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自治体が運営!「公立保育園」とは

保育園には公立保育園と私立保育園があります。
みなさんの中には地方公務員である公立保育園で働きたいと希望している方も多数いると思います。

自治体が運営!「公立保育園」とは
しかし、実際、公立保育園について詳しくご存知でしょうか?今回は公立保育園についてご紹介します。
これから保育士を目指すみなさん、公立保育園について学びましょう。


◆公立保育園とは

◯公立保育園の運営は?
公立保育園は、市区町村の自治体が運営しています。
私立保育園は、社会福祉法人が運営していることが多く、比較的新しい私立保育園はNPO法人や学校法人、企業など、様々な団体が運営を行っています。

◯公立保育園の保育内容は?
公立保育園・私立保育園とも主な仕事内容は同じです。
子どもたちと遊び、教育し、無事に保護者のもとへ返すことが1日の主な業務内容となります。
運動会やお遊戯会など季節の行事もあり、その準備やクラス便り・園便りの作成といった直接子どもと接する以外の仕事もあります。
公立保育園の場合は、自治体によって運営方針が定められているため、保育の質は比較的統一されています。
ただ保育士がやりたい企画等を提案しても、その自治体の管轄エリア全ての保育園で行えない企画であれば、採用されない場合が高いともいわれています。

◯3~6年で移動がある
私立保育園と異なり、公立保育園には異動があり、3~6年で他の保育園へ転勤を命じられます。
例えば、0歳時から入園した子が卒園するまで留まることはできないということになります。
保育園や園の子どもたちにも慣れたころ、異動になるのは寂しく感じるかもしれませんね。

◯地方公務員の資格を取得する必要がある
公立保育園の保育士は、地方公務員になるため、保育士の資格の他に、公務員試験をパスして地方公務員の資格を取得しなければなりません。
地方公務員試験はそれぞれの自治体によって受験資格や受験日、受験内容が決められているので、該当する自治体のホームページや電話での問い合わせなどで、あらかじめ確かめておく必要があります。
一般的には受験資格として「保育士の資格を有する者及び翌年3月までに資格取得見込みの者」となっており、加えて年齢制限を設けている場合が多いようです。

◯試験に合格しても、公立保育園で働ける保証がない
公立保育園で働くということは、私立保育園で働く場合と違って様々な求人の探し方があるというわけではありません。
まず、地方公務員の資格を取り、その自治体の採用試験に合格しなければなりません。
合格すれば採用候補者登録名簿に登録してもらうことができますが、登録されても実際に公立保育園で働けるとは限りません。
保育施設から保育士の採用のオファーがあった場合、就職となります。
ただ就職先も保育園とは限らず、児童福祉施設など、その自治体が管轄している施設のうちのどれかということになります。
「どうしても保育園で働きたい!」というのであれば、まず該当する自治体で保育園勤務の保育士を採用する枠があるかどうかを問い合わせておく必要があるでしょう。


◆民営化が進む「公立保育園」の運営状況

◯公立保育園の民営化とは?
公立保育所を廃止し、その保育所の設置運営主体を市町村から民間事業者へと変えることです。
設置主体を行政のまま、運営を社会福祉法人や企業が行うことを「委託」、社会福祉法人や企業が設置主体となり、全て民間化することが「移管」です。

◯公立保育園を民営化する理由は?
公立保育園の民営化を進める理由は、近年の社会問題である待機児童の削減や、多様化する保育ニーズへの対応、運営費の削減などがあげられます。
公立保育士を減らし、民間に委託することで人件費を削減でき、延長保育や休日保育などにも柔軟に対応できるようすることで、多様化する保育ニーズにも対応できる、というようなメリットがあります。

◯公立保育園を民営化する行政側の事情
公立保育園の運営民営化には、行政側の財政の事情も無視できません。
行政側では、働く母親が増え、保育所の需要は高まったのに、財政難のため自治体は保育所を作れず、待機児童が増えているという問題を抱えています。
さらに少子化で「将来利用者が減りそうな施設」を作りにくいという事情もあり、民間へ移管することで、安価に増やすことができ、子どもが減った時は、その保育園が廃園になるだけで済むため、行政側がリスクを回避できるというメリットがあります。

