乳児向けの室内遊びや製作遊びについて知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。雨の日なども、室内で思い切り体を動かしたり身近な素材を使って製作したりして、子どもたちと楽しめたらよいですね。今回は、実習などに役立つ、乳児向けの室内遊びと製作のアイデアを紹介します。
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■目次
乳児向けの室内遊びのねらい
夏の暑い日や雨の日、寒い日などは室内遊びがメインとなるでしょう。
戸外で活動できない分、製作遊びや年齢に合った運動遊びなども取り入れられると、室内でも楽しく過ごせるかもしれません。
保育園での室内遊びは、保育士さんと親しみを持ってスキンシップを取ったり、遊びを通して「自分でやりたい」という気持ちを育んだりするというねらいがあるようです。
このようなねらいをもとに、身近な素材を使った製作をしたり、運動遊びをしたりしながら雨の日の保育活動を楽しめるとよいですね。
保育園でできる0歳児向けの室内遊びと製作遊び
0歳児は、月齢の差が大きくお座りができる子、ハイハイができる子、つかまり立ちをしている子などさまざまでしょう。
そんな0歳児の赤ちゃんが楽しめる室内遊びと製作遊びを紹介します。
室内遊び
まずは、0歳児の赤ちゃんが室内できる運動遊びをみていきましょう。
マットの上でハイハイ
0歳児は、マットの上でゴロゴロしたり、ハイハイしたりする運動遊びをしてみましょう。
0歳児の後半になるとハイハイする子どもも増えてくる頃なので、個人差を見つつ遊びを進めていけるとよいですね。
初めは平らなマットの上で行い、慣れてきたら積み木などを用いて傾斜を付けたり、でこぼこ道を作ったりすると楽しめそうです。
新聞紙遊び
新聞紙遊びも0歳児にぴったりな室内遊びかもしれません。
0歳児に新聞紙を渡すと感覚を確かめながら、にぎる、引っ張る、やぶくなどさまざまな動きを楽しむ姿が見られるかもしれません。
しかし、まだ口の中にものを入れてしまう時期なので、遊んでいるときは赤ちゃんから目を離さないようにするとよいでしょう。
風船遊び
赤ちゃんから見る風船はフワフワしてとっても不思議なものに見えそうです。
風船遊びでは、おそるおそるさわってみたり、ポンと叩いてみたりする子もいるかもしれません。
ハイハイして風船を追いかける姿も見られるでしょう。
子どもの様子を見ながらいっしょに遊んだり、割れる心配もあるので危険がないように見守ったりするとよさそうです。
ボール遊び
夏に使うプールの中や、サークルにプラスチックのボールを入れるだけで始められるボール遊びです。
ボールが敷き詰められているので、普段とは違った感触を楽しむことができるでしょう。
ボールを触ったり、つかんでみたりとさまざまな動きを楽しめる0歳児向けの運動遊びといえそうです。
製作遊び
ここからは、0歳児の製作遊びをみていきましょう。
製作遊びには、「感覚器官を使っていろいろな遊びが楽しむ、色や指先を使った遊びを経験する」というねらいがあるようです。
このねらいをもとに製作遊びをしていくとよいでしょう。
手形や足形の製作アート
手形、足形アートは、手のひら、足の裏に絵の具を付けて画用紙にスタンプする製作です。
0歳児から楽しめるので、他の年齢になっても応用ができ、室内で行なう製作遊びにぴったりかもしれません。
絵の具を使った手形アートは、日常保育だけでなく、行事やイベントの製作でも活用することができるでしょう。
たとえば、茶色の絵の具を使って手形で木に見立て、保育士さんが花を作れば桜の製作ができあがります。
季節に応じてさまざまな手形、足形アートができるとよいですね。
絵の具を使った指スタンプ
ここでは絵の具を使った指スタンプのアイデアを見ていきましょう。
用意するもの
- 画用紙(桃色)
- 画用紙(黄色)
- 絵の具
- のり
援助のポイント
指に絵の具が付いてしまうのが嫌な子もいるかもしれません。
