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幼稚園・保育園の幼児教育法にはどんな種類がある?特徴や就活での選び方

幼稚園、保育園の方針によっては、幼児教育法を取り入れている園もあります。ホームページや求人票を見ていると、「モンテッソーリ教育を採用」というような記述を見た保育学生さんもいるでしょう。今回は、保育園や幼稚園で実践される幼児教育法の種類や内容、就職する際の園選びのポイントを解説します。

幼稚園の教室の写真

Mayuree Moonhirun/shutterstock.com



幼児教育法とは?

そもそも幼児教育とは、小学校入学前までの教育を指し、保育園や幼稚園だけでなく家庭や地域など子どもが過ごすすべての環境において行われるものとされています。


保育方針などに取り入れられる「幼児教育法」とは、学者や教育者などによって開発された、一般的な教育方法とは一線を画した特別なメソッドのことです。


ただし、どの幼児教育法でも、子どもの内面に働きかけて人間性や生きる力を伸ばしていくという点は共通しています。
早期教育のように、芸術やスポーツなど特定分野の知識を幼い頃から教え込むものとは異なることに留意しましょう。


幼児教育においては数多くの教育法が存在するため、保育園や幼稚園での取り入れられ方はさまざまであるようです。



それでは、幼児教育法のくわしい内容をみていきましょう。



幼児教育法の種類と特徴【海外発】

ここでは、海外で発祥し、日本でも有名になった幼児教育法を紹介します。



モンテッソーリ教育


モンテッソーリ教育とは、イタリアのマリア・モンテッソーリ教授が提唱した幼児教育法です。


目的・方針

モンテッソーリ教育では、「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在を前提に、自発性を重んじた教育が行われます。


モンテッソーリ教育の目的は「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことであるようです。


また、人間の発達を4つの段階に分け、それぞれの時期に適切に育っていく力があるとする「敏感期」の考え方が根幹にあります。
0歳~6歳の子どもは、園などの社会的な環境の中でさまざまな力を身につけ、ヒトから人間へと変わっていくとても重要な時期であると考えられているのです。


特徴

教育内容の特徴として、モンテッソーリ教授が開発した教具を使った「おしごと」が挙げられるでしょう。
おしごとでは、みんなで一斉に同じ活動をするのではなく、子どもたちがそれぞれ興味のあるものに取り組むようです。


また、おもちゃを使った感覚教育や算数教育だけでなく、身の回りのことを自分で行う活動をしていたり、縦割り保育を実施したりしているのも特徴です。


おしごとを通して、自立心や自発性が備わっていくのですね。


どんな人が向いている?

モンテッソーリ教育を取り入れた園では、室内で活動するおしごとの時間が大切にされているため、戸外遊びがあまりないかもしれません。


そのため、落ち着いてじっくり子どもとかかわりたいと考える保育学生さんに向いていると言えるでしょう。


また、モンテッソーリを実施している園で保育士として働くこともできますが、専門の資格を有したモンテッソーリ教員という職種もあります。


働きながら学びを深めていきたいと考える人には、保育士からモンテッソーリ教員というキャリアを選ぶのもよいかもしれませんね。



シュタイナー教育


シュタイナー教育とは、ドイツの哲学者、ルドルフ・シュタイナーが考案した教育法です。


目的・方針

シュタイナー教育では、「からだ」「こころ」「あたま」の3つの調和が取れた発達を重要視しています。
感情的になりすぎたり、論理ばかりにとらわれたりするのではなく、すべての力がバランスよく育まれていることが理想であると考えられています。


その思想をふまえ、「心と体を含めた全人教育を施し、自由な意志で動いていける人間を育てること」を教育の目的としています。


また、人間の成長は「物質体」「生命体」「感情体」「自我」の4つの構成体でできているという考えや、人間には生まれつき決まっている4種類の気質があるといった子どもの捉え方が根幹にあります。


特徴

豊かな感受性を育むために、自然や音楽、色彩などから働きかけていきます。
絵をかくときには抽象的なにじみ絵をかいたり、お話の時間には絵本や紙芝居などを使わず保育士さんの素話を聞いたりと活動内容も特徴的です。


保育室の環境や身の回りの道具も、キャラクターデザインや派手な色使いではなく、自然由来の素材や色を使うことが多いでしょう。


また、子どもの自主性を尊重し、縦割り保育を行っていることも特色のひとつですね。


どんな人が向いている?

