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【保育学生必見!】放課後等デイサービスとは。働くために必要な資格、仕事内容

放課後等デイサービスとはどのような場所か、くわしく知りたい保育学生さんもいるでしょう。役割や仕事内容を理解し、就職先の候補にしてみるのもよいですね。今回は、放課後等デイサービスの対象者や概要を、ガイドラインに基づいて紹介します。また、働くために必要な資格や保育士さんが担う役割もまとめました。

円陣を組む子ども

milatas/shutterstock.com



放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスとは、障がいを持つ子どもが放課後や休日、長期休暇の期間に通える施設です。


まずは、放課後等デイサービスの概要や利用対象者についてくわしく紹介します。



放課後等デイサービスの概要


放課後等デイサービスは、障がいを持つ子どもに対して、放課後や長期休暇の支援を充実してほしいという声から始まった福祉サービスです。

2012年から児童福祉法にもとづいて運営が始まり、2019度時点で22万人以上の子どもが利用しています。


子どもの生活能力を向上し、自立を支援することを主な目的としており、創作活動や生活に必要な訓練、地域交流の機会の提供などを行っているようです。

施設によって特色のあるさまざまなプログラムが組まれており、なかにはお金の計算をしたり、時計を読む練習をしたりする施設もあるかもしれません。



放課後等デイサービスの利用対象者


放課後等デイサービスは、幼稚園や大学を除く学校に就学している6歳から18歳までの子どもが、障がいの種類にかかわらず通うことができます。


施設を退所することで福祉を損なうと判断されたときは、20歳まで利用することができるようです。

しかし、学校教育法第124条に定める専修学校や134条に定められている各種学校に通う子ども・未就学児は対象外とされているようなので、支援サービスを利用したい場合は児童発達支援に通う必要があるでしょう。


出典:児童福祉法の一部改正の概要について/厚生労働省

出典:障害児通所支援の現状等について/厚生労働省

出典:障害者福祉:障害児の利用者負担/厚生労働省

出典:【資料2】放課後等デイサービスの対象拡大について/厚生労働省



放課後等デイサービスの役割

粘土で遊ぶ子ども

milatas/shutterstock.com


ここからは、放課後等デイサービスの役割についてまとめました。



子どもの生活能力向上を支える


5W1Hを踏まえて話せるようになる、時間や持ち物を自分で管理できるようになるなど、子どものできることを増やすためのサポートをする役割があります。


将来的に子どもが自立できるように、生活能力の向上を支援するようです。



子どもの社会性を育む


発達に特性のある子どもが社会性を身につけられるように、室内遊びや創作活動を通して人との交流を経験できる機会を作る役割もあるでしょう。


施設によっては公園に行ったり山を登ったりなど、屋外に出て活動することもあるかもしれません。



子どもと地域のつながりを作る


子どもが住んでいる地域とのつながりを持てるように援助する役割もあると言われています。


施設の敷地で地域開放型のイベントを開催する、工場見学を行うなど、地域と交流する機会を設けている施設もあるようです。



保護者を支援する


保護者から子育ての悩みを聞いたり、保護者がリフレッシュする時間を設けたりする役割もあるでしょう。

一般的な学童のような役目もあるため、保護者が安心して子育てと仕事の両方に取り組むために欠かせない存在と言えそうですね。


出典:放課後等デイサービスガイドライン/厚生労働省



放課後等デイサービスの1日の流れ

手洗いをする小学生

maroke/shutterstock.com


ここでは、放課後等デイサービスの1日の流れを見ていきましょう。


放課後の場合と土日や長期休暇の場合に分けて、目安となるスケジュールを紹介します。



放課後の場合


  • 14:00~ 入室・室内遊び
  • 15:00~ おやつ
  • 15:30~ 各種プログラム
  • 17:00~ 学習
  • 18:00~ 送迎

放課後は14時から18時くらいで活動を行うことが多いようです。

施設によって異なりますが、それぞれの子どもに合ったプログラムや学習に短時間で取り組むスケジュールとなるでしょう。



土日や長期休暇の場合


  • 10:00~ 入室・室内遊び
  • 10:30~ 各種プログラム
  • 12:00~ 昼食
  • 13:00~ 自由時間
  • 14:00~ 各種プログラム
  • 15:00~ おやつ
  • 15:30~ 学習
  • 16:00~ 送迎

土日や長期休暇の場合は、朝から夕方にかけて活動を行うケースが多いかもしれません。

自由時間や食事をはさみながら、数回に分けて各種プログラムや学習に取り組む流れになりそうです。



放課後等デイサービスで働く職員と必要な資格

ここまで放課後デイサービスの役割や一日の流れについて紹介してきましたが、実際にどのような職員が働いているのでしょうか。


重度の障がいを持つ子どもを対象とする施設では、児童指導員・機能訓練担当職員・嘱託医・看護師の配置が求められていますが、ここでは一般的な放課後等デイサービスで働く職員について説明します。



