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企業内保育所とは。大手企業も参入する企業内保育の求人や給料など

近年増加傾向にある「企業内保育所」。または「事業所内保育所」ともいいます。 企業が従業員の福利厚生のために、施設内やその周辺に設置する保育園のことです。 保育士の就職先として検討するにあたり、知っておきたい企業内保育の特徴やメリット、給料や求人状況、実際の導入事例をご紹介します。


企業内保育所とは大手企業も参入する企業内保育の求人や給料 buritora/shutterstock.com

企業内保育(事業所内保育)とは

企業内保育所(事業所内保育所)とは、従業員が就業中に子どもを預けられるように企業(事業所)内に設置された保育施設のことです。
近年、女性の社会進出と核家族化が進み、保育所の需要が増え、保育所に入れない待機児童が増加しています。そのような状況において、育児と仕事が両立できるように保育所を社内に設置する企業が増加してきました。
さらに、政府は待機児童解消のために、「子ども・子育て新支援制度」の一環として、事業所内保育事業と企業主導型保育事業を開始しています。

出典:「子ども・子育て支援新制度ハンドブック(平成27年7月改訂版)」/内閣府

出典:「企業主導型保育事業等」/内閣府


企業型保育のさまざまな施設の種類

企業内保育は、大きく認可施設と認可外施設の2つにわかれます。


事業所内保育所(事業所内保育事業)

2015年4月から開始された「子ども・子育て支援新制度」のなかで、地域型保育事業のひとつとして登場した認可保育施設です。


認可施設である

施設の分類としては「認可保育所」で、市区町村の認可事業のため、設備や運営について各自治体が定める基準に従う必要があります。認可を受けているため、自治体から補助金が運営費として受けることができます。


地域開放型である

企業が従業員向けに設置する保育施設ですが、地域型保育の一つという事もあり、「地域枠」として地域の子ども達の受け入れ枠を設置する義務があります。
地域枠の定員は、国が定める一定の基準はあるものの各自治体によって異なります。

出典:事業者向けFAQ(よくある質問)【第6版】 3/内閣府


企業主導型保育所(企業主導型保育事業)

「企業主導型保育」は2016年に内閣府主導でスタートした取り組みで、企業が従業員向けに設置する保育施設の運営を助成する制度です。
事業所内保育所と目的は同じですが、企業主導型保育所は認可外保育所であり、事業所内保育所と違って地域枠をある程度自由に設定することができます。


認可外施設だが補助金が出る

保育施設としての分類は「認可外保育施設」になりますが、一定の条件を満たせば認可施設並みの助成を受けられることや、自治体を介さずに施設を開設できるなど、従来の企業内保育所運営と比較して企業側にメリットが多いこともあり、爆発的に数を増やしています。


さまざまな就労形態に対応した運営ができる

企業主導型保育所では、夜間・休日シフトで勤務する従業員向けの延長保育や休日保育、パートタイム従業員向けの短時間保育など、導入した企業で働く従業員の就労形態に合わせた運営をすることができます。


地域枠を自由に設定できる(単独設置型・地域開放型)

地域枠の設置を自由に設定できるため、従業員のみならず地域の子ども達を受け入れることも可能です。


複数の企業で共同設置ができる

企業主導型保育では、複数の企業が共同で保育施設を設置することができるため、設営のための初期費用の負担や、園運営にまつわるリスクを分散することができるかもしれません。


その他の企業内保育

助成金、補助金がない企業型保育所です。企業内託児所とも呼ばれています。国や自治体の助成を受けずに、企業が独自に運営するタイプの保育施設です。 「事業所内保育事業」「企業主導型保育事業」といった支援策が拡大している近年では、どちらかの施設形態に移行しつつあり、減少傾向にあります。


