保育士の面接において、自己PRや長所・短所などのほかに「最近気になるニュースは?」と聞かれることもあるでしょう。答え方やポイントを把握しておけば、実際の場面で慌てずに済むかもしれません。今回は、「最近気になるニュースは?」という質問の意図や選び方、答え方と例文を紹介します。
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■目次
面接で「最近気になるニュース」を聞かれる意図
保育士の就活面接において、学生さんが面接官に聞かれることの一つに、「最近気になるニュースは?」という質問があります。
その質問にどのような意図があるのでしょうか。
自分の意見を言えるかどうかを見たい
最近のニュースへの感想を聞くことで、学生さんの「自分で考える力」を知りたいようです。
保育園に就職すると「あなたはどう考える?」と自分の考えを求められる場面が多くあるでしょう。この質問を通して、質問への対応力や自分の意見を主張する力を試そうとしているといえそうです。
業界への関心があるかを知りたい
保育士として就職したい場合、保育業界に関するニュースもチェックしているはずです。
この質問を通して「この学生は、保育業界のニュースに気を払っているか?」という確認をしていると考えられるでしょう。
つまり、学生さんが本当に保育への関心をもって就職を志望しているかを見ようとしているといえます。
このような質問の意図を押さえておけば、どういったところを見られるのかわかり、ニュースピックアップしやすくなりそうですね。
「最近気になるニュース」の調べ方や選び方
では、「最近気になるニュース」はどのように調べ、選ぶとよいのでしょうか。
ニュースの調べ方や選び方を紹介します。
テレビや新聞などを確認する
テレビや新聞などでは、話題のニュースを取り上げていることが多いので、必ず確認しておきましょう。
そのなかでも、保育についての話題が出そうな番組は、録画しておくと後で再確認することができそうですね。
インターネットで検索する
インターネットでニュースを検索する方法もあります。
時事ニュースを配信しているサイトは数多くあるでしょう。
しかしサイトによっては本当の情報かどうかという信憑性が難しいところもあるかもしれません。
気になるニュースを見つけたら、できるだけ新聞と連携しているサイトなどとすり合わせるなどして見極めるようにしましょう。
面接で「最近気になるニュース」を答えるときのポイント
次に、実際に面接において「最近気になるニュース」を答えるポイントを紹介します。
回答の構成を押さえる
論理的にわかりやすく回答するために、答えるときは以下の構成を参考にするとよいでしょう。
①結論:最近気になっているニュースは、Aです。
②理由:なぜ気になるかというと、〜~だからです。
③予想:このニュースを踏まえると、今後は〜~になってくるのではないか?と思います。
このように、結論から回答してから理由を述べ、最後にそのニュースが与える影響を予想するという構成に沿うと、簡潔にまとまり、相手にも学生さんの意見が伝わりやすくなるでしょう。
面接で話す練習をする
「就職活動ノート」などにニュースをメモとして書き出し、自分ならどのように答えるか、答え方のサンプルを先述の構成に沿って書いてみましょう。
そして家族や友人などにも協力してもらうなどして、実際の面接を想定して話す練習をしておくとよいかもしれません。
話が長くなっていないかやきちんと意図が伝わるかどうかなどを確認しておくことで、面接でも落ち着いて話すことができるでしょう。
「最近気になるニュースは?」という質問への答え方
最後に、「最近気になるニュース」として挙げられる例と答え方の例文を2つ紹介します。
例①保育士不足による待機児童問題
私が最近気になるニュースは、保育士不足による待機児童問題です。
そのニュースがなぜ気になるかというと、保育士の給料が低いという実態があり、保育士を目指そうとする人が少なかったり、資格を持っていても保育の現場で働いていない潜在保育士が多かったりすると知ったからです。
政府は保育士の給料の月額5%給与を上げる方向でいますが、3%の改善までしか目処が立っていないようです。それはあと2%分にあたる約400億円の財源の確保ができていないためといわれています。処遇改善にはまだまだ多大な時間を要すると考えます。
今後、保育士として働く際には、さらなる処遇改善を求めて署名するなどの行動を積極的に行ない、現場からの声を上げていきたいと思います。
例②保育業界で進むICT化
私が最近気になるニュースは、保育業界で進むICT化です。
なぜ気になるかというと、ICT化に対して消極的な園が多いと聞くからです。
国がICT化への補助金を出したり、通信会社が保育業界のICTシステムを開発したりと、保育業界でもICT化が進んできているものの、保育業界においてはICTがそれほど活用されていない現場もまだまだあると聞いています。手書きでおよたりや連絡帳を書くのがこれまでの基本のようですし、手書きならではのよさもあるでしょう。
とはいえ、手書きでの書類作成は時間がかかるため保育士の業務負担となり、残業や持ち帰り仕事として作成するという話も聞きます。
そのようなマイナスイメージが、保育士不足の原因の一つとなっているのではないかと考えます。ですので、少しずつでもICT化を進めていき業務を効率化することは、積極的に行っていくべきだと思います。
単に業務負担が減るだけでなく、それによって保育士が子どもと向き合う時間が増えることは、保育士にとっても子どもにとってもプラスになるのではないでしょうか。
ここで紹介した答え方の例文のように、保育業界関連のニュースについて気になっているポイントを自分なりに分析し、興味を持った結論と理由から話すことを意識するとよいでしょう。
そして今後の影響を考え、将来の仕事にどう活かせるかも言及できると、保育学生さんの働く意欲も伝わり、面接官に印象を残すことができるかもしれませんね。
出典:保育士のキャリアアップの仕組みの構築と処遇改善について/厚生労働省
出典:保育現場の ICT 化・自治体手続等標準化検討会報告書(案)/経済産業省
「最近気になるニュース」にアンテナを張り、就活の面接に備えよう
今回は、保育士の就職面接で「最近気になるニュースは?」と聞かれる意図やニュースの選び方、答えるときのポイント、答え方の例文を紹介しました。
保育業界の時事ニュースについては、社会背景も絡むため難しい内容も多いでしょう。
しかし実際に聞かれる場合に備えて、面接本番で慌てることのないよう内容を把握し答え方を考えておく必要があります。
気になるニュースについて自分なりの解釈をして意見をまとめ、実際に話す練習などをして、面接でも落ち着いて話すことができるとよいですね。