【5月の月案】4歳児クラスの文例集。ねらいや配慮、援助や反省の書き方

気持ちのよい気候になる5月、4歳児クラスの月案ではどのような計画を立てるとよいでしょう。書き方に悩む新卒保育士さんもいるかもしれないので、文例を役立てられるとよいですね。今回は、4歳児クラスで使える5月の月案の文例を紹介します。養護・教育のねらいや活動内容に加え、安全や健康に関する配慮と月反省の書き方などもまとめました。

5月の4歳児の写真

Purino/shutterstock.com

5月の4歳児クラスの特徴とは?

新しいクラスになってから1カ月が経つ5月、子どもたちも少しずつ慣れて、遊びや生活を楽しんでいる頃ではないでしょうか。

5月の4歳児クラスには以下のような特徴が見られそうです。

  • 仲のよい友だちができ始め、同じ遊びを通してかかわる。
  • 生活に見通しが立ち、身の回りのことや係の役割に積極的に取り組む。
  • 連休明けには、疲れが出やすかったり情緒が安定しなかったりする。
  • 遠足へ期待感を持って参加し、園外で友だちや保育者と過ごすことをよろこぶ。

5月には気の合う友だちが見つかりいっしょに遊んだり、4歳児の子どもなりに見通しを持って過ごしていたりする頃と言えるでしょう。

保育士さんは、そのような5月の4歳児クラスの特徴を把握して、月案の作成に活かしていくことが大切です。

【5月】4歳児の月案の文例:前月の子どもの様子

ここからは具体的に、月案の項目に沿って例文を見ていきましょう。
5月の月案では、4月末の子どもの様子をもとに記入していきます。

  • 友だちの名前を覚え、互いに誘い合いながらいっしょに遊ぶことを楽しんでいる。
  • 新しいクラスでの生活の流れを覚え、身の回りに意欲的に取り組んでいる。
  • 周りの人に思いを伝えようとする一方で、うまく言葉にできずに戸惑う姿もある。

進級してすぐの4月の頭から変化したことをメインに記述するとわかりやすくなりそうです。

4歳児クラスであれば、身の回りのことはもちろん、友だちとのかかわりの様子に目を向けると子どもの成長の過程に気づきやすくなるかもしれません。

【5月】4歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容

5月の月案にぴったりなねらいと活動内容の文例を紹介します。

今月のねらい

ねらいは養護と教育の2項目に分けて文例をまとめました。

養護のねらい

  • 生活のしかたがわかり、自分で工夫したり友だちと声をかけ合ったりしながら進んで行う。
  • 連休明けのリズムの変化に留意してもらいながら、ゆったりと落ち着いて過ごす。