企業内保育所の現状とメリットデメリット maroke/shutterstock.com

企業内保育所の現状とメリット・デメリット

企業内保育所の現状

認可施設である企業内保育施設

平成27年度は150施設、平成28年度は323施設と、まだ施設数は少ないものの、徐々にその施設数を増やしています。

出典:「地域型保育事業の件数について(平成 28 年4月1日現在) 」/厚生労働省


認可外施設である企業内保育施設

平成29年度は963施設でしたが、平成30年度は1,786施設と、施設数を2倍弱ほど増加させています。

出典: 平成29年度認可外保育施設現況取りまとめ/厚生労働省


企業内保育のメリット

事業所内保育事業

事業所内保育事業のメリットは、市区町村の認可施設で一定の保育の質が保証されている点です。職員の配置基準に規定が決められているため、子ども一人ひとりとしっかり向き合う保育がしやすいといえそうです。
また、運営費は認可施設として国と自治体からの補助金でまかなわれているため、経営面でも安定していると考えられます。

出典:「子ども・子育て支援新制度ハンドブック(平成27年7月改訂版)」/内閣府


企業主導型保育事業

企業主導型保育事業のメリットは企業が、自社の従業員の働き方に応じて、多様で柔軟な保育サービスを提供することができます。
また、導入費用も助成金申請をすれば大きく負担してくれることも利点です。条件によって異なりますが、地域枠や対象年齢の規制も緩やかで、地域枠は全体の1/2まで自由に設定可能です。対象年齢の制限もありません。 運営が難しくなった場合、外部への業務委託も可能です。

出典:「1. 企業主導型保育事業の制度の概要と企業のメリット」/内閣府


企業内保育の懸念点

事業所内保育事業

懸念点となるのは、定員の一定数を地域枠にすることを義務付けられているので、従業員向けの枠が少なくなります。また、定員数が19名以下の施設は対象年齢が2歳までとなっているため、3歳以降に移行する連携先を探す「連携施設」の確保が必要になります。

出典:「事業所内保育 に関すること」/内閣府


企業主導型保育事業

認可外保育施設となる企業主導型保育事業では、認可保育園である事業所内保育よりも運営基準が緩やかなため、園によって保育の質に差があることも考えられます。

出典:事業所内保育に関すること/内閣府


企業内保育所で働く保育士の仕事内容や給料

仕事内容

企業内保育所の保育士の仕事は、基本的には一般の保育所と同様です。一般の保育所と比べて、企業内保育所は規模が小さいことが多いため、1人の保育士が担当する子どもの数も少ないことがほとんどです。そのため、ひとりひとりと接する時間に余裕を持つことができたり、細かいところにまで目を配ることもできそうです。


行事が少ない

企業内保育の仕事内容としては、一般的な保育所と比較して年中行事が少ないという特徴があります。 例えば、園庭の無い施設が多い為、運動会などの屋外で行う行事は控えめです。また、保護者運営元の企業に勤める社員の場合は、同じ日に休みを取ることが必要な保護者参観といった行事も基本的には少ないでしょう。 その為、企業内保育所で保育士として勤務する場合、行事の準備に追われて残業続き...といった場面はあまりないかもしれません。
ただし、他の待遇面と同様、企業や園によって運営スタイルは異なる為、全体的な残業時間や仕事量の多い・少ないについて一概には言えません。 前述の通り、夜勤シフトでの勤務が求められたり、保育士の配置数の規定がゆるい認可以外保育施設である為、少ない人数で仕事をこなさなければならないといった場面も想定されます。


保育のICT化

大手企業を中心に、保育現場のICT化(スマートフォンやタブレット、保育支援アプリなどを導入すること)により、従来は手作業で行っていた事務作業や保育日誌の作成・管理の負担を軽くしようといった動きがあります。こうした保育士の残業や仕事量を減らしていこう、という取り組みは企業内保育にも導入がすすんでいます。


設備

企業内保育施設は、オフィスの敷地内やその近隣に設置されますので、比較的交通アクセスが良い傾向にあります。 その一方で、そうした、オフィスビルの中や駅前といった立地の都合上、園庭が無い施設が多いでしょう。子ども達の外遊びとしては、近隣の公園を利用するケースが多いようです。