そんなときは、無理せず、できる子から始めたり保育学生さんが実際にやって見本を見せたりするとよいでしょう。
手をすぐにふけるように、濡らしたタオルを用意しておくとよいかもしれません。
保育園でできる1歳児向けの室内遊びと製作遊び
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1歳児になると、保育士さんの真似をして言葉を覚えたり、歌を歌ったりできることも増えてくるでしょう。歩ける子も出始めるため0歳児の赤ちゃんより行動範囲が広がりそうです。
そんな1歳児の子どもたちが楽しめる室内遊びを紹介します。
室内遊び
まずは、室内でできる1歳児ができる運動遊びを紹介します。
フラフープを使った遊び
フラフープを使った遊びをみていきましょう。
フラフープをくぐったり、持ったり、引っ張ったりして遊びます。
まずは、保育学生さんがフラフープをくぐって見せます。そうすると子どもたちも真似してくぐってくれるかもしれません。
子どもたちといっしょにフラフープを持ち上げて、危険がないように引っ張ってみて遊んでみても楽しめそうです。
ロープを使った遊び
ロープを使ってくぐったり、乗り越えたりする運動遊びをしてみましょう。
初めは、ロープを床に置いたまま行ない、子どもたちは踏んだりまたいだりして遊びます。
何回か遊んで慣れてきたら、保育士さんや保育学生さんが両端を持って、子どもたちはロープに体が当たらないように下をくぐったり、またいでみたりと遊んでみてもよさそうです。
新聞紙を使った遊び
新聞紙をにぎるだけでなく、丸めたり、破いたりしてみましょう。
子どもの遊び方を見守りつつ、声がけをしながらいっしょに遊ぶと楽しめそうです。
指を動かしてみたり、くしゃくしゃした音をならしてみたりするなど、子どもたちが好奇心を持って遊べるかもしれません。
また、ビニールプールに新聞を入れると新聞プールを作ることができます。そこにボールなどを隠して、宝探しゲームに展開してみてもおもしろそうです。
ゲーム性のある遊び
1歳児ができるゲーム性のある遊びを紹介します。
ハイハイレース
スタートとゴールの位置に保育士さんや保育学生さんにいてもらい、ハイハイで競争する遊びです。
早くゴールする子やゆっくり進む子もいるでしょう。
そんなときは、「頑張れ」と応援したり、保育学生さんがその子のスピードに合わせていっしょに遊んでみたりするのもよいかもしれません。
ハイハイで鬼ごっこ
鬼ごっこをハイハイで楽しむ遊びです。
ハイハイ鬼ごっこは、保育学生さんが鬼になり、四つん這いになってハイハイしながら子どもたちを追いかけます。
勝負をつける遊びではないので、子どもたちといっしょにハイハイをして楽しんで遊ぶことが大切です。
また子どもたちの早さに合わせると子どもたちも楽しめそうです。
遊ぶ前にあらかじめ、床にものが落ちていないかなどをきちんと確認して、広いスペースを確保したり、マットを敷いたりしてから行うと安全に楽しめるでしょう。
製作遊び
1歳児の子どもたちができる製作遊びを紹介します。
製作遊びのねらいとして、「色々な素材に親しみ、手や指を使って表現することを楽しむ」ということが挙げられるようです。
このねらいをもとにして製作遊びをしてみましょう。
シールを使うカラフルなお魚作り
シールを貼るお魚作りのアイデアを紹介します。
用意するもの
- 紙皿
- 丸いシール
- はさみ
- セロハンテープ
援助の仕方とポイント
シールを、何枚かずつ切っておくとはがしやすくなりそうです。
たくさん貼りつけたい子どももいるかもしれないので、シールは余分に用意しておくと楽しんで製作ができるでしょう。
できあがったら、保育室の壁を水族館に見立てて、青い画用紙や青いビニールひもを貼ったものに飾ると、魚が泳いでいるように見えるかもしれません。
たんぽを使ってスタンプ遊び
ここでは、たんぽを使ったスタンプ遊びのアイデアです。
用意するもの
- 木が描かれた画用紙
- ガーゼ 1枚
- 脱脂綿 1枚
- 絵の具
