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保育における子どもの探索行動とは?種類やねらい、保育士の援助のポイント

探索行動とは、知らない物事に興味を示し、確かめながら知ろうとする行動のことです。子どもに見られる行動として、どういった特徴があるのかや保育士としての援助方法などを知りたい方もいるかもしれません。今回は、子どもの探索行動の種類やねらい、元保育士の筆者がまとめる保育士としての援助のポイントを紹介します。

遊具で何かを探す子ども

Waridsara_HappyChildren/shutterstock.com



子どもの探索行動とは

子どもの探索行動とは、知らない物事に興味を示し、それがどんなものなのかを確かめ、知ろうとする動きのことです。


厚生労働省「保育所保育指針」では、「身近なものと関わり感性が育つ」という項目のなかに、探索行動と関わる内容として以下が示されています。


  • 身の回りのものに親しみ、様々なものに興味や関心をもつ。
  • 見る、触れる、探索するなど、身近な環境に自分から関わろうとする。

このように、子どもの身近なものへの興味から、探索行動が見られるといえるでしょう。


探索行動は、ずりばいやハイハイをして、子どもが自分の力で目標物に向かって進めるようになる生後7カ月頃から徐々に見られるようになるかもしれません。


つかまり立ちや一人歩きができるようになる頃には、直立姿勢で上から見下ろせるようになって視界が広がるので、さらに範囲が広がるといわれています。


まずは子どもの探索行動には、どういった種類や特徴があるのか見ていきましょう。


出典:保育所保育指針/厚生労働省



乳児から幼児期にかけての探索行動の種類

乳児から幼児期にかけて見られる探索行動の種類を紹介します。



指差し行動


指差し行動とは、ある対象物に触りたい、何なのかを知りたいという好奇心から起こるものです。
未知の物事を確認・理解・学習したいという乳児の前向きさが表面化した行動のことといえるでしょう。


たとえば、身のまわりの物や絵本などで興味のあるものを見つけたとき、「アー」などと声を発しながら、指差しをして関心を示すことがあるかもしれません。


また、絵本のページをめくって次から次へと絵を指差ししたり、身近にある物を指差ししたりして「これは何?」とたずねるような視線を向けるのも探索行動の一つです。


乳児は、指差しをしたときの大人が言葉をかけてくれたり、自分の気持ちにそった行動をしてくれたりする体験から、指差し行動はコミュニケーションをとる手段であることを覚えるようです。


これは幼児期にも続いていき、注目してほしい対象物に対して指差しをして、「見て」と教えるような場面が多くみられるでしょう。



確認行動


確認行動とは、移動可能な範囲を動き回り、手あたり次第におもちゃやものを見つめたり、掴んだり、口に入れたりして確認するようになる行動のことをいうようです。


乳児はものを触ったり口に入れたりして、それがどういったものかを考えているといわれています。


たとえば、乳児がミニカーを手にとり、しばらく触りながら眺めて口に入れるなどして確認しているとします。


そのときに保育士さんが「これはブーブーよ。走らせてみようか」などと語りかけながら車を走らせて見せると、子どもが遊び方や言葉を真似して「ブーブー」と言いながら車を走らせるようになるかもしれません。


乳児は一つのものについて好奇心のおもむくままに確認し、自分の行動や大人からの関わりによって使い方などを知るようになるでしょう。そして、さらに遊びを深めたり別のものへと興味を移したりしていくのかもしれません。


このように確認行動を繰り返しながら徐々に自分の世界を広げていくことで、幼児期のさらなる探索行動へとつながっていくでしょう。



保育における探索行動のねらい

では、保育の現場における探索行動にはどういったねらいがあるのでしょうか。
保育における探索行動のねらいの例を紹介します。


<探索行動のねらい>

  • 座る、這う、立つ、伝って歩くなど全身の動きを十分経験しながら探索行動を楽しむ。
  • 探索行動を通して、身の回りのさまざまなものに興味をもつ。
  • 安全で活動しやすい環境での探索行動を通して、見る、聞く、触れる、嗅ぐ、味わうなどの感覚の働きを豊かにする。


