【保育に役立つ】保育園で読む絵本の選び方。0歳児から5歳児の年齢別

かわいい絵や芸術的な絵といっしょに物語を織りなす絵本。子どもたちにぴったりの絵本の選び方がわかれば、日々の保育や保育実習に役立てられそうですよね。今回は、保育士さんや保育学生さんのために、0歳児から5歳児の年齢ごとに絵本の選び方を紹介します。また、読み聞かせるときのポイントについてもまとめました。

絵本を読む子どもと保育士

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保育園で絵本を読むことで期待できる効果とは?

子どもに知恵を教えたり、時には勇気を与えてくれたりする絵本。

保育園や幼稚園でも役立つアイテムですが、読み聞かせにはどういった効果を期待できるのでしょうか。くわしく見ていきます。

情緒や想像力を養う

絵本を読めばこれからどのように物語が進むのかを想像したり、主人公と同じ気持ちになることで、多様な感情を経験したりできるでしょう。

想像力や情緒が豊かになれば、「こんなことをしたら、友だちは悲しい気持ちになるだろう」など、思いやりの気持ちを持てるようになるかもしれません。

人生に必要な知恵を得る

絵本の主人公の失敗や成功を知ることで、「こういうことはしてはいけないんだ」など、生きていくうえで役立つ教訓を得ることにつながりそうです。

絵本で得た知恵は友だちへの言葉かけの方法を学ぶなど、人とのかかわり方を理解することに役立つかもしれません。

さまざまな言葉を学ぶ

しくしくやぴちゃぴちゃなど多様な擬音語や表現にふれることで、知っている言葉が増え、自分の気持ちや物事の様子を表しやすくなるかもしれません。

また「ありがとう」や「ごめんね」など、日常で使う言葉も学べるため、絵本を通じて挨拶なども身につけられそうです。

保育園で保育士が絵本を選ぶときのポイント

続いて、保育園や幼稚園で絵本を選ぶときに、意識するとよいポイントについてまとめました。

保育者自身が楽しめる

先生や保育学生さんが感情を込めて読むことができなければ、文章が単調に聞こえてしまい、子どもはつまらなく感じてしまうかもしれません。

子どもの心へ主人公の気持ちなどを届けるためにも、自分が熱中できる本を選べるとよいですね。

文章にリズム感がある

全体を通してリズム感のある文章は心地よく耳に響くので、子どもの心を引きつけやすいかもしれません。

同じ展開が繰り返されたり、「もこもこ」など簡単な表現が何度も使われたりしている絵本を選んでみましょう。

絵で物語を理解できる

子どもにとって少し難しい言葉が出てきても、絵が充実していれば話の内容を理解できるかもしれません。

主人公の様子が細かく描かれていたり、絵にさまざまな色が使われていたりするものを選ぶとよさそうですね

ストーリーがわかりやすい

物語の展開が工夫されていても、子どもが理解しづらい内容では興味を持ってもらえない可能性があります。

年齢によって話の理解度も異なるため、子どもの状況や年齢に合わせた絵本を選ぶ必要があるでしょう。

【乳児向け】保育園で保育士が読む絵本の選び方

ここからは、保育園の乳児クラス向けの絵本の選び方を紹介します。

0歳児

呼びかけの表現が使われている

「どこにいるのかな?」など問いかけの言葉が使われていれば、絵本を通して先生と子どもとの関わりを自然と深められるかもしれません。

絵本にあまり興味を持たない子どもには、「おはよう」と挨拶をするときに、太陽の絵が描かれている絵本を見せるなどして、コミュニケーションを取り始めるとよいでしょう。

簡単な表現が繰り返されている

「ぶーぶー」や「ころころ」のように簡単な言葉が繰り返されている絵本は、0歳児の耳に心地よく響くようです。

何度も同じ言葉を聞くことで、絵本に出てきた言葉を喃語で話そうとする子どもも出てくるかもしれません。

しかけがある

布絵本のようにさわって楽しめたり音楽が流れたりする絵本を選べば、子どもは手指や耳を使いながら絵本を楽しむことができます。

触覚や聴覚など、子どもの五感を育むことにもつながるかもしれませんね。

1歳児

起承転結が存在する

物語の中に起承転結があればストーリーが順序立てて進むため、1歳児でも少しずつ話の流れを理解しやすくなるかもしれません。

しかし複雑な展開の絵本を選んでしまうと、子どもが飽きたり理解できなくなったりしてしまうので、できるだけ短く簡単なものを選びましょう。

絵を楽しめる

次にどのような絵が出てくるのか想像できたり、さまざまな色が使われていたりするものを選べば、1歳児が絵本へ興味を持つことにつながるかもしれません。

他にも、絵を見るだけでストーリーを理解できるような絵本や、芸術的で引きこまれるような絵が使われている絵本を取り入れてみるのもよいですね。

笑いがうまれる

展開がおもしろかったり、1歳児がびっくりするようなしかけがあったりするなど、子どもの笑顔を期待できる絵本もよさそうです。

泣きやまない子どもがいるときに読んでみるなど、さまざまな場面で役立つかもしれません。

2歳児

テーマが生活に基づいている

2歳児は少しずつ自分のことを自分で行いたくなる時期と言われているので、着替えや歯磨きなど、身近な生活に関する絵本を選んでみましょう。

着替えや歯磨きに子どもが挑戦しているときに、絵本の中に出てきたフレーズで声かけすれば、子どもはより「頑張るぞ!」と意気込めるかもしれませんね。

主人公の失敗や成功を味わえる

絵本に出てくる主人公が失敗をしながらも、最後には成功できる物語を選べば、失敗を重ねて成長するということを伝えられそうです。

たとえば、着替えを上手にできなかったり、フォークやスプーンを使えなかったりする子どもがいる場合、クラスで読み聞かせれば子どもは主人公の姿を自分と重ね、勇気をもらえるかもしれません。