給料

認可外保育施設と比較すると条件がよい傾向にありますが、お休みと同様、企業によって異なります。 運営母体が大企業の場合には、その企業に勤める正社員と同じ水準の比較的高い給与設定になることがありますが、従業員数が少ない企業の場合、認可保育園に努める保育士の平均給与を下回ることもあります。


福利厚生など

社員として企業に採用された場合には、その企業が定める福利厚生を受けられます。 企業が直接運営せずに外部へ委託しているケースが多く、特に多くの園を運営している大手保育会社の場合には、ホテルや高級レストランの割引、保養所の利用権、専門性の高い研修の受講など、内容が豊富でしっかりしている傾向にあるようです。
就職を機に1人暮らしを考えている方は、独身寮や社宅、家賃補助といった福利厚生が充実しているかどうかをチェックしてみるとよいですね。


企業内保育所の保育士求人状況や募集待遇

求人募集の状況

大手企業の企業内保育所などはかなりの人気で、施設も小規模のものが多いため、転職などの中途採用では倍率が高く狭き門のようです。

 

新卒採用

企業内保育所の新卒採用は、企業主体で行っているため、一般の就職活動と同じ時期に行うことも多いようです。通常の保育士の就職活動のメインの期間は8月~11月と遅い時期ですが、企業内保育の会社説明会や園見学は3月から、エントリーも同時期から行っている企業もあるため、早めに情報収集や園見学などの就職活動を開始する必要があるでしょう。


企業内保育所への志望動機

保育士の志望動機の書き方

志望動機欄とは、「なぜその園(企業)で働きたいと思ったか、なぜ応募したのか」の理由を、説明する欄です。応募先の採用担当者に分かりやすく、かつ明確に伝える必要があります。企業内保育所の保育理念や、なぜ企業内に設けられているかの理由をしっかり把握した上で、志望動機にもりこむとよいでしょう。


志望動機に盛り込みたい内容例

企業内保育所の志望動機に盛り込みたい内容例として


・働く保護者の手助けがしたい
・子ども一人ひとりと向き合える保育がしたい
・きめ細やかに子どもに対応したい
・御社の企業理念に共感して、将来的にも一社員として所属したい
・地域の子どもたちにも門戸を広げていることに感銘を受けた

など、運営母体の企業の方針や、企業内保育の特色を深く把握した上で、自分がどのような保育を行いたいかに具体的に落とし込んでいきましょう。


企業内保育所への志望動機例文

貴園は、保護者の働くすぐそばに保育スペースを設け、保護者の子どもを預ける時の負担や、仕事中の不安をなくすことを理念にしておられます。そのような環境で仕事と子育てを両立する保護者の方たちの手助けがしたい、と強く感じました。特に、共働きでお子様を預ける保護者の方の心に寄り添いたい考えています。
また、保育実習では子どもの発想から遊びを作ることを心がけてきました。貴園では少人数制の保育を行っています。子ども一人ひとりの育ちをきめ細やかにサポートし、子どもの創造性をはぐくむ保育を心がけ、また職員の方と協力しながらよりよい保育を行いたいと思っております。

企業内保育事業への大手企業、中小企業の参入状況

現在、大手企業役割中小企業が続々と企業内保育事業に参入しています。
内閣府では導入した企業の事例を上げています。企業規模や導入事例と、企業内保育所がある企業の導入例一覧などを参考にして、就職活動の企業研究に生かしてくださいね。

出典:企業主導型保育事業 立ち上げ事例のご紹介/内閣府


企業内保育所への就職活動は早めに求人をチェック

増加傾向にある企業内保育所ですが、一般的な保育施設と比較すると、数は多くありません。就職先として検討したい方は、早めに求人情報をチェックしておくのがオススメです。