入職を控えた保育学生さんのなかには、ビジネスマナーを身につけておきたい方もいるでしょう。保育園でも、業者の方などお客様が来園した時には保育士さんがお茶出しをするようです。今回は、お茶の淹れ方やお客様への出し方など、お茶出しのビジネスマナーを手順に沿って解説します。ペットボトルやコーヒーなどケース別の対応法もまとめました。
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■目次
お茶出しのビジネスマナーを知ろう
お茶出しのビジネスマナーは、学生のうちは実践する機会が少ないため、自信がない保育学生さんも多いかもしれません。
保育園でも、保護者の方や来園した業者の方などにお茶出しをするタイミングがあるようです。 新卒保育士として、きちんと対応ができると印象がよいですよね。
このコラムを参考に、基本的なお茶出しのビジネスマナーを学び、入職に向けて準備しておきましょう。
【お茶出しのビジネスマナー】お茶の淹れ方
まずは、基本となるおいしいお茶の淹れ方を紹介します。
1.茶碗を温める
茶碗が冷たいとせっかく淹れたお茶がぬるくなってしまいます。 最初に茶碗にお湯を注いで、茶碗を温めておくことが大切です。
この工程を行うことで、最後までおいしくお茶を味わえようになるため、必ずやっておくようにしましょう。
2.急須にお茶を入れて蒸す
急須に茶葉を入れて、お湯を注ぎます。お湯はヤカンを使いしっかりと沸騰させることが大切になるようです。
茶葉の量は、1人当たりティースプーン1杯程度となっているため、急須には人数分入れるようにしましょう。
お茶を淹れるときは、お湯の温度は70~90度くらいが適切と言われています。高級な煎茶を使用するときはさらに低く、60度程度にお湯を冷ましましょう。1分ほど蒸らしておくと、おいしくお茶が淹れられるようです。
3.お茶を淹れる
お茶の濃さが均等になるよう、それぞれの茶碗に順番に注いでいきます。
最後の1滴を注ぐときは、急須を何度か上下に動かしてしっかりと水滴を切るとよいようです。
お茶の量は、多すぎても少なすぎてもよくありません。 茶碗の約7割程度を目安に注ぐと、自分自身も運びやすく、上品な印象になるでしょう。
【お茶出しのビジネスマナー】お茶出しの手順
お茶出しのタイミングとしては、挨拶や名刺交換が終わったときが適切であるようです。ただし、お客さまが先に入室して待っているときは、すぐにお茶をお出しして対応することが大切になります。
それでは、お客様にお茶出しをするときの手順をみていきましょう。
1.お盆に人数分の茶碗と茶托を載せる
清潔なお盆の上に、お客様と園の職員を合わせた人数分のお茶を載せます。
茶碗の下に敷くための茶托は、茶托の上に茶碗を載せて運ぶと、ぐらついてお茶がこぼれてしまうおそれがあります。茶托はセットせずに、お盆の空いたスペースに重ねて運ぶようにするとスマートですね。
その際には、清潔な布巾もいっしょに載せておきましょう。そうすることで、万が一お茶をこぼしてしまったときにも使用できますよ。
2.ノックをして入室する
お客様のいる部屋のドアを3回ノックして、合図をします。
ノックは相手に聞こえるようにしっかりと叩くとよさそうです。
左手でお盆を持ち、右手でドアを開けます。挨拶をするときは、両手でお盆を支えて「失礼いたします。」と声をかけると丁寧な印象を与えることができます。
もしもマスクをしている場合は、外しておくのがマナーとされていますが、風邪や花粉症対策など外せないシーンもあるでしょう。 その際は「風邪を引いており、移してしまうとよくないのでこのままで失礼します」など一言かけ対応するとよいですね。
特に、保育園での感染症などがはやっている時期は、マスクをつけるなど配慮をしておくとよいかもしれません。
3.お盆を置き、お茶をセットする
安定した場所にお盆を置いて、お茶をお出しするために茶托にセットしていきましょう。
応接室にサイドテーブルがある場合には、その上にお盆を置いてセットします。
サイドテーブルがない場合には、テーブルの下座側(ドアに近い方)の端にお盆を置かせてもらうようにしましょう。
