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【8月の月案】1歳児クラスの文例集。ねらいや配慮、援助や反省の書き方

夏の盛りを迎える8月、1歳児クラスの保育士さんのなかには月案作成に悩む方もいるかもしれません。暑い時期ならではの遊びや、食育・健康面での配慮など、1歳児クラスで使える8月の月案の文例を紹介します。養護・教育のねらいや活動とともに、月反省の書き方についてもまとめました。

8月の1歳児の写真

ABWitzPix089/shutterstock.com



8月の1歳児クラスの特徴とは?

夏らしい気候になり開放感あふれる8月。
1歳児の子どもたちは、暑さに負けずに元気に水遊びを満喫している頃かもしれません。


8月の1歳児クラスでは、以下のような特徴が見られる頃と言えるでしょう。


  • 活発に身体を動かして遊ぶ姿が増えるため、体温調節や水分補給に配慮しながら過ごす必要がある。
  • 夏ならではの感触遊びや氷遊びを充分に楽しんでいる。
  • 盆休み明けには、体調が変わりやすかったり、情緒が乱れがちだったりする。

夏らしい開放感のなかでさまざまな遊びを楽しめる時期ですが、まだまだ身体機能の未熟な1歳児の子どもたちが健やかに過ごせるように配慮が必要になりそうですね。


月案で夏の過ごし方をしっかり計画していけるよう、8月の1歳児クラス向けの文例を見ていきましょう。



【8月】1歳児の月案の文例:前月の子どもの様子

まずは、8月の月案に記入する1歳児クラスの前月の子どもの姿の例文を紹介します。


  • 水遊びでは怖がって保育者のもとを離れない子どももいたが、繰り返し誘ううちに少しずつ慣れていった。
  • ズボンや靴下など簡単な衣類の着脱に興味を持ち、やってみようとする姿が見られた。
  • 友だちの遊ぶ様子に関心持って、いっしょに遊ぼうとすることもある。

薄着になる7・8月は、着脱や排泄などのトレーニングがしやすくなる時期と言えます。
クラスの子どもが挑戦する姿は、他の子どもたちにとっても刺激になっているかもしれません。


1歳児の子どもたちが身の回りのことに意欲を持って挑戦していけるよう、月案で援助の方向性についても計画していきましょう。



【8月】1歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容

7月の1歳児クラスの月案に使えるねらいや活動内容の文例を見ていきましょう。



今月のねらい


ねらいについては、養護・教育の2つの視点から文例をまとめました。


養護のねらい

  • 安定的な生活リズムのなかで、夏の暑さに負けず健康に過ごす。
  • いっしょに遊びを楽しんだり、甘えたいときは抱っこしてもらったりと保育者に充分に気持ちを受け止めてもらう。

教育のねらい

  • 涼を感じる遊びを通して、心地よさを感じながら夏ならではの遊びを楽しむ。
  • 夏の自然に親しみながら、興味・関心を広げる。


活動内容


8月のねらいをもとに、1歳児の子どもに経験してほしい具体的な活動内容を月案に記入していきましょう。


養護

<生命>

  • 保育者に褒められたり促されたりすることで、着脱に意欲を持つ。
  • 汗をかいたらこまめに着替えるようにして、快適に過ごす心地よさを味わう。

<情緒>

  • 葛藤や欲求を保育者に共感してもらい、気持ちを受け止めてもらう安心感を味わう。
  • 活発に遊ぶ時間とゆったりと過ごす時間とを確保して、メリハリを持って生活する。

教育

<健康>

  • 暑い気候のなかでも、沐浴や水遊びを楽しみ、心地よさや開放感を味わう。
  • 食事量を調整してもらいながら、食べることに意欲を持つ。

<人間関係>

  • 友だちとかかわりながら遊び、簡単なやり取りをよろこぶ。
  • 保育者といっしょに夏の歌や手遊びを楽しむ。

<環境>

  • 涼しい時間には園庭に出るようにして、夏の生き物や植物を見つけて楽しむ。
  • 水や砂にふれて刺激を味わいながら遊ぶなかで、自然への親しみを深める。

<言葉>

  • 喃語に対して応答的に反応してもらい、言葉を発するよろこびを味わう。
  • 保育者や周囲の大人の真似をして簡単な挨拶をすることをよろこぶ。

<表現>

  • さまざまな素材にふれながら製作することを楽しむ。
  • 製作や季節の歌などを通して夏の風物詩にふれる。

夏の風物詩が出てくる歌や絵本などを用いて、1歳児クラスでも季節感を味わえるようにしていきましょう。


月案であらかじめ計画しておくことで、職員間で共有することにもつながりますね。



【8月】1歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮

8月の1歳児の写真

ABWitzPix089/shutterstock.com


ねらいや活動内容をもとに、8月の1歳児クラスに適した配慮や援助の文例を紹介します。



養護


生命

  • 自分で着脱をやってみようとする姿をしっかりと褒めて、達成感やさらなる意欲につなげていく。
  • 汗の始末をこまめに行い、清潔にする心地よさを味わえるようにする。

情緒

  • 欲求が通らなかったり、甘えたかったりといった満たされない気持ちに共感し、スキンシップを取りながら受け止めていく。
  • 午睡や水分補給をして充分に休息を取れるよう、落ち着ける環境作りを心がける。


教育


健康

  • 水遊びは子ども一人ひとりの体調に合わせて取り入れるようにしていく。
  • 個々のタイミングでおまるに誘い、出なくても座って排尿をしようとすることに慣れてもらう。

