3月にぴったりの製作遊びについて知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。
ひな祭りの飾りや桜、ちょうちょなどの作り方を知って、実習や入職後に役立てられるとよいですね。
今回は、3月の製作アイデアを乳児クラスと幼児クラスに分けて紹介します。あわせて、保育のねらいや作るときのポイントもまとめました。
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■目次
3月にぴったりな製作にはどんなものがある?
一年のなかで最後の月となる3月。入園や進級当初の4月と比べると、どの年齢の子どもたちもできることが増えている時期かもしれません。
緑葉や桜、ちょうちょなどの自然なものが多い時季なので、春らしさが出るようなものや色を使って製作できるとよいでしょう。
季節にちなんだ製作遊びを取り入れることには、次のようなねらいが挙げられます。
- 製作遊びを通して春の自然を表現することを楽しむ
- 春らしい色を使って自然を感じながら製作遊びをする
このようなねらいをふまえて、楽しく作品作りができるとよいですね。
今回は、3月の季節を感じられる製作遊びのアイデアを紹介します。
3月の製作アイデア:乳児クラス
まず、0歳児、1歳児、2歳児の乳児クラス向けの製作アイデアを紹介します。
ひな祭りリース
紙皿でゆらゆら揺れるひな人形を作りましょう。
用意するもの
- 紙皿
- 折り紙
- 画用紙
- 紐
- カッター
- はさみ
- のり
- パンチ
作るときのポイント
保育学生さんはあらかじめ紙皿の真ん中を切り抜いておきましょう。顔のパーツを作っておくと子どもたちはスムーズに製作を進められそうです。2歳児くらいから、自分で貼ろうとする子どもも出てくるかもしれませんね。
桜のスタンプ
用意するもの
- 乳酸菌飲料の容器
- ペットボトルのキャップ
- ぶつかり防止のクッションシート
- テープ
- はさみ
- ペン
- 紙コップ
- スポンジ
- 絵の具(赤、白)
- 筆
作るときのポイント
一人一枚の画用紙を用意してスタンプを押してみましょう。ほかにも、大き目な台紙にみんなでスタンプしてもよいかもしれません。1歳児や2歳児の場合、たくさん押したい子もいるかもしれないので、桜だけなく星やハートなどさまざまな形があるとよいでしょう。
たんぽぽ
春にぴったりなたんぽぽを作りましょう。
用意するもの
- 画用紙
- 丸シール
作り方
1.あらかじめたんぽぽの花を画用紙で作っておきます。
2.花になるところに、丸シールを貼ります。
3.(2)を台紙に貼るとできあがりです。
作るときのポイント
丸シールをたくさん貼りたい子がいるかもしれないので、数を多めに用意しておきましょう。
たんぽぽを台紙に貼る工程では、保育学生さんが「ここでいいかな」と子どもに位置を確認しながら貼るとよいですね。0歳児後半くらいから、保育学生さんがシールを台紙から剥がせば自分で貼ろうとする姿も見られるかもしれないので、状況に合わせて援助しましょう。
3月の製作アイデア:幼児クラス
次は、3歳児、4歳児、5歳児の幼児クラス向けの製作アイデアをまとめました。
折り紙のフルーツ
折り紙でおいしそうなフルーツを作ってみましょう。
いちご
まずいちごの作り方を紹介します。
用意するもの
- 折り紙
作り方
1.折り紙を三角形に折り、さらに半分に折ります。
2.折ったところを開いてつぶします。
3.反対側も同じように折ります。
4.角を内側に折り込みます。
5.端を斜めに折ります。
6.裏返して両端を斜めに折ります。
7.頂点を手前に折ります。
8.ペンでいちごのつぶつぶをかいたらできあがりです。
作るときのポイント
(2)の工程が少し複雑なので、見本を見せながら説明をしましょう。そのあとで、わからない子のフォローをしたり、できている子に「教えてあげてね」などと声をかけたりして対応しましょう。複数作れるように、多めに折り紙を用意しておきましょう。
さくらんぼ
次は折り紙でさくらんぼを作りましょう。
用意するもの
- 折り紙(ピンク、緑2枚)
- テープ
- はさみ
作るときのポイント
折り方を説明するときは、子どもたちにわかりやすいように大きい模造紙などを用意して見本を見せましょう。折るところがわからない子の場合は、折る線を書いたり「こう持って折るといいよ」などフォローをしたりするとよいですね。
桜