このように、探索行動を通して全身を動かしたり、さまざまな感覚を豊かにしたりするねらいが挙げられるようです。


探索行動は、保育士さんなど大人から見るといたずらのように思えることもあるかもしれませんが、子どもは好奇心を働かせながら夢中になって楽しんでいることもあるでしょう。


そのため、保育士さんはその行動をすぐ止めるのではなく、過程を見守ったり、さまざまな感覚を働かせながら行動することをいっしょに楽しんだりするとよさそうです。



子どもの探索行動を援助するときのポイント

ハイハイする子ども

GrooveZ/shutterstock.com

最後に、元保育士の筆者がまとめる保育士さんが乳児や幼児の探索行動を援助するときの具体的なポイントを紹介します。



探索行動が十分にできる環境を整える


保育士さんは、以下のことを意識しながら環境を整えるとよいでしょう。


  • 一人遊びに集中して満足できるように、子どもの好きな遊びを把握してスペースやおもちゃを整え、十分な時間をとる。
  • 戸外遊びや固定遊具、運動遊具などで歩く、登る、すべる、転がるといったさまざまな動きが楽しめるように工夫する。
  • おもちゃは音や感触、形、色、大きさなど子どもの発達状態に応じて適切なものを選び、遊びを通して感覚の発達が促されるようにする。
  • 散歩に出かけたり、園庭に菜園や花壇を作ったりして、自然とのふれあいのなかから子どもが「何だろう?」「不思議だな」と感じられるような機会を積極的に設ける。

探索行動をしているとき、乳児は自分の体を使って「こう動かすとこうなるのか」「触ってみるとこんな感じなのか」といったことを確かめているともいわれています。


そのような体験を重ねることにより、幼児期になるとものの特徴などについて「なぜこうなるんだろう?」「どうしてこうなったのかな?」とさらに興味をもち、自分から周囲に聞いたり、図鑑や絵本を通して知ろうとしたりする姿が生まれることもあるようです。


そのため、保育士さんは子どもの年齢や発達に応じた体を動かす遊びやおもちゃ遊び、自然とのふれあいのなかで、子どもが自ら発見する楽しさを味わえるような環境を整えることが大切になるでしょう。



安全に配慮する


探索行動を見守るときは、安全に配慮することも大切なポイントになります。


特に乳児においては、好奇心のままに何でも口に入れる、行動範囲が広がってあちこち動き回る、といったことから安全にはいっそうの配慮が必要になるでしょう。


子どもや保育士さんの衣服に外れそうなボタンがないか、電池やおもちゃのパーツが床に転がっていないかなど、安全に探索行動ができるように注意しましょう。


また、歩行が安定しない乳幼児が遊具などで探索行動をするときは、保育士さんがすぐに支えられる位置につき、安全に遊べるように配慮することも大切です。



言葉かけをしながら使い方などを教えていく


子どもの探索行動に関わるときは、ごく自然にさまざまな物事について名称や色・形・使い方などを説明したり、感情を表す言葉をかけたりすることを意識するとよさそうです。


乳児は保育士さんから繰り返し言葉をかけられることで、場面に応じた言葉を使えるようになったり、正しい使い方を覚えたりしていくでしょう。


探索行動のなかで、子どもにとって危険なことがある場合は、「触ったら熱いからダメよ」「落ちたら危ないからやめようね」と、理由とともに言葉をかけることを意識することが大切です。


そうすることで、子ども自身がなぜ危険なのか、やってはいけないことなのかを理解できるようになるかもしれません。


自ら判断して正しい使い方などができたときは、保育士さんが「よくできたね」と褒める言葉もかけるようにすると、子どもも自信をもって探索行動を続けることができるでしょう。



探索行動とは何かを理解して、子どもの援助をしよう

今回は、子どもの探索行動の種類やねらい、保育士の援助のポイントを紹介しました。


乳児から始まる探索行動は、自分の力で周囲がどうなっているかを知ろうとすることや、物事の特徴を感じとるためにも大切な行動といわれています。


探索活動のなかで自ら見たり触れたり、保育士さんに言葉で教えてもらったりすることで、幼児期にかけての学びを深めていけるかもしれません。


保育学生さんは、探索行動の種類やねらいなどを理解して、子どもが好奇心のおもむくままに楽しめるような援助ができるとよいですね。