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【5領域】健康とは。内容や保育実習で実践できる遊びの具体例など

保育所保育指針に掲げられた5領域における「健康」には、どういったねらいがあるのかくわしく知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。 「健康」に関わる遊びなどを知っておけば、保育実習や入職後にも役立つかもしれません。 今回は、「健康」のねらいや内容、意識するポイント、年齢別の遊びの具体例を紹介します。

健康な赤ちゃんの写真

takayuki/shutterstock.com




5領域の中の「健康」とは

保育所保育指針で定められた5領域とは、保育所や幼稚園での教育目標や保育を見る際の視点として、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5つにわけたもののことです。


5領域を意識した保育を通じて、子どもたちの個性や能力を伸ばしていくことが大切といわれています。


その中の一つである「健康」とは、心身の健康に関する領域を指し、主に遊びや衣服の着脱、生活習慣、清潔、食育、安全といった要素となるでしょう。



5領域「健康」のねらいと内容

まずは、厚生労働省「保育所保育指針」と文部科学省「学習指導要領」の共通事項を参考に、5領域の「健康」におけるねらいと内容から紹介します。



ねらい


「健康」のねらいは、健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養うとして、以下の3つが挙げられます。


  • 明るく伸び伸びと生活し、自分から体を動かすことを楽しむ。
  • 自分の体を十分に動かし、さまざまな動きをしようとする。
  • 健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。

このように、子どもの健康および安全の確保や、子ども自ら体や健康に関心を持ち、心身の機能を高めていくことなどをねらいとしているようです。


保育士さんには、子どもの心身の発達状況を十分に理解しながら、それにあった丁寧な関わりが求められるでしょう。



内容


「健康」の内容として、以下のようなことが挙げられるとしています。


  • 保育士などの愛情豊かな受容の下で、安定感をもって生活をする。
  • 食事や午睡、遊びと休息など、保育所における生活のリズムが形成される。
  • 走る、跳ぶ、登る、押す、引っ張るなど全身を使う遊びを楽しむ。
  • さまざまな食品や調理形態に慣れ、ゆったりとした雰囲気の中で食事や間食を楽しむ。
  • 身の回りを清潔に保つ心地よさを感じ、その習慣が少しずつ身に付く。
  • 保育士などの助けを借りながら、衣類の着脱を自分でしようとする。
  • 便器での排泄に慣れ、自分で排泄ができるようになる。

このように、「健康」にはさまざまな内容があります。


保育園における生活リズムを整え、身体を動かす遊びや身の回りの支度などを子ども自ら進んで行えるようにすることなどが大切だといえるでしょう。


出典:保育所保育指針/厚生労働省

出典:学習指導要領「生きる力」第2章 ねらい及び内容/文部科学省



保育士として5領域「健康」を意識するポイント

先にも述べたように、5領域における「健康」には、以下のような要素があるとされています。


  • 身体を動かす遊び
  • 身支度や生活習慣
  • 食育
  • 安全



身体を動かす遊び


身体を使った遊びとは、物を投げる、拾う、走る、飛び跳ねるなどといった身体的な技術を獲得するための遊びを指します。


保育士さんは、そういった遊びを意識しながら子どもの心身の発達状況を組み合わせ、「子どもたちにどのような動作・技術を教えるか」という観点で、教育内容とその範囲を定めることがポイントになります。



身支度や生活習慣


身支度や生活習慣に関わることは、園の生活の中で常に指導機会を設けることが大切といえるでしょう。


特に生活習慣における「排泄」ではトイレトレーニングを行いますが、発達状況によって子ども一人ひとり進め方が異なります。
それぞれのニーズに応えて教育内容を決めるためにも、日々の観察とニーズの把握は欠かせません。


つまり保育士さんが、子どもに今どのような援助が必要なのかを明確にし、毎日の保育の中で実施することがポイントです。



食育


食育は、園での食事そのものが学習の対象となります。


子どもは食事することで味や食感を経験するため、それだけでも「食育」になるでしょう。


しかし、5領域における「健康」では保育士さんの援助として、「食材はどうやって育つのか」「今何を食べているのか」「どうして食べるのか」といった疑問を投げかけたり、指導したりすることを意識しましょう。


食に対する疑問について話すことで、子どもの興味関心を刺激し、食べることへの意欲を促すことにつながるかもしれません。



安全


安全の指導は、子どもたちに防災や自らの身を守る大切さを教えるためにとても重要なことといえるでしょう。


保育士さんは、避難訓練や散歩などを通して、子どもと同じ目線の高さを体験しながら安全を意識した指導を行う必要があります。


子どもたちといっしょに考えながらハザードマップを作ったり、園内や園外での危険な場所を明確化させたりしておくとよいかもしれません。


出典:保育所保育指針解説 序章/厚生労働省



5領域の「健康」とつながる遊びの具体例

ハイハイする赤ちゃんの写真

takayuki/shutterstock.com


では、実際に5領域の「健康」とつながる遊びとして、どのようなことを行なえばよいのでしょうか。


年齢別に遊びの具体例を紹介します。



乳児クラス(0歳児、1歳児、2歳児)向けの例


乳児クラス(0歳児、1歳児、2歳児)の身体の発達では、目安として以下のようなことが挙げられます。


  • ハイハイやつかまり立ちをする
  • 一人で歩く
  • くぐる、またぐ、掴まるなどの簡単な運動をする
  • ボールなどの物を投げる
  • 両足でジャンプをする
  • バランスを保ちながら歩いたり走ったりする

