保育士・幼稚園教諭を目指す「学生向け」就職活動情報サイト

他己分析のやり方とは。就活に役立つ、質問項目や解答例

他己分析とは、自分以外の人に短所や長所などを聞いて自己理解を深めることです。やり方を覚えれば自分のことを客観的に知ることができるため、就活に役立てられるかもしれません。今回は、他己分析の目的や行うメリットを紹介します。また、他己分析をするときの質問項目や解答例をまとめました。

パソコンを見ている女性

mapo_japan/shutterstock.com



他己分析とは

他己分析とは、自分以外の人の意見をもとに自己理解を深めるために用いるフレームワーク(手法)のことです。


過去の出来事を自身で振り返る自己分析とはやり方が異なるため、くわしく知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。


他己分析を行う目的として以下の2つが挙げられます。


  • 客観的に自分のことを知る
  • 自己分析の結果と一致するか確認する

それぞれ具体的に見ていきましょう。



客観的に自分のことを知る

他己分析を行う目的として、客観的に自分のこと知ることが挙げられます。


自分のことを客観的に理解するのは難しいことですし、ほかの人の意見と比較すると異なることもあるようです。
第三者からの意見を聞くことで、自分が人からどう見られているのか理解することにつながるでしょう。


また面接で自己PRや志望動機などを答える際、事前に他己分析を行うことで第三者の評価を加えて話すことができるため、より説得力のある回答ができるかもしれません。



自己分析の結果と一致するか確認する

自己分析と他己分析の結果が一致するか確認することも行う目的の一つです。


自己分析と他己分析の結果が必ずしも一致するとは限りません。
たとえば、自己分析で「明るく元気なところ」が自分の長所だと判断したものの、家族や友人の回答では「真面目な人」だったという場合もあるでしょう。


他己分析をしないと、採用担当者へのアピールポイントがずれてしまう恐れがあります。
逆に、自己分析と他己分析の解答が一致していた場合は、自分を客観的に見れることができているということなので、自信を持ってアピールできるでしょう。


このように、他己分析を行うことで客観的に自分のことを知れるだけでなく、自己分析の結果と一致しているか確認もできます。


次は、他己分析のメリットについて見ていきましょう。



他己分析を行うメリット



自分では気づいていない強みや短所が分かる

他己分析をすることで、今まで気づかなかった長所や短所に気づくことがあるでしょう。


「自分は〇〇な性格だ」と思っていても、他己分析では「△△のような性格だ」という意見をもらうこともあるようです。
客観的な意見を取り入れることにより、自己分析では分からなかった長所や短所を知ることができるでしょう。


自己分析と他己分析の結果が大きく違った場合は、自己認識にずれが生じている可能性があるため、再度自己分析をしたほうがよさそうです。



面接などの場で自分のことをアピールしやすくなる

他己分析を行うことにより、面接で採用担当者からの質問に対して自分の強みをアピールすることができるでしょう。


たとえば、「私の強みは責任感が強いことです」と自己認識でのアピールポイントを答えるよりも、「私の強みは責任感が強いことです。友人や家族からもよく言われることがあるため、強みだと考えています」と答えたほうが、回答の説得力が増すのでアピールしやすくなるでしょう。


他己分析の結果は採用担当者が自分に抱く印象に近いことがあるため、好印象を与える回答を考えやすくなりそうです。



自分の自信につながる

他己分析を行うことで自分の自信につながるでしょう。


就活を行うなかで、保育士を目指す自分の考え方や行動に自信をなくすことがあるかもしれません。しかし、「どんな仕事が向いていると思う?」と質問したとき、「面倒見がいいから、保育士に向いている」という回答をもらえた場合など、第三者からきちんと評価されることで自信が持てるでしょう。


自信がつくことで、新卒保育士の就活にも前向きに取り組めそうですね。



他己分析のやり方

他己分析はどのようなやり方で行えばよいのでしょうか。


一般的に、以下のような流れで行うとスムーズに進められるかもしれません。


1.自己分析をあらかじめ行っておく

2.他己分析で質問する相手を決める

3.質問内容を考える

4.他己分析の意見と自己分析の結果を照らし合わせる


他己分析のやり方について具体的に説明します。



他己分析のやり方:①自己分析をあらかじめ行っておく

まず、他己分析をする前にあらかじめ自己分析を行っておきましょう。


自己分析は自己理解を深めることができるフレームワークの一つです。
自分自身を見つめ直すことで価値観や強みを理解できるため、就職の軸を定めることにもつながります。


事前に自己分析を行っておくと、他己分析の結果が出たときにすぐ比較できるでしょう。



他己分析のやり方:②他己分析で質問する相手を決める

自己分析が完了したら、他己分析をお願いする相手を決めましょう。


お願いする相手は、家族や昔から自分のことを知っている友人、アルバイト先の友人、同じサークルの仲間などがいいかもしれません。
ほかにも、多角的に意見を聞くため付き合いが浅い人に頼む方もいるようです。


