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保育に関する補助金制度について知ろう

これから保育士を目指すみなさんは、保育に関する補助金制度についてご存知でしょうか。
保育園、幼稚園には様々な補助金制度があります。
どのような補助金制度があるのでしょうか。

保育に関する補助金制度について知ろう
保育士として働く上でこれらについても知っておきましょう。
今回は、保育に関する補助金制度についてご紹介します。

◆私立幼稚園就園奨励費補助金について

◯対象児童
市町村によっては、「私立幼稚園就園奨励費補助金」という制度があり、申請すれば年収や市民税などの額によって補助金が給付されます。
まず、対象児童のご紹介です。
横浜市では横浜市内に住民登録があること、実際に市内にお住まいであること、私学助成を受ける私立幼稚園に在園し、市内のお住まいから実際に通園していることを全て満たす方が対象です。
市外の幼稚園も含みます。
実際の居住地が異なる場合は対象外になります。
子ども・子育て支援新制度の施設型給付を受ける幼稚園・認定こども園に在園する場合は対象外です。

◯申し込み
私立幼稚園就園奨励費補助金の「申し込み」、「交付」は全て幼稚園を通じて行います。
6月に幼稚園を通じて申込書を配布し、12月頃に幼稚園を通じて私立幼稚園就園奨励費補助金を交付します。
年度途中に入園した場合は11月と1月に途中入園の方を対象とした追加の申し込みがあります。
それぞれ幼稚園から申込書が配布されるので、事前に幼稚園へお申し出ください。
3月頃に幼稚園を通じて私立幼稚園就園奨励費補助金を交付します。
私立幼稚園就園奨励費補助金については世帯全員(平成28年6月1日現在)の市民税額(平成28年度課税分)の合計及びきょうだいの状況により補助区分を決定します。
単身赴任・別居等住民票上世帯が異なる方、同居人の税額も含まれます。

◯市民税
私立幼稚園就園奨励費は市民税の額も参考に決められます。
市民税は、前年の所得等に係る税金で、 市民の方々に均等に負担いただく「均等割」と、所得に応じて負担いただく 「所得割」からなっています。
市民税に関する詳しい情報は、 税の知識、または各区役所税務課のホームページをご覧ください。
市民税額は次の資料により確認できます。
(1)サラリーマン等の給与所得者(平成28年度 市民税・県民税特別徴収税額通知書(納税義務者用)され、勤務先から6月頃に渡されます。
源泉徴収票ではありません)(2)事業所得者など(平成28年度 市民税・県民税税額決定納税通知書。
平成28年1月1日現在にお住まいの市区町村から6月中旬に郵送されます)(3)(1)と(2)いずれもお持ちでない方(平成28年度市民税・県民税課税(非課税)証明書。
平成28年1月1日現在にお住まいの市区町村から取り寄せることができます)また、住宅借入金等特別税額控除のある場合は、控除前の市民税額が補助区分の決定に適用されます。
   


◆病院内保育に対する補助金について

◯補助金給付の概要
・子どもをもつ医師や看護師、その他の医療現場従事者の離職防止、または再就職を促進するため、医療機関に従事する職員の乳幼児を保育する院内保育所の運営と施設設備に対する支援。

・病院内保育運営、施設設備補助については消費税財源を活用して創設された「地域医療介護総合確保基金」の中で、医療従事者の確保に関する事業として都道府県の基金事業が実施する。

・補助基準は都道府県が地域の実情にあわせて設定が可能である。
※都道府県によっては補助制度自体を設けていない場合もあります。

平成26年度より各都道府県の補助基準が設定できるようになりました。
いくつかの都道府県を例にあげて紹介しますので参考にしてください。

◯東京都の病院内保育
☆運営費補助
・対象経費
病院内保育事業を行うために必要な保育士等の人件費及び委託費。
正しい該当年度において原則12ヵ月運営する場合に限り補助対象となります。

・補助金額
補助金額={(ア×180,000円×12ヵ月)-イ}×ウ+エ
ア...定員
イ...保育料収入相当額
ウ...負担の能力指数による調整費
エ...加算項目による加算額

・24時間保育 23,410円×運営日数

・病児保育 187,560円×運営月数

・緊急一時保育 20,720×運営日数

・児童保育 10,670円×運営日数

・休日保育 11,630円×運営日数

・補助率
運営費必要経費の2/3(ただし都の予算内とする)

補助金額算定法で出た金額と補助率から算出した金額のどちらか低い方が給付額となる。

☆施設設備費補助
・対象経費
1病院内保育所を新たにかいせつするために行う新築・増改築に要する工事費及び工事請負費
2既存の病院内保育所の新築、増改築に要する工事及び工事請負費

・基準額
基準面積×1平方メートル当たりの単価
基準面積...定員×5平方メートル
1平方メートル当たりの単価
鉄筋...155,800円
ブロック...136,400円
木造...155,800円

◯群馬県の病院内保育
☆運営費補助
・対象経費
病院内保育の実施に伴う保育士等の人件費
(保育所運営を委託している場合は委託料のうちの人件費に該当する費用)

・補助金額
補助金額={(ア-イ)×ウ+エ}×オ

ア:基本額
A型特例...1人×180,800円×運営月数
A型...2人×180,800円×運営月数
B型...4人×180,800円×運営月数
B型特例...6人×180,800円×運営月数
C型...2人×177,090円×運営月数

イ:控除額
A型特例...0~288,000円
A・C型...0~1,152,000円
B型...0~2,880,000円
B型特例...0~5,184,000円

