節分会や豆まきなどの行事を2月に予定している保育園も多いようです。実習で参加する保育学生さんや初めて行事を担当する保育士さんは、会の流れやゲームのアイデアを知っておきたいですよね。今回は、保育園の節分会のねらいや、出し物のアイデアを紹介します。豆まきにおける配慮のポイントもまとめました。
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■目次
保育園で行う節分会のねらいは?
節分の概要
そもそも節分とは、季節の変わり目である立春の前日に行われる邪気払いの行事です。
豆まきをするとともに、数え年の数だけ豆を食べて鬼を退治する風習が有名ですよね。また、その年の方角(恵方)を向いて恵方巻を食べ、幸運を願う地域もあります。
保育園の節分会では、遊戯室などに集まって節分の由来に関するお話を聞いたり、豆まきをして鬼を退治したりすることが多いようです。
邪気が入ってきやすいとされる節分の日に、保育園でも豆まきをして鬼を払い、1年間の無病息災を願いましょう。
節分会のねらい
保育園で行う節分会には、以下のねらいが挙げられるでしょう。
- 節分の意味を知って、伝統的な行事に親しむ
- 保育士や友だちといっしょに豆まきを行うことを楽しむ
- 豆まきを通して、自分のよいところや直したいところを認識し、行いを正そうと意欲を持つ。
このようなねらいをもとに、節分の由来や意味を知れるようペープサートや絵本、紙芝居などで説明したり、「悪い鬼を退治しよう」と励ましたりと、子どもの意欲を育む援助ができるとよいですね。
保育園で行う節分会の流れ
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ねらいや概要を理解したところで、保育園で行う節分会の流れの例を紹介します。
①節分の由来や意味を話す
まず、節分が行われるようになった由来や、豆まきなどの風習の意味を子どもたちに伝えます。
ペープサートや絵本などを活用しながら話すと、子どもたちも興味を持って聞いてくれるかもしれません。
②子どもたちの節分製作を紹介する
次に、節分に向けて製作した、鬼のお面や恵方巻などの製作を紹介しましょう。
子どもたちにインタビューをして、作品の気に入っているところや頑張ったポイントなどを話してもらうのもよいですね。
③保育士の出し物や、子どもが参加するゲームを楽しむ
続いて、鬼や節分の風習をモチーフにした出し物を楽しみます。
保育士さんが行う出し物では、劇やペープサート、パネルシアターなどを披露することが多いでしょう。
また、的あてやボーリングといった子どもが参加して楽しめるゲームを行う保育園もあるようです。
④豆まきを行う
出し物やゲームを楽しんだ後は、節分の風習である豆まきを行うことが多いようです。
保育士さんが鬼になりきって登場し、子どもたちが豆を投げて退治します。
豆まきを行う前には、「鬼は外、福は内」の掛け声をみんなで練習しておくとよいですね。
⑤節分の歌を歌う
最後に節分の歌を全員で歌って、会を締めくくります。「豆まき」や「鬼のパンツ」など、季節感のある歌を選ぶとよさそうですね。
流れが異なる保育園もあるかもしれませんが、節分会の大まかなプログラムは以上となるようです。
【保育士向け】保育園の節分会で使える出し物アイデア
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ここからは、保育園の節分会に活用できる出し物を紹介します。まずは職員向けのアイデアをみていきましょう。
大型紙芝居・大型絵本
多くの子どもが集まる節分集会では、大型の紙芝居や絵本を出し物として取り入れるとよさそうです。
行事に親しみを持ち理解が深まるように、節分や鬼をモチーフにしたお話を選ぶとよいですね。現役保育士さんに聞いたところ、「ないたあかおに」や「おなかのなかにおにがいる」といった絵本を取り入れることが多いようです。
大型のものがない場合は、普通のサイズの紙芝居などを拡大コピーして、ペープサートなどにアレンジするとよいかもしれません。
節分の劇
保育士さんや保育学生さんが役者となり、節分の由来を伝える劇をしてみましょう。
心の欲張り鬼やいじわる鬼を退治して改心するお話や、村に悪さをしに来る鬼を追い払うお話など、節分会向けにオリジナルのストーリーを作ってもよいかもしれません。
劇を行うときは、まず台本を用意してから配役を決めるとスムーズでしょう。
子どもが集中して聞けるよう、10分程度で完結する長さだとよいですね。
昔話をするように、「昔むかし、あるところに……」と話し出せば、子どもも物語に惹き込まれていきそうです。
鬼のマジックシアター
鬼のイラストが浮き出てくる、節分仕様のマジックシアターを出し物として実践してみましょう。
福の神や豆など節分の由来に関するものをシルエットにしたり、泣き虫鬼、怒りんぼ鬼などいろいろな鬼を用意したりとアレンジしてみるとよいですね。
「これは何だろう?」「泣いている鬼さんかな、怒っている鬼さんかな」と子どもに問いかけながら行えば、夢中になって見てくれるかもしれません。以下の動画を参考に作成してみてくださいね。
関連動画:【工作あそび】絵が浮き出てくる!動物のマジックシアター/保育士バンク!
