3歳児のできることの目安について知りたい保育学生さんもいるのかもしれません。
反抗期とも呼ばれているこの時期には、運動、遊び、言葉、社会性、日常生活の行動などをどんな姿が見られるのでしょうか。
今回は、保育園生活で見られる3歳児の特徴などを紹介します。あわせて、接し方のポイントもまとめました。
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■目次
3歳児はどんな時期?見られる姿
3歳になると、遊びや言葉、運動や日常生活の行動においても1人でできることが増えてくる時期のようです。 その一方で、「第一次反抗期」とも呼ばれている頃と言われているので、2歳児の「イヤイヤ期」にさらに拍車がかかり、今まで以上に反抗する姿が見られるかもしれません。
また、自我が発達してくる頃でもあるので、物事の理解力や周りの人とのコミュニケーション能力、社会性などさまざまな力を育んでいく大切な時期といえるでしょう。
今回は、3歳児ができるようになることに着目して項目ごと紹介します。
3歳児ができることの目安:遊び編
まずは、遊びのなかで3歳児ができるようになっていくことを見ていきましょう。
ブロックや積み木を並べる
手先が器用になってくる時期なので、ブロックを組み合わせたり積み木を並べたりできるようになってくるでしょう。
時には、思うように積み木が並べられず「できない」と言うこともあるかもしれません。そのような場面があったら、「こうしてみたらどうかな?」と一人でできるようにヒントを与えるなどのフォローをするとよいかもしれません。
すべり台や遊具で全身を使って遊ぶ
全身を使って遊ぶのが楽しくなる頃のようです。今まではできなかったすべり台や大型遊具で遊ぶ姿が見られるかもしれません。
一方危険もあるので、遊ぶときは子どもたちから目を離さないようにしたり、保育士さんや保育学生さんがそばについたりして安全に配慮しましょう。
ごっこ遊びをする
周りにいる大人や周囲の友だちを見てごっこ遊びをする姿が見られる時期でしょう。
「お店屋さんごっこやろう」など実際と同じように、店員さんとお客さんに分かれて子どもたち同士で遊ぶこともあるかもしれません。子どものごっこ遊びの世界を大切にしながらいっしょに楽しく遊べるとよいですね。
3歳児ができることの目安:言葉編
一般的に2歳から3歳頃は、語彙が増える時期と言われています。簡単な会話ができるようになったり、言葉の意味を理解して使えるようになったりする頃でしょう。
日常の挨拶をする
3歳児は、日常の挨拶を覚えて使えるようになる時期のようです。
朝は「おはよう」昼は「こんにちは」夜は「こんばんは」など時間帯の挨拶や、「ありがとう」というお礼の言葉も覚えられるようになってくる頃でしょう。保育学生さんがその言葉を使うことで、子どもたちも「この時に使うのか」など使う場面がわかったり、意味を理解できたりすることもあるかもしれません。
子どもたちは吸収する力が大きいので、保育学生さんは正しい言葉を使うように気をつけましょう。
数を数える
3歳になると、数を覚えて数えられるようになる時期でもあるでしょう。そのため、日常のほんの些細なことでも、保育学生さんが1、2、3、4とおもちゃや物の数など声に出して数えるようにすると、子どもたちも数に興味を持って、自分で数えるようになるかもしれません。
かくれんぼや鬼ごっこなどでもオニになった子は10秒数えてから追いかける、見つけるなど、遊びを通して数に触れる機会を作るとよいでしょう。
助詞を入れて3語以上の会話をする
「それからね」「それでね」というような接続詞や「て、に、を、は、が、と」といった助詞も組み合わせて、3語以上の会話ができるようになる時期のようです。
保育学生さんは、子どもが話しているときは話を最後まで聞くことを心がけましょう。そうすることで、子どもはもっと話したい、聞いてもらえてうれしいと感じるかもしれません。
3歳児ができることの目安:運動編
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3歳児になると、運動機能が発達し、バランス感覚が身についてくる時期のようです。そのため今までできなかった複雑な動きができるようになる頃でしょう。
階段を交互に足を出して上る
