとり異なります。そのため知的障害児施設で働く場合は、子どもの成長を促すために、障害の状態や発達の過程に応じて適切な指導を行うことが必要となるでしょう。


知的障害を持つ子どもが集団生活や社会生活に参加できるように支援するためにも、入職前に知的障害についての専門的な知識を深めておくことが大切かもしれません。



子どもとの関わり方を学ぶ


上記に記載したように、知的障害と自閉症などが合併している障害を持つ子どもが増えているため、知的障害児施設で働くときには、それぞれの特性や個性に寄り添った対応をすることが求められます。


障害児施設を就職先として考えたときには、アルバイトやボランティアなどでサポートの仕方を学んでおきましょう。知的障害児と直接関わることで、子どもたちの発達を支援する喜びも味わえるようになるかもしれません。



知的障害児施設について学び、就活に役立てよう

今回は、知的障害児施設とはどのような施設かを紹介しました。


知的障害児施設には、知的障害児の自立と社会活動への参加を促進するための援助や保護を行うなどの目的があり、社会復帰を図るための指導や訓練を行うことが役割となっているようです。


知的障害児施設に関する資料を見ると、施設数などは横ばいの状態ですが発達障害を伴う子どもが増えているといった現状があります。また、入所の対象年齢は18歳未満となっていますが、知的障害児施設の場合18歳以上になっても入所しているケースもあり、移行先などが課題になっているようです。


知的障害児施設に就職を希望する場合は、施設の仕事や障害について理解し、就活に役立てましょう。