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コーナー保育とは。ねらいや環境構成、レイアウトのポイント

コーナー保育とは、子どもが自由に遊びを選択できる保育方式です。近年、取り入れる保育園や幼稚園が増えており、子どもの主体性や遊びこむ集中力を育むことにつながるといわれています。今回は、コーナー保育についてねらいやレイアウトで意識するポイントなどを紹介します。1歳児や2歳児など、どのような環境づくりをすればよいのかコーナー別にまとめました。

遊んでいる子どもたちを見守っている保育士

milatas/shutterstock.com



コーナー保育とは

コーナー保育とは、ままごとや製作、お絵かきなどジャンルごとに用意されたコーナーのなかから、子どもたちが自由に遊びを選択する方式のことです。


保育園や幼稚園では、クラス全員で同じ活動を行う「一斉保育」、活動や遊びを設定せずに子どもが思うままに過ごす「自由保育」などが行われていますが、「コーナー保育」はあらかじめ用意された遊びのなかから選択する新しい保育の形といえるでしょう。


コーナーの内容は特に決まったものはなく、園によって異なるようです。
棚や家具などで仕切りを作り、遊びごとに場所を区切るようなレイアウトにして、遊びこめるような配慮をしている園もあります。


まずは、コーナー保育のねらいと指導案を書くときのポイントについて説明します。



コーナー保育のねらい

コーナー保育を行うねらいとして以下の3つが挙げられます。


  • 自分が好きな遊びを探すことで主体性や自主性を育む
  • 友だちと協力して遊ぶことでコミュニケーション能力を高めていく
  • 集中して取り組む力を身につける

コーナー保育では、絵本コーナー、つみきコーナー、おままごとコーナーなどさまざまな遊びのなかから好きなものを選べるので、子どもたちの主体性や自主性を育むというねらいがあるようです。


また友だちといっしょに遊ぶことでコミュニケーション能力を高められたり、1つの遊びだけを行うことで集中して取り組んだりできるでしょう。



コーナー保育を実践するときの指導案の書き方

コーナー保育の指導案の書き方について、ままごとコーナーを例に挙げて説明します。


おままごとでは、レイアウトのしかたよって子どもの動線が塞がれて移動しにくくなることが考えられるため、キッチンやテーブルなどの配置を検討する必要があります。
遊びのスペースを広めに確保したり、お皿やコップ、調理器具などを取りやすい場所に用意したりと環境構成を整えるとよいでしょう。


そのほか、ままごと遊びをする子どもの様子を想像し、どんな言葉かけが必要になるのか注意するべきことは何かなどを踏まえてまとめるとよいですね。



コーナー保育のレイアウトを考えるときのポイント

コーナー保育ではレイアウトによって遊びにくくなることもあれば、逆に遊びの幅が広がることもあるでしょう。
コーナー保育でレイアウトを考えるときのポイントを説明します。



子どもたちが落ち着いて遊べる空間を作る

家具や棚などで仕切りを作り、走り回れるような広い空間がないようにレイアウトすることで、子どもたちは落ち着いて遊べるかもしれません。


棚の上に登ったり、部屋を走り回ったりするのが難しいレイアウトにすると、1歳児や2歳児の子どもたちも安全に過ごすことができるでしょう。


また子どもの様子を確認しやすくするために、棚の上には物を置かない、死角を作らないようにすることも大切です。



子どもたちが遊びやすいレイアウトにする

子どもたちが遊びやすいレイアウトにすることも、コーナー保育では重要になるでしょう。


好奇心旺盛な子どもたちはいろいろなことに興味や関心を抱くので、やりたいと思ったときにすぐ遊べる環境にするとよさそうです。
たとえば、おもちゃや必要な道具が子どもたちの目に入りやすいように、配置を工夫するとよいかもしれません。



子どもが集中して遊べるよう工夫する

子どもが集中して遊べるようなレイアウトにするとよいかもしれません。


コーナー保育では、お絵かきや工作などさまざまなコーナーがあります。
子どもが1つの遊びに集中できるように、コーナーごとに仕切りを設けたり、ジャンルごとにおもちゃを分けたりすることで、目移りすることなく取り組めるでしょう。


また遊ぶ場所を区切れば、少人数で遊ぶことも想定できます。
おもちゃの数を十分に用意しておくと、取り合いなどでケンカに発展するのを防ぐことができそうですね。



【種類別】コーナー保育の環境構成

紙に絵を書いている子どもたち

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ここでは、コーナー保育を種類別で見たときの環境構成について紹介します。