一段ずつ登っていた階段を、左右の足を交互に出して登れるようになってくる時期のようです。とはいえ、ゆっくり登ったり下がったりしないと危ないこともあるので、保育学生さんはきちんと見守ることが大切です。その際「ゆっくり上ろうね」など声を掛けて、子どもが慌てずに階段の上り下りができるように援助するとよいでしょう。
ジャンプをする
両足でジャンプができるようになってくる時期のようです。遊びのなかで楽しめるようにケンケンパをかいたり、台を用意してジャンプができるように促したりするとよいでしょう。
動作の幅が広がる
ものを押したり、ひもを引っ張ったり、鉄棒にぶら下がったり、ボールを蹴ったりなどできる動作が増えてくる時期のようです。クラスの保育士さんと相談しながら、保育活動のなかに鉄棒やひも、ボールなどを使った運動遊びなどを取り入れるとよいかもしれません。
3歳児ができることの目安:社会性編
3歳になると、保育園生活のなかで社会性を身につけられるようになってくるでしょう。
簡単なルールを理解する
鬼ごっこやかくれんぼなどの簡単なルールを理解できるようになるようです。そのため、積極的に決まりや約束がある遊びを取り入れていくとよいかもしれません。遊ぶ前には、子どもたちとルールの確認をしてくとよさそうです。
友だちといっしょに遊ぶ
一人遊びから、友だちといっしょに遊べるようになってくる頃のようです。友だちといっしょに遊ぶことが楽しいと感じられると、「〇〇くんいっしょに遊ぼう」と子ども同士で誘い合う姿も見られるようになるかもしれません。
3歳児ができることの目安:日常生活編
日常生活を送る中で、3歳の子どもたちができるようになっていくことを見てみましょう。
1人で排泄をする
今まで援助してもらっていたのが、1人で排泄ができるようになる時期と言われています。保育園では、クラス全体でトイレに行く時間を作ることも多いようです。「トイレに行こう」と声がけをしながら「何かあったら教えてね」と子どもたちを見守るようにするとよいかもしれません。
顔を洗う、歯磨き、手洗いをする
顔を洗ったり、歯磨きをしたり、手洗いなどをできるようになる頃のようです。保育園生活のなかでも歯磨きや手洗いをする場面があるので、保育学生さんは見本になるように行ないましょう。歯磨きをする場面では、歯ブラシが口に刺さってしまう危険もあるので座って歯磨きをするよう伝えるようにしましょう。
箸を使って食事をする
スプーンやフォークを使った食事から、箸を使った食事へと変わってくる頃のようです。まだじょうずに使えない子がいたら、保育学生さんが見本を見せて持ち方や使い方を教えるのもよいでしょう。
なかには、箸だと食べにくいと感じている子もいるかもしれないので、その場合はスプーンなどを使ってもよいことを伝え、徐々に箸を使って食べられるようにフォローしていけるとよいかもしれません。
3歳児と接するときのポイント
3歳児の子どもたちと接するときのポイントをまとめました。
主体性を尊重する
3歳児は、自我がよりはっきりしてくる時期です。「自分でやる」「何でも自分でできる」という気持ちが強くなり、大人の手を借りずにやってみようとする姿が見られるかもしれません。そのため子ども自身の主体性を尊重し、見守ることを大切にしましょう。
子どもの「できた」や達成感を味わえるようにする
「1人でできた」という喜びや達成感を味わわせられるように、繰り返し援助していくことが大切です。保育学生さんは子どもの気持ちに共感しながら、できた達成感をいっしょによろこび、子どもがもっとやりたいと思えるように援助するとよいでしょう。
周りの人との関わりを持てるような機会を持つ
主体性や注意力、観察する力が発達してくる時期になるようです。友だちや保育士さん、保育学生さんの行動や言動などを見て、相手の気持ちに気づくこともあるかもしれません。そのため、保育学生さんも子どもたちといっしょに遊んだり、見守ったりしながら社会性を育めるようにするとよいでしょう。
3歳児の特徴や一人ひとりができることに合わせて援助しよう
今回は、3歳児ができるようになることや見られる姿を紹介しました。
イヤイヤ期から第一次反抗期とも呼ばれる時期になり、自己主張も強く出てくるかもしれません。しかし子どもたちは、保育士さんや友だちと集団生活を送るなかで、言葉や運動、社会性などを身につけていくようです。
子どもの気持ちに寄り添い、意見を尊重していき見守ったり場面に応じた援助を行なったりしていけるとよいですね。