昔から新年の風習として親しまれてきたお正月遊び。1月の実習や保育に取り入れれば、日本の伝統のよさを子どもたちに伝えられそうですね。今回は、こまや凧といった定番の伝承遊びや製作アイデアなど、保育園で役立つお正月遊びを9個紹介します。あわせて、ねらいや由来についても具体的にまとめました。
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■目次
お正月遊びの由来や保育のねらい
1月の行事にはお正月があります。
新年を楽しめるようなお正月遊びを実習や保育で行えば、行事の雰囲気を高めることにつながるかもしれません。
ここで紹介する由来や保育のねらいを参考に、保育園で取り入れてみましょう。
由来
そもそもお正月とは、1年の幸福を持って来ると言われる年神様を家庭で迎える行事のことを指します。
昔は1月のことをお正月と呼んでいたようですが、今では一般的に1月15日くらいまでの期間を指すようです。
また、伝統的なお正月遊びにはそれぞれでおめでたい由来があり、例えば凧は男の子の誕生をお祝いする、羽つきは厄を払って女の子の健康を祈願するという言われがあります。
このようなお正月遊びを実習や保育で取り入れることで、子どもは日本の伝統のよさを感じられるかもしれませんね。
ねらい
お正月遊びを通し、日本の伝統文化を知る
お正月遊びは、子どもが日本の伝統文化にふれるよい機会となりそうです。
保育学生さんや新卒保育士さんがそれぞれの遊びの由来などをあわせて伝えることで、さらに日本の伝統を深く知ることができるかもしれませんね。
お正月遊びを楽しむことで新年の雰囲気を味わう
お正月遊びを楽しむことで、子どもは新年ならではの雰囲気を感じられるでしょう。
日ごろの遊びとは異なる伝承遊びなどを行えば、非日常感を味わうことにつながるかもしれません。
また、お正月の風物詩を製作に取り入れてみても、お正月の風情を感じられそうですね。
保育にお正月遊びを取り入れるときの導入法
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アイデアを紹介する前に、お正月遊びを取り入れるときの導入法について解説します。
新年の挨拶を教える
お正月遊びを行うときの導入法として、新年の挨拶を教えることが挙げられるでしょう。
「あけましておめでとうございます」や「今年もよろしくお願いします」など、基本的な挨拶を伝えられるとよいかもしれません。
お正月に関する手遊びなどを披露し、歌いながら教えてみるのもよさそうですね。
初夢について話す
初夢について話すのも、お正月遊びの導入として取り入れられるかもしれません。
どのような夢を見たかなどを聞くことで、「○○を食べた!」「夢でお父さんやお母さんと○○に行った!」などのエピソードを教えてくれるでしょう。
「○○君はこんな食べ物も好きなんだ」と、子どもの新たな一面に気づくきっかけとなるかもしれません。
今年の目標を聞く
お正月遊びの導入として、今年の目標を聞いてみることも挙げられそうです。
「今年はどんなことを頑張る?」のように1人ずつ聞けば、子どもは「ピーマンを食べられるようになる」など自分なりの目標を教えてくれるかもしれません。
皆で発表し合ったり、画用紙に絵をかいて壁面に飾ったりしてみてもよさそうですね。
保育園のお正月遊び:身体を動かすアイデア4選
まずは、身体を動かすお正月遊びを具体的にまとめました。
①折り紙のこま
用意するもの
- 好きな色の折り紙 3枚
ポイント
少し手順が複雑な折り紙遊びなので、年長クラスくらいから取り入れるとよいかもしれません。
乳児クラスなどで取り入れたいときは保育学生さんや新卒保育士さんが作り、目の前でこまを回して遊ぶとよさそうです。
和柄の折り紙を使えば、お正月の雰囲気がさらに高まるかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
②牛乳パックで作る羽つき
用意するもの
- 牛乳パック 1個
- 割りばし 3膳
- 赤色、白色の毛糸
- 好きな色の画用紙 数枚
- ガムテープ
- ビニールテープ
- ペン
- はさみ
作り方
1.牛乳パックを開き、底部分を切り落とします。
2.牛乳パックの白い面を表にして縦半分に折り、右下と左下を斜めにカットします。
3.(2)を開いて白い面を裏にし、斜めにカットした部分を下方に置きます。
4.割りばしを2膳合わせてビニールテープを巻きつけ、太いほうを下にして置きます。このとき、上部が右半分の牛乳パックに重なるようにします。
5.もう1膳の割りばしを割り、(3)の両脇に縦に1本ずつ置きます。
6.(3)(4)の上からガムテープを貼り固定します。
7.左半分の牛乳パックを(5)の上に重ね、周りをビニールテープで固定します。
8.(6)を干支の動物をイメージして画用紙で飾りつけます。
9.指3本に赤色の毛糸を適量巻きつけ、端の毛糸を切り取ります。
10.(8)を指から抜き、下部を白色の毛糸でしっかり結びます。この時、白色の毛糸の片端が十分に長くなるようにします。
11.(8)の上部の輪になっている部分をはさみで切り、下半分にビニールテープを巻きつけます。
12.白色の毛糸の長いほうを、(7)の牛乳パックと割りばしの境目に結びつけます。
13.(11)の部分をビニールテープで固定したらできあがりです。
ポイント
保育学生さんや新卒保育士さんの援助があれば、5歳児頃から取り入れられそうなアイデアです。
(7)の工程は画用紙で飾りつけるだけでなく、絵をかいたりちぎった折り紙を貼ったりしてもよいかもしれません。
また、屋外で遊ぶ場合は(9)(10)で白色の毛糸を結ばず、実際の羽つきのように遊んでもよさそうですね。
関連動画:【工作あそび】お正月に「羽子板」を牛乳パックで作ってみよう/保育士バンク!