節分クイズ
節分の由来を話したあとは、節分に関するクイズを行ってみましょう。節分会でクイズに使える質問例を紹介します。
例1.鬼の苦手な食べ物は何でしょう?
答え:イワシ
例2.鬼を退治するために投げる食べ物は何でしょう?
答え:豆
例3.豆まきをするときの掛け声は何でしょう?
答え:「鬼は外、福は内」
例4.節分の日には、豆の他に何を食べるでしょう?
答え:恵方巻
節分の由来を説明する前に、「お話のあとはクイズをするから、よく聞いておいてね」など注意を促しておくとよさそうです。
クイズを行う前には、「答えがわかったら、すぐに答えずに手を挙げること」「先生に『○○くん、どうぞ』と言われてから答えること」などを約束しておくとよいかもしれません。
【子ども向け】保育園の節分会で楽しめる出し物アイデア
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保育園の節分会で子どもたちが楽しめる、ゲームや遊びなどの出し物アイデアを紹介します。
節分インタビュー
子どもにどんな鬼を退治したいか聞いてみる「節分インタビュー」を取り入れてみましょう。
保育学生さんがお手本を見せたあとは、発表したい子どもに手を挙げてもらい、保育士さんがマイクを渡してインタビューをしていきます。
はじめに年長クラスの子どもに発表してもらえば、年下の子どもたちも勇気を持って手を挙げられるかもしれませんね。
ゲーム
ここでは、子どもたちがゲーム遊びを楽しめる出し物アイデアをまとめました。
豆がくっつくボール当てゲーム
豆を投げたら的にくっつく、ボール当てゲームを出し物に取り入れてみましょう。
<用意するもの>
- ピンポン玉 1個
- 面テープ 1枚
- 画用紙 1枚
- 大小異なる大きさのフェルト 数枚
- はさみ
- 油性ペン
<作り方>
1.面テープを細長くカットします。
2.ピンポン玉の側面に面テープを貼りつけます。
3.画用紙にさまざまな大きさのフェルトを数枚貼り、点数を書き込みます。
4.(3)の画用紙を壁に貼ったらできあがりです。
<ポイント>
フェルトで鬼のイラストの的を作ってみましょう。
年少さんなど低年齢の子どもでも当てやすいように、大きめのサイズにしておくとよさそうです。
節分会には異年齢で参加することを踏まえて、子どもが立つ位置を3歳児、4歳児、5歳児の年齢別で変えておくとよいですね。
鬼退治ボーリング
紙コップで簡単に作れるボーリングで、節分の出し物を楽しみましょう。
<用意するもの>
- 紙コップ
- ビー玉
- マスキングテープ
- 新聞紙
- ビニールテープ
- 画用紙
- はさみ
<作り方>
1.画用紙で鬼のイラストを作り、紙コップを装飾します。
2.ビー玉を紙コップの中に入れます。
3.紙コップ同士をマスキングテープでしっかり閉じます。
4.新聞紙を丸めます。
5.ビニールテープで(4)を包んだらできあがりです。
<ポイント>
紙コップに鬼の顔のイラストやお面をつけておき、ボーリングで鬼退治ができるおもちゃを作りましょう。
紙コップは軽いので、幼い子どもの力でもピンを倒すことができそうです。
子どもの力でも倒れやすいように、事前におもりとして入れるビー玉の数を調整し、重さを調べておくとよいですね。
豆まきをして鬼退治
ダンボールで作った鬼に豆を投げ、鬼退治ゲームをしてみましょう。
<用意するもの>
- ダンボール
- 画用紙(赤、黄、白、黒)
- 新聞紙
- 油性ペン
- はさみ
- のり
- ビニール紐
- ガムテープ
<作り方>
【鬼】
1.ダンボールに油性ペンで鬼のイラストをかき、輪郭に沿ってカットします。
2.画用紙をちぎって鬼に貼り色をつけます。パンツは黄色と黒でトラの模様にしましょう。