教育のねらい

  • 自分の考えや思いを言葉にして保育者や友だちに伝えようとする。
  • 春の自然にふれるなかで、よさに気づいたり、遊びのなかで取り入れたりしようとする。

4歳児の子どもたちの姿をもとに、経験してほしいことや育んでほしい力をねらいに取り入れましょう。

5月には、友だちとの関係を深めることや、春の自然を思い切り味わうことを月案で計画してもよさそうですね。

活動内容

ここでは、ねらいをもとに、子どもが保育園で活動する具体的な内容に落とし込んでいきましょう。
くわしく分類して文例を紹介します。

養護

<生命>

  • 自分でできたことを認められることで、身の回りのことをすすんで行おうとする。
  • 戸外遊びや排泄のあとにはすすんで手洗いを行い、清潔に保とうとする。

<情緒>

  • 連休明けの不安感や寂しさに寄り添ってもらいながら、安心して過ごす。
  • 保育者に思いを受け止めてもらうことで気持ちを落ち着ける。

教育

<健康>

  • 友だちと会話をしながら楽しい雰囲気のなか食事をする。
  • 戸外の集団遊びを通してのびのびと身体を動かすことを楽しむ。

<人間関係>

  • 友だちとルールのある遊びを楽しみ、約束を守って遊ぶことの大切さに気づく。
  • 遠足を通して交通ルールやマナーを知り、守って行動しようとする。

<環境>

  • 戸外遊びに出かけて春の草花を摘み、ままごとや製作など遊びの中で活用する。
  • 園に飾られたこいのぼりを見て、色や大きさの違い、飾る理由に興味を持つ。

<言葉>

  • 自分の考えやしてほしいことを言葉にして伝え、思いが通じ合うよろこびを味わう。
  • 落ち着いて保育者の話を聞く。

<表現>

  • 春や遠足の歌に興味を持ち、みんなで声を合わせて歌うことをよろこぶ。
  • 身近な素材や道具を使ってこいのぼりを作ることを楽しむ。

4歳児の5月頃には、より友だちとのかかわりが深まり、いっしょに過ごすことを楽しむ時期と言えます。

クラスの子どもの様子に合わせて、興味を楽しめそうな活動を考えていきましょう。

【5月】4歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮

5月の4歳児の写真

kazoka/shutterstock.com

5月のねらいや活動内容にあわせて、環境構成や保育士さんの援助の文例をまとめました。

養護

生命

  • 身だしなみを自分で整えられるよう、ハンカチを持ち歩くことやシャツの裾をしまうことを伝え、繰り返し声をかける。
  • 手洗い場を清潔に保ち、子どもが意欲的に手洗いを行えるような環境を作る。

情緒

  • 連休明けには、ゆったりとした活動を取り入れ、子どもとスキンシップを取りながらおおらかにかかわる。
  • 生活リズムが変化することへの不安感に寄り添い、じっくりと話を聞いたり、保護者に様子を伝えたりと配慮をしていく。

教育

健康

  • 食事の席は好きな場所を選べるようにし、衛生に配慮しながらも気の合う友だちと会話を楽しみながら食べられるよう配慮する。
  • 気候のよい日は戸外遊びに積極的に誘い、友だちといっしょにのびのびと身体を動かせる時間を作る。

人間関係

  • 引っ越し鬼などの集団遊びを取り入れ、ルールを守りながら遊ぶ楽しさを味わえるようにする。
  • 絵本や紙芝居を通して交通ルールを守る大切さを伝え、自発的に守れるように働きかけていく。

環境

  • 草花を使った遊び方を伝え、自然物を使って遊ぶことの楽しさを味わえるようにする。
  • こいのぼりの存在に興味を持てるよう、こいのぼりの出てくる絵本や歌を取り入れる。

言葉

  • 友だちとの遊びのなかで思いを伝えられるよう、子どもの気持ちを代弁したり言葉を補ったりして伝え合いを保障する。
  • 話を聞くときのマナーや決まりを伝え、人の話を聞こうとする姿勢を育む。

表現

  • 春の歌を取り入れ、日常のなかで親しめるよう、歌詞を書いて貼っておいたり普段の生活のなかで曲を流したりする。
  • 遠足で思い出に残っていることを聞き、余韻のなかで経験画や遠足ごっこを楽しめるように活動していく。

4歳児の子どもがねらいを達成できるよう、活動内容に合わせた援助や環境構成を考えていきます。

文例のように、子どもの日や遠足などの5月の行事を見据えた働きかけも月案で計画できるとよいですね。

【5月】4歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育

5月の月案に記入する家庭連絡、安全、食育に関する配慮事項の文例をまとめました。

家庭連絡

  • 連休明けの様子を丁寧に伝え、安心して過ごせるように配慮する。
  • 遠足での姿を写真や掲示で紹介し、園での過ごし方がよくわかるようにする。

健康・安全・衛生

  • 室内では走らないことや、はさみを持ったまま立たないことなどを繰り返し伝え、安全意識を育んでいく。
  • 正しい手洗い、うがいのしかたがわかるよう、掲示物で示しておく。