手形で桜の木と桜の花びらを作りましょう。
用意するもの
- ペットボトル
- 画用紙
- 絵の具、筆
作るときのポイント
手形を押すときは、2~3人ずつのグループになって進めるとよいかもしれません。ペットボトルは多めに用紙しておくと、子どもの待つ時間を少なくできますよ。
つくし
春になったら土から出てくるつくしを作ってみましょう。
用意するもの
- 画用紙
- クレヨン
- はさみ
作り方
1.画用紙につくしの頭を鉛筆でかいておきます。
2.(1)をはさみで切ります。
3.(2)にクレヨンで顔をかきます。
3.あらかじめ作っておいた茎や節と(3)をのりで貼り付ければできあがりです。
作るときのポイント
4歳児、5歳児の場合は、茎や節も切る線だけかいておき、子どもたちに切ってもらいましょう。顔でなく、つくしの模様をかいてもよいかもしれません。3歳児の場合は、切る工程に時間がかかってしまうかもしれないので、子どもたちの切りやすい大きさ調整するとよいでしょう。
ひな祭り飾り
3月の製作にぴったりなひな人形を作ってみましょう。
用意するもの
- 紙コップ 2個
- はさみ
- 同系色の折り紙 2枚
- のり
- 画用紙
- 色鉛筆
作り方
1.紙コップ2個の両端に切り込みを入れます。
2.折り紙2枚をそれぞれ半分に切ります。
3.薄い色の折り紙から紙コップに貼りつけ、余った部分は内側に折り返します。
4.濃い色の折り紙を端からずらして着物の襟になるように貼り付けます。
5.紙コップの底の部分に2カ所切り込みを入れます。
6.あらかじめ画用紙で作っておいた顔をつければできあがりです。
作るときのポイント
ずらして折り紙を貼るのが難しい場合、貼る位置に印をつけたり「ここはどうかな」と子どもに聞いて貼ったりしてもよいかもしれません。3歳児の子どもたちには、保育学生さんが薄い色の折り紙をあらかじめ貼っておいて、もう一枚を重ねる工程から始めてみてもよいでしょう。
ちょうちょ
羽がヒラヒラ動くちょうちょを作ってみましょう。
用意するもの
- ストロー 1本
- 折り紙
- 画用紙 15㎝×15㎝ 1枚
- はさみ
- テープ
- 竹串
作り方
1.ストローのジャバラ部分を切り、10㎝の切り込みを入れます。
2.折り紙の角から小さくきつく巻きます。(竹串を使うと簡単です)
3.巻き終わったらテープでとめて竹串を抜きます。
4.(4)を上から3㎝のところで折り曲げます。
5.画用紙を四角く半分に折り、ちょうちょの絵を半分かいて切り抜きます。
6.ちょうちょの真ん中に折り紙を曲げた部分を貼りつけます。
7.ストローにちょうちょを貼り付けます。
8.ストローを2つに分けた部分を羽に貼りつければできあがりです。
製作のポイント
5歳児の場合、一つずつ説明すれば自分で作れるかもしれません。難しい場合は、保育学生さんが状況を見ながらフォローするとよいですね。
3歳児、4歳児の子どもたちの活動では、ストローを切ったり、折り紙を丸めたりする工程が難しいかもしれないので、個別に対応したり、2日間に分けて作ったりするとよいでしょう。
3月の製作遊びをするときのポイント
最後に、3月の製作遊びをするときのポイントをまとめました。
年齢に合った題材にする
季節の製作問わずではありますが、年齢に合わせた題材にすることが大切です。子どもたちのなかには、簡単すぎてしまうと物足りなく感じたり、反対に難しすぎると楽しく製作ができなかったりすることもあるかもしれません。
もしも年齢関係なく同じ題材にするときは、子どもが作る工程を減らしたり増やしたりするなど、レベルを調整するとよいですね。
春を感じられるように意識する
3月の製作では、黄緑や黄色、ピンクなど春を意識した色や物にするとよいでしょう。
選ぶ題材は、戸外遊びや散歩に出たときの草花などを見て「たんぽぽ咲いているよ」「桜のつぼみがあるよ」など発見したものを製作のアイデアに入れてもよいかもれません。
3月の製作遊びのアイデアを知って実習や入職に役立てよう
今回は、3月の製作遊びについて紹介しました。
春のモチーフには、桜やたんぽぽなどの草花や、ひな祭りや卒園といったイベントにちなんだ製作がさまざまあります。0歳児、1歳児、2歳児はスタンプ遊びやシール貼りをしたり、3歳児、4歳児、5歳児は道具を使いながら画用紙を切ったり組み合わせたりして、個性あふれる作品作りをしてみるとよいですね。
年齢に合わせた題材にして、楽しく3月の製作遊びをしてみましょう。