絵本のコーナー

絵本コーナーでは、子どもたちが自分の好きな本を読むことができます。
そのため、年齢や興味に合ったものが読めるように、さまざまな種類を用意しておくとよいでしょう。


用意するもの

  • 絵本

配置するときのポイント

絵本コーナーでは、絵本を置く棚と読むスペースがあればよいので、スペースが少し狭くても設置できるかもしれません。


絵本は背表紙ではなく表紙が見えるように置いておくと、子どもたちの目に留まりやすくなりそうです。



製作コーナー

子どもたちが自分のイメージにそって自由に作れるのが製作コーナーです。
作りたいと思ったときにすぐ取り掛かれるように、道具や材料は選びやすい位置に置いておきましょう。


用意するもの

  • 折り紙
  • 画用紙
  • テープ
  • ハサミ
  • のり

※そのほか、ねらいに合わせて材料を用意する


配置するときのポイント

製作コーナーでハサミを使用する場合は、事前に数を確認して保育学生さんの目の届く範囲で使ってもらうとよいでしょう。
また、子どもが使うときはそばで見守るようにすると安全にできるかもしれません。


ハサミの数によっては、少ないことで取り合いになるかもしれないため、使ったら元の場所に戻すなど、使用するときのルールをあらかじめ考えておくとよいかもしれません。


作品を展示できる場所があると、友だちや保護者に見られることで子どもはより達成感を得られそうです。



おままごとのコーナー

おままごとコーナーは、お世話遊びや台所遊びとしてコーナー保育でも取り入れられています。キッチンやテーブル以外にも、食べ物、調理器具、赤ちゃんのお人形など子どもたちのイメージが膨らむようなものを用意しましょう。


用意するもの

  • まな板
  • 包丁
  • 食べ物
  • お皿
  • コップ
  • 敷き物 など

配置するときのポイント

棚などの仕切りを作れば、家と外の世界の境目が明確になるため、子どもたちも役に入りやすくなるでしょう。


あらかじめままごとの道具を少しだけ出しておくと、1歳児や2歳児の子どもたちも手に取って遊び始めるかもしれません。


また用意する道具を替えれば、お店屋さんごっこにも応用できそうです。



運動遊びコーナー

遊具を置いたり、マットを敷いたりして運動遊びコーナーを設置することもできます。
運動遊びコーナーでは、子どもたちが十分に動き回れるスペースを確保し、安全に行えるよう配慮が必要になるでしょう。


用意するもの

  • マット
  • 平均台
  • ボールプールなど

配置するときのポイント

運動遊びコーナーでは、まず床に危険な物が落ちていないかを十分に確認するようにしましょう。


特に乳児クラスの場合は、遊んでいるときに子どもたちがけがをしないようそばについたり、危ない動きをしていたら安全に遊べるような声かけをしたりすることが大切です。


運動遊びコーナーを作る場合、仕切りがないとほかのコーナーのエリアまで入ってしまうことも考えられます。遊べる範囲をテープで区切り、コーナーごとに集中できるような環境を作ると夢中になって遊びこめそうですね。



構成遊びコーナー

構成遊びコーナーでは、つみき、もしくはブロックを組み合わせて自由に作品を作ることができます。
満足がいくまで遊べるように、ブロックやつみきは十分に用意しておくとよいですね。


用意するもの

  • つみき
  • ブロック

配置するときのポイント

構成遊びコーナーでは、作っている途中に子どもが帰る時間になってしまうこともあるでしょう。


その場合は、子どもたちが完成したときの達成感を得られるように、明日の続きができる工夫をするとよいかもしれません。
作り途中の作品を置いておける場所を確保し、壊さないでほしい旨を伝える専用のカードを作っておくと、子どもたちは期待感を持って取り組むことができそうです。



休憩コーナー

遊びのコーナーだけでなく、自由に体を休められる休憩コーナーを作っている園もあります。ソファーやクッション以外にも、寝転げるようにラグを敷いておくとよいでしょう。


用意するもの

  • 絵本
  • おもちゃ
  • ぬいぐるみ など

配置するときのポイント

集団遊びをするなかで、休憩したいと思う子どももいるかもしれません。


休憩コーナーでは子どもたちがくつろげるような空間にすることが大切です。


ただ体を休ませるだけでなく、自由に遊べるように絵本やおもちゃを用意しておいたり、保育学生さんとお話したりしてゆっくり、安心して過ごせるような環境にしておくとよいですね。



コーナー保育では子どもたちが楽しんで取り組める内容を考えよう

今回は、コーナー保育についてねらいや指導案の書き方、レイアウトのポイント、種類別の環境構成について説明しました。


コーナー保育は、あらかじめ用意された遊びのなかから子どもたちが自由に選択するため、興味や関心を惹くものを用意することが大切になります。
またレイアウトや環境構成を工夫することによって、友だち同士でいっしょに遊びやすくなるでしょう。


コーナー保育は子どもの主体性や集中力を育む保育として、保育園や幼稚園では取り入れるところが増えてきているようです。
理解を深めて、実習や入職後の保育活動に活かしてみてくださいね。

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