新卒1年目の時点で、転職を考えている保育士さんもいるでしょう。勤務年数が浅いことでマイナスな印象になるのではと気にする方もいるかもしれませんが、転職理由をポジティブなイメージで伝えるよう工夫すれば、前向きな姿勢を評価してもらえるかもしれません。今回は、新卒1年目の方が転職をする際のリスク、転職先の選び方を紹介します。
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■目次
新卒1年目での転職は厳しい?
新卒入社から1年以内での転職は、厳しいのでしょうか。
結論からいうと、転職自体は可能です。
しかし、さまざまなリスクを抱えるという認識が必要です。
そのリスクを考慮したうえでも新卒1年目での転職に挑戦したいのかどうか、しっかりとこの記事を読んで考慮しましょう。
新卒1年目の保育士が転職する場合のリスク
まずは、保育士さんが1年目で転職する場合のリスクについてみていきましょう。
経験・スキル不足により年収が下がる可能性がある
まず懸念として挙げられるのが、給料の面です。
転職の際に企業が求職者のどの部分を見るかというと、経験やスキルでしょう。ほとんどの場合、その程度に応じた給料を提示してきます。
新卒1年目では、やっと保育の基礎を習得し終えた段階である場合がほとんど。そこからの育成コストを考えると、必然的に給料は低くなってしまいます。
新卒での初任給は、その後長く働いてほしいという気持ちも込めて高めに設定されていることもあります。転職したはいいけれど、前職よりも待遇面でかなり妥協が必要になるということがあるかもしれません。
給料の低さを理由に転職を考え始める人も多いと思いますが、安易に転職をするのはあまり賢明ではありませんね。
希望条件に該当する求人を見つけにくい
園が中途採用をする際は、欠員募集であったり、園数の拡大が理由として挙げられます。その際、多くの場合は明確な経験やスキルを求めているといえます。
だからこそ、求職者側がさまざまな希望条件を提示するのと同様に、園側の求める人材像も新卒時より明確で限定的になっているでしょう。
今住んでいる場所から通えるところで、自分の希望条件にあてはまる園というだけでもかなり絞られてしまいますが、さらに自分が園側のニーズに応えられるかという点を考えると、かなり難しいかもしれません。
すぐに辞めるのではと懸念を抱かれやすい
新卒で入社した園を辞める理由にもよりますが、転職先の園でもすぐ辞めてしまうのではという懸念は抱かれやすいでしょう。
なぜなら転職先があなたの社会性を判断する材料が前職での経験しかないためです。
新卒1年目の保育士が転職しようか悩んだら
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新卒1年目で転職をするリスクについて紹介しましたが、転職した方がいいかどうかは人それぞれケースによるでしょう。まずは、本当に転職すべきかを考えてみましょう。
転職すべきケースとそうでないケースを紹介します。
転職した方がよいケース
事前に聞いていた内容と違う
保育士の場合、仕事のメインは保育。「こういう保育士になりたい」「こういう保育をしたい」という意思が叶わないのであれば、辞めた方がよいでしょう。
就活時に聞いていた仕事ができないのであればなおさらです。
また、保育観だけでなく労働環境の面も、事前に聞いていた内容と違うのであれば離職を検討してもよいかもしれません。
上記内容については、入職前にあらかじめ園側から提示され、それに納得して内定を承諾するという契約を取り交わしていることがほとんど。
園側に改善を求めても変化がないのであれば、入社1カ月で辞めても、問題ないといえます。
精神的・身体的に強く追い詰められている
日常的に強い口調で詰められる、物を投げられるなど、精神的・身体的に追い詰められている場合は、一刻も早くその職場から離れた方が賢明です。
特に精神に影響が及んでいる場合、職場環境を変えずして改善することは難しいでしょう。
追い詰めてきた人が異動になったり、自分が違うクラスの担当になったりしても、ふとした瞬間に思い出し、ストレスを感じ続けてしまう可能性が高いです。