食育

  • 年長児の植えたトマトの様子を見せてもらいに行き、食材に興味を持てるようにする。
  • 子どもといっしょに献立を読み、今日の給食のメニューがわかるようにする。

5月の4歳児クラスでは園生活に慣れてきて、決まりを理解できているもののつい忘れてしまう姿もあるかもしれません。

繰り返し伝えて、安全に過ごせるよう習慣づけていきましょう。

【5月】4歳児の月案の文例:反省・自己評価

ここでは、4歳児の5月の月案の振り返りに使える、反省や自己評価の文例を紹介します。

養護

  • 連休前後の様子の変化を保護者に共有することで、体調を崩すことなく健康に過ごすことにつながった。
  • 連休中の過ごし方を子どもに聞くことで、友だちや保育者と楽しかった気持ちを共有し、落ち着いて過ごすことができた。

教育

  • 子どもの言葉を丁寧に聞き取るようにすることで、話すことへの意欲につなげていけた。友だち同士で言い合う姿も見られるようになったので、引き続き仲介していく。
  • こいのぼりの意味や色の違いについて知らせることで、関心を育み、伝統行事への興味を育むことができた。

5月には、連休明けの過ごし方や、こどもの日や遠足といった行事に焦点を当てていくと、反省に活かすことができそうです。

月案のねらいや計画に照らし合わせて、5月の保育を振り返ってみましょう。

月案に活用できる5月の4歳児保育のポイント

最後に、5月の月案に活かせる4歳児クラスの保育のポイントをまとめました。

連休明けには子どもの様子に合わせて活動内容の調整を

5月には大型連休がありますが、生活リズムが変化することで疲れが出やすくなったり、お家の方と離れるのに不安を感じたりするかもしれません。

子どもたちの体調や心の状態をよく観察し、連休明けには、午睡の時間を少し長めにとったり、絵本やお絵かきなどゆっくりできる活動にしたりと過ごし方を調整しましょう。

受け入れの際には、保護者の方に体調面や睡眠時間など、気になる変化がないか聞いておくことも大切です。

こどもの日や遠足などの行事に向けて関心を育もう

5月には、こどもの日や母の日の他にも、遠足や園外保育を予定している園が多いでしょう。

4歳児クラスでは、こうした行事に向けて期待感を持って取り組めるよう、日常のなかで読み聞かせやお話をして内容を伝えていくことが大切です。

子どもとの会話のなかで「どうしてこいのぼりは3匹泳いでいるのかな?」「遠足のお弁当何かな」と関心や期待が膨らむような言葉がけをしていくのもよいですね。

友だち関係や集団の活動に焦点を当て、子どもの姿を観察しておこう

先述した通り、5月の4歳児クラスでは友だちとかかわりながら遊ぶことを楽しみ姿が増える時期です。

友だちと過ごすことのよろこびを感じる一方で、思いがうまく伝わらずもどかしい思いをしたり、自我がぶつかってケンカになったりする場面も見られるかもしれません。

トラブルの表面だけを見て仲裁するのではなく、「恥ずかしくてうまく言葉が出てこないのかな」「友だちとなんでも同じがよくてケンカになってしまうのかな」など、子どもの心にある背景を想像することが大切になるでしょう。

文例を知って5月の4歳児クラスの月案を作成しよう

今回は、5月の4歳児クラスの月案で使えるねらいや反省の文例を紹介しました。

5月の4歳児は、新しい環境に慣れ、気の合う友だちと好きな遊びを楽しむ頃ではないでしょうか。

友だち同士の伝え合いを取り持ったり、集団遊びに誘ったりすることで、いっしょに過ごす心地よさを味わえるようにしましょう。

また、こどもの日や遠足といった5月の行事にも向けて、必要な経験ができるよう月案で計画できるとよいですね。

文例を参考に、5月の4歳児クラスの月案に役立てていきましょう。

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