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新卒保育士必見!「敬語」の基本

新卒保育士も理解しよう!「敬語」の基礎


就職活動では様々な目上の社会人と接する機会が出てきます。大抵の企業は皆さんの一挙手・一投足に目を凝らし、皆さんが新入社員として入社し、会社の看板を背負って活動するのに相応しい人間であるか否かを見極めようと必死です。


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もちろん、マナーや敬語の些細な間違いは気に病むことはありませんが、その後社会に出ることを考えるときっちりと敬語の使い分けを押さえておくことは大事です。



押さえておきたい基本的な敬語一覧


保育士も社会人の一員。子どもだけでなく様々な大人と接する機会も増えます。社会人の一員として押さえておきたい敬語をまとめてみました。


◯動詞の敬語一覧


まずは基本的な動詞の敬語一覧をご紹介します。動詞の後に尊敬語・謙譲語・丁寧語の順に記載します。


「言う・話す」(おっしゃる・申し上げる・話します)

「見る」(ご覧になる・拝見する・見ます)

「聞く」(お聞きになる、うかがう、聞きます)

「行く」(いらっしゃる、うかがう、行きます)

「する」(なさる・いたす・します)


読む(お読みになる・拝読する・読みます)


◯名詞の敬語一覧


次に名詞の敬語一覧をご紹介します。就職活動の面接の場などでよく用いると名詞の後に、尊敬語と謙譲語の順に記載します。


「会社」(御社・弊社)

贈り物(お心尽くしの品・心ばかりの品)

手紙(お手紙・手紙)

名前(お名前・名前)

考え(ご高見、私見)


なお、会社の尊敬語は「御社」としましたが、これは話し言葉で相手の会社を敬う場合に用います。

履歴書などで書き言葉として相手の会社を敬う場合は「貴社」という表現を用います。これは口頭で「キシャ」といった場合、同音異義語(記者、汽車、帰社など)が多く、混乱するため、口頭では「御社」を用いるとされています。


◯使ってはいけない「敬語一覧」


就職活動では面接官などと頻繁にコミュニケーションをとる機会があります。

その時に用いてはいけない言葉に相づちに使われる「なるほど」「そうですね」と謝罪の際に用いられる「すみません」という言葉です。わたしたちが日常的に用いる言葉でも、就職活動で用いるのには適していません。

「なるほど」や「そうですね」は、あまり失礼に聞こえないこともあって、無意識のうちに使う就活生が後を絶ちません。就職活動の場での相づちは「はい」が適当でしょう。


また、どんな問いかけに対しても、相づちは「はい」が適当です。「そうですね」を用いないように気を付けましょう。


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謝罪時に用いられる「すみません」も就活時には使えません。

本来「すみません」は親しい間柄で用いる言葉ですので、「申し訳ございません」が正解です。また、「すみません」という言葉は感謝を示すシーンでも用いられます。これも適当ではありません。感謝を示す時は「ありがとうございます」を用いましょう。


相手にお願いをする際に、「すみません...して頂けますか?」という表現を用いる人も少なくありません。これも誤用です。相手にお願いをする際は、「恐れ入りますが...」を用いましょう。



敬語と混同しやすい丁寧語

◯敬語を使っているつもりでも...


「最近の若者は敬語がなってない!」という年輩の人の声をよく聞きます。そのように叱られなかったとしても、「敬語に自信がありますか?」と問われて、自信をもって「はい」と答えられる人は現実問題として少ないのではないでしょうか。


子どものように友人や家族とだけコミュニケーションをとっていれば敬語は必要ないかもしれませんが、大人になり様々な立場の人とコミュニケーションをとるようになると、敬語は必須になってきます。それでは、そもそも敬語とはどのようなものでしょうか?


◯敬語と丁寧語を混同してはいけない


敬語とは「聞き手や話題にのぼっている物事に対する、話し手による対人関係のわきまえ、特に敬意・へりくだりなどの気持ちを表す言葉づかい。また、そのための特別な言葉」とされています。

「丁寧に話していれば敬語になるのでは...」と考えている人もいるかもしれません。確かに丁寧に話すことも敬語の一つですが、それだけでは十分ではありません。敬語には大きく分けて3つ、細かく分類すると5つの種類があります。


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現在、敬語は尊敬語・謙譲語・丁重語・丁寧語・美化語の5つに分類されています。

丁重語(謙譲語とは異なり動作の受け手が不在でも良い)は謙譲語の派生型、美化語(文法的に敬語でなくても、聞き手に対する配慮がある)は丁寧語の派生型として、3つの分類(尊敬語・謙譲語・丁寧語)で説明されることもあります。


