布団や衣類などを収納する際に便利な圧縮袋。保育園ではおもちゃの材料として使うこともあるようです。保育学生さんのなかには、保育に活かせる圧縮袋の使い方やおもちゃの作り方を知りたい方もいるかもしれません。今回は、圧縮袋の特性や遊びのねらい、風船マットなど圧縮袋を使ったおもちゃの作り方、注意点を紹介します。
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保育園の遊びに活用できる圧縮袋の特性
圧縮袋とは、衣類や布団を入れて圧縮して収納する袋のことです。
保育園では、遊びのアイテムの一つとして使われることもあるようです。
まずは圧縮袋の特性を紹介します。
破れにくい
圧縮袋は厚めのビニール製なので、子どもが触ったり口に入れたりしても破れにくいのが特性です。
そのため、0歳児クラスからおもちゃの材料として取り入れることができるでしょう。
密封できる
圧縮袋はチャックでしっかりと密封できるので、中身にさまざまな素材だけでなく水などの液体を入れることも可能です。
チャックを閉めきる前に掃除機で袋のなかの空気を吸えば、よりしっかりと密封できるため、中身の素材の感触を楽しみやすくなるかもしれません。
大小のサイズがある
圧縮袋には、衣類用や布団用など大小あるので、以下のように遊びの用途によって選べるのも特性の一つです。
- 縦40cm×横30cmほどの小サイズ:乳児も手に持って遊びやすい
- 縦60cm×横80cmほどの中サイズ:小さなマット遊びなどに使いやすい
- 縦100cm×横150cmほどの大サイズ:子どもが圧縮袋のうえに寝そべることもできる
このように、さまざまなサイズのなかから作りたいおもちゃやアイテムによってサイズを選ぶとよいでしょう。
保育園での圧縮袋遊びのねらい
保育園での圧縮袋遊びにはどのようなねらいがあるのでしょうか。
例として、以下のようなことが挙げられます。
- 圧縮袋のなかに入っているものに興味を示し、袋のうえから触って遊ぶ。
- 水が入っている圧縮袋の、冷たくて気持ちいい感触を知る。
- 圧縮袋のうえに乗ったり、寝そべったりして、全身で感覚遊びを楽しむ。
圧縮袋のなかに入れる材料によってさまざまな遊び方を楽しめるため、それに応じたねらいを指導案などに書くとよさそうです。
圧縮袋を使って簡単に作れるおもちゃのアイデア
ここからは、実際の保育に活かせる、圧縮袋を使ったおもちゃの作り方を紹介します。
感触遊びができるおもちゃ
小さな圧縮袋に、さまざまな素材を入れて感触を楽しむおもちゃの作り方です。
用意するもの
- 圧縮袋(小)
- 水
- 花紙
- スポンジ
- ボール
- 鈴
- ハンドソープ など
作り方
1.圧縮袋に、丸めた花紙、小さく切ったスポンジ、ボール、水に溶いたハンドソープなど好きな材料を入れます。
2.しっかりと密封してできあがりです。
花紙やスポンジの入った圧縮袋は軽いので、仰向けや腹ばい状態の赤ちゃんでも簡単に手に持って遊ぶことができるでしょう。
ハンドソープを入れた圧縮袋は、触ったり握ったりすると中身が泡立つため、変化の様子や感触の違いを楽しめるかもしれません。
子どもの様子によって中身を変えながら、さまざまな素材の感触遊びができるとよいですね。
ウォーターマット
圧縮袋に水を入れた、ウォーターマットの作り方です。
用意するもの
- 圧縮袋 中もしくは大
- 水
作り方
1.圧縮袋のなかに水を適量入れます。
2.できるだけ空気を抜きながら密封してできあがりです。
ウォーターマットのうえに乗ったり寝そべったりすると、ひんやりとした水の感触を楽しむことができるでしょう。夏の暑い時期にぴったりかもしれません。
水のなかに魚のモチーフやビーズなどを入れて水族館風にしたり、食紅やあさがおなどの花びらを入れて色水にしたりすると、視覚的にも楽しめそうですね。
風船マット
圧縮袋のなかに風船を入れて作る、風船マットのアイデアです。
用意するもの
- 圧縮袋
- 風船
- ポンプ
- 掃除機
作り方
1.圧縮袋の大きさに応じた個数の風船をポンプでふくらませます。
2.風船を圧縮袋に入れて並べます。
3.掃除機で空気を抜いて密封したらできあがりです。
できあがると、子どもが乗って遊べるマットになります。
普段は乗れない風船のふわふわとした感触や、でこぼこした感触を全身で楽しむことができるでしょう。
風船を膨らますときは、子どもたちに手伝ってもらうのもよいかもしれません。
風船マットを複数使って、滑り台や家のように組み立ててアレンジしてもおもしろそうです。
圧縮袋遊びをするときの注意点
最後に、圧縮袋遊びをするときの注意点を紹介します。
中身の量を調節する
圧縮袋でおもちゃを作るときは、中身の量を調節することが大切なポイントになります。
水などの液体は、入れすぎると漏れにつながる可能性があるため、床に置いたときに膨らみすぎない程度にするとよいでしょう。
風船を入れる場合は、詰め込みすぎず、袋のなかで風船同士が平らに並ぶくらいの数にするとよいかもしれません。
風船同士が袋のなかでぴったりと並んでいることで、うえに乗った子どもの体重が分散されて割れにくくなるようです。
密封するときはしっかりと空気を抜く
圧縮袋に中身を入れて密封する際は、空気を抜きながら行うとよいでしょう。
特に風船マットを作る場合は、空気を掃除機でしっかりと抜くことで風船の位置が固定されます。
なかで風船が動いてしまうと、風船の間に隙間ができ、一部に体重が集中して割れることもあるようなので注意が必要でしょう。
液体や素材を入れる場合でも、空気を入れすぎると中身の素材の感触が伝わりにくくなることもあるので、しっかりと密封することがポイントです。
圧縮袋遊びを使って感触遊びを楽しもう
今回は、圧縮袋の特性や遊びのねらい、簡単に作れるおもちゃのアイデア、注意点を紹介しました。
圧縮袋は、百均やホームセンターなどで手に入りやすく軽量でコンパクトなため、保育実習を行う園にも持ち込みやすい材料といえるでしょう。
また、丈夫な素材で、しっかりと密封できるため0歳児から幅広い年齢のクラスでの遊びに活用できそうです。
風船マットなどの簡単な作り方を参考にしながら、保育学生さんオリジナルの中身のアレンジや遊び方を考えるなどして、子どもたちといっしょに感触遊びを楽しめるとよいですね。