レポートの引用の書き方がわからず、筆が止まってしまう保育学生さんもいるでしょう。レポート課題は単位の評価に影響するため、正しい記載方法を覚えておきたいですよね。今回は、文中における引用の書き方や、引用文献の探し方を紹介します。WEBサイトや新聞記事などのケース別に、文献の記載方法もまとめました。
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■目次
レポートの引用の書き方を知っておく重要性
引用とは、他人が書いた文献からそのまま文章を持ってくることです。文章を要約して自分なりの見解を示す参考とは異なります。
引用は既存の研究を踏まえたいときなどに使うことがあるため、書き方を知っておけば、レポートを作成するうえで大きく役立つかもしれません。まずは引用の書き方を理解しておく重要性について、くわしく紹介します。
信頼できるレポートに仕上げられる
結論に至った理由が明確でなければ、信ぴょう性が低いレポートになってしまうかもしれません。
しかし、必要に応じて引用を行えば、自分の考えが根拠に基づいていることを示せるでしょう。引用文献は信頼できる著作物を選ぶ必要があるので、事前に著者の経歴を調べたり、発行元を確認したりしておくと安心です。
盗用を避けられる
引用のルールに則らず自分が考えたように書いてしまうと、著作権法に違反する可能性があります。
引用文献をしっかり記載するなどの約束を守り、読み手に盗用と判断されることを防ぎましょう。
レポートにおける引用の基本的な書き方
レポートで引用を用いる場合の基本的な書き方を解説します。
文中の引用部分を「」でくくる
自分で作成した文章と引用した文章を明確に分けるため、文中の引用部分は「」でくくりましょう。
写真などの画像の場合は枠線で囲ったり、背景色を変えたりして、一目で引用とわかるように工夫する必要があります。
長文の引用は字下げを行う
長文を引用するときは前後を1行空け、引用文それぞれの行の頭を2文字ほど空けます。
基本的に、必要な部分のみ引用し、できるだけ長文になることは避けましょう。長くても4~5行程度に留め、全体文字数の15%までに抑えることが理想的です。
文字を書き換えることは控える
引用の際は、元の文を書き換えたり、一部を勝手に消したりしてはいけません。
旧字体のみ書き換えられますが、(原文旧字体)と最後に記載する、不必要な文章があった場合はその部分に(中略)と書くなど、ルールを守ることを心がけましょう。
また、差別的な表現など現在は使われていない言葉もそのまま引用する必要がありますが、その部分には(原文ママ)と記載したほうがよさそうです。
引用文献は文といっしょに記載する
引用文献は、文中で文といっしょに記載することが基本のようです。主な書き方は下記の2通りに分けられます。
- 「~である」(著者名発行年,ページ)
- 著作者(発行年)は,「~である」(ページ)としている
()の中でまとめて情報を書く際は、著者名と発行年の間に半角スペースを入れると見やすくなります。ページの表記に関しては、特に指定がない限り、引用ページがひとつの場合はp、ページが複数にわたる場合はpp1-2のように書きましょう。
また、くわしい引用文献はレポートの最後に、あいうえお順で書くことが多いようです。
大学教員から指示がある場合は優先する
基本的にレポートを作成するときは、所属の大学や大学教員の指導方針に従う必要があります。そのため、大学教員から指示があった場合はその通りに行いましょう。
特に指示がないときはフォーマットをひとつに絞り、次で紹介する例を参考に記載してみてくださいね。
【ケース別】レポートの引用文献の書き方例
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レポートの最後に記載する、引用文献の書き方例を具体的にまとめました。
本や教科書
著作者や編者『書籍名』,発行年,出版社,pp〇-〇
タイトルは基本的に『』で囲み、著作者が複数いるときは読点でつないで記載します。電子書籍のときは、一目でわかるよう末尾に(電子書籍)と書きましょう。
教科書を引用文献にする場合も同じように記載しますが、場合によっては参考文献に含まれないこともあるので、気になる保育学生さんは担当の大学教員に確認したほうがよさそうです。
WEBサイト
著作者「タイトル」『サイト名』(情報公開日,URL,参照日日付)
〇〇省「タイトル」(情報公開日,URL,参照日日付)
WEBサイトから引用する際は、URLやサイト名を記載するなど、他の媒体とは異なる点があります。情報公開日が不明なときは書かなくてもよいとされていますが、記事は書き換えたり削除したりしやすいため、参照日はしっかり書くように心がけましょう。
また、ネット上では信ぴょう性の薄い情報が発信されることがあるので、公的機関が作成しているサイトなど、信頼できる情報源を選ぶことも大切です。
官公庁のように著作者がわからない場合は、最初に〇〇省とだけ記載しましょう。
新聞記事
著者(わかる場合)「記事タイトル」『新聞名』(発行日),刊や版,p〇
新聞記事を引用文献として使うときは、基本的に上部に書いてある刊や版などの情報や、ページ数も入れたほうがよさそうです。
また、電子版の新聞記事を見たときは最後に電子版という言葉を記載し、WEBサイトの書き方にならってURLや閲覧日も書いておきましょう。
写真
写真を引用するときは、書籍や新聞記事など引用元の媒体の書き方にならって記載します。
引用した写真は背景色をつけたり枠で囲んだりして、他の部分としっかり区別しましょう。
レポートの引用文献の効率的な探し方
最後は、レポートの引用文献の効率的な探し方について紹介します。
図書館で探す
大学の図書館には、読みたい文献のキーワード・タイトル・著者名などを入力するだけで、検索できるシステムが設置されていることが多いようです。
そのシステムを使えば貸出状況がすぐにわかったり、図書館内で置いてある場所を把握できたりします。
大学によっては電子版の書籍を読めるシステムも導入されているようなので、文献を探したい保育学生さんは図書館を利用してみるとよいかもしれません。
インターネットで調べる
インターネット上でも電子版の新聞記事や論文が読めたり、信頼できるWEBサイトから情報を入手したりできます。
すきま時間で気軽に情報を集められるため、効率的に文献を探したい保育学生さんに向いているでしょう。
引用の書き方を覚え、正しいレポートを作成しよう
今回は、保育学生さんに向けてレポートの引用の書き方を紹介しました。
正しく引用を行えばレポートの信ぴょう性を上げたり、著作権法を守ったりすることにつながります。WEBサイトや新聞記事など、媒体によって引用文献の記載方法は異なるので、それぞれの書き方をしっかり理解しておきましょう。
ここで紹介したものは一般的な書き方であるため、大学教員などから指示がある場合はその通りに記載することが大切です。
引用方法を覚え、正しいレポートを作成してみてくださいね。