「保育士に向いている人」と聞くと、保育学生さんはどのような性格の人を思い浮かべるでしょうか。
体力がある人や共感ができる人など、さまざまな特徴やポイントを知っておくと働くうえで参考になるかもしれません。
今回は、保育士に向いている人の性格や特徴、求められる適性、自身が向いているか判断するときのポイントを紹介します。
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■目次
保育士に向いている人の特徴を知ろう!
子どもが大好きな方にとって、子どもたちとたくさんの時間を過ごすことのできる保育士は、魅力的な職業かもしれません。
しかし、実際は「子どもが好き」という気持ちだけでは務まらず、「向き・不向き」というものがあるでしょう。
保育の現場では、元気な子どもたちと走り回る体力や、職員・保護者といったさまざまな人とコミュニケーションをとる力などの適性が求められることもあるようなので、どんな人に適しているのか、性格や特徴などを知っておくとよさそうですね。
保育士に向いている人の特徴
ここからは、保育士に向いている人の性格や特徴の例を紹介します。
子どもと接するのが好きな人
保育士に向いている人の特徴として、「子どもが好き」ということが挙げられます。
保育士の仕事は、毎日長い時間を子どもといっしょに過ごすため、子ども好きな性格の人にはぴったりな職業といえそうです。
しかし、いくら子どものことが好きだからといってつい甘やかしてしまったり、遊ぶことに夢中になり安全に配慮できなくなったりするようでは、保育士の仕事は務まりません。
ときに厳しくとも、子どもの成長を優しく見守ったり、子どもの学びのために何ができるのかを考えたりできる人でいることが大切となりそうですね。
体力のある人
体力に自信のある人は、保育士に向いている特徴の一つかもしれません。
保育園の遊びでは、全力で動き回る子どもたちと遊ぶことがあります。また一人だけではなく、複数の子どもを一斉に見ることもあるため、さまざまな場面で体力が必要となるでしょう。
たとえば子どもを抱っこしたりおんぶしたり、重い荷物を運んだりするなどの力仕事もあります。
ほかにも、保育園ではインフルエンザやノロウイルスなどのさまざまな感染症が流行ることも考えられます。感染症にかからないよう、体力維持だけでなく体調管理もしっかりと行なえると、保育士として頼りになりそうですね。
いろいろな人とコミュニケーションがとれる人
明るく社交的で、積極的にコミュニケーションをとれるような性格は保育士に向いている人といえるかもしれません。
保育士さんは、いっしょに働く職員や保護者、地域の方々と協力しあって保育を行っています。そのため、子どもだけでなく、幅広い年代の方とコミュニケーションをとる必要があるでしょう。
そのような保育士さんは「たくさん話してくれる先生」として好印象をもたれるかもしれません。また、子どもが社会生活を送るうえで必要なコミュニケーションの取り方のお手本にもなれそうです。
周りの人に対して気持ちのよい挨拶や適切な対応など、好感の得られるコミュニケーションを取れる人は、保育士に向いているといえるでしょう。
先の見通しをもてる人
先の見通しをもてる性格の人は、保育士の適性があるかもしれません。
保育士の仕事のなかには、「安全に配慮しながら保育室の環境を作る」「活動の計画を立てて内容を考える」といったことがあるでしょう。
保育室の環境の場合、子どもたちの行動を予測し、「ここに机があったら遊びやすいかな」「ハサミが手の届くところにあったら危ないな」などと考慮して、安全に楽しくすごせるように作ります。
また、活動内容は「子どもに将来的にできるようになってほしいこと」を考え、そのためにはまずどのようなことに取り組むとよいかを順序立てて考える必要があるでしょう。
たとえば、文字をかけるようになるためには、まずクレヨンでお絵かきをする経験を積むといったことがいえます。
共感ができる人
他者に対して共感ができるという性格は、保育士に向いている人といえるかもしれません。
保育士さんは子どもの気持ちに共感することが大切になります。