転職をふみとどまった方がよいケース
仕事にやりがいを感じない・つまらない
仕事にやりがいを感じない・つまらないという状態の場合、今の園でやりがいを感じるにはどうすればいいか、面白さを見出すには何ができるか、と考えた方がよさそうです。
入社1年目は基礎を学ぶ場面が多くあります。自分らしい保育がしたいと思って入社しているでしょうから、退屈に感じてしまうのも無理はありません。しかし、その基礎がなければ応用はできないものです。
もうしばらく基礎的なことを体得し、基礎を応用した保育ができるようになると、やりがいを感じ、仕事を楽しめるかもしれません。
入社1年目の時点では、まだ「仕事にやりがいを感じない・つまらない」と判断するには早いでしょう。
入社後に周りからよくない話(噂・悪口)を聞いて嫌になった
わくわくして入社したのはいいですが、入社後に園についてのよくない噂や同じ園で働く保育士さんの悪口を周りから聞いてしまい、急に嫌に感じてしまうケースもあるようです。
その場合も、すぐに辞めるという選択肢を選ぶのは避けた方がよいかもしれません。
その噂の出所がどこかにもよりますが、多くの場合は当事者ではなく、関係もない人でしょう。実際には噂や悪口とは全く異なっていたということがよくあります。また、噂や悪口の場合、元の話から尾びれがついて全く違う意図の話になっている可能性もあります。
仕事を辞めるということは、人生において大きな決断です。人から聞いたことではなく、自分が実際に体験して感じたことを信じましょう。
新卒1年目だけど転職をしたい!失敗しない職場の選び方
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前述の内容を理解したうえで転職を決意した方もいるでしょう。こちらでは、失敗しない転職先の選び方を、重視する項目別に紹介します。次こそは失敗したくないという思いが強いはず。ぜひ参考にしてくださいね。
労働条件を重視する方は
前の職場で残業が多く身体を壊してしまった、思ったように有休が取れずストレスの元になったなど、労働条件が原因で転職を検討し始めたという方は、求人票の以下の項目をしっかりと確認するとよいでしょう。
- 休日/休暇
- 残業時間(月平均)
- 有給取得率
上記の項目は、数字で記載されていることがほとんどです。よって、複数の園を比較検討しやすいでしょう。
職場環境を重視する方は
人間関係が原因で転職を検討し始めたという方は、園に直接足を運んだり、園の担当者と直接話をしたりと、オンラインではない直接のコミュニケーションを図るのが良いかもしれません。
園の詳細な雰囲気や働いている職員さんたちの人柄は、求人票やホームページからはわかりにくいもの。写真はあくまでも写真で、受け取れる情報には限りがあります。
不安に思うからこそ、自分の目で見て体感して不安を払拭しましょう。
園見学に行くのが難しい場合は、保育士専門の転職フェアに参加してみるのもよいですね。
合同説明会のように多くの法人が一堂に会しているので、1日で複数の園と効率的にコミュニケーションを取れます。
保育方針を重視する方は
思っていた保育方針と違う…ということから転職を検討し始めた方も、実際に園に足を運び、保育の様子を見学させてもらうのがよいでしょう。
保育士と子どもとのコミュニケーションを間近で確認でき、「掲げている保育観が実際に保育にも反映されている」ということも分かるでしょう。
可能であれば保育の体験もさせてもらえるとよいですね。自分とその園との保育観のマッチ度が確認できそうです。
新卒1年目で転職…不安な方は就活のプロを味方に!
一般的に新卒1年目での転職は早いと感じられがちです。一方、転職したい理由によってはいち早く本格的に転職に向けて動き出した方がいいということも。
自分の状況を冷静に分析しながら、よりよい選択ができるとよいですね。
人生は一度きり。後悔しないようにしましょう。
ただし、転職をすると決めたとしても、初めてのことばかりで不安がともなうでしょう。そんなときは、ぜひ「保育士バンク!新卒」のサービスを活用してください。
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