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残業少なめ?「公立保育園」での勤務時間

実習などの現場で、実際に働いている保育士さんから、勤務時間の長さ、特に残業の多さに大変さを感じていると聞いたことはありますか?

残業少なめ?「公立保育園」での勤務時間
これから保育士を目指す皆さんにとって、保育園での勤務時間も気になるポイントだと思います。
実はこの勤務時間や残業、公立保育園と民間保育園では違いがあることが多いそうです。
そこで、今回は公立保育園の勤務体制や残業などについてご紹介します。


◆公立保育園について

◯公立保育園の概要
公立保育園の勤務時間は、8時から20時くらいまでが目安です。
私立保育園の場合、設置主体によっては開園時間が長く、残業が発生することもありますが、公立保育園は相対的に勤務時間については管理が行き届いているので、緊急を要する場合以外、基本的にサービス残業はないとされています。
また、公立保育園の保育士は、公務員になりますので、待遇は地方公務員となります。
有給休暇などの福利厚生も整備されています。

◯実働時間
保育士の実働時間は、私立保育園・公立保育園の両方の平均で、週40時間~50時間未満が全体の61.0%を占めています(全国保育協議会調べ、以下同様)。
1日に換算すると、8~10時間です。
週50時間~60時間未満の労働時間の保育園は、私立保育園の場合45.6%であるのに対して、公立保育園は22.8%です。
公立保育園のほとんど(71.1%)は週40時間~50時間未満の労働時間です。
ただし、統計には現れてこない労働時間があることに注意が必要です。
運動会や発表会の準備や、保育園だよりの作成、保育計画書など子どもがいない環境(保育時間以外)で行わなければならない作業が膨大にあり、持ち帰って仕事をする人が少なくありません。

◯シフト
一般的な公立保育園の保育士のシフトは、早番(7時~15時)、中番(9時~17時)、遅番(10時半~子どもが帰るまで)となっています。
正社員の担任保育士はクラスの活動の中核を担っていますので、中番勤務がほとんどです。


◆勤務時間、勤務体制などについて

◯公立保育園の勤務時間は?
公立保育園で働く保育士は公務員になるので1日の勤務時間は8時間になります。
子どもを預ける保護者のニーズに応えるために、公立保育園でも積極的に延長保育を行うようになってきています。
その保育時間に対応するために、保育士の勤務は8時間をベースにシフト制になっています。

公立保育園での一般的な勤務時間は

早番→7:00~16:00
中番→8:30~17:30
遅番→10:00~19:00

と言った感じです。
預ける保護者のニーズに応じて保育時間を延長する公立保育園も多くなってきています。
そのため、それに合わせて保育士の勤務体制も変わってきます。
保育時間の延長により、朝早い時間や、夕方遅くの時間を正職員だけで回すのは厳しい園もあります。
正職員だけで対応しきれない部分はパート職員にお願いする園も増えています。

◯土曜出勤
サービス業を中心に土曜日も勤務する親御さんが多数存在することや、運動会を始めとする行事が土曜日に行われることが多いため、必然的に土曜出勤が発生します。
とはいえ、労働日がその分だけ単純に増えるということではなく、代休として平日を休日にすることができます。
土曜保育については高コストになってしまうため、自治体によっては土曜保育を実施する保育園を指定しています。

◯土曜日の勤務体制
土曜日預かりのニーズも高くなり、公立保育園でも土曜日保育を行う園が増えつつあります。
保育時間は各市区町村によって異なり、半日だけのところや平日と変わらず夕方まで預かる園と様々です。
それに伴い、保育士の勤務時間も変わってきます。
土曜日は平日に比べて子どもの人数は少ないところが多いので、出勤はローテーションにて行う園が多いです。
公立保育園の保育士は公務員なので、基本的週休2日制です。
土曜日に出勤した分は平日のどこかで代休が入る形になります。


◆公立保育園は残業少なめ?

◯気になる残業の実態
保育士は子ども達の保育をするかたわら、連絡帳などへの1日の記録や、月ごとの保育内容を計画する月案、週ごとの保育内容を計画する週案、更に日案など、事務作業も実は多いですよね。
小さな子ども達の中でトラブル対応に追われる日も多く、通常業務をこなすのも一苦労、という日もあります。
ですが、更にそれらの通常業務に加えて、民間の保育園の場合は、長時間の早朝保育や延長保育、大規模な行事、特別教育など、保育サービスが公立保育園と比べて充実していることが多く、保育士の業務が多岐にわたる保育園も多いようです。
もちろん、待遇面の良い民間保育園も多数存在しますが、そうでない民間保育園の場合、充実した保育サービスゆえに、持ち帰りの仕事やサービス残業をしいられ、長時間労働に悩まされている保育士もいるようです。

◯残業の実態
保育士の平均残業時間は私立保育園・公立保育園の両方平均で、1ヶ月4時間です(平成26年厚生労働省 賃金構造基本調査より)。
しかし、これは残業代が支払われる正規の「残業」であり、サービス残業は含まれません。
サービス残業を含めると40時間~60時間ほどの残業が実態のようです。

◯公立保育園は比較的残業が少なめ
もちろん民間保育園の中にも、待遇面が良くて残業が少ない園もありますし、残業の必要のないパートや派遣などの臨時職員という働き方もあります。
ですが、そのような園を探すことが難しい場合、公立保育園への就職・再就職を希望する人も多いようです。
公立保育園は、民間保育園に比べると、保育サービスが限定されているため、比較的ゆったり働けるようです。
保育士の数も国の基準に合わせてしっかり確保されているので、保育士不足による残業も少ないと思われます。
ベテランの保育士も多いので、作業効率も良さそうですよね。
また、公立保育園で働く保育士は公務員という位置づけになるため、残業も少ないことが見込まれます。
結婚・出産後も働き続けやすい環境と言われることも多く、出来るだけ残業を避けたい環境の人は、まずは比較的残業が少ないと言われている公立保育園の求人を探すこともあるようです。


◆多少の残業は仕方がない

公立保育園での勤務時間は週休2日制の1日8時間ですが、実際にはそれ以上の勤務になっていることは否めません。
それは、保育士の仕事が子どもを見ているだけではないからです。
割に合わない仕事だ、と感じる人もいるかもしれませんが、それは保育士に限ったことではないことを理解しましょう。
一般の企業でも自分自身の時間を使って仕事をして、ベースとなる勤務時間を超過してしまっていることも多いです。
その点、公立保育園の保育士は公務員なので、他の職種や私立保育園に比べると勤務時間に対する基盤はしっかりと決められているため、働きやすいと言えます。
これらを理解して就職先を探しましょう。


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