7月の実習・保育に製作を取り入れたいけれど、アイデアが思い浮かばない保育学生さんや新卒保育士さんもいるでしょう。花火や海など、夏らしいものをモチーフにした作品を作れば、子どもは季節感を味わうことができそうです。今回は、7月の製作にぴったりなアイデアを9個紹介します。また、ねらいについても具体的にまとめました。
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■目次
7月の保育実習で製作遊びを取り入れるポイント
暑さが本格化してくる7月。
そんな7月の保育実習で製作遊びを取り入れるときは、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。
7月に意識したいポイント
7月のモチーフとして、花火やひまわり、海を連想させる魚などが挙げられます。
このようなモチーフをテーマにした製作を行うことで、子どもは夏の季節感を味わったり、目で涼を感じたりすることができるでしょう。
製作遊びのポイント
製作遊びを実習で取り入れるときは、子どもたちが行うことと保育学生さんがすべきことをしっかり把握することが大切です。
悩んだときは担当の保育士さんにアドバイスを頂きながら、製作のアイデアを選んだり流れを決めたりしましょう。
子どもが戸惑っているときは保育学生さんが近くで援助するなどして、スムーズに製作を進められるとよいですね。
7月の保育実習に使える製作:0歳児・1歳児向け
まずは、0歳児や1歳児クラスでぴったりなアイデアを紹介します。
1.カラフルお魚
ねらい
- シールを自由に貼りつけ、手指の動きを育む
用意するもの
- 紙皿 1枚
- 好きな色の丸型シール 適量
- テープ
- ペン
- はさみ
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.紙皿の左側を三角形に切り取ります。
2.(1)を紙皿の右端に貼り、魚に見立てます。
<子どもといっしょに行う工程>
1.丸型シールを紙皿に自由に貼りつけます。
2.ペンで魚の目をかいたらできあがりです。(詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
子どもたちの人数分の紙皿を用意しておきます。子どもたちが好きなお魚を作れるように、青色や赤色、黄色などさまざまな色のシールをたくさん準備しておきましょう。
②導入
「さかながはねて」などのパネルシアターを行い、魚に関心を持ってもらえるとよさそうです。
「今からお魚さんを作ってみようね」と声かけすれば、子どもを遊びの世界に引き込めるかもしれませんね。
③製作
1~2人のグループに子どもを分け、順番に製作を行うとスムーズに進むでしょう。
子どもたちに椅子に座ってもらい、保育学生さんがシールを貼るところを見せれば子どもたちが遊び方を理解しやすくなるかもしれませんね。
④まとめ
シールを十分に貼り終わったら、「かわいいお魚ができたね」と声かけをして活動をまとめましょう。
壁を水族館に見立て、お魚を壁面に飾りつけてみてもよいですね。
2.指スタンプの花火
ねらい
- 指スタンプで、画用紙に色がつく様子を楽しむ
用意するもの
- 黒色の画用紙 1枚
- 好きな色の絵の具
- パレット
- 水
作り方
<実習生さんの事前準備>
- 黒色の画用紙を円形に切ったものを、子どもの人数分用意します。
<子どもといっしょに行う工程>
1.指に好きな色の絵の具をつけ、黒色の画用紙に自由に色づけします。
2.(1)をしっかり乾かしてできあがりです。(詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
子どもたちにスモックを着てもらい、机の上にシートも敷いておきましょう。
また、子どもがすぐに遊びに取り掛かれるように、紙皿などに絵の具と水を乗せてしっかり混ぜておくとよいですね。
②導入
花火が出てくる絵本や紙芝居を読めば、子どもは興味を抱きやすくなるかもしれません。
実際に保育学生さんが指スタンプを行って、子どもに製作のイメージを持ってもらうのもよさそうです。
③製作
全員で同時に遊ぶのは難しいため、1〜2人ずつ順番に製作をするようにしましょう。
子どもたちに椅子に座ってもらってから画用紙を配り、子どもの近くに絵の具が乗った紙皿などを持っていくとよさそうです。
④まとめ
指スタンプが終わったら、子どもたちといっしょに花火のできあがりをよろこびましょう。「乾いたら飾ろうね」のように声かけをして、製作をうまくまとめてみるとよいですね。
3.花火うちわ
ねらい
- 吹き絵を行って、色が混ざりあう様子を味わう