③どんぐりお手玉
用意するもの
- 好きな柄の布 1枚
- どんぐり 適量
- 裁縫セット
- はさみ
ポイント
1歳児や2歳児クラスから取り入れ、お手玉のさわり心地を楽しんだりにぎったりなどの感触遊びを行ってみましょう。
子どもが裁縫セットを使うと危険なので、保育学生さんや新卒保育士さんが作ることがポイントです。
大きなビーズなどがある場合は、いっしょにお手玉に入れてみるとよいかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
④折り紙で作る凧
用意するもの
- 折り紙 2枚
- 竹串 2本
- タコ糸
- ペン
- テープ
- のり
- はさみ
ポイント
簡単な折り紙で作成できる凧なので、3歳児くらいから取り入れられそうな製作です。
実際の凧のように糸が長くないため、園庭で気軽に遊べるかもしれません。
遊びときは、凧に夢中になって子ども同士がぶつかってしまわないように「周りをよく見て遊ぼうね」などと声かけをするのが大切でしょう。(詳しい作り方はこちら)
保育園のお正月遊び:皆で遊べるアイデア2選
続いて、皆で遊べる保育園のお正月遊びを紹介します。
①干支すごろく
用意するもの
- 大きな画用紙 2枚
- 白い画用紙 1枚
- 牛乳パック 1個
- 紙粘土
- 好きな色の絵の具
- 筆
- 紙コップ 数個
- 水
- テープ
- ペン
- のり
- はさみ
作り方
1.画用紙を切って10個程度のマスを作ります。
2.(1)に今年の干支の動物に関するお題をかき、大きな画用紙に貼りつけます。
3.牛乳パックの下部から1/3くらいを残し、上部から切り込みを入れます。
4.(3)で切った部分を中に折りたたみ、立方体に仕上げてテープを貼ります。
5.(4)の周りに白い画用紙を貼りつけ、牛乳パックの柄を隠します。
6.画用紙を1~6の数字の形に切り、(5)のそれぞれの面に貼りつけます。
7.適量の紙粘土をちぎり、干支の動物の形に整えます。絵の具で紙粘土を色づけしたら、できあがりです。
ポイント
マスの指示を簡単な内容にすれば、3歳児頃から取り入れられるかもしれません。
例えば、今年の干支であるトラの場合は「ガオーッと言う」「寝たふりをする」のように、保育学生さんや新卒保育士さんは十二支の動物をイメージした文章を書けるとよいでしょう。
また、小さなマスコットなどがある場合は、コマの代わりに使ってみてもよいかもしれませんね。
②写真で簡単福笑い
用意するもの
- 好きな写真 2枚
- 好きな色の折り紙 1枚
- のり
- はさみ
ポイント
パーツを置くだけで楽しめるので、1・2歳児くらいから取り入れられるでしょう。
その場合は子どもが遊びやすいように写真を大きめに印刷したり、パーツに食品トレーを貼ったりして扱いやすいようにするとよさそうです。
人物の写真だけでなく、子どもに人気のキャラクターのイラストを使っても盛り上がるかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
保育園のお正月遊び:作って楽しめる製作アイデア3選
ここまでは伝承遊びを紹介しましたが、製作遊びを取り入れてもお正月の雰囲気を楽しむことができるでしょう。
お正月にぴったりな手作りのアイデアを3つまとめました。
①折り紙で作るだるま(0:06~0:58)
用意するもの
- 赤色の折り紙
- ペン
ポイント
簡単な折り紙で作ることがきるので、3歳児くらいから取り入れられるでしょう。
1歳児や2歳児などの乳児クラスでは保育学生さんや新卒保育士さんがだるまを作成し、子どもが顔をかくとよさそうです。
また、周りをデコレーションボールやリボンで飾り、かわいい見た目に仕上げてみてもよいでしょう。(詳しい作り方はこちら)
②折り紙鏡餅
用意するもの
- 和柄、オレンジ色の折り紙 1枚
ポイント
4歳児や5歳児くらいから取り入れられそうな手作りのアイデアです。
子どもによっては難しい工程があるかもしれないので、保育学生さんや新卒保育士さんは近くで見守ったり援助したりするとよいでしょう。
また、周りをビーズなどで自由に飾りつけ、壁面飾りにしてもよさそうですね。(詳しい作り方はこちら)
③トイレットペーパーの芯で作る門松
用意するもの
- トイレットペーパーの芯 3個
- 緑色の画用紙 数枚
- 黄緑色の画用紙 1枚
- 和柄の折り紙 1枚
- 両面テープ
- のり
- はさみ
ポイント
保育学生さんや新卒保育士さんが事前に画用紙を切っておくなどの援助があれば、4歳児頃から行えるかもしれません。
周りをちぎった折り紙やビーズなどで飾ったりすることで、さらにきれいな見た目の門松に仕上がりそうです。
窓際やロッカーの上などに飾り、お正月の雰囲気をさらに高めてみましょう。(詳しい作り方はこちら)
こまや羽つきなどのお正月遊びを、1月の実習や保育に取り入れてみよう
今回は、実習や保育に役立つお正月遊びを紹介しました。
お正月遊びを保育園で取り入れれば、日本の伝統文化にふれたり新年の雰囲気を味わったりすることにつながりそうです。
1歳児や2歳児クラスで行うときは保育学生さんや新卒保育士さんが近くで見守り、代わりに画用紙を切るなどの援助をするとよいでしょう。
お正月遊びの手作りのアイデアを覚え、1月の遊びに取り入れてみてくださいね。
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