- 輪ゴム
作り方
1.丸めた脱脂綿をガーゼで包みます。
2.ガーゼが広がらないように輪ゴムでとめます。
3.絵の具を(2)にしみこませます。
4.画用紙にスタンプをしたらできあがりです。
ポイント
タンポとは、面などを丸めて布やガーゼで包んで、絵を書くときに使う道具のことです。タンポの素材はやわらかいので、年齢の低い子どもたちも使いやすいかもしれません。
自分から絵の具を付けて遊び始められる子どももいるかもしれないので、絵の具のつけ方を教えると子どもたちの思い通りの製作ができそうです。
ビー玉アート
ここからは、ビー玉とティッシュの箱を使ったアイデアです。
用意するもの
- ティッシュ 1箱
- はがきサイズの画用紙 1枚
- 絵の具(好きな色)
- ビー玉 3~4個
- はさみ
- ゴム手袋
援助のポイント
転がしすぎると、絵の具が混ざって黒くなってしまうためそばについて声がけをしたり、「きれいになったね」など終わるように促したりしてもよいでしょう。
ティッシュ箱より画用紙は一回り小さいサイズにすると、ビー玉が転がりしやすいのかもしれません。
2歳児向けの室内遊びと製作遊び
2歳児は走ったりジャンプしたりと身体全体を動かせるようになり、1歳児の頃よりも行動範囲が広くなる頃でしょう。
また、0歳児、1歳児と比べると手先が器用になり細かい作業もできるようになってくるようです。
そんな2歳児の子どもたちが室内でも楽しめるような遊びを紹介します。
室内遊び
まずは、運動遊びから見ていきましょう。
サーキット遊び
サーキット遊びとは、遊具をコースのようにしてさまざまな動きを組み合わせて、周回する運動遊びのことです。
段ボールのトンネルやジャンプをするコース、鉄棒にぶら下がる工程など、さまざまな工程を入れると楽しめそうですね。
鉄棒やジャンプをするときなどにバランスを崩してしまったり、怪我をしてしまったりすることも考えられます。
安全に楽しめるようにするためにも、マットを敷いたり、保育学生さんや保育士さんがそばについたりして近くで様子を見ることが大切です。
ボール遊び
2歳児になると、ボールを投げたり蹴ったりすることができるようになる子もいるでしょう。
ボールを蹴れない子どもがいた場合は、ボールを投げてみるところから始め、できるようになってからボールを蹴って遊んでみるのもよいかもしれません。
ボール遊びをするときは、広くて周囲に物を置いてない環境で行うことが大切です。また、子ども同士も危険がないように充分に間隔を空けて遊ぶとよいでしょう。
縄跳び遊び
縄跳びを使った運動遊びも2歳児にぴったりかもしれません。
まずは、縄跳びを床に置きまたいでみるところから始めてみましょう。またぐのではなく、ジャンプして飛び越えても楽しめそうです。
子どもたちが慣れてきたら、縄を揺らしてみたり、1本橋のようにゆっくり歩いてみたりすると遊べそうです。
ゲーム性のある室内遊び
ここからは、ゲーム性のある室内遊びを紹介します。
紙コップでボーリング
紙コップを使ってボーリングをするアイデアです。
用意するもの
- 紙コップ
- ビー玉
- マスキングテープ
- 新聞紙
- ビニールテープ
- 画用紙
- はさみ
遊ぶときのポイント
紙コップの中に入れるビー玉が多すぎると倒れにくくなるかもしれません。一度試してみて、倒れなかったらビー玉の量を調節するとよさそうです。
実際に遊んで見せると、子どもたちもスムーズに遊び始められるかもしれません。
近いところからボールを転がして、慣れてきたら距離を離したりすると難しさが変わり、より楽しんで遊べそうです。
新聞紙の玉入れゲーム
新聞紙を使った玉入れゲームのアイデアです。
用意するもの
- 牛乳パック
- ビニール袋
- シール
- 新聞紙
- ペン
- はさみ
- テープ
遊ぶときのポイント
何カ所か玉入れのするところを作り、みんなで楽しめるとよいかもしれません。
「よーいスタート」で始めて音に合わせて終わりにするなど簡単にルールを決めてもよさそうです。