用意するもの
- 牛乳パック 2個
- 黒色の画用紙 1枚
- ストロー 1本
- 好きな色の絵の具
- パレット
- 割り箸 1膳
- 水
- マスキングテープ
- ガムテープ
- 接着剤
- はさみ
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.2つの牛乳パックを円形に切り、黒色の画用紙を貼ったものを用意します。
2.割り箸にマスキングテープを巻きつけたものを用意します。
3.(1)のうち1枚に(2)を乗せ、ガムテープで固定して持ち手を作ります。
<子どもといっしょに行う工程>
1.筆に絵の具をつけ、黒色の画用紙を貼った牛乳パックの上に垂らします。
2.ストローで(1)の絵の具に息を吹きかけ、自由に色づけます。
3.(2)をよく乾かします。
4.(3)を用意しておいたもう一枚の牛乳パックと貼り合わせ、うちわの形に仕上げてできあがりです。(詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
子どもにスモックを着てもらったり、机のうえにシートを敷いたりして用意します。
また、子どもがすぐに花火うちわを作れるように、絵の具を水で溶いて準備しておくとよさそうです。
②導入
子どもたちに、保育学生さんが作った花火うちわを見せましょう。
「ふーふーして素敵なうちわを作ろうね」のように、声かけするとよいかもしれませんね。
③製作
1〜2人ずつ順番に製作を行って、子どもたちがスムーズに遊べるようにするとよさそうです。
子どもたちが椅子に座って落ち着いてから牛乳パック・ストローを配り、絵の具を垂らして吹き絵を始めましょう。
④まとめ
「きれいな花火ができたね」と声をかけ、活動をまとめます。
透明の袋などに入れて保育室に飾ったり、記念として持ち帰ってもらったりするとよいでしょう。
7月の保育実習に使える製作:2歳児・3歳児向け
続いて、2歳児や3歳児クラスで取り入れられるアイデアをまとめました。
1.紙皿のひまわり
ねらい
- 紙皿のひまわりを作り、夏の季節感を味わう
用意するもの
- 紙皿 1枚
- 茶色の折り紙 1枚
- 黄色のペン
- えんぴつ
- のり
- はさみ
作り方
<実習生さんの事前準備>
- 紙皿の縁を黄色のペンで塗り、花びらの形に切っておきます。
<子どもといっしょに行う工程>
活動の流れと援助のポイント
①準備
子どもたちの人数分の材料を用意しておきましょう。
②導入
ひまわりが出てくる絵本を読んだり、手遊びをしたりするとよさそうです。戸外にお散歩に行き、実際のひまわりを見てみるのも盛り上がるかもしれませんね。
③製作
材料を配り、実際にひまわりを作ってみましょう。「のりは譲り合って使おうね」など、事前にお約束を決めておくのもポイントです。
④まとめ
「きれいなひまわりが咲いたね」のように声かけし、活動をまとめましょう。ひまわりを壁面に飾りつけ、夏の訪れを感じてみてもよいですね。
2.本物そっくりかき氷
ねらい
- かき氷の完成形のイメージを持って、製作することを楽しむ
用意するもの
- プラスチックカップ 2個
- 赤色、黄色、白色の絵の具
- プラスチックのスプーン 2個
- ティッシュペーパー 1枚
- ビニール袋 1袋
- 綿 適量
- 水
- 水のり
- はさみ
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.赤色の絵の具と水をカップに入れ、よく溶いておきます。
2.ビニールに水のりと黄色、白色の絵の具を入れ、よく混ぜ合わせます。
<子どもといっしょに行う工程>
1.プラスチックカップに綿を入れ、ティッシュをその上にちぎって乗せます。
2.全体的に形を整え、赤色の絵の具をまんべんなくかけます。
3.水のりと黄色、白色の絵の具を入れたビニール袋の先を切り、練乳に見立てて(2)の上にかけます。
4.(3)の横にプラスチックのスプーンを置き、よく乾かしたらできあがりです。(詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
材料を人数分用意し、机の上にシートを敷いておきます。保育学生さんが事前に見本を作っておき、グループに一つずつ置いておくとスムーズでしょう。
②導入
「ガリガリかき氷」など、かき氷がモチーフの童謡を取り入れてみるとよさそうです。また、おやつにかき氷を食べて、その後に行ってみても楽しめるかもしれませんね。
③製作
工程数が少し多いため、一つの作業が終わったら次の材料を配るなど工夫をしましょう。
緑色や青色などさまざまな絵の具を用意し、子どもが好きなかき氷を作れるようにしてみてもよいですね。