ウ:調整額
負担能力指数→5未満...1.0 5以上20未満...0.8 20以上...0.6

エ:加算額
24時間保育...28,410円×運営日数
病児保育...187,500円×運営月数
児童保育...10,670×運営日数
休日保育...11,630×運営日数

オ:補助率
民間施設...2/3
公的施設...3/5
自治体施設...1/2
C型...1/3

◯山梨県の病院内保育
☆運営費補助
・補助対象施設
病院または診療所の開設者が設置運営する病院内保育所
※ただし、都道府県労働局が行う「事業所内保育施設設置・運営等支援金」と重複して補助を受けることはできません。

・補助要件
原則12ヵ月運営していて、保育料として1人当たり月額10,000円以上徴収していること。

・補助金額
補助金額={(ア-イ)×ウ}+エ

ア:基準額
A型...2人×162,720円×運営日数
B型...4人×162,720円×運営日数
B型特例...6人×162,720円×運営日数
C型...1人×162,720円×運営日数

イ:保育料収入相当額
1人当たり24,000円×保育日数

ウ:調整費
前々年度の病院決算における剰余きんとうにより算出
(0.6 0.8 1.0の3段階)

エ:加算額
24時間保育...21,069円×運営日数
病児保育...168,804円×運営月数
緊張一時保育...18,642円×運営日数
児童保育...9,603円×運営日数
休日保育...10,467円×運営日数

ここに載せたのは一部分になります。
どの都道府県も計算方法はほぼ同じですが、それぞれの項目の単価に差があります。

基本的に運営費補助と施設設備費補助は別々の給付になります。
都道府県によってはどちらかのみの給付というところあるため確認してください。

◆補助金の割合は?認可保育園の運営費について

◯認可保育園の運営費
国、都道府県、市区町村の補助金及び利用者が支払う保育料によって賄われています。
地域ごと、園ごとに異なりますが、補助金が運営費の90%、保育料が概ね10%ほどを占めています。

保育園は在園している児童数によって「補助金」を請求することができ、公立では4月の児童数、私立は毎月初日の児童数で補助金の額が決定されます。
児童一人当たりの補助金単価は「児童の年齢」「園の定員数」「職員の平均勤続年数」によって変化します。
単価は概ね半年に一度見直しが行われています。

◯認可保育園の運営費の計算例
認可保育園の運営費を東京都の保育園を例にして考えてみます。
職員の平均勤続年数10年以上の園の場合、国・都・区の補助金の合計額は次のとおりです(園児1人当たり、単位=円)。
0歳児(208,100)、1歳児(140,750)、2歳児(125,290)、3歳児(69,250)、4歳児(61,730)、5歳児(61,780)。
この単価に人数を乗じれば、補助金の総額が算出できます。
例えば、0歳児10名、1歳児15名、2歳児16名、3歳児16名、4歳児17名、5歳児17名、合計定員91名の園の場合、補助金月額は約940万円、年間にすると概ね1億円超となります。
この補助金が運営費の9割ですので、残りの1割(1000万円強)の運営費は保護者が負担する保育料で賄われています。

◯認可保育園の運営費の配分
それでは認可保育園はこの運営費を何に費やしているのでしょうか。
これも地域や園によって差があるでしょうが、認可保育園の場合、経費の8割は人件費に割かれています。
第三者評価などでは、85%を超えていると「人件費過多」、70%を下回っていると「人件費過少」とみなされ、指導を受けることになります。
人件費過多の場合は、設備の更新を怠っている可能性がありますし、人件費過少の場合は、保育士の質低下を招いている可能性がありますので、注意が必要です。
認可保育園は決算書を公開していますので、園を選択する際に「人件費率」に着目するのも良いかもしれません。

◯運営難の保育園が出てくる理由
上記例の場合、平均年齢35歳の正規の保育士11人を一人750万円(年収500万+園負担の付加給付250万)で雇い、契約保育士2人を一人450万円(年収300万+園負担の付加給付150万)で雇い、パート保育士を一人時給1000円*6時間、週5日野党と年156万円なので3人雇うと、保育士数は16人になり、ゆとりのある保育が実現します。
これで運営費の8割を使い尽くすことになりますので、余った2割から看護師、調理師、事務員、嘱託医、用務員、栄養士、園長の取り分を工面することになります。
保育士の平均年齢が35歳でしたのでなんとかなりましたが、勤続年数の長い高齢の保育士を大量に抱えている園や、俸給表の見直しを行わず年功序列で保育士賃金がうなぎ登りに上昇する園は当然のことながら人件費過多で運営難に陥ります。
昔は国等からの補助金が現在の倍ほどありましたので、年収800万円の保育士を雇うこともできたかもしれません。
しかし、補助金が削られ続けている今、高齢の保育士を大量に抱える園の経営はますます苦しくなるばかりです。
ベテラン保育士がたくさん所在する園は保護者の立場からすると安心かもしれませんが、保育園の運営面を考え合わせると悩ましい問題です。

◆より良い運営ができるように

保育に関する補助金制度について分かって頂けましたか? 幼稚園、病院内保育、認可保育園の補助金制度についてご紹介しました。
それぞれ補助金制度が違うので間違えて覚えないようにしましょう。
また、補助金が削られている今、運営難の保育園が出てきてしまうという問題に対して、これから考えていかなければなりません。
より良い運営ができるように、一つ一つ問題点を解決させていきたいところです。