ただし、ネガティブな質問をする場合、付き合いが浅いと答えづらいため、何でも言い合える家族や友人に質問したほうが率直な意見を聞くことができるでしょう。


また、他己分析では、回答が偏るのを防ぐため10人以上に聞くのが望ましいようです。
人数が多いと直接会って聞くのは大変なので、メールなどで質問すると回答を依頼された方も気軽に取り組めそうですね。


さらに質問する相手の性別、年齢、職業などが異なると、さまざまな意見が聞けるかもしれません。



他己分析のやり方:③質問項目を考える

次に、自分が聞きたいことに合わせて質問項目を考えましょう。


自分が周りからどんな風に見られているのかなど、知りたいことを明確にすることで、的確な質問を考えられるかもしれません。
長所、短所、第一印象などを質問項目として取り上げると、自己PRや志望動機に活かすことができそうですね。


具体的な質問項目は後ほどくわしく説明します。



他己分析のやり方:④他己分析の意見と自己分析の結果を照らし合わせる

他己分析が完了したら、自己分析の結果と照らし合わせてみましょう。


意見が一致している点と異なる点を見つけ、それぞれ把握することで、長所や短所などを改めて見つめ直すことができそうです。
また他己分析で気になった点を自己分析でさらに掘り下げることにより、自己PRや志望動機などに活用できるエピソードを見つけられるかもしれません。



他己分析の質問項目と解答例

面接を受けている女性

metamorworks/shutterstock.com


他己分析では、ただ自分の長所や短所を聞くのではなく、就活に役立てられそうなエピソードや具体例に活かせるような項目を考えるとよいでしょう。


他己分析の質問項目と解答例をそれぞれ紹介します。



他己分析に使える質問項目例

他己分析では以下のような質問をするとよいでしょう。


  • (私の)尊敬できるところは?
  • (私が)直さないといけないところは?
  • (私の)第一印象は?
  • (私の)ここが凄い!って感じることはある?
  • (私は)集団でいるときはどんな立ち位置?
  • (私と)いっしょにいて印象に残っている出来事は?
  • (私は)どんなことをしているときに楽しそうにしている? など

他己分析で「私の長所は?」と聞くと、「〇〇なところだと思う」のように端的な回答が返ってくる可能性もあります。
就活で役立てるためには、質問の言い回しを工夫したり、質問といっしょにエピソードの欄を作ってみたりしてもいいかもしれません。



他己分析の解答例

就活で長所や短所について質問された際の解答例を紹介します。


長所を答えるとき

「私の長所は勉強熱心なところです。
自分が興味を持ったことは深く追求したくなる性格なので、幼い頃は母が買ってくれた動物図鑑をボロボロになるまで何度も読み返していました。
保育士という仕事はまだまだ分からないばかりなので、学校で教わったことだけで満足せずに、入職後も保育の勉強をし続けて、スキルや技術を磨いていきたいと考えています」


短所を答えるとき

「私の短所は優柔不断なところです。家族や友人といっしょにご飯を食べに行ったときなど、いつも私だけ注文がなかなか決まらずに、待たせてしまうことがあります。
しかし、じっくり考えてから行動するので失敗も少なく、自分が納得したうえでの決断なので迷いなく物事に取り組むことができます。
保育士として貴園で働く際は計画的に準備をし、的確に判断できるよう心がけていきたいです」



他己分析のやり方を理解して就活に役立てよう

今回は、他己分析の目的とメリットだけでなく、やり方や質問項目と解答例を紹介しました。


他己分析は、自分がほかの人からどう見られているか知ることができるフレームワークの一つです。最近知り合ったばかりの友人や長年いっしょにいる家族など、さまざまな人に自分のことについて質問することで、今まで気づかなかった長所や短所を知るきっかけになるでしょう。


さらに、他己分析をすることで新たに自分の強みを発見できるかもしれません。
きちんとやり方を理解して、新卒保育士の就活に取り入れてみてくださいね。

これから就活をはじめる方はこちら 就活ガイド 保育士バンク!新卒に就職相談してみる