◯民営化によって変わることは?
<メリット>
・早朝保育、乳児保育、延長保育、休日保育をはじめとした保護者のニーズに対するサービスの向上
・市町村の運営費の負担軽減
・保育所の数や受入児童数を増やすことができる
・公務員定数を抑えることができる

<デメリット>
・制服・備品・教材費の購入など、保護者の保育料以外の経済的負担が増加する可能性がある。
・公務員の保育士・職員は基本的に全員入れ替え。
臨時職員などは雇い止めとなる可能性がある。
・保育計画の再策定や保育士等の大幅な入れ替えで、保護者・子どもに負担がかかる可能性がある。
・子どもにとっては1人当たりの保育面積が減る可能性がある。

公立保育園の民営化により、保護者や職員と自治体との間でトラブルも発生しており、一部の自治体では訴訟にまで発展しています。
また、保育士にとっては、安定して保育士を続けやすい公立保育士の道が狭まることは残念でなりません。
これから保育士資格を取得する方にとっても、民営化の流れを受けて、本年度の保育士枠での採用を行わないといった状況の可能性も高まってしまいます。
社会情勢や自治体の財政難により、公立保育園の運営民営化の流れは避けられないものかもしれません。
しかし、保護者や子どもたちをはじめ保育士や職員への負担が最小限となるよう、行政は問題解決について最善を尽くして欲しいと願うばかりです。


◆公立保育園の保育スタイル

◯保育の質が統一されている
公立保育園は、自治体によって運営方針が定められているため、保育の質は比較的統一されています。
保育士も公務員なので、私立と比べると勤続年数の長いベテランがそろっています。
また、専門職としての研修や勉強のチャンスに恵まれているのも公務員の保育士ならではの特徴です。

◯ゆとりを持って子どもと向き合える保育環境
私立保育園の場合、経営のために園児を集める必要があるので、他園と差別化するために、独自の特徴を生かした教育や、保育スタイルを導入しているところが多いでしょう。
公立保育園は、そのような必要がないため、保育士にもプラスアルファの能力が求められるということはありません。
そのため、のんびりとゆとりを持って子どもたちと向き合うことができます。
延長保育も少なめなので、時間的な余裕があるのも公立保育園の特徴です。

◯その他、公立保育園ならではの特徴
ベテランの保育士が多くいるため、ゆとりのある保育ができるというメリットはありますが、早朝保育、乳児保育、延長保育、休日保育をはじめとした保護者のニーズに対するサービスの実施率は低くなります。
また、保育士は同じ市区町村の保育園の間で、3~6年ごとに人事異動があるため、例えば、0歳時から入園した子が卒園するまで留まることはできないということになります。
保育園や園の子どもたちにも慣れたころ、異動になるのは寂しく感じるかもしれませんね。

◯公立でも中身は私立の公設民営保育園
認可保育園の中には、運営を民間に委託している公設民営の保育園もあります。
公設民営園の場合は、公立では対応できない保育スタイルを取り入れているところが多いというメリットがありますが、働いている人は公務員ではなく、比較的若い保育士が多いようです。
また、公設民営保育園には、運営委託の契約期間があり、もし別の民間に委託が変わる場合、新しい事業者の職員に入れ替わってしまいます。
保育士ももちろん変わってしまうため、子どもたちが戸惑うこともありますが、民間にはレベルの高いところもあるので、そのような事業者が引き継ぐことで、保育士の質が良くなったというケースもあるようです。


◆メリットもデメリットもある

いかがでしたでしょうか。
地方公務員である公立保育園だからメリットがたくさんあるように感じますが、もちろんデメリットと感じることもあります。
また、デメリットでもあり、メリットでもあると感じることもあります。
私立保育園とは違い、異動があり、慣れた保育園を異動することは寂しいことです。
しかし、保育の質はどこの公立保育園も変わりはないので、異動しても保育がやりにくくなることはありません。
試験に合格し、実際に公立保育園で働き始めた時に戸惑わないためにも公立保育園について理解した上で、試験を受けましょう。