◯敬語における丁寧語の特徴


聞き手が話し手よりも上位である場合に使われるのが丁寧語です。聞き手に対する配慮を表すもろもろの語も丁寧語に含める場合があります。敬語としての丁寧語は同僚や同格の知り合いが聞き手である場合に用いられます。

また、丁寧語に含まれる言葉の中には「美化語」というものがあります。これは話者が聞き手に上品な印象を与えるために使う語のことで、文法的に見て敬語とは言えませんが、聞き手に対する配慮を示しているということで敬語に準じるものとされます。


◯敬語と丁寧語の違い


尊敬語と丁寧語にはどのような違いがあるのでしょうか。尊敬語は話の中の登場人物を尊び、高めて言う、という特徴があります。

話題中の動作や状態の主体が書き手・話し手よりも上位である場合に使われるのが尊敬語です。一方、丁寧語はその話を聞いている人に配慮するというニュアンスが強いという点で、尊敬語と異なります。


◯謙譲語と丁寧語の違い


一方、謙譲語と丁寧語にはどのような違いがあるのでしょうか。謙譲語は動作の主体に対し用い、動作の主体をへりくだすことで、動作の客体を相対的に上位に位置づけられます。


一方、丁寧語は動作の主体のみならず、動作の客体に対しても用いられるという点で謙譲語とは異なります。



敬語を勉強するのにおすすめの本


敬語変換表や敬語に関する注意点など、ネットには多種多様な情報があふれています。どの記事も似たり寄ったりで、時として情報同士が矛盾していることも...そんな時はネットの情報よりも書籍で敬語を勉強するのも一つの手です。今回はおすすめの敬語勉強本を3点ご紹介します。


◯敬語勉強本1『デキる人の敬語の正しい使い方 』


元NHKアナウンサーである半谷進彦氏が2014年に発表した敬語勉強本が『デキる人の敬語の正しい使い方 』です。

「敬語は、自分のために使うものです。」と断じる半谷氏によると敬語の目的は2つ。一つは「相手に気持ちよく動いてもらうこと」、いま一つは「自分の品位を保つこと」にあります。


自分の品位を保つのはもちろん、相手が(自分のために)気持ちよく動いてくれるために使うので「敬語は自分のため」ということになるのです。


この敬語勉強本は「敬語が待遇表現の一部である」ことを論じた後に、「人間関係、場面、話題による言葉の使い分け」について学びます。その後に「敬語の仕組み」を説明し、「注意したい言葉づかい」と「応用問題へと」展開されます。


◯敬語勉強本2『敬語「そのまま使える」ハンドブック』


駿台トラベル&ホテル専門学校ブライダル学科長でブライダル関連、接遇会話、ビジネスマナーの授業を担当している鹿島しのぶ氏が執筆した敬語勉強本が『敬語「そのまま使える」ハンドブック』です。


氏は型の大切さを訴えます。自転車に乗るのも、ジョギングをするのも、基本的な型を学ぶことで、円滑に行えます。敬語という型を習得することで、会話力やコミュニケーション力が向上し、信頼度が高まると説きます。


特徴は、挨拶、社内外の対応から電話、面接、冠婚葬祭まで、シーン別に実例を紹介しながら、「そのまま使える」良い敬語・悪い敬語を紹介している点です。


「やらさせていただきます」「よろしかったでしょうか?」「わたし的には賛成です」「全然大丈夫です」「○○の件、しってますか」「ぜひまた来てください」...これらの誤った敬語を正確に訂正できない人には、おすすめの一冊です。


◯敬語勉強本3『ちゃんと話すための敬語本』


東京大学文学部を卒業し、小説、戯曲、舞台演出、評論、エッセイ、古典の現代語訳など多彩な仕事を手がける橋本治氏が執筆した敬語勉強本が『ちゃんと話すための敬語本』です。


橋本氏は敬語を型から学ぶのではなくて、歴史や成り立ちから説明します。ただ型を記憶するのではなく、腑に落ちる形で敬語を習得できるので、その結果としてちゃんと話せるのです。


「敬語がはやらなくなったわけ」「正しく使うとへんになる敬語」「敬語は時代によって変わる」「やっぱり敬語が必要なわけ」など、小説家らしくどんどん読み進められる内容になっています。



保育士は保育園の「顔」


「大好きな子どもに囲まれて仕事をしたい」という理由で保育士になった皆さんの中には、「まさか大人とコミュニケーションをとることになるとは...」と思った方もいるかもしれません。


保育士とはいえ保育園の一員。保育士の発言が保育園の印象全体を左右することもありえます。社会人として敬語の基礎はマスターしておきましょう。

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