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保育士資格と幼稚園教諭免許の違いは?

◆資格と免許の違いと特例制度について

子どもに関わる仕事として、真っ先に思いつくのが「保育士」「幼稚園教諭」の2つではないでしょうか?

保育士資格と幼稚園教諭免許の違いは?
どちらも同年代の子どもの保育に関わる仕事ではありますが、いったいその違いはどこにあるのでしょうか。
そこで今回は「保育士と幼稚園教諭の違い」や幼稚園教諭免許取得のための「特例制度」について解説したいと思います。


◆保育士と幼稚園教諭の違い

◯保育園とは
保育園と幼稚園。
共に未就学児の通う施設ではありますが、大きな違いがあります。
保育園は仕事や家庭の事情で子どもを日中保育できない方が利用する場所です。
ですので、0歳?就学前の子どもの保育を行います。
児童福祉法にのっとり、保育時間は原則8時間以上、給食が義務化されています。
最近ではリトミックや英会話、フラッシュ暗算など、教育に強みを持たせた保育園も増えていますが、基本的は目的としては、保護者の代わりに生活の補助を行ったり、基本的な生活習慣の指導を行い、心身共に健全な子どもを育成することです。

◯幼稚園とは
対する幼稚園は、働いているのは「教諭」であり、分類でいえば学校の一つとなります。
文部科学省が管轄で、指導要綱に沿って指導を行います。
満3歳から小学校就学前の子どもが対象で、保育時間は標準4時間以上、平均すると、保育園より預かり時間は短めです。
ただし、延長保育を行う園も多いので、保育園をそう変わらないということも。
給食は任意で、毎日お弁当を持ち寄った記憶がある方も多いのではないでしょうか。
学校とはいっても教育に特化している園ばかりでなく、基本的は生活習慣を身に着けさせることが目的など、園によって方針も様々です。

◯保育士資格の管轄は、厚生労働省
保育士資格は幼稚園教諭と違い、学校で学ばなくても保育士試験に合格すれば取得が可能です。
また、保育園だけでなく子どもの保育を必要とする施設、たとえば企業内保育所や院内保育所、病棟保育士などでも活躍できますので、仕事の幅も広いといえます。
加えて国家資格であることから、取得したいと思う女性は多く、人気資格といえます。
また、男性保育士も近年増加傾向にあり、保育士資格を取得したいと考える方は年々増えています。

◯幼稚園教諭免許の管轄は、文部科学省
幼稚園教諭免許は文部科学省の管轄で、幼稚園教諭以外の教職過程と同じように、教職課程がある大学や短期大学で必要単位を修得しすることが必要となります。
そのため、保育士資格よりも取得がしづらいとされていますが、子育て新法案により、特別措置がとられたことにより、以前よりも免許取得方法の幅が広がりました。
この特別措置とは、保育士資格を取得し、保育士として3年以上の実務経験を積んだ後に幼稚園教員資格認定試験を受験し合格する方法です。
社会人で保育士資格、幼稚園教諭免許の両資格の取得を検討されている方は、まず保育士資格を取得した後に幼稚園教諭免許の取得を目指すのが最速の方法かもしれません。

◯二つの資格を所持している方は「保育教諭」と呼ばれるようになる
子ども子育て新法案によると、保育士資格、幼稚園教諭免許の両資格を取得した方は、「保育教諭」と呼ばれるようになるとされています。
また、政府が保育園と幼稚園の一元化を目指す上で今後増加が予想される「認定こども園」は、両資格が必須となっていますので、現時点で片方の資格のみを所持している場合は、もう片方の取得をオススメいたします。


◆幼稚園教諭免許取得の特例制度

幼稚園教諭免許取得について現在「特例制度」が施行されています。
平成27年度に施行された子ども・子育て支援新制度における「認定こども園制度」への円滑な移行・促進のため、平成31年度末(予定)までは、幼稚園教諭免許の取得条件に特例が設けられる、というものです。

◯通常の幼稚園教諭免許取得
通常、幼稚園教諭免許は、以下の方法で取得できます。
・指定養成施設の大学や短大等で単位を修得し、卒業と同時に取得する。
・保育士資格取得後に保育士として3年以上の実務経験を積み、幼稚園教員資格認定試験を受験し、幼稚園教諭二種免許を取得する。

上記以外には、次の条件すべてに該当される方が、 この幼稚園教諭免許取得の特例制度を利用できるようになります。

◯特例制度の対象者
1)保育士資格をお持ちの方

2)以下の該当施設にて保育士として【3年かつ4320時間以上の勤務経験】がある方
≪該当施設≫
・認定こども園
・保育所
・幼稚園(特別支援学校幼稚部含む)
・公立の認可外保育施設
・へき地保育所
・幼稚園併設型認可外保育施設
・認可外指導監督基準を満たす認可外保育施設(一部対象外)

3)上記の2条件を満たし、さらに大学にて以下の合計8単位を修得
・教職の意義及び教員の役割、教員の職務内容(2単位)
・教育に関する社会的、制度的又は経営的事項(2単位)
・教育課程の意義及び編成の方法(1単位)
・保育内容の指導法、教育の方法及び技術(2単位)
・幼児理解の理論及び方法(1単位)

以上の条件を満たした上で、各都道府県教育委員会における教職員検定を経て、都道府県教育委員会から幼稚園教諭免許状が授与されます。

◯資格・免許両方の保有者になるチャンス!
現在、保育士資格を保有していない場合、この特例制度終了まで(平成31年末予定)に、保育士試験で保育士資格を取得し、3年かつ4320時間以上の勤務経験を積み指定単位を取得すれば、 幼稚園教員資格認定試験を受験せずに、幼稚園教諭免許を取得することができます。


◆色々な意味で「広がる」

同じ子どもに関わる仕事とはいっても保育士と幼稚園教諭では大きな差があることがわかりました。
保育士としての幅を広げるためにも、幼稚園教諭としての幅を広げるためにも、また、活躍の場を広げるためにも両方の資格を持つことは良さそうですね。
特例制度などを、是非活用してみてくださいね。

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