3.白と黒の画用紙で目玉を作り、貼りつけます。
4.裏面にビニール紐を貼りつけてできあがりです。
【豆】
1.新聞紙をお手玉ほどのサイズに丸めます。
2.(1)にガムテープを巻きつけて固定したらできあがりです。
<ポイント>
鬼の的は、壁などにぶら下げて使います。
出し物を行う前に、「豆はゲームの前に5個もらい、終わったら自分で拾う」といったルールを決めておくとスムーズですね。
鬼に画用紙を貼る工程や、豆づくりなどは子どもたちと協力して作ることもできそうです。
子どもが手伝うことで、「あれは僕たちが作ったんだよ」と誇りに思うことにつながるでしょう。
ダンス・手遊び歌
節分会では、みんなでダンスや手遊び歌を出し物として楽しむのもよいかもしれません。
かみなりどんがやってきた
鬼に取られないよう、「おへそ」「おくち」など身体の一部を隠す楽しい手遊び歌です。
ゲーム性があるので、節分会など大人数が集まる場でも子どもたちの関心を集めやすいかもしれませんね。
おにのパンツ
鬼が登場する定番のダンスは節分会にぴったりかもしれません。
歌詞に合わせた振り付けが楽しめるので、幼児クラスから実践してみましょう。
また現役保育士さんに聞いたところ、このほかにも「ぱっくん恵方巻」の歌を使ってダンスをするという声もありました。子どもたちの様子に合わせて節分会に取り入れてみてくださいね。
保育園で節分会を行うときのポイント
最後に、保育園の節分会で配慮したいポイントをまとめました。
節分の由来や意味をわかりやすく伝える
節分会には、節分の由来や風習の意味などを知り、日本の行事に親しむというねらいがあります。
そのため、わかりやすい言葉に言い換えて伝えるように意識することで、子どもたちも理解できるかもしれません。
また、ペープサートや紙芝居などを使って説明するのも、子どもの興味を惹けそうですね。
子どもが鬼を怖がりすぎないよう配慮する
節分行事では定番となっている豆まきでの鬼退治ですが、あまり迫力のある鬼を演じると、子どもたちが過剰に怖がってしまうかもしれません。
恐怖を感じるあまり、肝心の豆まきができずにいやな思い出になってしまったり、家でも思い出して泣いてしまったりすることも考えられます。
子どもが怖がりすぎないよう、鬼のお面は顔を隠さないよう頭につけたり、怖がりな子どもの側には保育学生さんや保育士さんがついて励ましたりなど、配慮することが大切なポイントと言えるでしょう。
豆の誤嚥に注意する
節分会で豆まきをするときは、子どもたちが誤って豆を飲み込まないよう注意することも大切です。
子どもの場合、小さなサイズでも誤飲・窒息のおそれがあるため、豆を口に入れないように気をつけて見守りましょう。
事前に豆まきの豆は食べないことを約束したり、豆の代わりに丸めた新聞紙を使ったりといった対策をしておくとよいかもしれません。
保育園での節分会では、豆の誤飲が重大な事故につながることをきちんと把握したうえで、見守りや対策を徹底しましょう。
節分会の流れやアイデアを知って、保育園でイベントを楽しもう
今回は、保育園での節分会の流れやポイント、出し物のアイデアを紹介しました。
節分会には、季節の行事に親しむというねらいがあり、節分に関する劇やお話を聞いたり、豆まきや鬼退治のゲームを行ったりすることが多いようです。
保育学生さんや新卒保育士さんが節分会に参加するときは、豆の誤飲に注意することや、子どもが鬼を怖がりすぎない配慮をしながら、子どもたちが楽しめるように工夫することが大切になります。
保育園の節分会について知り、実習や入職後に役立ててみてくださいね。
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