新卒保育士さんにとって最初の行事である入園式。どういった流れで進行されるのか、またどんな服装で臨めばよいのかなど不安なことが多いかもしれません。今回は、新卒保育士さんに向けて、入園式の概要や式典にふさわしい服装の選び方を紹介します。あわせて、自己紹介をするときのポイントや例文もまとめました。
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■目次
保育園の入園式とは?
新しく入園する子どもたちを迎え入れる入園式。
新年度のスタートとともに行われる保育園の一大イベントでしょう。
入園式は4月に入ってすぐの時期に行われることが多く、新入園児と保護者、保育園の職員が参加します。園によっては年長クラスの子どもが出席し、簡単な出し物などを行うケースもあるようです。
一般的に式典は以下の流れで進められます。
1.開式の言葉
2.新入園児入場
3.園長先生の挨拶
4.新入園児の紹介
5.職員の紹介
(在園児からのお祝いの言葉や出し物)
6.閉式の言葉
これはあくまでも一例ですが、子どもたちが落ち着いてお話を聞けるようだいたい30分程度で終わることが多いようです。プログラムを簡単に頭に入れておけば、当日どのように動けばよいか把握しやすくなるため、就職先の園にあらかじめ尋ねておくとよいでしょう。
新卒保育士さんにとって入園式は初めて参加する園行事となるため、当日の流れ以外にも気になることが多いかもしれません。次からは、入園式に出席するうえで押さえておきたい、服装や自己紹介のポイントを紹介します。
入園式にふさわしい新卒保育士の服装
まずは、入園式にふさわしい新卒保育士さんの服装について紹介します。
スーツを着用する
入園式はお祝いの場でありきちんとした式典なので、基本的にスーツを着用しましょう。
セレモニースーツ
セレモニースーツは、おめでたいハレの日に着用することが多いでしょう。
セパレートタイプやワンピースタイプなどがあり、色やデザインが豊富なことが特徴です。
礼服よりはややカジュアルになりますが、華やかな場にも似合う上品さや清楚な雰囲気を持ち合わせているでしょう。グレーやパステルカラーのものを選べば、入園式にふさわしい明るい印象となるかもしれません。
フォーマルスーツ
フォーマルスーツは、冠婚葬祭の場面で着用される正装で、一般的に「礼服」と言われています。入学式や結婚式などのお祝いの場だけでなく、法事などにも適した服装です。
フォーマルスーツは黒やネイビーなど暗めの色で光沢のある質感のものが多いため、華やかできちんとした印象を与えられるでしょう。
ただし、園から「春らしい色で」「明るい雰囲気で」など指定があった場合はあまり適さないかもしれません。
胸元にコサージュやポケットチーフをあわせる
入園式や卒園式など華やかでおめでたい場では、女性の場合はコサージュ、男性の場合はポケットチーフを左胸にあわせるとよいとされています。
ワンポイントとしてスーツにコサージュやポケットチーフを添えることで、顔周りが明るい印象となり華やかさが演出されるでしょう。また、女性の場合は小ぶりなパールのアクセサリーなどを合わせてもよいかもしれませんね。
ポケットチーフはポケットから1cm程度見えるように差し込むスクエアという折り方が一般的です。また、コサージュはスーツの襟元につけ、お花が上を向くようにするとよいですね。
ベージュのストッキングを着用する
女性は、パンツタイプとスカートタイプのどちらの場合でも、ベージュのストッキングを着用しましょう。
黒いストッキングは一般的に喪服のイメージが強くなってしまうため、黒やグレーのフォーマルスーツを着る場合であっても控えるのがマナーです。
新卒保育士が入園式の服装を選ぶうえでの注意点
新卒保育士さんとして初めて入園式に出席する際、いくつか注意点を把握しておく必要があります。
保育園の決まりを確認する
保育園によっては、職員の服装について決まりがあることもあります。
そのため、入園式についてアナウンスしてもらった際に、色や種類の指定がないか園長先生などに尋ねておくとよいでしょう。
また明確な決まりがない場合でも、例年どんな服装をしている職員さんが多いのか把握しておくとスーツを選びやすくなるかもしれません。
リクルートスーツや喪服は選ばない
新卒保育士さんのなかには、「黒いスーツがOKであれば、就活の際に使っていたリクルートスーツを着回したい」と考える方もいるかもしれません。
