保育園の自己紹介は子どもたちとの信頼関係を築き、保護者の方に安心感を持ってもらうための大切な機会。今回は、入園式や参観日、懇談会などに使える自己紹介の例文をお届けします。保護者向け・お便り・子ども向けの3つのシーンに分けて、「よい例」「NG例」をまとめたので、担任挨拶に悩む新卒の保育士さんも参考にしてみてくださいね。
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保育園での自己紹介の例文をチェック!
保育園での自己紹介は、保護者・子ども・職員との関係づくりの第一歩。
保育士さんは入園式や懇談会、参観日などさまざまな場面で自己紹介を求められることがあるでしょう。
なかには以下のような悩みを抱き、人前で自己紹介をすることに苦手意識がある方もいるかもしれません。
特に新人保育士さんにとっては、初めての経験で戸惑うこともありますよね。
しかし、自己紹介のコツや例文を確認し、しっかり準備をすれば、自信をもって挨拶ができそうです。
まずは、保護者向けの自己紹介のポイントや例文について見ていきましょう。
【保護者向け】保育園での自己紹介のポイントと例文
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自己紹介のポイント
保護者の方への自己紹介は、初めてお会いする方も多いでしょう。
以下のポイントを押さえ、担任として安心感を持ってもらえる挨拶を心がけましょう。
簡潔でわかりやすい言葉を選ぶ
自己紹介が長すぎたり難しい言葉を使ったりせずに、簡潔でわかりやすい言葉を選ぶようにしましょう。
また、話すスピードも大切です。早口になりすぎず、ゆっくりと落ち着いた口調で話すことを意識するとよさそうです。
抱負を伝える
自己紹介で「どのような気持ちで子どもたちと関わるのか」「保育をするうえで大切にしていることは何か」などの抱負を伝えます。
具体的な抱負を話すことで、真面目な人柄が伝わり、これからの園生活について、安心感を持ってもらえるでしょう。
明るく丁寧な話し方で親しみやすさを大切にする
表情や話し方を工夫し、明るく親しみやすい雰囲気で話すようにしましょう。基本ではありますが、笑顔で挨拶することが重要となります。
また、「お子さんの成長をいっしょに見守っていきたい」「気になることがあればいつでもご相談ください」といった一言を添え、頼れる存在であることを伝えられるとよいですね。
言葉遣いに注意しながら、「この先生が担任でよかった!」と思ってもらえるよう、心を込めて挨拶しましょう。
自己紹介のよい例文
続いて、自己紹介のよい例文を紹介します。
例文1
はじめまして。このたび△△組の担任を務めることになりました〇〇(名前)と申します。
これから、△△組の子どもたちと過ごせることを心よりうれしく思っております。
子どもたちが保育園でのびのびと楽しく過ごせるよう、気持ちをしっかり受け止めながら関わることを大切にしていきたいと考えています。
また、子どもたち一人ひとりのペースに合わせた関わりを心がけていきたいと思いますので、何か不安なことがあれば、お声がけください。
これからお子さんの成長を共に見守り、精一杯サポートしたいです。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
例文2
はじめまして。△△組の担任を務めます〇〇(名前)です。
子どもたちに「保育園って楽しい!」と思ってもらえるよう、安心できる環境をつくりたいと考えています。成長を感じる瞬間を大切にしながら、一人ひとりに寄り添った保育を心がけたいです。
また、お子さんの成長を保護者の皆様と共に見守りながら、笑顔あふれる園生活を過ごせるよう、努めていきます。何か心配事がありましたら、いつでもお声がけください。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
例文3
はじめまして。△△組の担任になりました〇〇(名前)です。
これから子どもたちといっしょに楽しいことやうれしいこと、悲しいことなど、さまざまな気持ちを共有して、信頼関係を築いていきたいと考えています。
また、子どもの小さな変化や成長を見逃さず、その気持ちに寄り添いながら、一日一日を大切に過ごしていきたいです。
皆様とお子さんの成長をいっしょに見守っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。気になることがあれば、いつでもご相談ください。
自己紹介で避けるべき例文
続いては、自己紹介の避けたほうがいい表現の例文を紹介します。
こんにちは!△△組の担任の〇〇(名前)です。子どもと遊ぶのが大好きで、毎日楽しく過ごせたらいいなと思っています!まだまだ勉強中ですが、これからよろしくお願いします。みなさんと仲よくできたらうれしいです!わからないことがあったら、何でも聞いてくださいね。