子どもの疑問をいっしょに考えて解決することや、出した答えに寄り添うことで、感受性が高まることにつながるかもしれません。
また、保護者の方に対しても共感する力も必要になります。
たとえば子どもの成長について心配している保護者の方がいるとき、「それはこうだと思いますよ」と意見する保育士さんよりも、「そう思われていたのですね。今後は保育園でも見守っていきますね」と共感してくれる保育士さんのほうが、信頼を得られるかもしれません。
保育士に向いている人に求められる適性
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保育士に向いている人の性格や特徴をおさえたところで、次に保育士として働くうえで求められる適性を紹介します。
適性については、学生生活のなかで伸ばしていくこともできるかもしれないので参考にしてみてくださいね。
忍耐力
ときには周りに頼り、サポートも上手に利用しながら忍耐力を高めていける人は、保育士としての適性があるといえるでしょう。
忍耐力とは、辛いことや苦しいことも耐え忍ぶことです。
子どもが思うように動いてくれない、保護者とのトラブル、保育士同士の人間関係など、 さまざまな困難があるかもしれません。
その都度根気強く向き合あい、声かけや見守り、説明を尽くしていく忍耐力が必要になるでしょう。
ポジティブ思考
見返りのないことを気にせず、前向きに子どもに向き合えるポジティブ思考をもつことは、保育士に求められる適性の一つかもしれません。
保育士には、子どもたちの前ではいつでも笑顔で接することができるように、自分でポジティブに切り替える力が必要になります。
「どうせ」「できない」などのネガティブワードを極力避け、「きっとできる」「ありがとう」などのポジティブワードを多く使って、子どもたちのお手本として接することが大切といえそうですね。
課題解決力
子どもや保護者と悩みを共有し、一緒になって解決への道を探っていく力も、保育士の適性として求められるかもしれません。
保護者への育児サポートやアドバイスも保育士の仕事の一つです。
「目の前にいる子どもと親が抱えている悩みや苦しみは何なのか?」「保護者の相談に対して、保育士としてできることは何か?」とったことを常に寄り添いながら考え、解決へと導く力が必要になるでしょう。
自身が保育士に向いている人かを判断するときのポイント
保育士に向いている人かどうか、自身で判断するときに押さえておきたいポイントについて紹介します。
適性は徐々に身につくものと考える
向いている人の特徴や適性の例が現在の学生さん自身にあてはまらないからといって、保育士になることを諦める必要はありません。
適性については、経験によって徐々に身につけられたり、克服したりすることも可能です。
自身の性格や苦手なことなどを把握しておき、実習や入職後において適性を身につける努力をしていくことが大切といえそうです。
現場ではチームで保育することを認識しておく
保育の現場ではチームワークが大切になります。現在学生さんが苦手とすることも、入職後、現場のチーム内でカバーすることもできるかもしれません。
たとえば、学生さん自身が「体力には自信があるけど、ピアノは苦手」といった場合、「ピアノはほかの先生に担当してもらうけれど、運動遊びは自身が中心になって指導する」といった協力ができそうです。
自身で苦手なことを克服するための努力も必要ですが、現場の保育士さんと「向き・不向き」なことをカバーし合いながら乗り越えていこうという意識をもつことも、大切になるでしょう。
保育士に向いている人の特徴や適性を知って、学生生活に活かそう
今回は、保育士に向いている人の性格や特徴、求められる適性、向いているかどうか判断するときのポイントを紹介しました。
学生さんそれぞれに異なる性格があり、向き・不向きがあるのは当然のことといえるでしょう。
現在の自分に向いている人の性格があてはまらないと思っても、保育士に向いていないということではありません。適性は入職後の経験により徐々に身につけていくこともできるでしょう。
自身の向き・不向きを把握したうえで、学生生活のうちにより伸ばしたり、苦手なことを克服する努力をしたりできるとよいですね。