保育士を目指す保育学生さんのなかには、同じ園で長く働き続けたいと思う方もいるでしょう。
離職率の高い保育園の特徴を知っておくことで、入職後のミスマッチを防ぐことができるかもしれません。
今回は、離職率の高い保育園の特徴について紹介します。あわせて保育士さんが離職する理由や低離職率の園を探すときのポイントもまとめました。
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離職率の高い保育園について知ろう!
保育士を目指して就職活動を行うなかで、離職率の低い園で働きたい方も多いでしょう。
しかしながら、保育業界全体で保育士不足が問題視されている状況のため、離職率の高い園はどんな特徴があるのか、反対にどんな園であれば人材が定着しているのかをきちんと判断することが大切になります。
離職率の高い園の特徴を見ていく前に、まずはどんな理由で保育士さんが離職してしまうのか確認してみましょう。
保育士が保育園を退職する理由
離職する理由は人それぞれかもしれませんが、保育士さんが現場を離れる理由は大きく分けると次の4つが挙げられます。
- 人手不足で仕事量が多い
- 有給消化率が低い
- 人間関係が良好ではない
- 園の保育方針が合わない
これらは実際に働いてみなければわからないことがあるかもしれません。
もちろん保育士という仕事を長く続けたいと思って入職した方が多いとは思いますが、上記の理由から現場を離れてしまう方が多く、保育士の離職率の高さにつながっているのが現状のようです。
保育士が現場から離れてしまう理由を踏まえて、具体的に離職率の高い保育園の特徴を紹介します。
離職率が高い保育園の特徴
人員が足りていない
まず職員が足りていないことが挙げられるようです。
人員不足だと、1人の保育士が抱える仕事量が増えてしまい、その結果長時間労働になってしまうこともあるかもしれません。
また職員の配置基準がぎりぎりの人数の場合、必要な業務に手が回らないことや、保育園で過ごしている子どもたちの援助やフォローが十分にできないことが考えられます。
そうすると、保育の質が低下してしまったり職員同士の連携がうまく取れず良好な関係を築けなかったりしてしまうでしょう。
このようなことから、人員不足は離職率の高い保育園の特徴の一つといえそうですね。
給与が低い
給料が平均より大きく下回っている保育園は離職率が高くなっているようです。
もともと保育士は給料が低いというイメージを持たれがちでしょう。
ほかの仕事に比べると、労働生産性という観点において収入の変動が見られないことから、仕事量と給料が見合っていないなどの意見が多く挙げられています。
給料は生活の基盤となるものなので、頑張りが給料に反映されにくいと離職してしまう保育士さんは多いようです。
休暇が取りにくい
一般的に保育士は有給休暇が取りにくい職業のようです。
特に忙しい時期などは、慢性的な人手不足から休みを取りづらい雰囲気だったり、保育士自身が担当する子どもに対する責任から有給休暇を取ろうとしなかったりするのかもしれません。また、きちんと休むことができないと、プライベートの時間を確保できなかったり、休日を返上して保育園で仕事をしなければいけなくなったりということも考えられます。
さらに休暇が取りにくい職場環境の場合、心身のリフレッシュができずストレスを抱えてしまうといった悪循環に陥ってしまう可能性もあるでしょう。
このようなことから、休みが取れない、取りにくい園は離職率が高いといえるでしょう。
福利厚生が十分ではない
そもそも福利厚生とは、働き手の健康を維持することや安全な職場環境を管理するためのものです。
健康保険・厚生年金基金・介護保険・雇用保険・労災保険はどの社会保険のほかにも、住宅手当や家賃補助、バースデー休暇など園独自で設定しているものもあります。
これらが十分でない場合、安心して仕事に専念できないだけでなく、自身にかかる負担が大きくなってしまうため、福利厚生がきちんと整っている園に転職しようと考えてしまうのかもしれません。
福利厚生の充実さを求めて就職する学生さんも多いと思うので、きちんと整備されてない園は離職率が高いと考えたほうがよいかもしれません。
低離職率の保育園の求人を探すときのポイント
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離職率が高い保育園の特徴をふまえて、低離職率の園を探すときはどのようなポイントを押さえるとよいのでしょうか。
福利厚生の充実さ
低離職率の園を探すときのポイントとして、福利厚生が充実しているかどうかを確認しましょう。
先述したように、住宅手当、通勤手当、退職金制度、特別休暇など園によって独自の福利厚生を設けている場合があります。
そういった園の求人を見ると働く人を大切にしているということが伝わるだけでなく、入職したあとも日々の生活にかかる負担が軽減されるでしょう。
また、結婚や出産などライフステージが変化しても同じ園で働き続けたいと思っている方もいるかもしれません。
そんなときは、産休・育休制度の導入がされているか、取得率が高いかどうかを確認するのがポイントです。
職員の手厚さ
低離職率の園を探すときのポイントとして職員の人数が配置基準以上の園かどうかを確認しましょう。
求人票には「配置基準より一人多く設定しています」「配置基準より多めの体制を取っています」などと書かれているようです。
保育士の人数が十分足りているということは、突然の休みにもカバーできるほか、有給休暇を取得しやすいということにもつながります。
そういった環境であれば、保育士さんが休みを取ることにもうしろめたさを感じることなく心理的な負担も少ないのかもしれません。
残業の有無や長時間労働の発生状況
低離職率の園を探すときのポイントとして、残業の有無や長時間労働が発生しているかどうかを確認するようにしましょう。
残業や長時間労働ははないと、仕事とプライベートの時間を両立しやすくなるため、働き続けたいと考える方も多いかもしれません。
そのため、求人票に「残業月〇時間」「持ち帰り残業ゼロ」などが表記されているかどかをチェックし、心身ともに負担なく働ける環境にあるかを判断するとよいでしょう。
離職率の高い保育園の特徴を知って就活に役立てよう
今回は、保育士さんが離職する理由や離職率の高い園についてなど紹介しました。
保育士さんの離職理由として、仕事量が多いことや有給休暇率の低さ、人間関係が良好でないことなどが挙げられています。
これらが離職率にかかわるすべての原因とはいえないものの、こうした原因があると長く働き続けるのが難しい環境になりやすいかもしれません。
保育士さんが定着しない園の特徴を知ることはもちろん、反対に低離職率の園に共通するポイントは何かをきちんと確認したうえで、長く働き続けられる就職先を検討していきましょう。