保育学生さんのなかには、保育園で行なう帰りの会の内容が知りたい方もいるのではないでしょうか。一日を振り返る大切な時間になるので、「翌日も登園したい」と思ってもらえるように流れなどをきちんと把握しておきましょう。今回は、保育園の帰りの会について、ねらいや進み方、活用できる手遊びや歌のネタを紹介します。あわせて行なうときのポイントをまとめました。
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保育園で行なう帰りの会とは?
保育園の帰りの会とは、子どもたちに「明日も早く登園したい」と期待を持ってもらうための大切な会です。
午睡、おやつ後の帰り支度をしてから行う園が多く、一日のできごとを振り返って楽しかったことを思い出したり、一日の区切りとして歌を歌ったりする園が一般的かもしれません。
保育学生さんも実習で帰りの会を行なうこともあるかもしれません。 そのときは、1日のなかであったことを子どもたちといっしょに振り返りつつ、できごとをわかりやすく話すことを意識するとよいでしょう。また、絵本や紙芝居などを読み聞かせる際は、年齢に合わせた題材の準備や練習などを行なっておくとよいですね。
保育園で行う帰りの会のねらい
帰りの会には、次のようなねらいが挙げられるようです。
- 一日を振り返り、楽しかったことを友だちと共有することをよろこぶ
- 翌日の予定の話をして登園を楽しみにする
振り返る時間を大切にして1日の最後に子どもたちと話し合い、明日への期待を持てるように過ごせるとよいですね。
今回は、保育園での帰りの会の流れや内容、手遊びや歌のネタを紹介します。
保育園での帰りの会の流れ
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ここからは、帰りの会の流れを見ていきましょう。保育園や保育士さんによっても変わるかもしれませんが一例を紹介します。
1.子どもたちが座る
帰り支度をした子どもから座って待ちます。このとき、椅子に座ったり床に体育座りをしたりすることもあるでしょう。座る位置は保育学生さんが話しやすく、子どもたちも話を聞きやすいよう2列や半円状にしてもよいでしょう。
全員が集まるまで時間がかかってしまうことも考えられます。その間は、子どもたちが飽きてしまわないように手遊びをしながら待ってもよいかもしれません。ネタを選ぶときは、静かに最後終えられるようなものにしましょう。
以下は、帰りの会の待ち時間に使えそうな手遊びのネタです。やり方は動画を参考にしてみてくださいね。
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2.1日を振り返る
その日に行なったことをクラスのみんなで思い出し、1日を振り返ります。行事に参加したこと、園庭で遊んだことなどを話します。 保育学生さんから話すだけでなく、子どもたちに話してもらったり、聞いたりしてもよいでしょう。
振り返る時間を設けることで、子どもたちはお家の人に「今日は〇〇があったんだよ」とコミュニケーションを取るきっかけになるかもしれません。
3.子どもたちと話し合う
当番の子が「今日の楽しかったこと」を話します。保育学生さんが質問をしたり、「質問がある人?」と子どもたちに尋ねたりしてもよいでしょう。そうすると子どもたちの気持ちを知ることができたり、子どもたち自身の人前で発表したりする練習にもなりそうです。
年長児であれば、保育学生さんの仲介を最小限に、子ども同士で話し合いができるかもしれません。
4.翌日の当番を発表する
まず、次の日の当番を発表します。当番活動を張り切る子どもが多いようです。そのため、翌日に期待をもって登園する子もいるでしょう。
5.絵本や紙芝居を読む
帰りの会では、絵本や紙芝居を読む園が多いようです。
年齢に合わせた題材を複数用意しておきましょう。実習の際は、緊張をしてうまく絵本がめくれなかったり、読んでいる途中で読み間違えたりすることも考えられます。そのため、事前に読むものを決めておき、読み方、ページのめくり方などの練習をきちんとしておきましょう。
絵本や紙芝居を読むことで、子どもたちの気持ちも落ち着き、この後の歌も歌いやすくなるかもしれませんね。
6.帰りの歌を歌う
帰りの歌を歌います。一般的に以下の2つを歌うようです。
- さよならの歌
- おかえりのうた
先輩保育士さんにどの歌を歌っているのか確認しましょう。実習の際はピアノを弾くことも考えられるので、事前に練習をしておくとよいかもしれません。もし、伴奏を間違えてしまっても音楽をとめずに弾き続けたり、保育学生さんは笑顔で子どもたちの顔を見たりしながら歌を最後まで歌い切りましょう。
7.帰りの挨拶をする
当番の子どもが前に出て「帰りのご挨拶どうぞ」と言ってからクラス全員で「先生、みなさん、さようなら」と言います。子どもたちが大きな声で挨拶ができたときは「大きな声で挨拶ができたね」と伝えてもよいでしょう。
その後、降園するまで行なうことを子ども話したり、一人ひとり握手やハグをしたりしてさよならをするのもよいかもしれません。
保育園で帰りの会を行なうときのポイント
保育園で帰りの会を行なうときに、どのようなポイントを押さえるとよいのでしょうか。 ポイントをまとめました。
うれしかったことや楽しかったことなどクラスで共有する
帰りの会は、唯一子どもたちの気持ちをゆっくり聞ける時間かもしれません。一日の終わりに今日あったこと、うれしかったこと、楽しかったことをクラスの子どもたちと共有しましょう。
子どもたち自身で「こうすればもっとよかったのかな」などの気づきや友だちの気持ちが伝わりやすい時間になるかもしれません。
明日への期待が持てるようにする
子どもたちが帰りの会で翌日への期待が持てるような内容にすることが大切です。明日の行事や給食の献立、保育活動の内容をわかりやすく伝え、「早く明日にならないかな」と思えるようにするとよいでしょう。
保育学生さんは、先輩保育士さんに明日の具体的な内容や行事などを事前に確認することが大切です。イラストや写真を見せるなどの工夫をし、子どもたちがわかりやすく話を聞けるようにするとよいかもしれません。
紙芝居や絵本は集中できるよう子どもの興味に合わせた題材を用意する
年齢によって集中できる時間が違ったり、クラスによって興味のあるものが異なっていたりするでしょう。第一に、年齢に合わせた絵本や紙芝居を事前に準備することが大切です。もし、迷ってしまった場合は、先輩保育士さんに子どもが好きな紙芝居や絵本を聞くのとよいかもしれません。
保育園で行なう帰りの会の流れと内容を知って実習や入職に役立てよう
今回は、帰りの会のねらいや内容、流れを紹介しました。
保育園の一日の最後に振り返りの時間を作ったり、紙芝居や絵本を読んだりしながら子どもが「明日も保育園が楽しみだ」と思えるようにすることが大切です。
ねらいや手遊びのネタ、歌っている歌などを把握して、実習や入職臨んでみてくださいね。