④まとめ
できあがったら「おいしいかき氷ができたね」のように声かけして、子どもたちといっしょに達成感を味わいましょう。
窓際などに飾りつけ、眺めて涼を取ってみてもよさそうです。
3.バブルアートで作るお魚
ねらい
バブルアートを通して、多様な色のつき方を味わいながら製作する
用意するもの
- シャボン玉液 適量
- 紙皿 1個
- 目玉シール 適量
- 青色の水彩絵の具
- 割り箸 1膳
- 画用紙 1枚
- ストロー 1本
- はさみ
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.青色の水彩絵の具とシャボン玉液を紙皿に入れ、よく混ぜます。
2.画用紙を魚の形に切り取っておきます。
<子どもといっしょに行う工程>
活動の流れと援助のポイント
①準備
絵の具で周りが汚れないように、机にシートを敷いたりふきんを置いたりしておきましょう。
色をつけた魚を乾かせるように、窓際に新聞紙を敷いておくのもよさそうです。
②導入
魚が出てくる絵本や紙芝居を読み、子どもを引き付けてみましょう。
また、導入としてシャボン玉を戸外で行い、「今度はこれでお絵かきしてみようね」と声かけするのもよいですね。
③製作
シャボン玉液を子どもが飲んでしまわないように、「飲んだらバツだよ」としっかり伝えてから製作を始めましょう。
乾いたらシールやデコレーションボールなどで飾りつけ、好きなデザインの魚を作ってみてもよいですね。
④まとめ
作り終わったら壁面に飾ると、子どもは頑張って作った達成感を味わえるでしょう。魚をいくつも飾って、室内水族館を作ってみてもよさそうです。
7月の保育実習に使える製作:4歳児・5歳児向け
最後は、4歳児や5歳児クラスで行える製作遊びを解説します。
1.手作りせっけん
ねらい
- 手作りせっけんの製作を通して、貝殻や石のきれいな見た目を楽しむ
用意するもの
- 貝殻や石 適量
- MPソープ 100g
- 牛乳パック 1個
- 紙コップ 1個
- 電子レンジ
- 軍手
- カッター
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.牛乳パックの底部分を5㎝くらいカットし、MPソープを30g入れます。
2.700Wの電子レンジで(1)を15秒加熱し、固まるまで待ちます。
<子どもといっしょに行う工程>
1.固まったMPソープの上に、貝殻や石などを並べて置きます。
2.残ったMPソープを溶かし、保育学生さんが(1)の上から注ぎます。
3.(2)が固まるまで待ちます。
4.周りの牛乳パックを破り、せっけんを外したらできあがりです。(詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
人数分の牛乳パックが必要になるので、事前に保護者にお願いをしておいたり、自分で取っておいたりしましょう。
ビー玉やビーズなど、さまざまな材料を用意しておけば多様なせっけんができあがりそうですね。
②導入
戸外活動として子どもといっしょに海岸に行き、貝殻や石を拾って「これでせっけんを作ってみよう」と声かけするとよいでしょう。
近くに海岸がないときは保育学生さんが貝殻などを用意し、見本を見せて「今からきれいなせっけんを作ろうね」と声かけするとよさそうです。
③製作
子どもがやけどをしてしまわないように、保育学生さんがMPソープを扱うようにしましょう。
着色料を少量入れて、色つきのせっけんを作ってみても盛り上がりそうですね。
④まとめ
作り終わったら子どもの手に乗せて、せっけんの質感や見た目を間近で楽しんでもらいましょう。
透明の袋に入れ、記念として持ち帰れば保護者もよろこんでくれるかもしれませんね。
2.折り紙のひまわり
ねらい
- 折り紙でひまわりを作ることで、手指の動きを養う
用意するもの
- 黄色、茶色、緑色の折り紙 各1枚
- のり
作り方
<実習生さんの事前準備>
- 人数分の折り紙をそれぞれ用意します。
<子どもといっしょに行う工程>
1.黄色の折り紙を半分に折って広げ、両端を真ん中の折り目に合わせて折ります。
2.(1)を縦にしてから半分に折って広げ、再度両端を真ん中の折り目に合わせて折ります。
3.(2)の折った部分を開き、つぶしながら折ります。四隅をひらき、つぶしながら折ります。
4.4つの四角の両端を折り目に合わせて折り、外側へ開きながら折ります。
5.(4)で開いたそれぞれの角の中心を、外側に向かって開きます。
6.黄色の先端部分を、内側へ向かって折り込みます。
7.茶色の折り紙を縦横に半分に折り、開きます。
8.角を中心に向かって折ります。続けて2回、角を中心に向かって折ります。