人間関係

  • 友だちとかかわりながら遊べるようなわらべうたや手遊びを取り入れていく。
  • 子どもの表情やしぐさから気持ちを汲み取り、受容的にかかわる。

環境

  • 夏の生き物を題材にした絵本や手作り玩具などを取り入れ、生活のなかで親しめるようにする。
  • 水や砂の感触遊びに興味が持てるよう、遊びのモデルを見せて子どものペースに合わせて誘っていく。

言葉

  • 喃語に対して「○○だね」と代弁しながら言葉を補うようにして、やり取りを楽しめるようにする。
  • パペットや歌遊びなどを通して楽しみながら挨拶ができるように促す。

表現

  • 絵の具やタンポなど、月齢に合わせた素材を使いながらさまざまな技法を楽しめる機会を作る。
  • 季節の歌や絵本を繰り返し楽しみ、夏らしい雰囲気を楽しめるようにする。

8月の1歳児クラスでは、暑さのなかでも活発に夏の遊びを楽しむ姿があるでしょう。


月案では、子どもの健康に配慮しながらも、月齢に合わせてさまざまな活動を楽しめるように援助を考えておくとよいですね。



【8月】1歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育

1歳児の8月の月案に記入する、家庭連絡、安全、食育に関する配慮の文例をまとめました。



家庭連絡


  • お盆前後の体調変化や家庭での様子などをこまめに伝え合う。
  • 水遊びや泥遊びで着替えの持ち帰りが発生したときは降園時に共有するように配慮する。


健康・安全・衛生


  • 戸外に出るときはなるべく日差しの強くない時間に出るようにする。
  • 午睡時には、音楽や部屋の明るさなどを調整し、毎日同じ環境で安心して眠れるようリズムを作っていく。


食育


  • 食事の前後の挨拶をする姿を見せて、子どもたちも真似してできるようにする。
  • しっかり噛んで食べられるよう、口に運ぶ食材の大きさや介助のタイミングなどに気をつけていく。

夏の暑さで体力を消耗しがちな8月は、休息を充分に取れるようにし、消化をよくするためにも食事をよく噛んで食べられるようにすることが、援助のポイントになりそうです。


1歳児の子どもたちが元気で過ごせるような配慮を月案に書いておくとよいですね。



【8月】1歳児の月案の文例:反省・自己評価

8月の1歳児の写真

GOLFX/shutterstock.com


8月の1歳児クラスの月案を振り返る、反省や自己評価の例文を紹介します。



養護


  • 活発に身体を動かす活動を積極的に取り入れることで充分に午睡を取ることにつながり、午後も元気に遊ぶ姿が見られた。
  • お盆の少人数保育の時期には、ゆったりとした雰囲気のなかスキンシップを多く取りながら過ごすことで、子どもの情緒の安定を図ることができた。


教育


  • 夏の食べ物をモチーフにした手遊びを繰り返し楽しむことで、食材の名前を言ったり、ままごとを楽しんだりする姿が増えた。
  • 水遊びに慣れてきたので玩具の種類を増やしたところ、よりダイナミックに遊ぶ姿や新しい玩具に興味を示して遊び込む姿があった。

8月の月案では、1歳児の子どもたちが夏の活動でどのように遊んでいたかや、お盆時期の少人数保育での様子などを反省で振り返るとよさそうです。


排泄や着脱といった身の回りの自立についても、忘れないよう記録しておきましょう。



月案に活用できる8月の1歳児保育のポイント

最後に、月案の作成にも役立つ、8月の1歳児クラスの保育におけるポイントをまとめました。



長期休暇の前後には、保護者としっかり情報共有を


8月のお盆時期には、保育園を長期間でお休みする子どもも増えるようです。


生活リズムが変化しやすいタイミングなので、前後の期間にはしっかりと体調や情緒面について保護者の方と伝え合い、子どもが安定的に過ごせるよう配慮していきましょう。


前もって休みの予定を連絡してもらい、職員配置や保育内容の検討に活用することも大切ですね。



涼を取れる感触遊びを通して、夏の遊びを充実させる


6・7月から続いて水遊びを実施する保育園も多いかもしれませんが、水に慣れてくる8月にはさらにさまざまな感触遊びを取り入れてみましょう。


寒天や小麦粉粘土のほかにも、水風船や氷、凍らせたタオルなど涼し気な素材を使うのも夏の雰囲気を感じられてよいかもしれません。


日差しが強くて戸外に出られない日には感触遊びを室内遊びに取り入れて、活動を充実させてみてくださいね。



戸外で遊ぶ際には熱中症対策を行い、短時間にとどめる


夏の自然にたくさん出会える8月、戸外活動を積極的に取り入れたいところですが、1歳児クラスでは特に熱中症対策に注意する必要があります。


日差し除けとなるテントやタープなどを利用して木陰で遊べるようする、日差しが弱まり地表の温度も下がってくる夕方などに戸外に出るなどの工夫してみてくださいね。


戸外で遊ぶ際は、子どもの体温が上がりすぎないよう、活動時間を短時間にして水分補給をしっかり行うなど、子どもへの負担に配慮することが大切です。



文例を知って8月の1歳児クラスの月案を作成しよう

今回は、8月の1歳児クラスの月案で使えるねらいや援助の文例を紹介しました。


8月には暑さに負けずに過ごせるよう、休息の時間を設けたり熱中症対策を行ったりといった配慮が大切になりそうです。


夏の風物詩に親しめるよう、手遊びや絵本などで伝えていくことも心がけるとよいかもしれません。


月案の文例を参考に、1歳児の8月の保育に役立ててみてくださいね。

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