育児中の家庭をサポートする子育て支援センター。保育士として働きたい、施設の概要を知りたいという保育学生さんもいるのではないでしょうか。今回は、子育て支援センターとはどのような施設かについて紹介します。あわせて、子育て支援センターの役割や仕事内容、必要な資格なども具体的にまとめました。
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子育て支援センターとは
まずは、子育て支援センターの概要や目的、種類について見ていきましょう。
子育て支援センターの概要
子育て支援センターとは、育児中の家庭を地域で支援するために設置された施設を指し、厚生労働省が実施する子育て支援拠点事業の取り組みの一つです。
自治体ごとに、公共施設や児童福祉施設などのスペースを利用して運営しています。
育児中の夫婦の相談を受けたり、保育サービスの情報を提供したりなど、子育てネットワークの中心として機能しているようです。
自治体によって取り組み方が異なり、それぞれの施設で特色が現れる場合もあるかもしれません。
子育て支援センターの目的
子育て支援センターは、地域と家庭とのつながりを支援し、すべての子育て世帯を支えることを目的として設置されています。
現在は核家族化や地域とのつながりの希薄化などにより、保護者は子育てに関する助けを求めづらくなっているようです。
そのような現状を踏まえ、保護者が育児の悩みを抱え込んでしまうことを防げるように運営しています。
子育て支援拠点事業の種類
子育て支援拠点事業には、センター型・ひろば型・児童館型の3種類があります。
それぞれの種類について具体的にまとめました。
センター型
センター型は保育所などの児童福祉施設や公共施設を使い、子育てに対して専門的な支援を行います。
地域の子育て関連情報を提供したり、育児に関する相談に乗ったりして保護者をサポートしているようです。
また、専門的なアドバイスを行えるように、保育士や看護師など子育てに精通したスタッフが在籍しています。
ひろば型
ひろば型は商店街の空き店舗・幼稚園・公共施設などを利用し、常設の会場を開設しているタイプの施設です。
保護者と子どもが気軽に集い、なごやかな雰囲気の中でそれぞれの家庭が交流を図る場を提供しています。
学生ボランティアが参加したり父親の育児支援も実施したりなど、地域の子育て力を高める取り組みを行っているようです。
児童館型
児童館型は民営の児童館や児童センターを活用し、地域交流活動を行うタイプの施設です。
学校に通う子どもが来館する前の時間を利用し、親子が交流したり他の家庭と関係を築いたりする場を設けています。
また、子育てについて気軽に相談できるスタッフも在籍しており、親子が孤立しないような環境を作っているようです。
出典:今後の子育て支援のための施策の基本的方向について/厚生労働省
子育て支援センターの役割
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ここからは、子育て支援センターの役割についてまとめました。
保護者のサポート
子育て支援センターでは、主に保護者のサポートを行っているようです。
保育の知識を持っている方や育児経験者が、保護者の相談に乗ったりアドバイスを行ったりしています。
このように保護者が気軽に相談できる環境を作ることで、子育ての負担軽減を目指しているようです。
交流の場の提供
子育て支援センターでは、独自のプログラムを用意している場合が多いようです。
施設によって内容は異なるものの、遊具を使ったさまざまな遊びや植物などとのふれ合いを通して親子が交流できる場所を提供しています。
また、他の家庭と交流を持ち、お互いに悩みを相談したり子育てのアドバイスを送り合ったりできるようなネットワーク形成の場としての機能もあるようです。
子育て情報の発信
子育て支援センターの役割として、育児情報の発信をすることも挙げられます。
育児講座やハンドブックの発行、相談会などを行い、保護者向けに育児に関する情報を公開しているようです。
特にセンター型では専門的な情報が求められるため、保育学生さんは保育や子育て支援についてしっかり学んでおくことが大切でしょう。
一時保育の実施
子育て支援センターの中には、一時保育を実施しているところもあるようです。
急な仕事や用事などで保育が必要な保護者のために、施設内にあるスペースを使って対応しています。
そうすることで、「急な仕事が入ってしまった」「1人で病院に行きたい」などの悩みを抱える保護者をサポートすることができるでしょう。
子育て支援センターで働く保育士さんの仕事内容
続いて、子育て支援センターの保育士さんの仕事内容を解説します。
保護者の相談に乗る
一般的な保育園とは異なり、子育て支援センターの保育士さんは保護者のサポートをすることが多いようです。
保護者が育児で抱える不安を聞いたり相談に乗ったりし、適切なアドバイスを行います。
そのため、保育士さんには保護者に寄り添う力や、専門的な知識が求められるかもしれませんね。
子どもの保育を行う
一時保育を行っている子育て支援センターでは、保育スペースなどで子どものお世話をすることもあるでしょう。
一般的な保育園と異なり、クラスは設けずに就学前までの多様な年齢の子どもを見るようです。
そのため、保育士さんはそれぞれの年齢に合った援助を行うことが求められるでしょう。
また、保育に適した環境を整えられるように、おもちゃの消毒や清掃などを行うこともあるかもしれません。
イベントを運営する
子育て支援センターによっては、保育士さんがイベントを運営することもあるでしょう。
子どもと保護者の関係を深めるだけでなく、保護者同士がコミュニケーションを取れるようにすることが目的のようです。
そのため、保育士さんには、親子ヨガやベビーマッサージなど多様なイベントを企画するためのノウハウが求められるかもしれませんね。
子育て支援センターの保育士になるには
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最後は、子育て支援センターの保育士になるにはどうすればよいのかについてまとめました。
必要な資格
子育て支援センターで働くうえで、保育士資格が必要かどうかは施設によって異なるようです。
中には、国で定められている研修を受けて取得できる、子育て支援員の資格を求められる場合もあるかもしれません。
しかし、働くには保育の専門知識が求められるので、子育て支援センターで働きたい保育学生さんはしっかりと勉強をしておいたほうがよさそうですね。
求人状況
2020年時点で地域子育て支援拠点事業を実施している施設は7735カ所あり、年々増加傾向のようです。
そのため、これからも施設数は増えていき、求人数も増加していくことが予想されるでしょう。
子育て支援センターに入職したい保育学生さんは、求人サイトや保育士就活支援サービスを使って求人を探すとよいかもしれませんね。
出典:1.地域子育て支援拠点事業の実施か所数の推移/厚生労働省
子育て支援センターについて知り、保育士の就活に活かそう
今回は、子育て支援センターとはどのような施設かについて紹介しました。
子育て支援センターは、育児中の家庭を地域でサポートするために運営している施設のことを指します。
保育士さんの役割は一般的な保育園とは異なり、保護者の支援を中心に行ったりさまざまな年齢の子どもを見たりするようです。
保育学生さんはここで紹介した子育て支援センターの仕事内容などを参考に、就活に活かせたらよいですね。
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