このような目安に応じた遊びの具体例を紹介します。


マット遊び

<遊び方>

1.くるくると巻いたマットのうえにもう1枚マットをかけて、坂を作ります。

2.ハイハイで坂を上ったり下りたりして遊びます。


0歳児から行なえる、ハイハイで坂道を上ったり下りたりする感覚を楽しむことをねらいとした遊びです。


保育士さんは、子どもが横から転げ落ちないように見守りながら、「がんばれ」「こっちだよ」と楽しく行なえるよう声をかけながら援助しましょう。


タオルひっぱりっこ

<遊び方>

1.子どもを仰向けに寝かせ、タオルを上から垂らします。

2.子どもがタオルを握ったら、軽く上に引っ張ってひっぱりっこをします。

3.手を離してしまったら、もう一度始めから行ないます。


1歳児頃の子どもが行なえる、手の筋力を鍛えることをねらいとした遊びです。

子どもの手の力が強くなってきたら、保育士さんはタオルを左右前後に揺らすなどアレンジしてみるのもよいでしょう。


ハイハイレース

<遊び方>

1.横一列に並んだ子どもたちに、保育士さんが「ハイハイ!よーい、ドン!」と合図をかけます。

2.合図を受けてから床に手のひらをつき、ハイハイの体勢をとってレースを開始します。

3.保育士さんのところまで行ったらタッチしてゴールです。


2歳児頃の子どもが行える、ハイハイレースの遊び方です。

転んだときにとっさに手をつけるようトレーニングすることをねらいとしています。


ハイハイでのレースに慣れたら、保育士さんの合図に応じて高ばいやずりばいの体勢をとってレースするなどのアレンジをしてみるのもよいかもしれません。



幼児クラス(3歳児、4歳児、5歳児)向けの例


幼児クラス(3歳児、4歳児、5歳児)では、次のようなことが身体の発達の目安として挙げられるでしょう。


  • 少しの間鉄棒にぶら下がり続ける
  • ケンケンパ、スキップ、つま先立ちなどさまざまな動きをする
  • ボールを投げて、キャッチする
  • でんぐり返しをする
  • 縄跳びをする
  • 跳び箱を飛ぶ

以上のような目安に応じた遊びの具体例を紹介します。


タオルクライミング

<遊び方>

1.丈夫なタオルを保育士さんが胸のあたりでしっかり持ちます。

2.子どもがタオルを掴み、大人の体を足場にしながらよじ登ります。


3歳児頃から行なえる、足を踏ん張る力や握力を同時に鍛えることをねらいとした遊びです。


保育士さんは、子どもが落ちたときの対策として、マットなどの準備も忘れずにしておきましょう。


にょろにょろヘビ

<遊び方>

1.保育士さんが大縄跳びの縄をヘビに見立てて、地面を這わせるようににょろにょろと動かします。

2.子どもたちはその動きをよく見ながら、ジャンプして上手によけます。


4歳児頃の子ども向けの、縄跳びの練習にもつながる遊びです。


保育士さんは、はじめ縄の動きを小さく・ゆっくり動かし、徐々に大きく揺さぶっていくようにしましょう。


慣れてきたら、子どもたちが片足ジャンプで飛び越えてみても面白いかもしれません。


ドッジボール

<遊び方>

1.余裕のあるスペース内で、ドッジボールを行う区画を決めます。

2.クラスの子どもたちを2つのグループにわけます。

3.ボールに当たらないように逃げたり、ボールをキャッチして相手チームの子どもを狙って投げたりしながらゲームを進めます。

4.区画内にいる最後の一人にボールを当てるか、制限時間内で多くの子どもが残ったチームが勝ちです。


5歳児頃から実施できる、ボールを使った遊びの例です。


保育士さんは、子どもが理解できるようなドッジボールのルール説明や、行き交うボールの速さと方向を見極められるような動きの指導をする必要があるでしょう。


目標に向かってボールを投げる、キャッチする、走る、跳ぶといった身体的な動きを促すほか、チームメイトとのコミュニケーションによって言葉の発達や社会性を育む、総合的な遊びといえるかもしれません。



5領域の「健康」を意識した保育を実践してみよう

今回は、5領域における「健康」のねらいや内容、意識するポイント、年齢別の「健康」につながる遊びの具体例を紹介しました。


5領域は、子どもの個性を大切に伸ばしていくために定められているものです。

保育士さんは、「健康」とあわせて他の領域の内容も十分に理解し、総合的に指導を進めていく必要があるでしょう。


「健康」を意識するときは、身体を使った遊びを取り入れることや普段の保育の中で生活習慣について指導することなどを念頭に置いて、計画を立てるとよいかもしれませんね。