また、活動が終わった後も玉入れのかごを残しておくと、子どもたちは自由遊びの時間にも遊ぶことができるでしょう。
絵合わせゲーム
絵合わせゲームで遊ぶアイデアです。
用意するもの
- 画用紙
- ペン
- 絵の具など
作り方
1.画用紙を用意します。
2.2枚で1枚の絵になるように絵を描くとできあがりです。
3.(2)で作った物を広げて同じ絵が揃ったら勝ちになります。
製作のポイント
画用紙に描く絵は、子どもたちがわかりやすい動物やキャラクターにすると、楽しんで遊べるかもしれません。
はじめは、2枚のカードで絵をあてるゲームをし、慣れてきたら3枚、4枚と組み合わせるカードの枚数を増やしていくと難易度が上がりそうですね。
クラス全体で遊び始めてしまうと人数が多くなってしまうので、クラスでグループごとに分かれて遊ぶと遊びやすいかもしれません。
製作遊び
ここからは、2歳児の子どもたちが室内でできる製作遊びを紹介します。
スタンプ遊び
スタンプ遊びをするアイデアです。
用意するもの
- 気泡緩衝材
- トイレットペーパーの芯
- 絵の具
- 絵の具の筆
- 絵の具を入れる容器
- ペットボトル
- セロハンテープ
- カッター
- はさみ
作り方
1.気泡緩衝材をトイレとおペーパーの芯に巻き付けます。
2.巻きつけたらテープで貼り付けていきます。
3.ペットボトルの底の部分をカッターで切ります。
4.絵の具に(2)をつけて画用紙にスタンプをするとできあがりです。
5.同じように絵の具に(3)を付けて画用紙にスタンプをするとできあがりです。
作り方のポイント
ペットボトルの切り口をカットしたらは、ビニールテープを巻いておくと怪我を防ぐことができるでしょう。
ペットボトルの底を切らなくても、スタンプ遊びができそうです。
遊ぶときのポイント
スタンプ遊びが楽しくなって、たくさん押したい子もいるかもしれません。
そんなときは、思う存分スタンプ遊びができるようにスタンプを何個も用意しておくとよさそうです。
今回は、桜の花のスタンプでしたが、緑にしたら新緑、赤や黄色にしたら紅葉とさまざまな製作遊びに活用してみてくださいね。
のりでつなげて作るあおむし
ここでは、のりで画用紙をつなげて作るあおむしの製作を紹介します。
用意するもの
- 画用紙
- はさみ
- のり
- ペン
- 手をふくタオル
- 新聞紙(机に敷いておく)
援助のポイント
子どもたちが選んだ色からつなげたり、長くしてみたりすると色々なあおむしができるでしょう。
作ったあおむしで遊ぶうちに、のり付けしたところが取れてしまうこともあるようなので、ホッチキスでとめると取れにくくなりそうです。針が出た部分にはテープを貼り、安全に遊びましょう。
こすりだし
葉っぱのこすりだしの製作アイデアです。
用意するもの
- 落ち葉
- 紙(半紙やわら半紙など薄い紙)
- クレヨン
やり方
1.紙を葉っぱの上に載せます。
2.好きな色のクレヨンで紙を押さえながらこすってみます。
3.色々な色で塗るとできあがりです。
製作のポイント
こするときに紙を手で押さえるのが難しい場合には、いっしょに押さえるとこすりだしがしやすくなるでしょう。
いろいろな葉っぱを用意しておくとよさそうです。
援助の仕方
全体で進めるのではなく、人数を分けて進めるとスムーズにできるでしょう。
子どもたちの好きな色や好きな葉っぱを使うと、色々な作品ができるかもしれません。
また、こするときには、力を入れすぎると半紙が破れてしまうことがあるので、力の入れすぎには気をつけるとよさそうです。
乳児が楽しめる室内遊びや製作を取り入れよう
今回は、0歳児、1歳児、2歳児の子どもたちが雨の日や外に出られない日に楽しめる室内遊びを紹介しました。
身近な素材の新聞紙や、ボールなどを使った運動遊びやスタンプやシールを貼る製作遊びなどさまざまな活動ができそうです。
動画なども参考にしながら活動内容を決めて、実習に入ったときは担当の保育士さんと相談しながら、子どもたちといっしょに室内遊びや製作を楽しめるとよいですね。