しかし、リクルートスーツはビジネスシーンで着用するものであり、お祝いの場にはふさわしくないため、もし黒やネイビーのスーツが認められたとしても着ないようにしましょう。
同様に、喪服はお葬式など法事の場で着るものであるため、入園式では着るのはNGです。
服装に合わせた室内履きを用意する
保育士として働き始めることを考えて、動きやすい室内履きを準備している方もいるかもしれません。
しかし、フォーマルな格好にスニーカーなどのカジュアルな室内履きを合わせると、服装から浮いたアンバランスな印象となってしまうでしょう。
入園式に出席する際の室内履きは、普段使い用とは別に黒やグレー、ベージュなど落ち着いた色味のものを用意しておくことが大切です。バレエシューズやルームシューズなどは無地でシンプルなデザインが多いので、通販などを利用して準備しておきましょう。
入園式で行う新卒保育士の自己紹介のポイントと例文
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入園式では、職員紹介として保育士さんが一言ずつ自己紹介を行うことが多いようです。
自己紹介の流れやポイントとあわせて、子ども・保護者向けの例文をまとめました。
1.お祝いの言葉
まずは、新入園児とその保護者に向けてお祝いの言葉を贈りましょう。
初めて顔を合わせる機会となるため、明るく元気に挨拶できるとよいですね。
2.自己紹介(担当クラスと名前)
クラス担任をする場合は、担当クラスと自分の名前を伝えて自己紹介しましょう。
担任を持たない場合は、保護者に向けて「今年度より〇〇保育園で働くことになりました。〇〇です。」と名前を伝えるだけでよいかもしれません。
子どもたちが聞き取れるように、大きな声でゆっくりと話すことを意識しましょう。
3.簡単な抱負
クラス担任としての抱負を簡潔に述べましょう。
どんなクラスを目指すのか、どんな遊びをしていきたいのかなどを手短にまとめるとよいですね。
子どもや保護者が、これからの保育園生活に期待感を持てるようなメッセージを贈りましょう。
4.締めの挨拶
自己紹介の最後にはきちんと締めの挨拶を行います。
子どもたちには「明日からたくさん遊ぼうね。」、保護者に向けては「これから、どうぞよろしくお願いいたします。」というように結びの挨拶を添えて自己紹介を終えましょう。
以上のような流れで自己紹介を行います。
他の保育士さんもいるため、30秒から1分程度を目安とし、できるだけ簡潔にまとめることを意識しましょう。
自己紹介の例文
子ども向け
〇〇組のみなさん、ご入園おめでとうございます。
私は、今日から〇〇組の担任になった、△△△△です。△△先生って呼んでね。
先生は、身体を動かすことが大好きなので、たくさんお外で運動したいと思います。早くみんなと仲よくなりたいので、明日から保育園でたくさん遊ぼうね。
子どもに向けて挨拶する場合は、大きく身振り手振りを加えて話すと、興味を持ってもらいやすくなるかもしれません。一人ひとりの目を見て笑顔で話すことを心がけましょう。
保護者向け
保護者の皆様、本日はご入園誠におめでとうございます。今年度より〇〇組の担任を務める、△△と申します。
子どもたちが毎日のびのびと過ごせるような環境づくりに努め、笑顔が絶えないクラスを作っていきたいと思います。
保護者の皆様と共にこれからの子どもたちの成長を見守り、喜び合うことができればと思っております。一年間、どうぞよろしくお願いいたします。
保護者へ向けた自己紹介では、子どもを安心して任せてもらえるように、目指す保育やクラスの在り方をきちんと伝えましょう。
また、「何かありましたら、いつでもご相談ください」などの言葉を添えて、担任として保護者に寄り添う姿勢を示せるとよいですね。
自己紹介や服装のポイントを押さえて、新卒保育士として入園式に臨もう
今回は、入園式を迎える新卒保育士さんに向けて、式典の流れや服装などを紹介しました。
入園式は、新しく保育園に通い始める子どもたちを迎え入れお祝いする大切な式典です。そのため、華やかな場の雰囲気に合うような服装を選ぶことが重要になるでしょう。
また、初めて顔を合わせる場であるため、身だしなみはもちろん、笑顔ではきはきと自己紹介をして好印象をもってもらうことも大切です。入園式の服装や挨拶のポイントを押さえ、新卒保育士として新年度のスタートを気持ちよく切りましょう。