管理者


放課後等デイサービスの施設を管理する責任者です。


資格は特に必要ありませんが、保護者に施設について説明したり職員の配置を考えたりするため、専門的な知識が必要になるかもしれません。



児童発達支援管理責任者


子どもの特徴や家族の意向を踏まえて個別支援計画を作成したり、療育を主導したりするなど、放課後等デイサービスで中心的な役割を持つ職員のことを指します。


計画にもとづいた支援が行われるように管理する役目も持っており、働くためには児童発達支援管理責任者の資格が必要です。



指導員


個別支援計画にもとづき、子どもの状態に合わせた支援を行う職員を指します。

他のスタッフのサポートや事務作業、子どもが自立できるように支援を行う役目を持ち、主に社会福祉士・教員・保育士などが担当するようです。


ここからは、保育士の仕事内容に焦点を当てて解説していきます。


出典:放課後等デイサービスガイドライン/厚生労働省



放課後等デイサービスで働く保育士の仕事内容

放課後等デイサービスで働く保育士の業務について、くわしく紹介します。



子どものサポート


それぞれの子どもの状態や、保護者の意見を十分に聞いて作られた個別支援計画書にもとづき、子どもを多様な観点からサポートします。

具体的には学習の支援を行ったり、人とのかかわり方を教えたり、排泄など生活の援助をしたりするようです。


取り組みの内容は施設によってさまざまで、創作活動や運動、室内遊びなどを行う場合もあるかもしれません。



送迎業務


子どもが施設と学校、自宅を行き来するために、保育士などのスタッフがサポートをすることが多いようです。


放課後は学校へ迎えに行き、活動が終わった後は自宅まで届けたり、休日は自宅と施設の間を送迎したりするのも仕事内容の一つとされています。



事務作業や雑務


書類の作成などの事務作業や、保護者との面談などを行うこともあるでしょう。


また、施設の清掃や備品管理などの雑務を担う場合もあるかもしれません。



保育士が放課後等デイサービスで働くメリット・デメリット

顔を隠す子ども

myboys.me/shutterstock.com


続いて、保育士が放課後等デイサービスで働くメリットやデメリットについてまとめました。



メリット



多様な年齢の子どもと接することができる

放課後等デイサービスには、小学生から高校生までさまざまな年齢の子どもが在籍しています。


保育園のように乳児や幼児だけでなく、学校に通う幅広い年代の子どものサポートを行いたい保育学生さんにはぴったりかもしれませんね。


一人ひとりとじっくり向き合える

放課後等デイサービスでは一人ひとりに合った支援を行い、ときにはつきっきりでサポートをすることもあると言われています。


保育園のように大人数を相手にすることは少ないようなので、子どもとじっくり向き合うことができるでしょう。


障がいに対して理解を深められる

放課後等デイサービスは障がいを持つ子どもが利用する場所のため、働くことでどのような障がいがあるのか、どのような支援が必要なのかなど、療育の知識を深められるかもしれません。


障がいのある子どもとかかわりたい保育学生さんは、やりがいを感じながら働くことができるでしょう。



デメリット



子どもとうまく関係を築けない可能性がある

放課後等デイサービスにはさまざまな発達の特性を持つ子どもがいるため、子どもによっては途中で暴れたりプログラムに反抗したりする子どももいるかもしれません。


保育園にいる子どもと年代も異なるので、コミュニケーションの取り方に悩む可能性もあるでしょう。

困ったときは先輩の職員さんに相談し、子どもと関係を築くコツを聞いてみるとよいかもしれませんね。


トラブルが起こりやすいこともある

放課後等デイサービスは、さまざまな障がいを持つ幅広い年齢の子どもが利用しているため、トラブルが起きてしまうことは多いようです。


スタッフでも予想できないようなトラブルが発生するかもしれないため、常に気を張る必要があるでしょう。


業務量に対して給与が低い傾向にある

放課後等デイサービスでは子どものサポートから保護者対応、プログラム作成までさまざまな業務があります。


しかし、施設によってはスタッフの人数が少なく、業務量が多いものの給与が低いという場合もあるかもしれません。



放課後等デイサービスの保育士の求人傾向

放課後等デイサービスの施設数は2014年から2019年にかけて、多くの都道府県で2倍以上に増加しています。

利用児童数も約8万8,000人から22万人以上に増えているため、それに伴って求人数はこれからより充実していくと予想されるでしょう。


月給は約18万円~30万円と施設によって大きく異なるようなので、保育学生さんは入職する前に求人票などをしっかり確認し、自分に合った求人を見つけることが大切です。

もし、希望の求人が見つからない場合は、就職活動支援サービスに登録してみるのも一つの方法でしょう。


資格手当や通勤手当などの福利厚生をくわしく調べてもらえたり、面接のサポートを受けられたりするため、不安な保育学生さんは活用してみるとよいかもしれませんね。



放課後等デイサービスとは何かを知り、新卒保育士の就活に役立てよう

今回は、放課後等デイサービスの概要や対象者について、厚生労働省のガイドラインに基づいて紹介しました。

放課後等デイサービスは、障がいを持つ子どもが放課後や休日などに通う施設です。


保育士さんは子どもが自立できるように、食事や排泄など生活のサポートをしたり、送迎業務などを行ったりすることが多いでしょう。

保育士資格のみで働くことができるうえに、子どもとじっくり向き合えるなどのメリットがあるので、保育学生さんは就職先の一つとして検討してみてもよさそうです。


放課後等デイサービスについて理解し、新卒保育士の就活に役立ててみてくださいね。


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