子どもの好きなものが登場する

2歳児は好きなものへのこだわりが強くなる時期といわれているので、子どもの好みに合わせた絵本のほうが興味を持ってもらえるでしょう。

電車や食べ物、動物など、さまざまなテーマの絵本が展開されているため、子どもが夢中になっているものに合わせてみるのも一つの方法です。

【幼児向け】保育園で保育士が読む絵本の選び方

絵本を読む子ども

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次は、保育園や幼稚園で役立つ、幼児向けの絵本の選び方を見ていきます。

3歳児

繰り返しのストーリーがある

3歳児はストーリーをある程度理解できるようになると言われていますが、難しすぎると子どもは絵本を楽しめないでしょう。

そのため繰り返しの展開があったり、何度も同じ言葉が使われていたりする絵本を選ぶとよいかもしれません。

新しい知識を得られる

3歳児の好奇心を満たせるように、見たことのない場所や経験したことがないものをテーマにした絵本を選んでみましょう。

海や山、お芋ほりなど、子どもが「行ってみたい、やってみたい」と思える内容を選べば、子どもの好奇心や想像力をふくらませられるかもしれません。

四季やイベントに関連している

春や夏など四季に関連した絵本や、七夕などその時期に行われるイベントに関した絵本を読めば、子どもは季節感を味わうことができるでしょう。

その季節に咲く花や旬の食べ物、行事などを新しく知ることにもつながりそうですね。

4歳児

友だちとのやりとりがテーマに選ばれている

4歳児は友だちとのかかわりが増えてくる時期なので、友だちをテーマにした絵本が向いているでしょう。

主人公と自分を重ね合わせ、絵本を読みながら「自分だったらどのような行動を取るか」「自分はどのような言葉を言うか」などを想像できるかもしれません。

読み聞かせを通して、どのような言動を取ったら相手が傷つくのか、よろこぶのかを少しずつ理解し、思いやりの気持ちを育むことにもつながりそうですね。

独特の世界観が広がっている

王様や妖精が出てくるなど、物語ならではの世界が広がっている絵本も、子どもたちによろこばれるでしょう。

現実とは違う物語の世界観に魅力を感じ、より絵本に夢中になるかもしれません。

さまざまな感情が生まれる

絵本を読み進めるなかでさまざまな感情が生まれ、主人公といっしょに怖いと思ったり安心したりと感情移入できる絵本もよさそうです。

さまざまな気持ちを経験することで、子どもの情緒が豊かになることにもつながるかもしれません。

5歳児

ワクワクする展開がある

5歳児クラスには小学校入学を控え、不安を感じている子どもがいるかもしれません。そんな子どもの背中を後押しするためにも、まだ見ぬ展開に期待を持てるような絵本を選びましょう。

主人公が冒険をする物語など、絵本を読みながら子どもがワクワクできるストーリーがぴったりかもしれませんね。

なにかに挑戦する物語になっている

主人公がなにかに挑戦し、努力を続ける物語を選べば、子どもはチャレンジすることの大切さを学べるかもしれません。

問題が起きたらどのように解決すればよいのか、諦めなければどのようなことを期待できるのかを、物語の中から少しずつ読み取れるようになるでしょう。

少しずつ読み進められる

長い童話を選べば、毎日少しずつ物語を読み進めることができます。

子どもは次の展開を考えながらイメージをふくらませたり翌日まで待ったりすることで、想像力や忍耐力を養えるかもしれません。

保育士さんが絵本を読み聞かせるときのコツ

最後に、先生や学生さんが絵本を読み聞かせするときのポイントについて紹介します。

表紙をしっかり見せる

絵本を読み始める前に表紙や裏表紙を見せることで、子どもたちはどのようなストーリーなのか期待感を持つことができるでしょう。

最初にタイトルをはっきりと読み、表紙、裏表紙の順でゆっくりと見せてから読み聞かせをスタートさせるとよいですね。

読み聞かせを中断しない

絵本を読んでいる最中に「次はどうなると思う?」「キツネさんかわいそうだね」など、言葉をはさみたくなる先生もいるかもしれません。

しかし途中で質問や言葉を投げかけてしまうと、子どもが絵本の世界から引き戻されてしまうでしょう。子どもがストーリーを十分に楽しめるよう、読み聞かせを中断するのは控えたほうがよさそうです。

聞き取りやすい声を意識する

絵本を読むときはハキハキとした声で、かつ子どもが聞きやすいようにゆっくりとした速さで読むことが大切です。

絵本を読むことに慣れていない先生や学生さんなどは、家や学校で何度か練習しておくとよいかもしれませんね。

0歳児から5歳児にぴったりな絵本の選び方を知り、保育に役立てよう

今回は、0歳児から5歳児までの絵本の選び方をくわしく紹介しました。

幼稚園や保育園の活動に絵本の読み聞かせを取り入れれば、子どもの想像力を養ったり、言葉を学んだりすることに役立つかもしれません。

さわって楽しめるものや四季をテーマにしたものなど、絵本ごとの特徴を捉え、子どもの状況や年齢に合わせたものを選んでみましょう。 

子どもに合った絵本の選び方を知り、日々の保育や実習へ活かしてみてくださいね。

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