9.(8)を(6)の中に入れ込み、ひまわりの花の形に整えます。
10.緑色の折り紙を4つにカットし、そのうちの1枚を、色がついている方を上に置きます。
11.(10)を三角の形に折ります。
12.右の端を頂点に合わせて折ります。
13.(12)を下にし、下から上に半分に折ります。再度半分に折って、(11)の形に戻します。
14.折り目をもとに、蛇腹に折って広げます。折り目を下にし、先端がとがるように少し折ります。
15.(14)の部分を残したまま、角を裏側に折って葉の形に仕上げます。
16.(9)に(15)を貼りつけ、できあがりです。(詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
人数分の折り紙を用意して、子どもがスムーズに製作に取り掛かれるようにしておきましょう。
事前に保育学生さんがひまわりを作り、グループごとに見本として置いておけば、子どもは完成形のイメージを持ちながら作成することができそうです。
②導入
ひまわりが出てくる歌を歌ったり、絵本を読んだりして子どもを引きつけましょう。また、「夏に咲く黄色いお花は何かな」のようにクイズを出してみてもよいですね。
③製作
複雑な工程の部分もあるため、子どもの近くで見守る保育学生さんと、前で説明する保育学生さんをそれぞれ決めておきましょう。
うまくできないところは保育学生さんが子どもの手を持ち、いっしょに折るとよいかもしれません。
④まとめ
作り終わったら「ひまわりがたくさん咲いたね」のように声かけして、子どもといっしょに完成をよろこびましょう。
それぞれを糸でつなげ、ひまわりモビールを作ってみても盛り上がりそうです。
3.ポンポンアイス
ねらい
- ポンポンアイスの製作を通して、夏の風物詩を理解する
用意するもの
- オレンジ色の画用紙 1枚
- ピンク色、白色、青色のフラワーペーパー 各1枚
- 輪ゴム 3本
- 茶色のペン
- テープ
- 接着剤
- はさみ
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.人数分の材料を用意します。
2.ピンク色、白色、青色のフラワーペーパーを折りたたみ、輪ゴムで中央を留めておきます。
<子どもといっしょに行う工程>
1.オレンジ色の画用紙にペンでしましま模様を書き、コーンの形に丸めます。
2.(1)をテープで留め、上のはみ出した部分を切り取ります。
3.折りたたんだフラワーペーパーの端をそれぞれ切り、開いて花の形に仕上げます。
4.(2)の上にピンク、白、青のフラワーペーパーを順番に乗せ、接着剤で固定してできあがりです。(詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
人数分の材料を用意し、子どもがスムーズに製作できるようにしておきましょう。
さまざまな色のフラワーペーパーを揃えれば、子どもたちは自分の好きな味のアイスクリームを作れますね。
②導入
「アイスクリームのうた」を歌ったり、「もりのアイスクリームやさん」の絵本を読んだりするとよさそうです。
子どものアイスクリームへの期待感を高めた状態で、製作に移るとよいかもしれませんね。
③製作
「はさみを友だちに向けない」など、お約束の確認が終わったら製作に入ります。
うまくフラワーペーパーを広げられない子どもがいるときは、保育学生さんが近くで援助するようにしましょう。
④まとめ
製作が終わったら、「おいしそうなアイスクリームができたね!」のように声かけをしましょう。
おままごとでアイスクリーム屋さんを開いて、できあがった製作物を並べてみてもよいかもしれませんね。
7月の製作遊びを保育実習に活かそう!
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今回は、7月の保育実習にぴったりな製作遊びを紹介しました。
0歳児や1歳児クラスでは指スタンプをしたり吹き絵を行ったりなど、簡単なアイデアを取り入れてみましょう。
2歳児クラスや3歳児クラスではバブルアートなど、子どもが新しい体験をできるアイデアを選ぶとよさそうです。
一方、4歳児クラス・5歳児クラスではポンポンアイスや折り紙など少し難しいアイデアを取り入れれば、子どものチャレンジ精神を育めるかもしれませんね。
保育学生さんはここで紹介したアイデアを参考に、7月の保育実習に製作遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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