また、書類が広がっていてスペースがない場合は、「お茶をお持ちしたのですが、お出しするためのスペースをいただけますでしょうか?」など声をかけることが大切です。 自分で書類を別の場所に移動するのではなく、相手に対応してもらうことがマナーとなります。
お盆を置いたら、茶碗の底を布巾でふいてから茶托にセットしていきましょう。
4.相手の右側からお茶を出す
茶托にセットできたら、①の上座(部屋の奥の方)にいるお客様からお茶を出していきましょう。
順番としては図のように、①上座のお客様、②下座のお客様、③上座の園の職員、④下座の園の職員といった形となります。
お茶をお出しするときは、相手の右後ろ側から、両手で茶托を持ってテーブルに置くようにします。茶碗にワンポイントの模様がある場合、お客様の真正面に模様がくるように置くことが大切です。
部屋の広さによっては後ろに回れないという場合もあるかもしれません。その場合は、左側や前方から出してもよいようです。 その際、「前から失礼いたします」などと一声かけてから置くと丁寧な印象になりそうですね。
お茶を置くスペースがないときは、「失礼いたします」と一声かけ、相手の方にスペースを空けてもらうようにしましょう。
5.退出する
お茶を出し終えたら、お話の邪魔にならないよう静かに退出しましょう。
お盆は左脇に挟み、ドアの前に立って一度会釈をします。
そしてお盆を持っていない方の手でドアを開け、部屋の外に出てドアを閉める前にもう一度会釈をすると丁寧ですね。
【お茶出しのビジネスマナー】ケース別の対応方法
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お客様の状況や園の風習によっては、基本の出し方以上の対応を求められるかもしれません。ケース別の対応方法を紹介します。
お茶菓子やおしぼりを出す場合
お茶といっしょに、手を拭くためのおしぼりやお茶菓子を出すこともあるようです。 その際は、おしぼり、お茶菓子、お茶の順番で出すようにしましょう。
また、並べ方にも順番があります。
お客様から見て左側にお茶菓子、右側にお茶が配置されるようにします。 おしぼりは、お客様から見て一番右側に置くのがマナーです。
お茶の数が足りない場合
事前に聞いていた人数と、実際にいらしたお客様の人数が違っていたというトラブルもあるかもしれません。
まずは上座にいるお客様からお茶をお出ししていきます。お客様の分のお茶が出せたら、次に上座にいる園の職員にも出しましょう。
「改めてお持ちいたします」と声をかけ、足りない人数分のお茶を用意して持っていきましょう。
コーヒーをお願いされた場合
お客様がコーヒー好きだとわかっている場合、園の職員からコーヒーを出すようにお願いされることもあるでしょう。
コーヒーの場合も、カップを温めておく、運ぶときにはソーサーを別にしておくなど基本的なマナーは同じです。 お客様にお出しするときは、ソーサーの上にミルク、砂糖、スプーンを置きます。スプーンの柄は持ちやすいように右側に向けて置きましょう。
コーヒーをお出しするときに注意したいのが、カップの向きです。諸説ありますが、そのまま飲めるよう持ち手を右側にして置くやり方が主流のようなので覚えておきましょう。
ペットボトルのお茶を出す場合
保存性や持ち運びやすさという点から、ペットボトルで飲み物を出す園もあるでしょう。
ペットボトルの場合は、ペットボトルの上に紙コップをかぶせたり、コースターを準備して別々にしたりしてお出しするケースがあるようです。いずれにしても「ペットボトルのまま失礼いたします」と声をかけると配慮ある姿勢を伝えられそうですね。
注意点として、賞味期限が切れていないか、キャップが開封されていないかなどを事前にチェックすることが大切になるので、あわせて覚えておくとよいでしょう。
入職後に向けてお茶出しのビジネスマナーを身につけよう
今回は、お茶出しのビジネスマナーとケース別の対応方法を紹介しました。
お茶出しをするときは、茶碗を温めておく、運ぶときには茶托は使わない、お客様の右うしろからお出しするなど、マナーがあります。また、お茶が足りない場合や、コーヒーをお願いされたときなども、落ち着いて臨機応変に対応するようにしましょう。
お茶出しのビジネスマナーを知って、入職準備に役立ててみてくださいね。