保育士の就職活動を行ううえで重要な自己分析。ワークシートを活用して過去の経験や自身の強み・弱みを把握することで、園選びや自己PRがしやすくなるでしょう。今回は、ワークシートを使って自己分析をする目的や書くときのポイントを紹介します。また、流れに沿った書き方と、表や項目ごとの記入例もまとめました。
violetblue/shutterstock.com
ワークシートを使って自己分析をする目的
自己分析とは、就職活動や転職活動で自分の強みをアピールするための準備として、「自分自身についてより深く掘り下げて考えること」を言います。
適性検査や診断ツールなどを使う方法などがありますが、ほかにも、過去に頑張ったことや長所・短所をワークシートに記入して洗い出す手法も挙げられます。
まずは、ワークシートを使った自己分析はどのようなことを目的として取り組むとよいのか確認しましょう。
就職候補先を絞りやすくする
目的の一つとして、就職先候補を絞りやすくするということが挙げられます。
自己分析をして、自分は何を優先したいのか、どんな保育士になりたいのかを明確にすることで、園選びの際の軸とすることができるかもしれません。
ワークシートにまとめた内容と求人情報を照らし合わせ、自身の価値観と園の方針がマッチしているか、理想の保育士像に近づけるかなどを確認するとよいでしょう。
履歴書や面接対策につなげる
ワークシートを使って自己分析をすれば、自身の強みや弱み、スキルなどを把握しやすくなるため、履歴書や面接対策に役立てられるでしょう。
言語化して整理することで、採用側に自身について簡潔に伝えることができ、履歴書を書く際もスムーズにまとめられるかもしれません。 また、どのようなところがアピールポイントなのかわかっていれば、自信を持って面接で伝えることができそうですね。
ワークシートを使って自己分析をする目的を押さえたところで、書くときのポイントを紹介します。
就職に向けた自己分析のワークシートを書くときのポイント
自己分析のワークシートを書く際は、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
自己分析のゴールを定めておく
はじめに、自己分析のゴールを定めておくことが大切です。
企業や園側は、履歴書や面接の内容から「学生がどんな人なのか?」「なぜこの園に入りたいのか?」「保育士としてどんな風に活躍してくれそうか?」といったことを確認するでしょう。 そのため、採用側に伝えたい事柄について、以下のようにゴールを定めましょう。
- 自身の人柄:自分はどんな人間か、得意なことは何か
- やりたいこと:やりがいを感じること、性格やスキルを活かして実現したいことは何か
- 入職後の姿勢:チャレンジしたいこと、将来どんな風に成長していきたいか
この3つをゴールとすれば、どういった道筋を立てて履歴書や面接で自己アピールすればよいか明確になるかもしれません。
本音で書く
ワークシートは採用側に見せるものではなく自身で確認するものなので、本音で書くのがポイントです。
自己分析において話を盛ったり、嘘の経験を書いたりすることは望ましくないでしょう。仮に自己PRに役立つようにと嘘の経験を考えたとしても、途中で話の辻褄が合わなくなり採用側に見抜かれてしまうかもしれません。
よかったことや頑張ったことだけでなく、やってみたけど続かなかったこと、向いていないと感じたことなど、さまざまなエピソードを本音で書くことが大切です。
他者にも聞いてみる
自己分析をする際は、自分を客観視するだけでなく、「他者の目から見た自分」を知ることも重要です。
性格や長所・短所について他の人の意見を聞いてみたり、自分がまとめた自己分析ワークシートを他の人に見てもらったりすると、これまで気づかなかった新たな発見があるかもしれません。家族や友人、先輩、後輩など、身近な人に自身の特徴について聞いてみましょう。
自己分析のワークシートのテンプレート
ここでは、実際に保育学生さんが書き込んで自己分析ができるワークシートのテンプレートと記入する際のポイントを紹介します。
自分史を振り返る
まずは、小学校時代から現在までの経験を振り返った、自分史を作成してみましょう。
ワークシート
記入のポイント
これまで経験した出来事をピックアップして、それぞれに対して「なぜ?」という問いかけを繰り返してみましょう。
打ち込めた理由や失敗の原因を棚卸しすれば、その経験からどのようなことを得たのかを客観的に認識しやすくなるかもしれません。また、学んだことや気づきなどを書き出してみるのもよいですね。
それにより、自身がどういうときに頑張れるのか、モチベーションにつながることを発見できるかもしれません。
長所・短所を把握する
自分史を作成したら、長所と短所をワークシートにまとめてみましょう。
ワークシート
長所を記入するときのポイント
自分史の作成を通して棚卸した経験をもとに、アピールできる長所を探してみましょう。長所は自身の人柄を表すこともあるため、複数の経験に共通している部分を探すのがポイントです。
また、長所をさらに伸ばすための方法についても考えておくと、入職後の目標も浮かびやすくなるかもしれませんね。
短所を記入するときのポイント
短所を記入する際は、ごまかさず自分の弱みと向き合うことが大切です。短所だと思う理由や実際の経験だけでなく、克服するためにしていることや、努力していきたいことについても考えてみましょう。
そうすることで、面接で話す際に「私の短所は○○なところです。現在は克服のために○○を努力しています」と簡潔にまとめることができ、採用側に前向きな姿勢を伝えられるかもしれません。
ワークシートを活用して自己分析をしたうえで、理想の保育士像について考えれば、自身の軸をしっかり定めて就活に取り組めそうですね。
ワークシートで自己分析を深め、保育士の就職活動に活かそう
今回は、ワークシートを使って自己分析をする目的や、記入して使えるテンプレートなどを紹介しました。
自分史を作成して経験を振り返るといったプロセスを丁寧に行うことで、自身の価値観や長所・短所を発見しやすくなるでしょう。
自己分析によって自身の軸を明確にしておけば、園選びの際に役立つだけでなく、入職後のミスマッチを防ぐことにもつながるかもしれません。
今回紹介したテンプレートで自己分析を実践して、保育士の就職活動に活かしてみてくださいね。