自然や音楽を大切にした芸術的な教育法なので、人工のものよりも自然なものを通して子どもの感性を育みたいと考えている保育学生さんには適していると言えそうですね。


また、縦割り保育に興味がある場合も検討してみてよいでしょう。


お話の時間では紙芝居や絵本を使わないので、保育士さんの演技力が求められそうです。
そうした素話のスキルや感性を磨きたいと考えている場合もマッチしているかもしれません。



レッジョ・エミリア教育


レッジョ・エミリア教育はイタリアの町「レッジョ・エミリア」で生まれた教育法です。


目的・方針

レッジョ・エミリア教育には体系的な指導方法はありませんが、開発者ローリス・マラグッツィの「子どもには百とおりある」という言葉通り、子どもの個性や思いを尊重した教育が行われます。


「子どもは権利の主体」と唱えられ、自分でやってみる権利、泣く権利、など子どもの権利を認めることが重要だと考えられています。


特徴

話し合いを通して行われる美的活動、「プロジェクト活動」や、子どもたちが自分のペースで過ごせる時間感覚も大切にされています。


施設の中は、壁などで仕切ることなく、広々とした空間を子どもが自由に動き回って遊びを見つけるという形が取られているようです。


また、ドキュメンテーションという手法を用いて、メモや映像などで保育の様子が記録されており、保育士だけでなく子どもや保護者も見て理解できるような掲示がされています。


どんな人が向いている?

レッジョ・エミリア教育では、子どもの思いややりたいことが尊重された自由な教育が行われています。
そのため、子どもの思いを尊重し、主体的な教育をしたいと考える人にはぴったりと言えそうです。


また、さまざまな素材を組み合わせて感性を育むといった芸術的な活動も多くあり、美術や造形などの活動に力を入れたい保育学生さんは向いているかもしれません。



ピラミッドメソッド


ピラミッドメソッドは、オランダで発祥した幼児教育法です。


目的・方針

ピラミッドメソッドでは「自分で選択して決断できる力」を身につけることを目標に、子どもの自主性を育んでいく教育法です。


「子どもの自主性」「保育者の自主性」「寄り添うこと」「距離をおくこと」という4つの基礎理論をもとに、体系立った教育カリキュラムを実践していくことが特徴となっています。


特徴

ピラミッドメソッドでは、さまざまな概念を体系的に学ぶための「プログラム」が行われます。
プロジェクトのテーマは「数」「大きさ」「空間」「家」など11種類あり、具体的なものからだんだんと抽象的なものへ移っていきます。


また、子どもが好きな遊びを選んで活動するコーナー保育や、子ども自身が遊びを選ぶためのプランニングボードなどが活用されているのも特色でしょう。


どんな人が向いている?

明確にテーマとねらいが設定された「プロジェクト」を日常的に行うピラミッドメソッドでは、体系的な教育カリキュラムに合わせて保育活動を進める必要があります。


子どもが主体となって、体系的に学んでいく様子を支えたいと考える人には適しているかもしれません。


また、子どもが自主的に遊びを選べるコーナー保育を実践したいという人にも向いている教育法と言えるでしょう。



ドーマンメソッド


ドーマンメソッドは、アメリカの脳科学者グレン・ドーマンが開発した教育法です。


目的・方針

ドーマンメソッドでは幼い頃から多くのことに興味を持って探索することで、好奇心が強く、理解力や洞察力に長けた子どもを育てることが目的です。


脳科学で検証された教具を活用し、乳幼児期の吸収力の高い子どもたちに適切な刺激を与えることで、能力を発揮することができると考えられています。


特徴

ドーマンメソッドにおいては、0歳児など幼いうちからあえて脳を刺激するためのトレーニングをします。


例えば、丸がランダムに打たれたドッツカードを見せて数への理解を深めたり、大人が支えながらうんていなどにぶら下がったりといったことが挙げられます。


どんな人が向いている?

0歳児や1歳児の頃から、積極的に運動をしたり、数字に慣れるための遊びを行ったりするので、乳児期の発達にかかわりたい人は楽しいと感じるでしょう。


また、身体を動かすことが脳の発達を促すと考えられているため、運動遊びをたくさん取り入れたいと考える人にも向いているようです。



ニキーチン教育


ニキーチン教育とは、モスクワのニキーチン夫妻が7人の子どもを育児する中で用いられた教育法です。


目的・方針

「子ども達はわたしたち大人が考える以上にさまざまな力を持っている」という考えのもと、知育遊びや身体を鍛える遊びを取り入れています。
なかでも、子どもたちの「創造力」を育むことに特に力を入れているようです。


特徴

ニキーチン積み木などの知育玩具で想像力や思考力を育む取り組みが特徴的です。
カラフルな色や変わった形をした「ニキーチン積み木」は、見本の絵を見ながら同じ色、形の作品ができるように子どもが工夫して組み合わせるうちに創造力が養われるようです。


また、子どもにとって少し難しいことや危ないと思われることでも、経験する機会を作れば子どもは対応する力を身につけていくと考えられ、積極的に挑戦させます。


どんな人が向いている?

ニキーチンの知育玩具などを遊ぶには、子どもが自ら試行錯誤できるよう、大人が手出しせずに見守ることが求められます。


あれこれと大人が手を貸すよりも、子どもの気づきや学びを大切にしたいと考える人には向いているかもしれません。



幼児教育法の種類と特徴【日本発】

教具の写真

myboys.me/shutterstock.com


ここでは、日本発の幼児教育法について解説します。



七田式教育法


七田式教育法とは、右脳教育の研究家、七田眞によって開発された教育法です。


目的・方針

知識や思考力を身につけることはもちろん、人間として心を豊かにすることや感性の教育を大切にしています。


七田式教育法では、心と身体を育てるために、「知育」「徳育」「体育」「食育」を4つの柱としてさまざまなトレーニングを行います。


特徴

七田式教育法では、フラッシュカードやプリント学習などを通して、吸収力が高い子どものうちからさまざまな知識にふれていきます。


また、親子の信頼関係を作ることも重要視していて、大人がしっかりと褒めたり愛情を伝えたりすることを推奨しています。


どんな人が向いている?