このような自己紹介は、フランクすぎて保育方針を具体的に伝えていないことから、保護者の方が不安を抱きそうです。
また、『まだまだ勉強中』などと経験が少ないことを伝えてしまうと、「先生は子どもと関わることに慣れていないのでは?」と戸惑ってしまう方もいるかもしれません。
『至らないこともあると思いますが、精一杯サポートしていきます。』などという、謙遜しながらも、前向きな言葉を述べるとよいでしょう。
言葉選びや口調に気をつけて、自己紹介を考えてみてくださいね。
【お便り】保育園での自己紹介のポイントと例文
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保育園の「お便り」で自己紹介をするときは、直接お話しする場面とは違い、文章だけで自分の人柄や保育の方針を伝えることが大切です。
以下のポイントを押さえ、温かみのある言葉で文章をまとめられるとよいですね。
自己紹介のポイント
読みやすさを意識する
お便りは多忙な保護者の方が読むことを考え、長すぎる文章は避け、簡潔でわかりやすい表現を心がけましょう。
長い文章が続くと読みづらくなるため、適度に区切ることが大切です。
丁寧な言葉遣いを心がける
文章では表情や声のニュアンスが伝わりにくいため、言葉の選び方が大切です。
また、話し言葉のように砕けすぎず、堅苦しくなりすぎないように気をつけることもポイントになります。
例えば、「頑張ります!」といったフランクな表現よりも「一生懸命努めてまいります」などといった言葉を選び、誠実さを表現できるとよいですね。
自分の似顔絵のイラストを添える
お便りには文章だけでなく、手書きの似顔絵を添えることで親しみやすさが伝わるでしょう。
ほのぼのとしたイラストがあると、先生の雰囲気が伝わりやすく、保護者の方にも温かみを感じてもらえるかもしれません。
以下のようなイラストを参考にしてみてくださいね。
自己紹介のよい例文
続いて、自己紹介のよい例を紹介します。
お便りで自己紹介をするときは、時候の挨拶を添えたうえで記載することが多いかもしれません。時候の挨拶をふまえた例文をまとめました。
例文1
春風が心地よく、草花が色づく季節となりました。
今年度より△△組の担任を務めます〇〇(名前)と申します。
子どもたちが毎日安心して過ごせるよう、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら関わっていきたいと考えています。また、子どもたちの「やってみたい!」という気持ちを大切にし、挑戦する楽しさをいっしょに感じられる保育を目指していきます。
保護者の皆様とも、お子さんの成長を共有しながら信頼関係を築いていければと思います。何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。どうぞよろしくお願いいたします。
例文2
ぽかぽかとした陽気に春の訪れ、新年度が始まりました。
このたび□□保育園に着任し、△△組の担任を務めることになりました〇〇(名前)です。これまで〇年間、乳児・幼児保育を担当してきました。
これから遠足やプール遊び、運動会など、さまざまな行事を子どもたちと楽しみながら、一人ひとりの成長を温かく見守っていきたいと考えています。
子どもたちが「自分らしく安心して過ごせる場」を大切にし、のびのびと成長できる環境づくりを心がけたいです。
1年間、お子さんの成長を保護者の皆様と共に支えながら、充実した園生活が送れるよう努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
例文3
春の訪れとともに、新しいクラスでの生活がスタートしました。
今年度より△△組の担任を務めることになりました〇〇(名前)です。これまで〇年間、保育士としてさまざまな年齢の子どもたちと関わってきました。
新しい環境に緊張している子もいますが、少しずつ好きな遊びを見つけたり、お友だちや保育者との関わりの中で笑顔を見せたりする姿が増えてきています。
子どもたちが新しい生活に慣れて、安心して自分を表現できるよう、一人ひとりの気持ちやペースを大切にしながら関わっていきたいと思います。
お子さんの体調やご家庭での様子など、気になることがあればいつでもお知らせください。1年間、保護者の皆様とも連携しながら、子どもたちの成長を支えていければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介の避けるべき例文
続いては、自己紹介の避けるべき表現例文を紹介します。
春になり、新しいクラスが始まりました。このたび□□保育園に配属されました、◯◯(名前)と申します。私は昔から子どもが大好きで、保育士になるのが夢でした。休日はカフェ巡りが趣味で、最近は◯◯というお店にハマっています。微力ながら精一杯努力してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします
まず、「配属されました」という言葉は事務的で冷たい印象を与えそうなので、「担任を務めることになりました」などと言い換えるとよいでしょう。
また、個人的な趣味を記載し、保育に関する想いや目標を伝えていないため、園生活に不安を抱く保護者の方もいるかもしれません。
趣味についてふれる場合は、「子どもたちとの活動につながるような内容」にするとよいでしょう。(例:絵本が好きなので子どもたちとのやり取りを楽しみながら、読み聞かせの時間を大切にしていきたいと思っています。)
【子ども向け】保育園での自己紹介のポイントと例文
新しい生活がスタートして緊張したり、不安を抱いたりする子もいるかもしれません。
以下のポイントを押さえて、担任挨拶を行い、明るく楽しい雰囲気をつくることができるとよいですね。
自己紹介のポイント
自己紹介の導入部分を工夫する
子どもたちに自己紹介を聞いてもらうためには、興味を引くような導入を取り入れることが大切です。
いきなり「〇〇先生です。よろしくね!」と話し始めるのではなく、手遊びやスケッチブックシアターなどを交え、子どもたちの関心を引きつけましょう。
【導入例:手遊び】
定番の「はじまるよ」の手遊びは、「手はおひざ~♪」という歌詞で終わるため、お話を聞く姿勢をつくることができるでしょう。
子どもたちがワクワクするように元気よく、笑顔で歌ってみてくださいね。(詳しい歌詞はこちら)
【導入例:スケッチブックシアター】
スケッチブックシアターでシルエットクイズを取り入れると子どもたちの興味を引くことができそうです。
「みんなはどんな動物に会ったことがある?」「先生は家に猫がいるんだよ」などと話し、そのまま自己紹介につなげてもよさそうですね。
親しみやすい言葉で話す
難しい言葉は避け、子どもたちがわかりやすい表現を使いましょう。また、笑顔を大切に、明るく優しいトーンで話すことを心がけましょう。
自身の好きなものを紹介する
「〇〇先生は〇〇が大好き!」と、自分の好きな食べ物や遊びを伝えると、子どもたちが「ぼくも!」「わたしも!」と共感し、会話が広がるきっかけになるかもしれません。
好きなものを共有すると、子どもたちとの距離がぐっと縮まり、「先生ともっと話してみたい!」「いっしょに遊びたい」という気持ちを抱いてくれそうです。
自己紹介のよい例文
続いては、自己紹介のよい例文を紹介します。
子どもに興味を持ってもらえるよう、製作した作品を紹介したり、身体を動かしたりしながらやり取りを楽しめるとよいですね。
例文1
みなさん、こんにちは!〇〇先生だよ。
先生は〇〇のキャラクターが好きでたくさん持ち物につけています。(持ち物を見せて紹介する)
他にも絵本を読んだり、外で追いかけっこをしたりするのも大好きです! みんなはどんな遊びが好きかな?
これからたくさん遊んで笑って、楽しい毎日にしようね!
例文2
こんにちは!〇〇先生です! 〇〇先生は、お絵描きや折り紙が大好き! みんなといっしょに、たくさん楽しい作品を作りたいと思っています。先生が作ってきた作品を見てね。(作品を見せて紹介する)
それから、動物も大好きで、特にうさぎさんが好きなんだ! みんなはどんな動物が好き?
これからみんなとお話ししたり、遊んだりできるのを楽しみにしているよ。 どうぞよろしくね!
例文3
みなさん、はじめまして!〇〇先生だよ。先生はお外で元気に遊ぶのが大好き! すべり台やブランコも好きだし、それからジャンプも得意だよ。
とっても高くジャンプしてみるから、見ていてね。できたら拍手してほしいな。(ジャンプしてみる)
(拍手)ありがとう!
そして、先生の好きな食べ物があります。ケチャップがたっぷりのったオムライスが大好き!みんなはどんな食べ物が好きかな?これからたくさん教えてね。
今日からみんなと遊べることが楽しみです。これからよろしくね。
自己紹介の避けるべき例文
続いては、自己紹介の避けたほうがいい表現の例文を紹介します。
はじめまして、先生の名前は〇〇といいます。これから楽しく過ごそうね。よい思い出を作りましょう。
このような自己紹介は、言葉がそっけなく、具体的ではないため、子どもたちに淡々した印象を与えてしまいそうです。
「先生は〇〇の遊びが好きだよ!みんなはどんな遊びが好きかな?」などと伝え、子どもとのやり取りを楽しめるように工夫するとよいでしょう。
保育園での自己紹介例文を参考に挨拶を考えてみよう
保育園での自己紹介は準備が大切です。
「人前に立てば、自然に自己紹介ができるはず……」と思っていても、当日になると緊張して、なかなか言葉が出てこない保育士さんもいるかもしれません。
事前にどのような内容を話すべきかを考え、動画を取って表情を確認したり、繰り返し練習したりしてみてくださいね。
また、お便りで自己紹介するときは温かな文章を意識して、書き方を工夫してみるとよいでしょう。
今回紹介した例文を参考に、入園式や懇談会、参観日などの自己紹介を考えてみてくださいね。
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