七田式は右脳トレーニングの一環で、フラッシュカードを用いた記憶能力の向上や、プリントでの計算や文字の練習などを行います。


文字や計算などを教え、子どもの学力の土台を作る手助けをしたいと考える保育学生さんにはよい教育法かもしれません。



石井式教育法


石井式教育法は、教育学者である石井勲によって開発されました。


目的・方針

「幼児期の言語教育こそが人間の知能を決定する働きをし、能力を大きく飛躍させる鍵となる」という考えをもとに、言語教育を重視しています。


言葉を学ぶことで、思考の土台を築いていくことができ、理解力や表現力の向上にもつながるとされています。


特徴

石井式教育法の特徴として漢字教育を行うことが挙げられます。


視覚で理解できる漢字は、子どもにとってはひらがなよりも覚えやすい言語だと考えられ、漢字が交じった本やカードなどを使って学んでいくようです。


また、カルタや朗読などを通して言葉の豊かさに触れることも大切な経験のひとつとなっています。


どんな人が向いている?

子どもの言葉の発達やコミュニケーションに興味がある人には向いているかもしれません。


また、漢字やカルタなど難しい日本語にふれることになるため、国語の授業や本が好きで、その面白さを伝えたいと考える人は楽しく働くことができそうです。



ヨコミネ式教育法


ヨコミネ式教育法とは、鹿児島県の保育園で実践されていたものです。


目的・方針

ヨコミネ式教育法では、「すべての子どもが天才である。ダメな子なんて一人もいない」という理念のもと、子どもの力を伸ばす教育を行っています。


心の力・学ぶ力・身体の力を身につけ、「自ら考え、自ら判断し、自ら行動・実践する」ことを目的としています。


特徴

子どもの競争心や向上心を育むため、少し難しい活動にも取り組みます。
なかには、逆立ちで歩行をしたり、英語で劇をしたりといった活動で子どもの可能性を引き出していくこともあるようです。


また、あえて難しいことにチャレンジし、乗り越えたときの達成感を味わえるよう指導していくことも特徴ですね。


どんな人が向いている?

ヨコミネ式教育法では読み書きや計算、体育、音楽とさまざまな分野から難しい課題に挑戦することを推奨しています。


指導する保育士さんにも知識や技能の獲得が求められるため、子どもといっしょに自分も成長していきたいと考える人には向いている教育法と言えるでしょう。



幼児教育法を取り入れた園選びをするときのポイント

これらの幼児教育法を取り入れた園に就職するときに気をつけるべきポイントを紹介します。



自分の興味や保育観にマッチした幼児教育法を選ぶ


まずはそれぞれの幼児教育法についてくわしく知り、自分のやりたい保育や興味のある活動と一致しているかを確かめるとよさそうです。


たとえば、一斉保育で製作や合奏をやりたいと考えているのに、自由な教育を重視した園に就職すると希望通りの保育はできないでしょう。


それぞれの教育方法で推奨されている活動や教具などを調べるとともに、園ではどのように活用されているかを知れるとよいですね。



園見学を通して実際の保育内容を見る


園のホームページや説明会でイメージしていたものと、実際の保育内容は異なるかもしれません。
そのまま入職すると、園にとっても自分にとってもミスマッチにつながるでしょう。


園見学に行って実際の教育内容を見ておくと、本当にその園での取り組みと自分の理想がマッチしているかを確かめられそうです。



自分がその園で働くことを想定する


園の保育内容を見ることができたら、あわせて自分がそこで働くことを想像してみるのも大切でしょう。


園の方針によっては、入職後に活動の準備が大変なことや、実習などで学んだ保育スキルを活かせないことを苦痛に感じるかもしれません。


また、新卒のうちは、教育熱心な保護者に対して引け目を感じ、保育に自信がなくなってしまうこともあるようです。


ただ、自分がその園で得られるものが大きいと感じれば思い切って応募してみるのもよいかもしれませんね。



幼児教育法を知って、幼稚園・保育園の就活に活かそう

今回は、保育園や幼稚園で取り入れられる幼児教育法について解説しました。


幼児教育法には、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育など海外発のものから、七田式幼児教育法など日本発のものと数多くあります。
それぞれの教育法によってメソッドや教育方針の違いはありますが、どれも子どもの人間性や生きる力を育むことを目的に工夫されているようです。


こうした園への就職を考える際は、園見学で実際の保育内容を確認し、自分に合った幼児教育法を実践している園を選ぶことが大切と言えるでしょう。


このコラムを参考に、幼児教育法を取り入れた保育園・幼稚園の就職を視野に入れてみてくださいね。